覚醒



 鉄甲龍の人工衛星が、八卦衆ロクフェルによって活動を開始。それによりラストガーディアンのホストコンピュータが強力な妨害を受けた。「敵仕掛けてくる!」慌てる職員達。
 美久は、マサトから逃げるように走り去っていく。問い詰めようとする沖の首を掴み締め上げるマサト。「言っておくぞ沖!俺に命令するな・・・操ろうと思うな!俺は好きなようにやらしてもらう!」マサトは前回の戦闘で豹変した人格のままだった。沖はその口調にある人物の面影を見る。傷心の美久はラストガーディアン内の地下駐車場にいた。「ひどいわ、マサトくん・・・」しかし、そこで鉄甲龍の侍女に拉致されてしまう。そして現れる第三の刺客、月のローズセラヴィー。「八卦共が懲りもせずに!」マサトは出撃するが、美久を欠いたゼオライマーでは本来の力を発揮することはできなかった。ローズセラヴィーは、指のビームを集約させゼオライマーに攻撃。その衝撃でマサトはモニターに頭をぶつけてしまった。

 ローズセラヴィーの攻撃により、マサトは元の人格へと戻ってしまう。「やるしかないのか・・・」攻撃を開始するマサト。しかし出力は前回の1/3以下だった。そんなゼオライマーを翻弄する葎。だが、彼もゼオライマーの力のなさに驚きを隠せないでいた。「この程度なのか・・・」唖然とする葎。また、攻撃を受けながらもマサトの心は、美久を人形と言った残忍で狡猾なもう一人の自分に向けられていた。
「あいつは僕じゃない!僕じゃ・・・」
 美久は鉄甲龍要塞内に連れ去られ、拷問を受けていた。他の八卦ロボと違い、何故ゼオライマーは二人のパイロットを必要とするのか?美久を問いただす幽羅帝。
 ゼオライマーは、ローズセラヴィーの『ルナ・フラッシュ』を受け苦戦を強いられる。その中でマサトは木原マサキを怨む葎の声を聞き、茫然とする。一方、沖はローズセラヴィーのエネルギー切れを待つようにマサトに指示を出した。

 ローズセラヴィーのエネルギーが切れた瞬間、葎は雷雲の中に強力な衛星を発射し、雷を使ってエネルギーをチャージする。再び強力なエネルギーを得たローズセラヴィーがゼオライマーを襲う。
 鉄甲龍要塞の格納庫で、ついに雷のオムザックが完成した。「俺と組めば、帝よりましなめを見せてやるぞ」傍らに立つロクフェルに持ち掛ける塞臥。「よもや貴様、謀反を企んでいるのではあるまいな・・・」現れた祗鎗を、塞臥は一笑に付して去っていく・・・。
 ゼオライマーに決着を付けるべく勝負に出た葎は、ローズセラヴィーを再びチャージさせ、『Jカイザー』を発射。その凄まじい攻撃にゼオライマーは沈黙してしまった。
 その頃美久は、鉄甲龍の技術者ルーランの手により、水中治療室で調査されていた。「そうか・・・マサキ・・・そういうことか・・・」コンピュータのモニターに映る美久のグラフィックを見て驚愕するルラーン。

 「教えろ!何故木原マサキを憎む?」マサトの中にある疑問が葎に叫ぶ。「俺という命を弄んだ・・・。」そう言って仮面を外す葎。そして現れたのは女のような葎の素顔だった。そして、それを創造したのは木原マサキ、八卦衆は皆マサキに創られた人工生命体だったのだ。またマサキは、八卦衆の人格にあるトラウマを植え付けていた。葎の女の顔もその一つ、その苦しみを葎はマサトへの怒りに換え、戦ってきたのだ。「・・・貴様に勝利などあるものか!」三度マサトの人格が変貌した。そしてマサトは叫ぶ。「ゼオライマー、パーツを呼び戻せ。お前の次元連結システムをな!」それと同時にルーランの研究室にいた美久の目が見開き、身体がメカそのものにかった。美久そのものが、次元連結システムだったのだ。
 怒りに燃える葎は、Jカイザーを全開で撃つ。勝利の喜びも束の間、消滅したと思われたゼオライマーは遙か上空へ飛び立っていた。「チャージなどさせるものか」マサトはローズセラヴィーの衛星を破壊し、なぶるように葎へと攻撃していく。

 「マサトではないのか・・・」マサトの存在に疑問を持ち始めた葎。ゼオライマーのメイオウ攻撃の光に包まれながら、葎は悟り、そして呟く。「お・と・う・さ・ん・・・」葎の思いも知らず、勝利に酔いしれるマサト。
 鉄甲龍では、ゼオライマーを諦めた幽羅帝が最終計画の発動を宣言。一方ラストガーディアンでは、マサトが沖と美久に告げる。「俺はマサキだ・・・」冥王への野望を語るマサト。
 果たして、世界を征するのはどちらの狂喜なのか・・・!?

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