緊急アピール 
1999.6.7


碓氷峠鉄道文化むら応援団といたしましては、前回の緊急アピールに引き続き、またしてもこのようなアピールを出さざるを得なくなったことを心から残念に思います。



最初に
 文化むらでは、警察の捜査の都合もあり、これまでは事件の公表を控えていました。しかし、被害があまりにも甚大であり、かつ窃盗被害が後を絶たないため、再犯防止の意図を持って公表に踏み切りました。また、碓氷峠交流記念財団では既に警察に被害届けを提出済であり、悪質な窃盗事件として警察捜査が開始されています。
 応援団は文化むらからの要請に従い、これまで事件の公表を控えてきました。今回、マスコミ各社での事件公表と歩調を合わせ、事件概要をご報告するものです。
 なお、下記報告に関しては警察捜査との関係上、代表的な被害の概要のみを記述していることはご了承ください。

代表的な事件の概要
● 旧丸山変電所のEF63形電気機関車盗難事件
以前の緊急アピールで触れた同所のEF63形電気機関車のメーカーズプレート盗難未遂事件に関しては、残念ながら1枚が盗難されており、盗難に気付いた文化むらが残りの3枚を急遽撤去したことを公表する。

● 屋外静態展示場盗難事件
オープン当初は屋外展示場の各車両のうち出入り口に昇降台がある車両の車内には自由に出入りできた。実物に触れて体験できるという、文化むらならではの企画であった。
ところが、オープン当初より部品盗難事件が発生してしまった。故意か過失か発煙筒をたいてしまう事件も発生。さらには展示客車のトイレで大便をする者までもが出た。展示車両の屋根の上に登るなどという危険な行為に興じる者もでたが、幸いにして事故には至らなかった。
あまりの事態に驚愕し憂慮した文化むらは、屋外静態展示場の車内見学を急遽中止してドアを施錠。
しかし、事件は終わらなかった。合鍵を持った人間が車内に侵入する事件が発生した。

● EF63形電気機関車ヘッドマーク盗難事件
動態保存運転をしているEF63形電気機関車の前面に取り付けてあったヘッドマークが、オープンまもなく盗難にあってしまった。同ヘッドマークは、一昨年の廃止時に実際に取り付けられていたもの。
現在、保存運転線のEF63はヘッドマーク無しで運転中。ナンバープレート盗難の怖れもあるため、25号機はナンバープレートをはずして厳重保管中。

● 鉄道展示館189系電車先頭車ヘッドマーク盗難事件
鉄道展示館横で展示中の189系電車「あさま」の先頭車のヘッドマークが、車内に侵入した者によって盗まれてしまった。現在は代替のヘッドマーク装置を取り付け、ドアは厳重に施錠されている。

● 旧丸山変電所の「あさま」盗難・パンタグラフ上げ事件
旧丸山変電所付近で展示中の189系電車「あさま」の軽井沢寄り先頭車進行方向右側の乗務員室ドアが開けられており、また「あさま」のパンタグラフをそれぞれ固定していた針金が何者かの手により切断されて、「あさま」の全パンタグラフが上げられてしまっているのが発見された。
189系電車「あさま」先頭車の様子がおかしいのに気付いた職員が室内を点検したところ、軽井沢寄の先頭車の運転室内の機器が盗まれているのを発見した。運転台装置や計器類等が完璧に盗まれており、運転室内には機器類が何も残っていない惨状であった。
恐らく犯人は予め特殊工具を用意した上での複数犯による計画的犯行の匂いが濃厚。パンタグラフを上げたのも、時期的にみて同一犯行グループによるものの疑いがある。犯行は、5月ゴールデンウィーク中に行われた模様。

● 旧丸山変電所の「あさま」・機関車破壊および侵入事件
旧丸山変電所付近で展示中の189系電車9両編成(現役時代は特急「あさま」号)+EF63形電気機関車でまたしても事件が発生しているのが5月23日朝に確認された。今度は、EF63の11号機横川寄貫通扉がバーナーで蝶番を焼き切られて盗まれ、12号機の軽井沢寄貫通扉は鍵を破壊された。
また、189系電車「あさま」の横川寄先頭車進行方向右側の乗務員室ドアも開いており何者かが侵入した形跡があった。
文化むら職員により、11号機の破壊された貫通扉は板材でふさがれ、12号機の貫通扉および189系電車の横川寄先頭車乗務員室ドアは鎖によって厳重に施錠された。



