2003/02/26(水) ■2・26事件 NHK『その時歴史が動いた』。新資料のアマチュアカメラマンが撮影した16ミリフィルムは保存状態が極めて良く、皇居の周りを走り回る戦車、陸戦隊を満載したトラック、行進する兵士など、鮮明に撮影されていたのが印象的。白黒ながら、装甲車の迷彩模様もはっきり分かる。歴史映像というより、「報道映像」という感じがしたが、劣悪な回線で高圧縮して送る現代のビデオ報道映像より綺麗なくらいかも。事件当時の緊迫した雰囲気が伝わってくる臨場感のある映像だった。東京の町の変容ぶりにも驚かされる。 内容的にはそれほど新味はなかったが、岡田首相の秘書官が当時の将星たちの狼狽ぶりを語っていて、直に見ている人の言葉だけに重みを感じられた。軍首脳がこの体たらくな一方、昭和天皇は早くから青年将校を反乱軍と規定し鎮圧することを明確に意思表示していた。この事件で最も筋を通したのは他ならぬ昭和天皇だろう、ということを再確認。青年将校の意思に私欲はなかったろうが、国家に多大な貢献をした高橋是清(この人がいなければ日露戦争で日本は戦費不足に陥り刃を交えるまでもなくロシアに敗れたかもしれなかった)を殺害したこと一つだけをとってみても、凶暴なる叛徒と決めつけられても仕方ないだろう。しかし、未だに青年将校らに人気があるのは、日本人の情緒に訴えかけるものがあったからではないかと思う。ロジックで考えれば、青年将校らの行動はどうあっても正当化できないのは明白だし、大体、見通しが甘すぎで軍人としての必要な資質にも欠けておるんじゃないかという気がしてならない。この「見通しの甘さ」は皇道派に止まらず、陸軍幹部全体に言えるのは、その後の対米自爆戦争でも分かることだが。とか考えて、さして目新しい情報はなくとも最後まで見てしまった。 NHKは3月の頭に「海外特派員報告」をBS1で放送するという告知を繰り返している。とりあえず中東関連のは押さえておくかと思う。 2003/02/21(金) ■領空侵犯 北朝鮮の戦闘機2機が韓国の領空を侵犯。韓国国防省が抗議。20年ぶりとか。 何が驚いたって、件の北朝鮮戦闘機がMiG-19ってことか。そんなのがまだ飛んでいるのか。もう、普通の国なら博物館行き間違いなしの老嬢。レーダーも搭載しておらず、基本的には、昼間にしか運用できないシロモノ。現代戦の航空戦力としては数に入らない老朽機と言って良い。何かもう、大井川鐵道的だよ、このアナクロさ加減は・・・。 こういうことがあるので、北朝鮮の兵力を量る時に出てくる「航空機何機、戦車何両」ってな数字は、割り引いて考えにゃならんと思うね。MiG-19なんて何百機あろうとたかがしれている。もちろん扱うのは人なので旧式装備と侮ってはいかんとは思うが(装備だけで戦争の勝敗が決まるなら、イスラエルなんて国はとっくの昔に消滅している)、さすがにここまで戦争博物館的老朽化を来しているのを見ると、少なくとも数字で受けるほどの脅威を感じる必要はないと言うべきだろう。恐らく燃料難で訓練も満足にできてない筈なので、操縦者の練度も落ちているだろうし。 ■地下鉄火災 反対車線で車両が燃えているのに、司令所は車両を駅に入れさせて、さらにドアも開けずに乗客避難の指示も出さなかった模様。混乱していたのか、必要な情報が集まっていなかったのか。素人考えでも、車両を駅に入れさせるのであれば、余計なことを考えずに直ちにドアを開放して速やかに乗客を出口に誘導するべきだったのに、どうしてそうできなかったのか。 その後、運転士がドアのキーを持って避難していた、との報道もあり。乗客は車内に閉じこめられたまま置き去りにされたことになる。本当だとしたら、これも酷い話だ。 テレビのニュースで遺族らが遺体を確認している様子を外から撮影。姿はもちろん見えないが、遺族が号泣している声が響く。やりきれない。 ■BMW 仕事で来客と対応していたら、雑談でその相手がBMW乗っているという話になって驚いた。