<始めに>
このお話しは、TV版の第拾参話『使徒、侵入』を基に、作者Rintarouが創ったSSです
知らない方の為に、極力TV版の第拾参話のシーンは無くしてありますが、出来れば第拾参話を
ご覧になってからお読みになる事をお進めします(って、大したSSじゃ無いんだけど(^^;))
<ネルフ本部>
「今度は何?」
不満を隠さずに、発言するアスカ・・・隣にいるシンジも、同感な表情を浮かべている
それもその筈・・・昨日もデータの検証等と言われて、呼び出されているのに、続けて今日も呼び出されたアスカにとって、嬉しくは全く無い
「ええっ・・・それなんだけど」
何事も無い様に話し出すミサト・・・他に、リツコ・マヤ・初号機のパイロットのシンジが集まっていた・・・・・零号機のレイは・・・呼び出されていなかった
「今日来てもらったのは・・・・・ちょっち、確かめたい事があってね・・・」
ミサトはそう言いながら、リツコを見る・・・っと、リツコはモニターにあるデータを出す
それは・・・・・アスカが来日する際に遭遇した使徒との、交戦時のデータだった
「「これが・・・どうしたの(んですか?)?」」
未だ解らないアスカとシンジ
「ここを見てちょうだい」
そう言って、リツコの指差した所には・・・
『交戦時最大シンクロ率・・・125%』
とあった
「こ・これって・・・」
「ええっ・・・貴方達二人が弐号機に乗って、使徒を殲滅した際に記録した・・・シンクロ率よ!」
「でも・・・こんな数字・・・・・私、出した事・・・」
「ええっ・・・シンジ君も出した事は無いわ・・・でも・・・・・事実よ」
「・・・・・!!!・・・それで、今日は・・・」
「さすがアスカ・・・もう、気付いたみたいね・・・・・そう、今日は二人一緒にエントリープラグに乗ってもらって、シンクロ率の測定をしたいの・・・」
「「ええっー」」
「大丈夫・・・簡単な実験だけだし・・・」
「そう言う問題じゃ、無いでしょう・・・気持ちの問題よ」
「気持ち?」
「シンジと二人一緒に乗るなんて・・・レイとシンジでやればいいじゃない!!」
「シンジ君とレイでは・・・・・駄目なのよ・・・それに、出来ればこのシンクロ率を出した当人同士でこの実験はしたいのよ・・・」
「アスカ、命令よ」
ミサトから、『命令』と言われてしまうと、アスカはもう何も言えない
「シンジ君もいいでしょ?」
「えっ?」
「アスカと一緒に、エントリープラグに乗るの」
「えっ?・・・・・ぼ・僕は・・・別に・・・・・」
「なら・・・問題は無いわね」
「「は〜い」」
そして・・・実験がスタートした
「じゃあ、二人とも・・・エントリーして」
リツコの声に、渋々乗り込むアスカと何故か顔が赤いシンジが、エントリープラグに乗り込む
「いい?」
「いいわよ」
アスカの返事が聞こえてきた
正面モニターにシンジとアスカが映っている。
「エントリープラグ挿入」
リツコはマヤに指示を出す。
「エントリープラグ挿入します」
「LCL注水します」
「第一次接続開始」
「A10神経接続、双方向回線開きます」
「ハーモニクス正常位置です」
「起動しました」
「テスト、スタートします」
・・・・・・・・・・
「これだけ?・・・もっと『数字』は出ないの?」
リツコは、モニタに表示された数値に、落胆の表情を隠せない
「本当ね」
ミサトも同様の表情だ
「アスカ・・・シンジ君、調子はいいわよね」
「「はい」」
「なら、どうしてこの数値なのかしら・・・」
リツコが首を傾げた・・・瞬間、警報が鳴り響いた
「どうしたの?」
リツコは、マヤに尋ねる
・・・っと、マヤの目にある『情報』が飛び込む
「正体不明の物体が、爆発的スピードで増殖中・・・侵攻してきます」
「ここへの到達予想は?」
「あと10秒ほどです」
「迎撃準備・・・・・レーザー・・・出力最大、侵入と同時に発射!」
「・・・・・来ます!」
という報告と同時に、ミサトやリツコの目の前に、光り輝く物体を目撃する
「エントリープラグを、緊急射出・・・レーザー、急いで!!」
その言葉に、マヤがエントリープラグを地上に射出する
と同時に、謎の物体にレーザーが照射される・・・・・っが、
パキーン
レーザーが、オレンジ色の壁によって阻まれる
「まさか!」
ミサトやリツコをはじめ、ネルフスタッフ全員に緊張が走る
と同時に、謎の物体の光学模様が変化しだす・・・
「なによ・・・これ」
ミサトの声に・・・リツコが答える・・・・・一番、期待していない答えを・・・
「波長パターン、青・・・・・間違いない・・・使徒よ」
リツコの言葉を聞いて、職員の顔つきが変わる
直ぐに、ネルフは戦闘体制に移行する・・・
しかし、そんな現場の様子が通信されていないシンジとアスカは、退屈していた
