終焉



 ついに鉄甲龍は、この世を冥府と化す最終計画を発動。地のディノディロス、山のバーストンが大規模な日本破壊を開始する。さらに、国際電脳のネットワークを自爆させ、一気に世界を滅ぼそうとする幽羅帝。しかし、ルラーンにその言葉は本心からのものか!?と問われ言葉を失う。「滅びを望んでいるのは、本当の私ではないというように・・・」自分の中いるもう一人の自分に気づき始めた幽羅帝。
 一方、日本がこれほど被害を受けているのに、ゼオライマーは出撃していなかった。沖に失望した日本政府の大臣は、米軍第七艦隊に救援を求める。だが、そのへ塞臥の操る雷のオムザックが現れ、艦隊は一撃のもとに消滅させられてしまう。
 ラストガーディアンでは、美久がマサトに出撃するように頼む。しかし、それを拒否するマサト。「ゼオライマーを奪ったのは、単に保険をかけたにすぎん。・・・俺が冥王になるための・・・保険だ!」マサトは無理矢理、美久にキスをする。

 日本破壊を続けるロクフェルと祗鎗。そこへ現れた塞臥が、ゼオライマー破壊のため富士へ向かうことを提案する。ロクフェルは幽羅帝の命令を無視したこの提案になぜか同意。「お前が行くと言うのであれば・・・」祗鎗もまた富士に向かう。
 ラストガーディアンでは、マサトが美久に冥王計画の真相を語っていた。木原マサキは世界を征するのは日本政府か鉄甲龍だと計算し、その両方に自分自身のクローンを送り込んでいたのだ。「この俺自身が二人、世界を賭けて戦う!これ以上のゲームがあるか!!」狂喜するマサト。だが、マサトは突如襲ってきた頭痛に呻きだした。マサキに人格を乗っ取られていたマサトを危険だと感じた沖は、マサトに銃を突き付ける。「また俺を殺すのか・・・?沖!」マサトの言葉に沖は、木原マサキを殺害した自分の過去を思い出す。そして、美久が木原マサキによって造られたアンドロイドだということも・・・。

 富士に到着した祗鎗達が、ラストガーディアンに攻撃を開始した。出撃するマサト。そこへ何故か塞臥から通信が入った。塞臥はマサトと手を組み世界征服を企んでいたのだ。裏切り者の塞臥にバーストンが核弾頭ミサイルの狙いをつける。だが、その時ロクフェルが塞臥をかばい立ちふさがった。「やめろ―――っ!」頭痛に悩まされながらもマサトは叫ぶ。マサキは、塞臥達が同じ受精卵から造られたクローンであること、そしてそれを創造したのは自分なのだと告げる。
 しかし、ロクフェルはそのことを知っていた。「この恋心だけは否定させない」と絶叫しつつゼオライマーに突進し、散っていく。激怒した祗鎗と塞臥がゼオライマーに攻撃を仕掛ける。その時マサトのマサトの中では、マサキと消えたはずのマサトの意識がシンクロする。が、時既に遅く、ゼオライマーのメイオウ攻撃でオムザックとバーストンは消滅してしまった。

 ゼオライマーの格納庫で、マサトは美久に語る。マサトはゼオライマーに乗ることにより、木原マサキの人格を目覚めさせ、マサキそのものになるはずだった。しかし、15年間平凡な少年として生きてきた秋津マサトの人格を消し去ることは出来なかったのだ。マサキでもマサトでもない自分。「僕は・・・誰だ?」
 一方鉄甲龍では、ルラーンが幽羅帝に真相を話していた。自分が木原マサトの分身であることを知り、苦悩する幽羅帝。そして、マサトを憎みつつも幽羅帝を愛してしまったルラーンは、その思いを胸に秘めたまま、銃を自分のこめかみに当てた・・・。
 ラストガーディアンでのマサトの元に、幽羅帝から通信が入った。「これから世界を破滅させるスイッチを入れる。もし止められるならば来るがいい」幽羅帝の言葉にマサトは決意する。「連れていって下さい」マサトに哀願する美久。
 朝日を浴びたゼオライマーが、沖達に見送られながら最後の戦いに向け発進する。一人の男によって引き起こされた、悲劇を終わらせるために・・・。

 世界の破壊を直前にして、静かに佇む鉄甲龍要塞。要塞に侵入し、幽羅帝の前に飛来するゼオライマー。マサトと幽羅帝。木原マサトの遺伝子によってこの世に生まれた二人が、静かに見つめ合う。
 そして、全てを受け入れたように、安堵の表情を浮かべる幽羅帝。ゼオライマーのメイオウ攻撃の光が、鉄甲龍を・・・幽羅帝を包み込む。世界を震撼させる光が、木原マサキの野望の終わりを告げた―――。そして、冥王計画が終わる―――。

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