【広州出発からスカボロー・リーフ到着まで】
4月28日:
09:00(現地時間)、予定通り海艦72が離岸。 続いてメンバーの乗る海艦74も、大勢の見送りを受け出港。
出港間もなく全員が参加して緊急非難訓練が行われる。 いよいよ茶色の珠江から南シナ海に向かう。
出港3時間後の12:00時頃(同)からBS7H/MMの運用を開始。 珠江の河口は香港、マカオに近いため、
6mで香港(VR2/VS6)が呼んできてくれる。 BS7H/MMで香港13局とこの日QSO出来た。
HFでは米国勢が14MHzのCWで北米、ヨーロッパをさばいている。 デッキに設置したバーチカルにしては、
良く聞こえている。 さすがはMMだ、と感心する。外洋に出た途端、6mの香港も聞こえなくなった。
船の一室を“無線室”として提供してくれたが、ここは15×5m程の部屋で、普段はトレーニング用の教室と
して使われているらしい。 壁の回り2面はデスクが置かれ、たくさんのACコンセントが壁にセットされていて、
無線室には最適。
また、われわれが使用している船室の中で唯一、クーラーが効いている部屋。
米国と日本のメンバーの、食事と団らんの場としても使われた。
南シナ海を南下する船のデッキは、スピードが上がっているせいか向かい風が強い。 本番で使うアンテナを
壊してしまっては元も子も無いので、VHFのアンテナは固定し、本番のスカボローまで運用は休止する。
4月29日:
07:00にGPSで位置を測定したところ、ちょうど中間地点(N=19.4 E=115)を航行中らしい。
昨夜はかなりスピードを上げていた様なので、この分ではスカボロー・リーフには予定より早く到着しそう。
中国のメンバーの中には、昨夜船酔いした者も居たようだが、米国と日本のメンバーは、全員元気にビールで
“水分の補給”に忙しい?。
4月30日:
朝05:00頃起きると、船は停止している。 まだ外は薄暗く、デッキの最上階に上がり周囲を見回してみると、
伴走してきた海艦72のランプが後方に見える。
振り返ると前方にも小さな灯かりが見える。 ビデオの望遠で覗いて見ると、横長の“島”の様なものが見える。
その回りに、数隻の漁船らしい影が動いている。 灯かりはこの漁船のものらしい。
海は穏やかで、船の揺れはほとんど感じられない。 空が徐々に明るくなるにしたがい、“島”に見えたの
は、座礁した船と判明(写真参照)。
「これがあの“座礁船”か!」と、言う事は・・・、此処がまぎれもなく、われわれが目指してきた、
スカボロー・リーフそのものなのだ。
しかし何度目を凝らして見ても、陸地らしいものは何処にも確認出来ない。
明るくなるのを待って、ボートでロック探しに出掛ける事に決まる。 ロックを発見したら設営、運用開始と
本日からいよいよ、BS7H DX-Peditionの“本番”が始まるのだ。
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