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【 50MHzの電波伝搬 】
=地表波伝搬=
地表波が見透し距離を超えて遠方まで届くことがあります。
これは、電波が山などの縁りを通過するときに回折作用を受け、山の反対側に回り込むことにより到達します。
このような伝搬を「回折波伝搬」といいます。
発射された電波が地表面と上空の大気中の密度の違いによって屈折され、
地表面に沿って“勾(こう)”を描くように遠方まで届くことがあります。
このような伝搬を「屈折波伝搬」といいます。
このほかに、山や建物などで反射された電波によってQSO出来ることもあります。
=対流圏伝搬=
地表面と上空との間で空気が対流している部分(対流圏)で、屈折して遠方まで届く伝搬を「対流圏伝搬」といいます。
大気による屈折は気象条件にも大いに影響されます。
太陽により地表が暖められることによる温度変化で大気が影響されるためで、
季節や時間によってもその影響は変わってきます。
対流圏を伝搬する現象は「トロッポ」、「ダクト」などと呼ばれています。
=電離層伝搬=
◎ Es伝搬
Esによる遠距離QSOが出来るのは、何といっても6mバンドの特徴でしょう。
Es(スポラディックE層)は、地上90Km〜120KmのE層の中で突発的に発生する電子密度の高い電離層です。
Esでは、しばしば100MHz以上の電波も反射させることもあります。
50MHz帯より周波数の高い144MHz帯でも、回数こそ少ないもののEsによるQSOを経験することがあります。
Esによる伝搬距離は通常、1回の反射で300Km〜2000Km程度で、Esの最も反射効率の良い距離(強力に届く距離)は1000Km前後となります。
JA1エリアからJA6.8エリア、JA7エリアからJA3.4エリア、などが最適です。
逆に距離が500Km以下や、JA8とJR6(沖縄)などのように2000Kmを超えると強力な伝搬のチャンスは極端に少なくなります。
Es層による伝搬では、電波の減衰は非常に少ないので1000Km程度の伝搬でも比較的小電力で強力に遠距離まで届くのが特徴です。
10W程度のパワーで楽に国内とQSOできるのはこのためで、6mはEsを最も効果的に使えるバンドなのです。
Es伝搬でもときどき2000Kmを超える遠距離との伝搬を経験することがあります。
これは、2回以上(マルチホップ=地上→電離層→地上→電離層→地上または、地上→電離層→電離層→電離層→地上)の複数の反射を繰り返し、
遠方に届くものです。
夏場の東南アジア方面や北米などとQSO出来るオープンはこの伝搬になります。
ときには、北米、ヨーロッパなど10,000Kmを超えるスリリングなDX-QSOを経験することが出来ます。
マルチホップの伝搬では反射による減衰や散乱が加わるため、送信電力の少ない電波は極端にQSOが困難になります。
◎ F2層伝搬
電離層の電子密度が大きいほど高い周波数の電波を反射します。
電離層の電子密度が小さいと電波は突き抜けて地球へ跳ね返ってこなくなります。
この電離層を突き抜ける限界の周波数を、臨海周波数といいます。
普通、50MHzのような高い周波数では電子密度の比較的大きいF2層でも突き抜けてしまいます。
太陽活動の影響などによって、この電子密度は変化します。
太陽活動の最小の年と最大の年とでは、電子密度は4倍も差があります。
これによって臨海周波数も約2倍になると言われています。
太陽活動が活発な時期には50MHzなどの高い周波数の電波がF2層で反射し、
HF帯同様に国外とのQSOができる様になるのはこのためです。
◎電離層散乱
電離層での跳躍距離内では、幾何学的に考えれば直接波以外には信号を受信できないはずですが、
実際には受信できます。
これは、電離層内にいろいろな原因で電子密度の乱れが発生することによって突入した電波が散乱を受け、
いろいろな方向に反射するために起こります。
このように乱反射された電波を「電離層散乱波」と呼んでいます。
散乱波による交信では、双方がアンテナを相対して行うのではなく、
双方が反射体の方向(同一方向)へアンテナを向けて交信することになります。
電離層での反射はE層(Es層)、F層(主にF2層)などが主なものです。
50MHzではこの乱反射(スキャッター)を利用したQSOはしばしば行われています。
太陽活動の活発な時期にF2層によって遠距離のDX-QSOが行われているときに、
同時にF2層の反射によって国内局同士がQSO出来るといった経験をします。
強力なEsが発生している時にも、普段は反射の範囲外であるごく近距離が乱反射で入感する事があります。
しかし、この電離層反射を利用するためには、ある程度の電力が必要となります。

50MHzでは野外で移動運用するのも楽しい
(JA1RJU/7 福島県田村郡仙台平(871m)移動運用)
【 50MHzの運用 】
