第12講 みつめてナイト

〜新・標準〜
98/06/22開講

1、「ときめきメモリアル」を継ぐもの

「みつめてナイト」はコナミがレッドカンパニーと共同で開発し、多くの亜流が生まれる中で「ときめきメモリアル」シリーズを継ぐ正統なる後継者として投入した育成シミュレーションゲームです。

「みつめてナイト」をプレイした人は誰しも第一印象として『「ときめきメモリアル」と何も変わらないじゃん』と思うことでしょう。実際、舞台を中世欧州風に移しただけで(しかもキャラクタは現代的…)、ゲームシステム上は全く同じですから、『あれから3年も経ったのに全然進歩してないなぁ』と感じてしまうのも無理のないことですし、寂しさを感じこそすれ、到底感心できることではありません。

しかし、見方を変えれば遊びやすさはそのままに、前作の不満点を解消した、ということもできます。「ときめきメモリアルversion1.5」と言われるこの作品の0.5分は間違いなくシナリオ面の強化でしょう。前作ではぶつ切りのイベントがかろうじて存在しているだけで、はっきり言って全くシナリオというものがありませんでしたから、ユーザの想像力に依存する部分が大きい部分がありました。その点、この作品ではバックボーンとなるシナリオを導入することで、感情移入が遙かにしやすくなっています。「泣かせ方を知っている」というのでしょうか(^^;)「みつめてナイト」の噛めば噛むほど味が出る面白さ、じわじわと広がる人気はシナリオの出来の以外の何ものでもないでしょう。

その他登場させるキャラクタを選択できたり、いわゆる爆弾処理を余り気にしなくても良くなったのも好き嫌いの激しいユーザには嬉しいことです。(笑)

2、新しい古典

こうして「ときめきメモリアル」が抱える問題への答えとして提案された「みつめてナイト」は、完璧とは言わないまでも、前作を置き換えることに成功したと言えるのではないでしょうか。すなわち、恋愛ゲームの古典として「ときめきメモリアル」「同級生2」を挙げて来た今までから、本作品を新しい標準と呼んでも良いのではないか、ということです(ただし「同級生2」の方は未だにそのままですが)。

ただし、「ときめきメモリアル」を置き換えたからと言って必ずしもをそれを内包する、あるいは越えられたとは言い切れないのが弱い所でしょうか。

難易度的に高くなり過ぎたというのは重大な問題です。キャラクタによっては攻略本なしでは困難な場合すらあります。恋愛ゲームを振られるためにプレイする人なんてほとんどいないのですから(笑)、さすがに何度もバッドエンディングを見せられては萎えてしまうでしょう。かと言って一本道な紙芝居でも駄目なのは当たり前ですが。恋愛ゲームの適切な難易度というのは「適度な選択を迫ることによってユーザがストーリーに参加しているような錯覚を与えつつ(笑)なおかつ結果としてクリアできている」ということなのです。

また、相変わらずプロモーションが重要ということを本当に分かっているのか怪しいのも頂けません。あの広告見て、買いたいと思う人はいないでしょう?(笑)プロモーションもゲームの一部なのですし、中身の出来が良かったとしてもそれで外していては勿体ないです。もう少し某ゲームを見習うべきですね。(笑)(もちろん内容は見習わなくて良いですけど。(笑))

それにしても、「ときめきメモリアル2」「みつめてナイト」を遙かに越えるものを作らなければならない訳ですから大変ですね(っていうか、いい加減このゲームシステム捨てない?(笑))。いやはや、ご苦労様です。

3、ちょっと主観的な評価

※注:★は5個が最高。1個が最低。
原画★★★
CG★★★★
シナリオ★★★★
キャラ★★★★
システム★★★
操作性★★★
BGM★★★★
ゲーム性★★★★★
え○ち度(笑)
どきどき★★★★
せつなさ★★★★
恋愛ゲームと
しての完成度
80点

4、キャラクタ各論

ラグナを参照して下さい。m(__)m

5、キャラクタの分布

 活発    ←         →  大人しい
お姉さま系 リンダノエルクレア
  ↑  ジーンレズリースーテディーセーラ
ハンナライズ
メネシス
  ↓  キャロルプリシラソフィアアン
子供・ロリ系ロリィ

16人もいるのはなかなか珍しいですね。これだけたくさんいてもキャラクタイメージがダブったりしないのはさすがです。

6、みつめてナイトの恋の「カタチ」

基本的には前作を継承した上でクリティカルな選択を付け加えた標準的な混在型。しかしキャラクタによって「シナリオ依存」「パラメータ依存」「両方必要」と条件がバラバラで分かりにくくなっています。主人公は中世欧州風のいわゆる「騎士」(実際は東洋人傭兵ですが)であるはずなのにその恋が全然騎士っぽくないのは気のせいですよね?(笑)


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