もう50過ぎの中高年の方だが、R100Sとかその辺の古いマシン(車歴15年オーバー)を大事に乗り続けているとのこと。オレなんか洟垂れ小僧だねこりゃ。 意外と色んな所にいるBMWライダー。 2003/02/20(木) ■KeyHelper ここ。自由度の高いキーマッピングユーティリティ。 SLザウルスが発表された際、2ちゃんねるなどでは、キーボードについてこき下ろす書き込みがあったんだけど、キーマップの割り当てを変更するユーティリティが出れば解決する問題であって、Linux端末にんなこき下ろしは不当極まりないと感じていたんだが、まさにそれを解決するユーティリティ。タスク切替も可能らしい。 ただしまだユーザーインターフェースがほとんど考慮されていなくて敷居が高め。ターミナルでコマンドを入れるのが必須のようだし、エディタで設定ファイルを編集しなくてはならない。一応ザウルスに入れはしたが使用するまでにちょっと時間かかりそうなので、今週末にでも時間を取ってゆっくり試すつもり。 2003/02/19(水) ■韓国地下鉄火災 通勤に地下鉄を3本乗り継いで往復している身には全く他人事ではない。怖い話である。 これ、報道を見ると、火災が最初に起きた方の電車ではなく、その反対側のホームに到着した電車の方に犠牲者が多かったらしい。反対側ホームに電車到着、到着した電車は煙が上がっていたので煙が入らないように電車のドアを閉める、そこへ停電・延焼、光もなく非常コックの位置も消火器の位置も分からず閉じこめられて多数が亡くなった、ということらしい。運転士の判断ミスの可能性もあり取り調べとのこと。 日本でも各所の地下鉄でチェック。しかし、停電になるとドアの非常コックや消火器の位置が分からなくなるってのはまずいね。これは多分、ランプを付けるなどの改修が行われるんではないだろうか。 電車ってのは基本的には最も安全性が確立された輸送手段なんだけど・・・。こんなことで亡くなってしまった犠牲者・遺族の方々は同情にたえない。ご冥福をお祈りしたい。 ■『アメリカ陸軍全史』(学研) 桁外れの生産力。他国の機械化歩兵師団並みに機械化された歩兵師団(馬匹がいない。文字通り完全自動車化部隊)。マニュアル主義に基づく、均質・標準的な人材に、圧倒的な動員力。人的資源という意味では、市民中心の重装歩兵で構成されたローマ帝国と重なるなあ。 動員力だけでも凄まじい。兵器・食料生産に影響出ない範囲で根こそぎ動員した場合、1300万人程度動員可能だったらしい。机上のプランとはいえ、1300万人もの軍隊を持ちながら経済が破綻しない近代国家というのは空前絶後だろう。 つくづく、この国とだけは戦争しちゃいかんかったのに・・・と思ったよ。 日系人部隊、第442連隊戦闘団の凄まじい戦績に改めて驚く(受勲総数が1万!)。鬼神のような戦闘ぶりだったのだろう。日系人部隊の戦いを取材した従軍記者の、「彼らの忠誠心を疑う者とは議論するまい。ただその顔はけっとばしてやろう」という記事の一文に泣く。 2003/02/18(火) ■SLザウルス テキストエディタとしてZEditorを使っているが、標準のメモ帳で感じていた不満点が結構改善されていて(保存すると終了とか、文末にジャンプする機能がないとか)結構便利に使っている。あとはタスク切替がタップでしか出来ないのが何とかなればなあと思っていたら、キーボードでタスク切替可能なTaskSwitcherがリリース。0.3ではうまく動かなかったが、0.5ではちゃんと動作するようになった。最近、エディタとHancomSheetを交互に使う機会が多いのでありがたい。 最近他に色々やることあって、なかなか腰を落ち着けてザウルスの面倒を見ていられないが(しかしメモ打ちやエクセルシート入力には活用できている)、この二つのソフトは使い勝手を相当改善してくれそうだ。徐々に環境が整備されつつある感じ。 2003/02/11(火) ■真鶴 合宿で真鶴。