PS2 Linux Kitを非対応モニタで使おう!


Sync on Green非対応モニタでPS2Linux Kitの画面を拝むことができました
でもまだ問題点はあります。詳細は以下をご覧ください。


最新情報
お詫び
一時受注を受けておりました以下の自作ユニットですが、私の処理能力をはるかに上回るご反響をいただいてしまいまして、事実上私自身が自滅するという大変お粗末な末路をたどることになってしまいました。今後は受注形態をとらずにYahoo!オークションなどで定額出品するなど、自分の製造能力を上回らない方法で対応していきたいと思います。ご期待にそえなかった方々には深くお詫びを申し上げます。

2001.08.19 緑信号の除去について

本HPをごらんいただいている方から質問がありましたが、当方の実験ではまだ緑信号から同期成分を分離して同期出力を出すことはできても、緑信号から不要なコンポジット同期を除去することには成功しておりません。結果、下記にもありますがモニタの入力回路によっては画面が緑がかる症状が出ております。具体的に実験した回路はLM1881Nで同期分離したあと、緑信号をダイオードで検波して負成分である同期信号をカットし、残った部分を2267Dで増幅してもとのレベルに戻すというものです。たしかに緑がかりは取れるのですが、高解像度時に色ダレやゴーストが出てしまい、伝送線路として不平衡になってしまっているのか、それとも回路の周波数特性が悪いのかまだ検証できておりません。もし、電圧降下ゼロで高周波特性に優れた検波方法をご存知の方いらっしゃいましたら、是非情報お願いいたします。オペアンプ使ってできそうなんですが・・・
またモニタによってはこの緑がかりをキャンセルできる機能があるようですので、モニタの設定画面でRGB信号のCLAMPレベルを変更できる場合は、その設定をいじってみてください。この設定を変更しても、おそらくPCからのVGA映像の色が変わることは無いと思われます。緑がかりがキャンセルできれば成功です。
2001.07.24 SoG同期分離回路にさらに新バリエーション

今度はケーブルタイプでNTSC映像出力と音声出力、VGA出力が取り出せます。いわばPS2 Linux Kitユーザ用のAVマルチアウトケーブルです。PCモニタとTVがあれば2台にそれぞれ出力可能です。VIDEO OUT時はNTSC映像端子に、VGA出力中はVGARGB端子に出力でき、ゲームとLinuxを両方利用する際に非常に便利です。このケーブルのNTSC映像出力にアップスキャンコンバータを繋いでおけば、1台のPCモニタでゲームとLinuxの両方が利用できるようにしたものです。

2001.07.19 SoG同期分離回路に新バリエーション

新バリエーションという表現もおかしいんですが、下の同期分離BOXは製作に時間がかかりすぎるので(実際にかかっているのではなく作業する時間帯に制限がある)、なんとかできないかと検討した結果、市販のVGAモニタ切替機に内蔵するという手段に切り替えてみてはどうか?ということでコンパルの3入力電子切替式のモニタ切替機に内蔵してみることにしました。パーツと切替機と合わせて9,000円、そもそもケースの穴あけ作業が無いので、自宅で夜中に作業してもお隣さんに怒られない!すばらしい!価格ははるけど、作業工数は大幅削減なのです。

2001.07.11 SoG同期分離BOX1
BOX組み込みバージョンを作ってみました。といっても今回は実験や自分用ではなくてさるお方からの受注製品なので気合が入ります。今まで失敗してきた色調整回路はカットして、純粋にSoG同期分離のみの回路なので部品点数も少なく、大変シンプルです。大きさも手のひらサイズで収まりました。

2001.06.25 SoG同期分離ボードVer2完成しました
Ver2のボードを作ってみました。今度はNJM2267を使って色調整できるようにしてみました。
緑色が強い問題ですが、MAGVIEW DX15T以外のモニタで確認したところ、Ver1の回路のままでも緑色問題は発生しなさそうです。DX15Tの入力側の回路がよくないようですが、これで満足するとモニタによっては色がおかしいという状態が起きてしまうので、もうちょっと努力してみます。
Ver2の回路では緑の信号線に乗っている不要な同期生分(負極性)を除去するようにしてみたのですが、使用したダイオードの周波数特性が悪く、満足な結果が得られておりません。近くVer3の製作に着手します。
2001.06.21 SoG同期分離ボードVer1公開 HP公開
Ver1のボードを作ってみたんでHPを作ってみました。有用な情報ありましたら是非ご提供ください!

