掲載: 2003.7.18


東京都在住のJuliettaさんより、さる2月16日に行われた「碓氷峠鉄道文化むら」ファンクラブ・ボランティア作業参加ルポをいただきました。

撮影・文章:東京都在住の「Julietta」さん
(下記掲載画像・文章全て。碓氷峠鉄道文化むらの許可を得て撮影)




文化むらファンクラブの会員の特典として、展示車両等の清掃ボランティアに参加できるというものがあります。今回はその作業の様子を画像を交えてご紹介致します。

 2月16日9時12分、横川駅に降りたったのは10人前後、そのうちの6名は本日のボランティアの御仁、御同輩である。寒い・・・霙が混じった雨が降っている。駅前はなんとなく沈んだムード。気のせいかと思ってよく見ると、駅前のおぎのや本店は社長さんの密葬の翌日で休業、後かたずけが行われていました。謹んでご冥福をお祈り致します。
 さて、ボランティアメンバーは資料館の3階に集合します。この建物は3階建てですが、一般の方が見学できるのは1階と2階の東側半分だけ。3階は資料室と会議室になっています。
会議室は臨時でさまざまなイベントに使われていますが、普段はEF63体験運転参加者の講義室や休憩室になっています。ここで着替えて待機。事務局の方との打ち合わせがあり、あいにくの天気ということもあって、屋外展示車両のうち客車を中心に車内清掃を行うことに。
 本日は総勢12名、まず取り掛かったのはナハフ11とオハユニ61、続いてオハネ12、午後からは一般客が立ち入るので汚れが早い、休憩所車両の「くつろぎ」2両と、最後は展示館正面の189系先頭車両を清掃しました。
 窓ガラス・洗面鏡や寝台車廊下の鏡など、洗剤をつけてタオルで磨けば、驚くほどきれいになります。鏡も質の高いものを使用していたのでしょうか、びっくりするほどきれいに映ります。(注意:ほとんどの展示車両の洗面所やトイレなどの水周りは稼動していません。絶対に使わないで下さい)
 夜行列車の鏡、現役時代からまざまさ乗客の悲喜交々を映し出してきたのでしょうね。鏡やガラスに限らず、天井の白熱灯や座席の木製手すり、洗面蛇口のコック、窓枠のラッチなどの真鍮色には風格があり、保存すべきは外側の車体や台車だけでなく、乗客と直接触れることの多かったこうしたインテリアも大切にしていかなくてはと実感しました。また、オハユニのような特殊な用途の車両も歴史の語り部として貴重な存在と言えます。いつまでも良好な状態に保っていきたいと思いました。


安全のため、車内清掃でもヘルメット着用が望ましいです。マイ・ヘルメット持参の方もいれば、ない方は事務局から貸し出されます。オハネ12のように寝台がセットされた状態では頭部保護の必要性が実感できます。

普段、人が立ち入らない客車も、わずかな隙間から入ってしまうのか土ぼこりなどの汚れがたまるようです。モップがけをした水は真っ黒に。

同上。

狭いデッキや廊下も声かけあって分担でこなします。


ゴム手袋も必須です。一年で一番寒い時期の雑巾がけは、車内と言えさすがに冷たさが堪えます。

客車は金属部品の多い機関車の運転席と違って、経年劣化の惧れがあるデリケートな木造部分が多いので、機械化が思うようには進められません。手作業による丁寧な埃出しも作業のコツです。

かつての客車基地の洗浄作業ラインの雰囲気?

家ではまずやる気もしない真冬の雑巾洗いも、大好きな車両のためならものともせず(笑)。

雑巾・タオルはいくらあってもかまわない。あっというまに真っ黒になります。作業を妻扉の向こうでゴハチが見守っています(笑)。

作業を終えての感想。
車両洗浄には今のところ水が不可欠なのですが、実は園内、特に屋外展示場には水道栓の場所が以外と少なく、バケツで往復するのがちょっと労力のロスになるように感じました。また、拭き掃除の効率を考えれば、使用するモップや雑巾の使いまわしを統一しないと、折角拭いてもきれいにならないことや、きれいにしてあるところに汚れた雑巾を使ってかえって汚してしまうこともあるので、リーダーの管理・指示があったほうがいいのでは、という意見がメンバーの間でもありました。全くそのとおりだと思います。


2月4日に碓氷峠鉄道文化むら展示車両の仲間入りをした、EF65形電気機関車520号機。

個人的には旧1等寝台マイネや、検査車改造されたオシ17の検査機器を間近で見たかったですが・・・またの機会ですね。
清掃ボランティアメンバーの中には、運転体験の常連の方たちも多くいらっしゃいます。横川の町中にある大衆食堂「松一」の二階座敷、ちょっとほかでは聞くことのできない貴重な話や笑える話で昼食の席は大いに盛り上がります。
あっと驚くトクダネ情報がぽんぽん飛び交うのも、こういった集まりならではですね。(残念ながらここには書けません)

冬の寒さや夏の暑さ(締めきった展示車両内は40℃を越えます)は厳しいですが、ホントにいい汗流せます。ファンクラブに入る価値ありといえます。
この日はみぞれ混じりの冷たい雨が一日中降り続いていました。険しく切り立った妙義の山肌には真っ白な雪が降り積もり、一幅の山水画のように映りました。帰路の車内からつい見とれてしまうほどでした。その山が高崎へ向かう列車をしばしの間見送ってくれました。
また機会を見つけて参加していきたいと思います。


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