ひとくちに50MHz帯の運用といっても、そのQSOの目的や周波数、使用しているモードによって、
バンド内の利用の仕方が変わって来ます。
アマチュア無線のバンド使用区別は従来の"紳士協定"から、現在は総務省で決められた"電波法"
として位置ずけられ、違反した局は"取り締まり"の対象となっています。
参考までに下記に多くの局が利用しているモード別の周波数を紹介します。
国内DXを追いかけている局、外国のDXを狙っている局、FMでモービル運用をしている局、
RTTYやFAX、パケットなどデジタル系のデーター(WSJT、PSK)通信を運用している局などなど、
運用する周波数は違ってきます。よく「アマチュア無線バンド使用区分」を理解して運用しましょう。
=50MHz帯の使用状況=(2009年4月18日改)
このバンドでは実際に運用する場合に電波法とは別に「暗黙の取り決め(ルール=チョット大げさ
ですが..)」があります。
これを知らず(無視して?)に運用しても、CQに対して応答がなかったり、突然、DX局をコールする
局のパイルの中に埋もれてしまったり、効率の悪い運用となります。
全国の各エリアによって、周波数帯の使い方には若干違いがあると思いますが、QSOには相手があ
ることですから下記を参考にして効率的に運用して下さい。
2009年3月30日付けで変更された50MHz帯の新バンドプラン
●(注:1) 50.00MHzから50.10MHzまでの周波数で外国のアマチュア局と通信を行う場合と50.00MHzから
50.30MHzまでの周波数で月面反射通信を行う場合に限り、占有周波数帯幅が3KHz以下のデー
タによる通信に使用することが出来る。
(注:2) 50.010MHzの周波数は、JARLが標準信号(ビーコン)を発射する場合に限る。
(注:3) 51.000MHzから51.500MHzまでの周波数で、外国のアマチュア局と通信を行う場合は、占有周
波数が3KHz以下の電話、電信、画像及びCWによる通信にも使用することができる。
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2003年8月11日の総務省告示により電波法施行規則等の一部改正が告示され、2004年の1月13日の施
行日から新電波形式(デジタル系)の使用と、無線局運用規則のアマチュアバンドの使用区別も改正
されることになり、50MHz帯でも50.000-50.100MHzの100KHzに限定された周波数でのEME(月面反射
通信)が正式に許可される事になりました。
50MHzでのEME通信の運用が可能となったのは、アマチュア無線業務から衛星通信やEME通信が「宇
宙通信業務」として分離指定された際に、このバンドでのEME通信が指定から外されて以来となり
ます。デジタル系の電波形式では2001年にK1JTによって開発されたプログラムとパソコン(パーソ
ナル・コンピューター)を組み合わせたWSJT(JT65a、b、c)による通信で-15〜-30dB以下の微弱な信
号でQSOが行われています。以前のCWに比べて小規模なアンテナと電力でEMEの通信が可能になって
います。
但し米国など欧米の局は50.100MHz以下ではWSJTが運用出来ないため、JA局がWSJTを使いEME通信で
これらの局を相手にする場合には"スプリット"でのQSOでした。
2009年(平成21年)3月25日付けの官報で、無線局運用規則第258条の2の規定に基づき、アマチュア
業務に使用する電波の形式及び周波数の使用区別を定める告示がおこなわれ、 2009年(平成21年)
3月30日より施行され、この告示により、50MHz帯のバンドプランの一部が改正になりました。
この改正により50MHz帯に関係する部分は下記の表の (注:1)に示された様に、月面反射通信(EME)
を行う場合に限り、50.000Hzから50.300MHzまでの周波数で、外国・国内を問わず占有周波数帯域
が3KHz以下(WSJTなど)のデータ通信が可能となりました。
従来までのWSJTを使った外国・国内ともEME通信は、50.000MHz-50.100MHzの100KHzでの運用に限定
されていましたが、今回の改正で50.000MHz-50.300MHzまでの300KHz幅に拡張されました。
50.000MHz-50.300MHzは、占有周波数帯域が3KHz以下のデータ通信(RTTY、WSJTなど)EME通信に限ら
れていますのでご注意ください。
また、国内同士の地上波(GW)での占有周波数帯域が3KHz以下(WSJT、RTTYなど)のデータ通信のQSO
は、50.300MHz-51.000MHzに限られています。
狭帯域データ通信の周波数帯拡張により、既に現在50.300MHz付近を使用している「SSTV」同様、
今後はRTTY、WSJTなどの狭帯域データ通信による国内QSOが50.300MHz付近の周波数に集中する可能
