各月の勝敗を見ると、4月と9月で大きく負け越しているのが分かります。その中で打率、本塁打といった打撃の成績は勝ち越している月と負け越している月との差が見られませんが、防御率、失策といった守備に関する成績は負け越した月で悪くなっているのが分かります。
その中で注目したいのが、先発投手がローテーション通りに登板したか、という点です。4,9,10月は試合数に比べて先発投手が適度な間隔で登板した回数が少なくなっています。後半の9月、10月はほとんど優勝を諦めていてローテーションをいじって上位チームに主戦級を持っていっていたのを考えると、開幕当初の4月に満足にローテーションを組めなかったのが開幕のつまづきや優勝を逃してしまった原因といえるでしょう。
4月のつまづきの原因として、打撃陣では稲葉、宮本両選手が出場できなかったことがあげられます。先発出場試合での勝率を見ても、両選手が先発出場した試合での勝率は5割を超えています。2人がいればここまで大きくつまづかなかったかもしれません。
投手陣を見ると、雨で中止となる試合が多かったことや石井、伊藤という主力投手を一時抑えとして使ったことから、前の登板から中4〜7日の適度な間隔の投手が先発した試合は開幕一週間以降の15試合のうち8試合しかありませんでした。抑えに回した二人が登板した試合は4試合で9回1/3を2失点1自責点ながら2敗1Sと不運も重なりよい結果とはなりませんでした。また、本来先発のはずの投手を抑えに回さざるをえなかった原因として、昨年日本一に貢献した加藤、廣田、高津、野中といったリリーフ陣が軒並み不調であったのがあげられると思います。
次に、具体的に4月の各試合の内容を分析します。
4月は大きく負け越したましたが、開幕3連戦を含め14敗のうち8敗が2点差以内と、僅差で負けた試合が多かったです。1点差、2点差とも、シーズン通算では勝ち越していますが、4月では大きく負け越しました。次に、4月に負けた試合の決勝点を取られた回、最後に2点差以内で攻撃した回などを示します。
日付 | スコア | 決勝点 | 2点差以内 で攻撃 | 敗戦投手 | 逆転負け |
4/3 | 4-6 | 5 | 9 | 先発 | 逆転 |
4/4 | 1-2 | 9 | 9 | リリーフ | 逆転 |
4/5 | 2-3 | 6 | 9 | 先発 | |
4/10 | 5-6 | 13 | 13 | リリーフ | 逆転 |
4/11 | 2-3 | 5 | 9 | リリーフ | 逆転 |
4/15 | 0-8 | 2 | 7 | 先発 | |
4/16 | 4-7 | 7 | 8 | リリーフ | 逆転/ |
4/17 | 2-3 | 9 | 9 | リリーフ | 逆転 |
4/18 | 0-7 | 5 | 6 | 先発 | |
4/19 | 8-9 | 10 | 10 | リリーフ | |
4/21 | 3-14 | 1 | - | 先発 | / |
4/23 | 0-7 | 7 | 8 | リリーフ | |
4/26 | 6-10 | 2 | 8 | 先発 | 逆転 |
4/30 | 6-7 | 11 | 11 | リリーフ | / |
敗戦14試合中、7回以降に決勝点を取られた試合が7試合、7回以降に2点差以内での攻撃を迎えた試合が12試合、リリーフ投手に敗戦がついた試合が8試合、逆転負けが7試合ありました。
このように4月の敗戦は後半にリリーフ投手が決勝点を取られたり、最後まで僅差であった試合が多く、打撃陣、リリーフ陣がもうひと踏ん張りしていれば勝てた試合もあったと思います。19日、30日の試合では6点差、5点差を追いついたにもかかわらず、リリーフが打たれ結局負けてしまっています。もしこういった試合のうちいくつかを勝っていたら、チームのムードもよくなりこのような結果にならなかったと思います。
来年にむけてですが、打撃陣については外国人がどうなるか分かりませんが、怪我さえなければ今年の好調時のオーダーを組むことができ、若手も育っているのでそれほど心配する必要はないでしょう。
投手陣は先発陣は大丈夫だと思うのですが、高津投手が手術を受けるかもしれないなど抑えに不安があります。今年のようにシーズンに入ってから抑えを変えるというのは良くないと思うので、シーズンに入る前にきっちりとリリーフ陣を整備してペナントレースに臨んで欲しいと思います。
hagi@big.or.jp