このセリフについての考察(PART2)



五代:「でも おれ・・・
    響子さんがどんな気持ちでその名前(惣一郎)呼んでる
    かわからないから・・・いつだって不安です。」


――――――――――――――(ここからTV版ではカット)――――――――――――――

響子:「・・・・・・」
五代:「このままじゃいつまでも・・・ 不安です。」
響子:「それじゃあたしたち、いつまでも一緒になれませんね。」
    「ホテルにはいる前に、“響子さんはぼくを全然信用してくれてない”
    って・・・言ってたけど・・・あなたの方だって、
    あなただってあたしを全然信用してくれてない。」
五代:「それは・・・」
響子:「ずるいわ五代さん。私、どうすればいいんですか。
    抱いてくださいって・・・ 私の方からお願いしなくちゃ、
    自信が持てないんですか。」
――――――――――――――(ここまでTV版ではカット)――――――――――――――


響子:「私・・・もう、どうしていいかわからない。」
五代:「すみませんでした・・・。」


Line

こう書くとお分かりのように、TV版でカットされた会話は前後の会話をつなぐ上で欠かすことができない。TV版でいきなり「私・・・もう、どうしていいかわからない。」と言われても、どうしていいのか分からないのはこちらの方である(笑)。

少なくとも、「あなたの方だって、あなただってあたしを全然信用してくれてない。」というセリフは残しておくべきであった。そうでないと、“お互い”相手を信用できずにいた、そのことが今まで二人が一緒になれない原因だったという重要な点がぼやけてしまう。

そのせいか、TV版のこのシーンは今でも好きになれない・・・。確かに、『ホテルに入る』という表現はTVでは放映不可能であったことは理解できるが、どうにか会話のつじつまを合わせることはできると思うのだが・・・。

例えば、「さっき五代さん、“響子さんはぼくを信用してくれない”て言ってたけど・・・」というセリフを入れるだけでも、かなり違ってくるはずである。おそらく五代のセリフ(“響子さんはぼくを信用してくれない”)が前週放映のため、見ていない視聴者を考えてカットしたと思われるが、その結果は大変残念なものになってしまった。


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