丸山被害状況近影 
撮影:1999.5.26早朝
12-right11-right
12-left11-left
盗まれたEF63形電気機関車のメーカーズプレート。

1枚が盗難に合ったため、残りの3枚は文化むらが撤去して保管中です。








バーナーによって蝶番が焼き切られて盗まれてしまった、EF63形電気機関車11号機の前面貫通扉。

板材で応急処置的にふさいであります。




同じく、11号機の被害状況を逆側から見る。





11号機の被害状況のクローズアップ。
車体が黒く焦げ、融けた金属片が固まっているのがわかります。




EF63形電気機関車12号機の前面貫通扉は鍵が破られてしまいました。

南京錠で施錠されています。




同じく、12号機の被害状況を逆側から見る。





189系電車編成全てのパンタグラフが何者かの手によって上げられてしまった「あさま」。

パンタグラフが上がったことを歓迎する不見識な鉄道マニアもいたようですが、真相はとんでもない犯罪行為の結果でした。



  



鍵が破壊されてしまった「あさま」の軽井沢寄先頭車の乗務員室ドアー。

今は南京錠で施錠されています。このドアーの奥の運転台機器が丸ごと盗まれてしまいました。







「あさま」編成の被害はさらに拡大。
今度は横川寄の先頭車の乗務員室ドアーが破られました。




編成には急遽、赤外線センサーによる防犯装置が設置されました。
夜間巡回警備も強化されています。

事件直後、ドアが開いているのをこれ幸いとばかりに車内に侵入して写真撮影を行った鉄道マニアがいたと聞きます。




189系電車「あさま」の各車両のメーカーズプレートも盗難されてしまいました。





犯人の仕業かどうかわかりませんが、ビール瓶がこれみよがしに突っ込まれている車両もあります。




189系電車の一部床下機器も盗難されました。配線が切断されて垂れ下がっています。




相次ぐ盗難、破壊事件と呼応するように、車体の汚れと痛みも目立ち始めています。

これ以上の盗難被害拡大を防ぐ目的のため、被害回復と車体補修も兼ねて、編成を現地から退避させることを応援団は文化むらに緊急提言しました。







屋外静態展示場の入口に立てられた看板。

1と2は、社会人としてのいわば常識の範疇。
3に至っては、
窃盗
器物損壊
合鍵を使って侵入すれば、
不法侵入
いずれにせよ犯罪です。
何よりも、貴重な鉄道文化財および関係者の努力への恥ずべき破壊行為です。

この他にも、鉄道展示館内の展示物への落書きが発生しています。これも器物損壊に該当する行為です。





CLUB667(応援団)よりのアピール

犯人達へ

1.あなたがたの行為は鉄道マニアの範疇を越え、違法かつ犯罪行為です。現在捜査が進行中です。刑事告訴、告発の対象です。

2.あなたがたの行為により碓氷峠鉄道の歴史、文化遺産が破壊されました。鉄道文化への妨害及び破壊活動は止めるべきです。

3.盗難事件が続発することにより、碓氷峠鉄道文化むらは存在意義が危うくなりました。場合によっては主催者は閉園も考えざるをえなくなるかも知れません。

4.少しでも良心の呵責があるのであれば、盗んだ部品を今すぐ文化むらに返してください。犯人は、今すぐ警察に自首してください。盗品の返却と犯人の早期検挙を望みます。

5.このような破廉恥かつ野蛮極まりない犯罪行為を行った人間には必ずや因果応報の報いがあるでしょう。


●応援団は、文化むらに対して全施設を対象とした緊急警備強化要請ならびに、丸山のあさま編成の緊急退避を提案いたしました。

●心ある皆様には文化むらおよび碓氷の鉄道文化財が緊迫した状況下にあることをご理解いただき、防犯と犯人逮捕にご協力をお願いいたします。

私たちの力で、文化むらと碓氷峠を守りましょう!
この件に関するご意見と情報は、応援団宛にメールでお願いします。


1999年 5月28日
CLUB667(旧称:碓氷峠鉄道文化むら応援団)






遠目には何事もなかったかのように見えますが・・・。

丸山のこの光景を、多くの人が安心して楽しめる日は二度と来ないかも知れません・・・。






先日、読者の方より、「皆様の力で・・・」というのは不適切な表現ではないかというご指摘をいただきました。応援団といたしましては、そのご指摘は正しいものであると認め、「私たちの力で・・・」という表現に変更させていただきます。不適切な表現になっていた事をお詫び致します。




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