完結篇についての考察 |
完結篇(劇場版)は、「五代の八神との関係のに決着を!」というコンセプトがあったことは言うまでもない。原作もTV版もあやふやな形で終わってしまったし・・・。八神がお気に入りの私としては結構嬉しかった。二階堂の無神経な発言で結婚の事実を知ってしまった八神を見た時は、「やっとつじつまが合ったなぁ」と思ったものだ。見ていて少々辛かったが。
この映画で一番好きなのは、「若者(五代)と亡くなったご主人とどっちが好きなんですか?」と響子に聞くシーンである。これは、読者(視聴者)なら誰でも響子に聞きたい質問であろう。八神だからこそ聞ける質問である。それに対する響子の答えもとても良かった。あえて八神の立場に立ってこう答えるのだから。「八神さんに、いつか五代さん以外の好きな人ができて、結婚することになったら、私の気持ち分かってもらえるかもしれない。・・・答えになってないかしら?」←セリフ、書き間違えていないだろうなぁ・・・
しかし、それ以外は・・・。まず、あのキャラデザイン。最初響子を見た時は、「こんなの響子じゃないぞぉ!」と声に出しそうになってしまった(^-^;)。TV版の絵でさえも当初は拒絶反応を示していたくらいだから、劇場版の絵は・・・(^-^;)。私には、顔の輪郭と目がどうしても受け付けない。
後、五代についても一言ある。結婚が近づくにつれ、段々と成長していった(と思った)のに、オープニングでは妄想モード全開だもの・・・。あれは序盤のギャグ路線だった頃で充分だ。今更見たくなかった。結婚式まで後2日ということは、「あなたもひっくるめて、響子さんをもらいます」と惣一郎の墓前で報告した後であろう。それであの妄想は・・・勘弁して欲しい。響子は八神に「私、五代さんのこと好きなんです。」と言ったが、まさかこんな五代ではあるまい。それに、貧乏だということを強調するのはちょっと・・・(結婚指輪とか新婚旅行とか)。再び掘り返して欲しくなかった。
さて、ストーリーの柱となるゆかりからの手紙のであるが、響子がずっと待っていた価値(?)はある内容だった。あの手紙によって(TV版でははっきりしなかった)響子の五代に対する想いが伝わった。原作ファンに対する配慮が感じられた演出である。
全体としては、懐かしの人物(郁子、一ノ瀬のご主人)を無理なく(?)登場させ、それなりにまとまったシナリオであったと思われる。でも、キャラデザインと五代の態度にはほとほと失望した完結篇だった。