行き、沼津ICで下りて熱函道路を使って熱海経由で真鶴へ入るが、酷い渋滞で沼津ICから2時間弱かかってしまう。昨年の真鶴合宿は大井松田ICから小田原経由で行って、結構ひどい渋滞につかまってしまい今回はそこを回避したつもりだったのだが、結果的にはより時間がかかってしまったようだ。行きの途中、今月いっぱいで売られなくなる高額ハイカを自販機で5万円のを1枚購入。もう1枚買っておいた方が良いかも知れないが、さすがに10万円を一気に出すのはしんどいよ(5万円でも自販機で買うのは何だか変な感じだよ)。あまりくどくど言っても仕方ないからやめるが、道路公団のやり口には罵倒をいくら重ねても足りないほど怒りを感じている。高い料金に二人乗り不可の理不尽な制約に加え、今回の高額ハイカ停止。また、合宿中、自動車用にカーナビと組み合わせた高付加価値サービス・機器を開発中というテレビニュースを見て、同じBMWモーターサイクル仲間のF田君と一緒に、「そんなもんを開発する間があるんなら、二輪用のETCを死ぬ気で開発せんかい!」と激怒。この無神経さは、マリー・アントワネットライクだぞ!(「パンがなければケーキを食えばいい」ってヤツ)。そのうちムシロ旗立てて暴動起きるぞ。 F田君がF650CSに付けていたアクセルグリップ用助力装置に心惹かれまくる。高速でなら凄い使いでがあるぞあれは。RSよりはましだが、RTも長距離だと右手の握力がやばくなるからなあ。 帰りは雨。しかし気温がそこそこあって、それほど寒さは辛くはない。静岡あたりまでは雨もひどくはなく、2月としては望外に快適な走行を楽しめた。 しかし。ガソリン補給しないまま出発し高速に乗って、富士川SAをスルーした直後にガソリン残量警告灯が点灯。残り4リットル前後で警告灯が表示されるのだが、何とかなるだろうと思ったらそこから50km程度SAがなく、これは危ないと感じたのでやむなく焼津ICで下りて補給。スタンドで22.5リットル入ったので、残りは1.5リットルを切っていた模様。その次のSAまで約20km、ギリギリで間に合ったかもしれないが、ヘタをすると高速でガソリン切れで立ち往生という超カッコワルイ目にあったやも知れず。ガソリン補給のために高速下りること自体がカッコワルイが・・・。400kmってちょっと中途半端なんだよな。 途中で下りたりそこのインター近くのトンカツ屋で順番待ちしていたり、また、雨で車の流れ自体が低速で、時間がかかってしまい、大井松田に乗ったのが11時頃、自宅に着いたのが17時頃と6時間程度かかってしまった。気温はこの時期にしてはまあまあだったが、時間もかかり、雨の走行は(RTといえども)やはり疲れた。 2003/02/06(木) ■『ボナ植木のマジック整理術』(ボナ植木、講談社+α新書) ナポレオンズのショーはテレビで何度も見ているけど、いつ見ても「ああ、クレバーな演出するなあ」と感じていた。この本に紹介されている整理法も、そういうマジシャンらしい感じ。合理的で割り切った考え方で、参考になった。色々と環境が違うので、そのまま適用しようとは思わないけど、考え方を自分の環境に応用してみることはあるかも知れない。ただ、クリアフォルダを互い違いにさして袋状にするのはすぐに実践できそうなアイディアで、どこかでクリアフォルダを大量に安く売っていたら考えよう。 ビデオテープの処理はどこでも頭を悩ませているようで、この本では、PCでタイトル管理、ビデオテープそのものは屏風状に折り畳める特製収納棚を作って効率的に収納、という方法が紹介されている。VHSは時間順で記録し、テープの背には何年の何番目のテープかということだけを書くという点では、VHSをメイン録画機にしていたつい先日までは、全く同じ方法を取っていた(PCで管理まではしてなかったけど)。