っが、いきなりの射出による衝撃に、思わず二人は抱き合う・・・そのまま、地底湖に漂うエントリープラグ
「どうしたのかなあ〜?」
本部の出来事を知らないシンジが、のんきに言う
「さあね・・・でも、何かあったのかもね」
アスカも、なんとかして現状を知ろうと、色々な手を試みたが、本部ではコンピュータがハッキングを受けていた為、アスカの試みは・・・失敗していた
「ねえ、もう出ようよ」
「馬鹿ね・・・・・怖いの?」
「な!・・・・・怖くなんか・・・・・ただ・・・」
「ただ?」
「いや・・・ここって・・・僕達二人しか居ないし・・・」
「あっ!・・・もしかして・・・変な気が起きそうとか?」
「な・な・な・・・ち・違うよ!!」
慌てて否定するも、顔を真っ赤にさせていうのだから説得力が無い・・・案の定、アスカは
「図星突かれたからって・・・慌てちゃって・・・・・まあ、私のこの美しい身体を目の前にして、我慢しろ!ってのが、無理な話しよね・・・」
シンジは、もはや何も言えなかった・・・そして、アスカもシンジの反応に、何も言えなかった
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」」
暫く、重苦しい沈黙が続いた・・・・・っが、その空気を嫌ったアスカがシンジに話しかける
「ねえ・・・・・シンジ?」
「な、何?」
シンジは、アスカの声の『落ち着き』に、少し戸惑ってしまう
「その・・・・・あの・・・・・さ・・・・・」
しかし、アスカはなかなか『用件』を言わない
「・・・うん」
「・・・・・あの時・・・・・浅間山で・・・どうして、助けてくれたの?」
やっと口に出した『用件』は・・・シンジにとっても、あまる触れて欲しくなかった話題だった
「・・・・・どうしてって・・・」
「だって・・・あの時、初号機は耐熱装備をしてなかったんでしょう?・・・」
アスカは、不思議そうに尋ねる
「・・・・・どうしてだろう?」
「えっ?」
「・・・・・・・・あの時、装備がどうとか、そんな事は考えてなかった」
「・・・・・・・・・・・・・」
「ただ・・・アスカとミサトさん達の通信を聞いてて・・・・・気がついたら、マグマに飛び込んでた・・・」
そう言うシンジの表情は・・・思わず、アスカがドキッとさせる程、格好良かった
「・・・シンジ・・・・・」
「・・・・・柄にもいないよね・・・こんなの」
力の無い笑みを浮かべて・・・シンジは言う・・・・・っが、
「そんな事ないよ!」
アスカが否定する・・・しかし、シンジは苦しそうに首を横に振る
「・・・・・そんな事・・・あるんだよ」
「えっ?」
「・・・・・もう・・・アスカは、知ってると思うけど・・・」
そう言うと、シンジは頬を僅かの赤く染める
「僕・・・アスカの事が、好きなのかもしれない・・・・・ううん、アスカの事が好きなんだ」
「な!なに言って!!」
シンジのいきなりの『告白』・・・シンジはもちろん、アスカも全身を赤く染める
「・・・・・だから・・・こんな格好良い事言って、アスカに気に入られようって思ってるんだ」
「そんな・・・・・」
「ううん・・・自分でわかるんだ・・・・・卑怯なんだ、僕」
「シンジ・・・・・」
「アスカを助けたのだって・・・ただ、アスカに気に入られようとして・・・・・」
がくっと・・・力が抜けた様に項垂れる
「・・・・・それで、いいんじゃないの?」
不意に・・・アスカから、今まで聞いた事のないような・・・・・優しさの篭った言葉が、掛けられた
「えっ?」
「その気持ち・・・わかるよ」
「・・・・・・・・」
シンジには、アスカの言おうとしている事がわからない
「好きな人に、気に入られようとする気持ち・・・・・私にはわかる」
「・・・・・どうして?」
「だって・・・・・それが、人間だもん」
「えっ?」
「人間って・・・奇麗に生きてはいけないものよ・・・」
「・・・・・・・・」
「でも・・・シンジの場合、少し違うと思う」
「えっ?」
「・・・・・シンジは、気に入られる為だけに・・・私を助けるような人じゃないよ」
「・・・・・」
「私・・・シンジと過ごして間もないけど・・・・・シンジの優しさは・・・わかってるつもり」
「・・・・・アスカ」
「絶対に・・・言い切ってもいいよ・・・・・シンジは優しい」
「・・・・・・・・」
「ね・・・だから、助けてくれて・・・・・ありがとう」
「・・・・・アスカ」
「それと・・・・・優しくしてくれて・・・ありがとう」
アスカの言葉に・・・シンジは、勇気の様なものが沸き上がってくる
「・・・・・こんな時に・・・言うのも、卑怯だよね」
シンジの『言いたい事』を、なんとなく察したアスカは
「ううん・・・聞かせて・・・・・」
そう・・・促した
促しに押され・・・・・シンジは、胸の内を今一度アスカに伝える
