BMW最新・最強のグランドツアラー:BMW K-1200LT  トップページ

1999/04/11撮影、1999/04/15作成

 本当は試乗したかったのだけど、取りあえず、ショップで置いてある風景だけで我慢。
 標準でも殆ど追加すべき装備がないよーな、豪華なバイク。四輪的なバイクで、バイクに無縁な人にも面白く読めるかもと考え、まとめてみました。いろんな意味で(車両価格から、パッセンジャーの有無(T_T)とかからなにから)、ワタクシには無縁とは感じますが、マシンとしてはユニークだと思います。
 ちなみに車両本体価格は、2,570,000円です。

・全景
フロントマスクライトとか意外と精悍な顔つき。前方からはさして大きな印象は受けないスマートな印象。だが、それにしてもでかいウインドスクリーン。
リアビューしかし後ろはこれこの通りの異常な大きさ。トップケースのせいもあるけど。
エンジンガード左の方にある三角の黒い突起がエンジンガード。倒れたときここがバンパーとなる。下のパニアのガードと合わせて、マシンが完全に寝てしまうのを防ぐようになっている。もの凄い荷重があるはずなので、かなりエンジンガード部分も頑丈に作られているとのこと。
リアエンジンガードリアのパニアに付いているガード。が、やはりちょっと心許ない。倒れてしまうような恐れのあるところには行けないバイクだ。
フロントタイヤアングルのせいもあるけど、さすがにこの車格では小さく感じられるフロントはそれでも17インチ。
メーターパネル今時の四輪なみに情報量の多いコンパネ。速度メーターは220km/hまで。
エンジン周りK1200RSよりピークパワーは落ちたが中低速域のトルクを重視したパワーユニット、4気筒水冷直列エンジンは完全にカウルで隠されており、外部からは殆ど見えない(オイルレベルの確認窓はあるけど)。エンブレムの近くに放熱用の空気穴が空いているが、ハニカム構造の蓋が付いている。K1200RSでは、ここが蛇腹状になっていた。ハニカムの方がカッチョイイと思う(^^;)。
メーターパネル伝統の、カウル一体型バックミラー。大きくて視認性は良さそう。下方に見える透明のアクリル板は、可動式補助カウル(手動)。
K1200燦然と輝く、K1200とLTの文字。グラマラスで下手な四輪よりも威圧感のある後ろ姿。
LT同上


・豪華装備の数々
左グリップ スイッチだらけの左グリップ。右の丸いのから、オーディオVOLUME/TUNE、上面にハザード、そして羨ましいオートクルーズ用スイッチ、中面はライト類、下面はウィンカーとホーン。チョークはオートチョークのためなし。クラッチは油圧クラッチ。
タンクWorkPad用SH-KEYキーボードをちょっと連想させる形状の、オーディオ関係のボタン。その手前にあるのが、カセットテープデッキが入っているタンクケース。
タンクオープンタンクケースは手前のキーの差込がある黒いパーツをプッシュすると開く。ちょっとした小物も収納するスペースがある。小銭・ハイカなどを収納しておけば、料金所で重宝しそう。尚、通常のバイクならこの辺にあるガソリン給油口は、右サイドのミラー近くにある。
ペンライトタンクケースにはペン型ライトも装備。
右グリップ右グリップは、セルスタータ、グリップヒータスイッチなど。「BC」はバック用のモータースイッチのようだ。
リアシートタンデムシートにスピーカー。パッセンジャー用にリア側からもCDなどのオーディオが操作できるスイッチがある。右側に電源ソケットあり。北米仕様ではインカム端子も装備。
CD右側面のパニアケースには、6連装CDチェンジャーが収納されている。
シートシートには電熱ヒーターがデフォルト装備。シートはふかふかのシート。長距離用としてはもう少し固めの方が良いのではないかと思うが・・・。アンテナはFM用。
バックギア最初、位置といい形といいフューエルコックかと思ったが(BMWはKもRもリザーブの切り替えコックはないのだが)、実はバックと前進の切り替えコック。この車格では、バックギアは贅沢装備ではなく、必要不可欠な装備だろう。LT比3/5強程度の重さでしかないR1100RSでも欲しいときがあるし(おかげで駐車する場所の傾斜には随分敏感になった)。
ニーグリップニーグリップする部分は、フワフワした素材でカバーリングされており、ホールド感も考慮されている。これもちょっと羨ましい。