ただ、僕はもう、棚を新造する気力もなく、際限なく増殖し続けるぶくぶく太ったVHSテープを管理するのにも疲れ果てててしまったので、ハイブリッドレコーダを購入して、新規のエアチェックはHDD/DVDで行い、さらにDVDに過去のVHSの中身を順次移行させている。自室からVHSカセットを一掃するくらいの意気込みで取り組んでおります。移行する際にExcelでリストを作っているので、これは後で管理台帳にして使えるなあ。まあ、タイトル毎に分けているので、もうPCで管理するまでもないかも知れないが。 メモしておかないと不安というのは僕も共通している。僕の場合は、何せ一人暮らしなんで家事から仕事まで一人でプレイしてマネージしなくてはならないことが大きいけど。マジックのネタといった創作的活動ではなく、本当に事務的用件がメインなので、動作の緩慢なSLザウルスで良いかな、と。こういう用途としてのPDAはPalm(WPJ30)から使っているけど、僕の場合本当に備忘録で、後から検索することって少ないんだよな(用件が済んでチェックを入れたToDoを後から見返すことはほとんどない)。だから検索の効かないザウルスでも今のところ不満はそれほどなかったりする。 ボナ植木のPC履歴は、国産DOS/Vマシン−DOS/V自作という、ちょっと珍しいコース。最初のマシンはシャープのAXシリーズだったらしい。386の時代。一般的に言って、この頃にPCを始めた人ってのは、知的な意欲が非常に旺盛な人であることが多いと思うので、この点でもいかにもという感じ。 ナポレオンズのWebも見つけた。ここ。 2003/02/03(月) ■RTタイヤ 替えようかと思っていたが、よくよく調べるとまだ山が残っている。もう少し走れそうだし、ちょっと最近出費が多くてそこまで回らないので、後回しにすることにした。 今週末は真鶴へ行くのだが、とりあえず現状のまま行くことにする。帰ってきたらまた考えよう・・・。 ■NHK教育 古代の超テクノロジー。パスカルの計算機械のような歯車仕掛けの機械が既にローマ時代に出来たことに驚く。 僕は、この古代の超技術がなぜ失われたか、ということにむしろ興味がある。僕は、一つの大きな原因として、知の共有化ということが制度として成立していなかったからだと思う。知の共有化にはいくつか方法があると思うけど、一つは科学的手法に基づくもの(学会で発表−追試−公認)というものと、もう一つは特許制度だと思う。 アレキサンドリア図書館一つが焼けただけで、全てが埋もれてしまう。科学的方法であれば、論文を読んだ英才が生き残っていれば再現は可能だろう。特許制度は、ぶっちゃけた話、「人の欲」を「公益」とうまく合致させる制度なので、これが確立されていれば、経済的欲望が働いて結果的に技術が継承される可能性が高まる。 そういう知の共有システムが働いていないので、いかにアルキメデスが天才的な工学者でもその知識・技術は一代限りで終わってしまい、その後千年以上技術は失われたままだった。こうしたシステムが出来る前の突然変異的な天才の話は、例えば平賀源内がそうなんだけど(この人は生まれる時と場所を明らかに間違っていたと思う)、彼らの活躍が華々しければ華々しいほど、その後の後退が際だって感じられてしまい、もの悲しい。 2003/02/02(日) ■コロンビア え、えらいことに・・・。宇宙開発史上、チャレンジャー事故と並ぶ悲劇となってしまった。 シャトルは、初打ち上げから20年経って、実績も十分積み、大事故の教訓も取り入れ、もう十分「枯れた」システムの筈だったのに。 有人宇宙飛行の難しさを再認識・・・。ペイロードの大きいシャトルは、乗組員を他のシステムに比べて多数乗せられるだけに、こういう事故があると一度に多数の人命が失われてしまうのが、シャトルで事故が起きた場合に悲劇性を増す原因の一つだろうな・・・。 これで実用となっている現用有人宇宙飛行システムは、ロシアのソユーズのみに。NASAの飛行計画のみならず、ISSの建設スケジュールに破滅的な影響が出ると思われる。無念の極み。 |