第11講 Pia☆キャロットへようこそ!!2
〜ビデオゲームは芸術となるのか〜
98/05/31開講
1、ハイクオリティ恋愛ゲーム時代へ
恋愛ゲームの老舗F&C渾身の作品。同じF&Cでも、キャラクタが皆(一般向けに)魅力的でシステムもベーシックなため、バーチャコールシリーズに比べて一般受けするPia☆キャロシリーズの2作目。全般に渡って前作よりはるかにレベルアップしています。
「Pia☆キャロットへようこそ!!2」(以下Pia2)は、全てにおいてバランスのとれた良作とされることが多いような気がするのですが、果たしてそうなのでしょうか。もちろん、PCゲームにおいてネックとなりやすい音声を初めとして恋愛ゲームが押さえるべき要素を皆かなり高い水準でクリアしているのは確かですけど。筆者にはむしろ、バランスがとれているというよりグラフィックが突出していてバランスが崩れているという印象さえ受けてしまいます。(笑)
流行の絵柄であるということもありますが(というよりPia☆キャロを初めとするF&Cがその流行を作ったとも言う……)、人気・実力ともに第一人者の御三方の原画の競演に加え、CGのトッププロ集団であるF&Cスタッフによる緻密な仕事によって生まれたグラフィックは他の追従を許していません。恋愛ゲーム消費時代ということを常々主張していますが、このゲームのグラフィックの一枚絵としての完成度の高さは消費するには惜しい、いや、消費しきれないと言ってもいいのではないでしょうか。
ビデオゲームは決して高尚な文化ではないかもしれません。しかし、もし、ビデオゲームの中に使われていなければ、また別の形になっていたかもしれない、そこまで思わせるPia2のグラフィックはハイクオリティ恋愛ゲーム時代の到来を予感させるものでした。
2、敢えて挙げるとすれば…
全ての要素がソツなくまとまっているためにケチをつけにくい(笑)のがこのシリーズなのですが。
敢えて挙げるとすれば前作同様シナリオの厚みに欠けるということですね。シナリオに起伏がつけられて改善されてはいますが、特に主役級以外のキャラクタにおいてやはりあっさりし過ぎていて印象が薄くなってしまっているのが残念です。
いくらグラフィックを初めとした全体的なレベルが高くても、シナリオのボリュームに欠けると場合によって「小ぶりのゲーム」というイメージを与えてしまいかねないですから、非常にもったいないです。
特徴であるユニフォームセレクトシステムが必要リプレイ回数を増やしてしまいます(笑)が、同じ事を機械的に繰り返させるのも問題です。1人のキャラクタでも進め方次第で複数の展開がある(グラフィックは使い回しでもいいですが)、といった工夫を(大変ですけど)次回作には盛り込んで欲しい所です。基本すら出来ていない駄目恋愛ゲームなんて放って置いていいのです。(笑)基本的なことはもう押さえられているので更に次の段階が望める、それだけの期待を背負える出来だったと言えるでしょう。
3、ちょっと主観的な評価
※注:★は5個が最高。1個が最低。
原画 | ★★★★★ |
CG | ★★★★★ |
シナリオ | ★★★ |
キャラ | ★★★★ |
システム | ★★★★ |
操作性 | ★★★★ |
BGM | ★★★★ |
ゲーム性 | ★★ |
え○ち度(笑) | ★★ |
|
どきどき | ★★★ |
せつなさ | ★★★ |
恋愛ゲームと しての完成度 | 85点 |
4、キャラクタ各論
ラグナを参照して下さい。m(__)m
5、キャラクタの分布
| 活発 | ← | | → | 大人しい |
お姉さま系 | 皆瀬葵 | | | | 山名春恵 双葉涼子 |
↑ | | 木ノ下留美 | | | |
| | 日野森あずさ 篠原美樹子 | 神楽坂潤 | 縁早苗 | |
↓ | 榎本つかさ | | | | |
子供・ロリ系 | | | 日野森美奈 | | |
キャラがツボを押さえているのに加えて奇麗なグラフィックはもちろんですが、声優さんの名演技も重要なポイントですね(でもえ○ちシーンはもっと頑張ってね(爆笑))。
6、Pia☆キャロットへようこそ!!2の恋の「カタチ」
会話を重ねて親しくなるとともにクリティカルな選択を迫る(好感度育成+会話の選択肢によるフラグ立て)基本形。基本と言っても本来Pia☆キャロシリーズで確立したとも言えますが。
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