感想:
 何でも付いている、もの凄い超豪華マシン。
 デフォルトで、一体型パニアケース、トップケース、パッセンジャー用バックシート、グリップヒーター、シートヒーター、ステレオ、タンクケースに、バックギア、6連装CDプレーヤー、オートクルーズと至れり尽くせり。後はGPSとエアコンを付ければ、今時の四輪と装備面でも全く遜色がない。
 中でも、一番羨ましいのは、オートクルーズ(スロットル操作をせずとも設定したスピードで走れる)。ベーエムに乗っていて高速道路で休憩を取るのは、専ら給油のためと、長時間スロットルを固定していることから来る握力低下のためだけと言っても良いくらいなんだが(フツーのバイクなら、それより先に膝や背中や腰に疲労が来るので、このことはいかにベーエムが疲れないバイクかということを如実に示している)、オートクルーズがあれば、握力低下すらもなくなり、給油以外には全く休憩する必要がないくらいになる。オートクルーズ、オプションでRSにも付かないかなあ・・・。やはり安全基準上問題あるからということで、ないか?

 LTを間近で見ると、その大きさもあいまって、二輪と四輪の中間、という感じがする。一度K1200LTを見ると、近くに飾ってあった、あれだけ馬鹿でかく感じたR1100RTでも、一回りも二回りも小さく可愛らしく感じられるほどだ。ワタクシのRSなんざ、これに比べれば、原チャだ。

 超長距離ツーリング用マシンとしては非常に魅力的と言って良いだろう。価格も、確かに絶対的には非常な高額ではあるけど、装備の充実具合を考えると、例えばR1100RTに同等の装備を加えたとした場合を考えれば、決して理不尽なほど高額というわけではないと思う。

 ただし、ここまで来るとバイク、という感じがしなくなってくる。店のオヤジからも、「これはバイクの楽しみは少ないから、自分(=ワタクシ)には向かないだろう」と言われる。そんなに走り屋さんというわけでもないんだけど、まあ確かに、これを買うほど、老成しているわけではないしな。ただ、高速道路で二人乗りが出来るのならなあ・・・。現状の日本では、そういう用途にすら使えない(いや、まあ、仮にそういうパッセンジャーが居るとして、だけどさ)。しかも制限速度80km/h。何て不自由な国なのだ(怒)。この方面で規制緩和があれば、価格相応の魅力的なマシンだと思うが、今の日本のそういう気の狂った統制的規制や、道路事情等を総合的に勘案すると、RTでも実用上の限界かやや超えてしまっている感があり、とてもK1200LTは・・・。
 特に、数々のパッセンジャー向き装備が、この日本では、ハッキリ言って殆ど無駄、立ち腐れなのが。それでも購入する人がゴロゴロいるってんだから(既にそのショップでも2台売れたとか)、不況ってウソじゃねえの?とか思う(ややヤッカミ込み(^^;)。だって、マジで、込みなら280万円以上よ?バイクよ?確かに注目度は凄いと思うので、そういうところに快感を見いだす人には高くない買い物なのかも知れないが、ワタクシはベーエムの実用性・機能性に専ら惹かれている人間で、そういう優れた機能性が十分に発揮できない環境下では、何ぼ何でも高すぎる。
 これはLTだけのせいではなく、むしろ日本の二輪への差別的規制のせいである。非関税障壁の典型だ。まあ、最終的には改善されるだろうが、どうも二輪に限らず、「自己責任と公権力」という関係において、日本では公権力が何でもかんでも介入してく傾向がある。こういう風土を根本的に変えなければならない時期に来ているのではないだろうか。などとも考えてしまった。
 あと、これはコケたら洒落にならんなあ(下手な場所だと起こせないかも)。

 それにしても、店のオヤジには、次はRTに確定ね〜みたいな感じに言われてしまっているのが最近気になる(ま、確かに2年で3万キロ走ればそうも言われるわな)。実はGSにも未練があったりして。どのみちRSのローンが終われば、の話だけど。K1200LT、試乗くらいはしたいかな。