性が出てきたため、混乱を避けるためにもこの周波数帯付近のモード別(SSBを含む)の運用周波数
の"棲み分け"の問題を残している。
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(1) CWの専用周波数は50.000〜50.100MHzですが、50.060〜50.090MHz付近がよく使われています。
50.010〜50.035MHz付近の下側にはJA2IGY(50.010MHz)など、国内のビーコン局を受信することが出
来ます。 最近は電話(SSB)でのQSOからCWに切り替えて運用する局も増えていますので、50.100MHz
以上でも頻繁にCWの電波を聞くことがあります。
(2) SSBによる外国局相手のDX-QSOには50.100〜50.150MHz付近が良く使われています。
特に、50.110MHzは“DXウインドー(呼び出し周波数)”と呼ばれていて、多くの局が突発的にオー
プンする国外DXを求めてこの周波数を常にワッチしていますので、誰も出ていないからといって国
内相手のCQなどは出さないほうが良いでしょう。
"電波法違反"ではありませんが、50.110MHzを中心に+−10KHzは国内向けのCQを出しても、たぶん
誰も応答してくれないかも知れません。 特に、コンデション上昇期には、50.100〜50.150MHzぐら
いまではSSBでのローカルQSOは控えたほうが無難です。
従来の国内局が使用できる狭帯域データー通信の周波数帯は50.900-51.0MHzでしたが、2009年3月30
日の改正で、EMEでのQSOに限り周波数が50.000MHz-50.300MHzと拡張されると同時に、国内局が使用
出来る狭帯域データ通信の周波数帯も、50.300MHzから51.000MHzに拡張されました。
(3) SSBによる国内のQSOは、50.150〜50.300MHz付近が良く使われています。
以前は上限、50.200MHz付近まででしたが、局が増えてきた最近では使用する周波数もだんだん上側
に広がっています。ローカルQSOには50.300MHz以上が良く使われています。
(4) 50MHz帯の象徴的な存在であるAMは、50.500〜50.600付近に集中しています。最近はAMが使える機
器が少なくなっているためAMは"消滅のモード"になりつつあります。
(5) FMの運用は51.000〜52.000MHzを中心に使われています。
FMの通常の呼び出し周波数(メイン・チャンネル)は51.000MHzです。
51.000MHzのメインチャンネルで呼び出した後、51.000以上〜51.500MHzに周波数を移してQSOする
といった方式が一般的です。FMによるローカルQSOは51.500MHz以上に集中しています。
(6) 52.000-52.500MHzはCW、広帯域の電話・電信・画像に割り当てられています。
その昔、VK(オーストラリア)の局が52MHz帯に出ていた頃には、52.050MHzがDXの呼び出し周波数と
なっていて、この前後がにぎわっていた事もあります。 VK局も50MHz帯が使える様になってから、
52.000MHz以上をDXとのQSOに使う機会はほとんどなくなりました。
51.500MHzは非常通信の周波数に指定されています。
52.000MHz-52.300MHzはVoIP(インターネットを通じて音声を送るためのプロトコル)専用区分です。
52.300MHz-52.500MHzはCW、狭帯域の電話、電信、画像の専用周波数。
(7) 52.500-52.900MHzは、広帯域のデジタル系データ通信の周波数に割り当てられています。
パケット(RBBS)の運用が行われる様になりました。
(8) 52.900-54.000MHzは全電波型式(実験・研究用)
全電波形式が使える52.900MHz以上でローカルとラグチューをしている局以外あまり使われていま
せん。
【 50MHzとアワード 】
国内QSOが比較的楽に出来るこの50MHzバンドは、アワード集めも楽しみの一つです。
50MHz特記のアワードを目標にするのもアクティビティの持続には大切な事です。
入門者はJARL発行のAJD、WAJA、JCC/JCGなどから始め、WAJAを狙ってみましょう。
50MHzではグリット・ロケーター(G.L)の数を集めるWASAなども楽しめるアワードの一つです。
息の長いアマチュア局には、WACA、WAGA、V・U-1000〜10000の完成も夢ではありません。
このコーナーでは、50MHzバンドを簡単に紹介してきましたが、魅力溢れるこのバンドをこれからも大いに楽しんで下さい。
【JA1RJU 小笠原 一夫】 (2007年4月1日改 & 2009年4月18日改)
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