●PS2Linux KitをSoG非対応ディスプレイで使用する

すでにご存知のとおり、PS2 Linux KitのRGB出力はSync on Green(以下SoG)と呼ばれる形式の出力になっており、SoG非対応のモニタではX画面はおろかターミナルの表示すらできません。多くの17インチくらいのモニタはSoGに対応しているのですが、15インチモニタや古いモニタ、お安いモニタはSoGに対応していないものがあり、私所有のMAG DX15TもSoG非対応です。


SoGとは

SoGはその名のとおり、RGBの緑信号に複合同期信号を載せた方式のことをさします。通常のRGBはRGBの3つの信号線のほかに、垂直同期(V-Sync)と水平同期(H-Sync)信号が用意されていて、合計で5つの信号によりCRTのビームを制御して像を結ぶようになっています。SoGは垂直・水平信号を混合したコンポジット同期信号を、さらに緑信号に合成して3本の信号線だけで画像をCRTに伝送しているので配線が少なくて済むわけです。古いワークステーションのCRT出力はSoGを採用しているものが多かったので、ワークステーション向けのモニタはSoGに対応しているものが多いようです。


どうやってSoG非対応のモニタに写すか

SoG非対応のモニタにSoGを入力しても画像は映りません。走査線をどのタイミングで移動させればいいかがわからないからです。さらに緑(G)信号には本来不要なシグナルが乗っかっている状態になります。緑信号の同期部分からコンポジット同期信号を取り出し、さらにそれを水平・垂直それぞれの信号として取り出せればSoG非対応のモニタで画像を見ることができます。その抽出を行ってくれるのに最適なICがLM1881NというナショナルセミコンダクタのICです。


同期分離の回路

同期分離をするためにG信号をコンポジット映像信号(TVでいうところのNTSC映像信号)とみたててLM1881Nに入力します。LM1881Nのデータシートに載っているリファレンス回路は15KHzのTV NTSC用の設定になっているので、Rsetとかかれている部分の抵抗値を最適に設定してやる必要があります。とりあえず自分は15KHzのまま、回路を組んで実験してみました。VGAのRGB出力はどう考えても15KHzではないので、本来はリファレンスの回路図のまま組んでしまうと問題が起こると思ったのですが、ちゃんと動いてしまいました。追随してくれる範囲は結構広めに確保されているようです。


注意!回路図中で680Kを使用していますが、LM1881Nの個体によっては同期が取れない模様です。R1を210KΩに変更
することをオススメします。


ナショナルセミコンダクタのデータシート(リファレンス回路はこちらです)pdfです
基板のイメージ
サンプルX画面1 サンプルX画面2

今後の課題


この回路では緑信号から信号を拝借してきて、同期分離を行うだけの回路として実験しています。基板上には念のためRGBバッファアンプを組んでみましたが、信号が1Vp-pをレベルオーバーしてしまったため使用していません。RGBはこの回路の入力・出力を直結でそのまま流している構成です。しかし、これでは問題があります。緑信号に余分な同期信号がのっかっているため、私のDX15Tでは画面が全体的に緑がかって表示されてしまうのです。SoGの同期信号分だけ緑信号の振幅が大きいからだと思われます。同期信号は緑信号の負成分となっているのでダイオードなどで正成分(映像信号)だけに限定してやれば取り除けます。しかし必ずダイオード分の電圧降下は起こりえるので、結局はバッファアンプを通して信号を成型してやらねばなりません。

まだ実験ができていないので、追認実験が完了次第、このページでその回路図を公開いたしますのでお楽しみに。


お問い合わせなど

本回路に関する質問やお問い合わせ、アドバイスは yosizawa@big.or.jp までお願いいたします。