「・・・・・好き・・・僕、アスカの事・・・大好きだよ」
「・・・・・嬉しい」
「えっ?」
「・・・・・嬉しい」
「・・・・・嬉しい?・・・えっ?う・嬉しいの?!」
「な・なんで、そんなに驚くのよ?」
「だ・・・だって」
「わ・私も・・・シンジの事、好きだよ?」
「へ?え?は?・・・・・僕・・・を・・・・・う・・・嘘?」
「嘘じゃないわよ・・・シンジと、こんなに長く話した事、無かったから・・・今まで、気付かなかったけど・・・私、シンジの事・・・誤解していた」
「・・・・・・・」
「話してて・・・シンジの事、凄く良くわかった・・・・・それに、自分の気持ちもわかった」
「・・・・・・・」
「信じて・・・私、シンジの事・・・・・大好きだよ」
そう言って、微笑むアスカ
「アスカ!!」
「キャッ!」
思わず、シンジはアスカを抱きしめる・・・アスカは、シンジの突然の行動に驚きの声を上げるが、暴れる事なく・・・逆に、シンジの背中に両腕を廻した
「・・・・・・・・・・・本当に・・・本当だよね・・・」
アスカの髪に顔を埋めながら・・・未だ信じられないといった思いで・・・確認をとる
「・・・・・・うん・・・本当よ」
シンジの気持ちがわかるアスカ・・・・・優しく答える
「僕達・・・」
「ええっ」
「ありがとう・・・」
「それは・・・こっちのセリフよ・・・・・・・・ありがとう」
「うん・・・・・うん!」
「これからも・・・よろしくね」
「僕の方こそ・・・よろしく」
幸せを一杯に感じて・・・・・微笑む二人
そして、自然に重なる二人の唇・・・
それは、使徒を殲滅し終わって、ミサトの送り込んだ邪魔者=捜索隊によって見つかるまで続いた
Fin
<後書き>
どうもどうも、はじめまして・・・こんにちは
平岡様とメール友達(勝手に決めてる(^^;))Rintarouです
平岡様、『SEIITI H homepage』10,000HIT突破、おめでとうございます(^^)/
お祝いに、前々からお約束していた通り、小説『優しさ・・・を』を、お送りしました
・・・って、拙い小説ですけど(^^;)
なんか・・・今までの恩を、仇で帰す様な作品で、申し訳ないです
しかも、ラブラブじゃないし(^^;)
こんな小説を『お祝い』なんて称して、いいのだろうか
このSSは、前書きの様に『拾参話』の分岐というか、アレンジ物です
感想・批判・・・お待ちしています(^^)
では(^^)/
最後に、平岡様・・・本当に、おめでとうございました!
『とある雰囲気のいいバーにて』
加持:Rintarou君からの投稿だったかな?誠一君。
平岡:はい。Rintarouさん、本当にありがとうございます!
加持:あのなぁ・・・本人が目の前に居るわけじゃないのに、深々と頭を下げるなよ。
平岡:あ、つい癖で・・・。どうでしたか?加持さん。
加持:そうだな、本編のアレンジ作品とは意外だったな。
平岡:そうですね。しかもしっかりとまとまってて、LASもばっちり入ってるんですから。
加持:二人の告白は、いかにもらしいんじゃないか。
平岡:そうですね。アスカちゃんはシンジ君のこと励ましてますし。
この「・・・・・それで、いいんじゃないの?」はグッときますね。
加持:アスカの大人びた発言だな。
ま、それほどに二人は似た存在だから、気持ちがわかりあえるんだろうな。
平岡:理解、とまでは行かないでしょうけどね。
加持:分かってるじゃないか。ところで、確かテレビの本編では裸でエントリーしていたようだな。
平岡:まさか、ここここれも裸で?ということはミサトさんに発見されるまで二人は・・・。
加持:おいおい、そういう話は居酒屋にしてくれないか。
平岡:そ・そうでした。今日は一応バーですからね。
Rintarouさんは「恩を仇で返す」なんて仰っていますがそんなことないですよね。
加持:そうだな、君が贈った二本分に十分相当するものを頂いたようだ。
平岡:ホントそうです。・・・あ、モスコミュールもう一杯!
加持:いい友達じゃないか。大事にしろよ。俺にもドライマティーニをくれ。
平岡:はい!もちろんですよ。もう大親友です!(^。^)/
加持:是非とも感想を彼に送ってほしいものだな。
平岡:皆さん、Rintarouさんに感想を送って下さいね。
加持:それじゃ、アスカとシンジ君の幸せを祈って乾杯しておくか。
平岡:そうですね。じゃあ・・・乾杯!
Rintarouさん、本当にありがとうございました。これからも仲良くしてください。
投稿コーナーは残していくつもりなので、また余裕がありましたら是非ともお願いします!
僕もまた投稿させていただきます。
Rintarouさんへの感想はtu2s-hys@asahi-net.or.jpまで。
RintarouさんのHPは『Rintarou’s House』