信号系のアース線の注意

図5は,信号系と電源系のアースです。



信号系の青色のアース母線は図でははわかりやすいように曲げて書いてみましたが,実際は直線で張っていただいてけっこうです。

カソードコンデンサーの極性に注意してください。アース母線側がコンデンサーのマイナス側になります。
電源系のアース母線のうち,電源トランスに接続するピンクの部分は,ACコードでの配線になります。
信号系のアース母線とSTU-001の接続もACコードです。
845のカソード抵抗とアース母線との接続は,抵抗が大きいので,アース母線に直接ハンダづけするのではなく,ACコードで接続してもけっこうです。
信号系のアース母線はシャーシと設置する端に圧着端子をつけてください。

スピーカー端子のマイナス側にアース母線の終端がつきます。スピーカー端子の形状によっては,こちらも圧着端子を使った方が便利です。
スピーカー端子へネジどめする前に,アウトプットトランス2次側からの0Ωの線をハンダ付けしてください。ネジどめした後では,熱が端子とアース母線に逃げてしまい,ハンダ付けがしにくくなります。アウトプットトランス2次側からの線の先にも圧着端子を使用するという方法もあります。

電源系アース母線ですが,4個のオイルコンデンサーのマイナス側と電源トランスの止めネジをアース母線で結ぶとなると,,ドライバーの845近くのオイルコンデンサー(デカップリングコンデンサー)へ行く途中にホーローやSTU-5Kが有り,工作がしづらいと考えました。
そこで,太いアース母線の使用をやめ,各オイルコンデンサーの端子から電源トランス止めネジまでの配線をACコード配線しました。
コードの先には圧着端子を付けて,電源トランスの止めネジでシャーシにアースします。

500Vくらいのアンプならたいした差は出ないかも知れませんが,1000Vくらいになると,このアース側のハンダ付けがものすごくアンプの出来を左右します。
0V(アース)が確保されての1000Vです。アース側のハンダ付けが不完全ですと,1000Vがふらついてしまし,そのふらつきがノイズの原因になります。なまじ太いアース母線を張り巡らせて,ハンダ付けを難しくするより,確実にACコードをハンダ付けして,アースを確保するほうが,よいかもしれません。

さて,デカップリングコンデンサーからの配線は大きく迂回しています。アース側の配線は,プラス側の配線(プレートへの配線)に沿うように(近づけて)コードを引き回してください。ですので,デカップリングコンデンサーからのアースはオイルコンデンサーの端子から電源トランスの止めネジへ最短距離で配線するのではなく,プラス側がとおってきたA4004を経由して引き回しています。
やはり端には圧着端子をつけてください。


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