西行水と泡子塚

さいぎょうすい と あわこづか

岩の上には、仁安三戌子年秋建立の五輪塔があり、 「一煎一服一期終即今端的雲脚泡」の十四文字が刻まれている。 伝説では、西行法師東遊のとき、この泉の畔で休憩されたところ、茶店の娘が西行に恋をし、 西行の立った後に飲み残しの茶の泡を飲むと不思議にも懐妊し、男の子を出産した。 その後西行法師が関東からの帰途またこの茶店で休憩したとき、 娘よりことの一部始終を聞いた法師は、 児を熟視して「今一滴の泡変じてこれ児をなる、もし我が子ならば元の泡に帰れ」と祈り

 水上は 清き流れの醒井に
   浮世の垢をすすぎてやみん

と詠むと、児は忽ち消えて、元の泡になった。 西行は実に我が子なりと、この所に石塔を建てたという。 今もこの辺の小字名を児醒井という。
米原町説明版より

岩の上には石塔が多数ある。その下から泉が湧いている。

きれいな泉には小さな魚が泳いでいる。

泉は北に流れ家の裏に消えていく。

(1998.5.10)


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