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Rio 再生MDが壊れてしまって買い換えを検討してたところへ、Diamond社がMP3プレーヤーをリリースする(その後Rioという名称が発表)というニュースを聞き、待ちの体勢に入ってはや3ヶ月。その間、携帯向きではないMDレコーダーをバイク用音楽機器として不便さに耐えつつ使用、指折り数えてRioの発売を待つが、本国米国で音楽著作権団体から裁判所に販売停止の仮処分を求めて提訴されたり、その影響で販売が遅れたり、結局仮処分は認められず逆にDiamond社が損害賠償で反訴したり、まあ色々あった末、1998年12月12日、ようやく製品が日本橋の店頭に並び、若干触ってすぐに購入。翌日、T-ZONEで確認したらすでに売り切れたようだ(躊躇せずさっさと買っておいてよかった)。以下、Rioインプレです。


筐体関連
重量・外観 70g。軽い。ちょっとプラスチックが安っぽいが、強度的には割と強そう。電池を入れる蓋が堅くて開けるのに難儀する。がこれだけ軽いのは偉い。
取扱 メカ部分の多いMDと比べると、軽いこともあって遙かに気が楽。今までいかにMDプレーヤーを慎重に扱ってきたか逆に実感した(^^;)。
ボタン操作感覚・配置 前面のボタンは適度なクリック感があり操作しやすい。また、HOLDにしないでポケットに放り込んでいても、誤って押される状態にはなりにくい形状のようだ。ただし、上面に付いている3つのボタンはかなりデリケートでクリック感にも乏しく、知らない間に押されていたことが数度あった。特にイントロ再生なんてトリックプレイのボタンがここに独立してあるのは変。他の2つのボタンは演奏中に誤って押しても致命的ではないが、イントロ再生だけは、誤って押されると驚いてしまう。実際、HOLDにしないで試していたとき、イントロ再生の状態になって、曲がいきなり飛んだので、「げっディスクの読み取りエラーか?」と一瞬思ってしまった。半導体オーディオではあり得ないことだというのは頭では分かっているが、MDを使い始めて3、4年は経っているので、つい反射的にそう思ってしまう。個人的にはイントロ再生なんて機能は不要なので、このボタンはあるだけ邪魔のような気がするが・・・。まあ、HOLDにしておけばいいんだけどね。
電源 単三電池というのも、ランニングコストを重視する一般の市場より、電池切れの際の補充の容易さを重視するモバイル機器市場(マニアメイン?)の好みには合っている。1本で12時間動作可能という動作時間はまあまあだが、最近の再生MDもそのくらいの動作時間は達成しているので、もっとがんばってもらいたい。対応電源は単三電池のみで、充電池への充電機能や、ACアダプタはない。割り切った考え方である。また、電池の残量を表示してくれるのはユーザーフレンドリーでうれしい機能だ。
メモリ増設 スマートメディアでメモリを増設する。AKIBA PC Hotline!の記事によれば、DIAMOND社製以外のスマートメディアでも動作するらしい。ただし、3.3Vのみで、RioManagerを通さずにMP3ファイルの転送は出来ないようだ。現在のところ、スマートメディアは16MBが最大容量なので、めいっぱい増設しても、全部で48MB。64kbpsで約90分となる。将来的にはこれでは不安か。

音質関連
  音質   64kbpsでは、音質はやはりあまり良くない。64kbpsだと、デフォルトの内蔵メモリで60分記録可能なのだが、圧縮による不自然さが耳に付き、MDとの音質差がロコツに出てしまう。かといって128kbpsでは30分ぽっちしか記録できないので、内蔵メモリオンリーの現状では64kbpsにするしかない。64kbpsでは、オリジナルの1/20以下のサイズにしているワケで、この圧縮率の高さを考えればクオリティ低下はある程度は仕方がないが、音質を重視するユーザー層には向かないだろう。ワタクシは風切り音、メカノイズ、排気音などの騒音だらけのバイクでの聴取がメイン用途の変なユーザーで、64kbpsでもこの位の劣化ならさほど問題なしと判断。実際にバイクで試してみると、全く不自然さがないとまでは言えないが、まあまあ許容範囲だと思う。

操作関連
動作速度  動作速い。当たり前だがヘッドシークなどのアクセスの音もしない。パワーオン後の立ち上がりも速い。立ち上がりのMDとの速度の差をDVカメラで撮ってじっくり比較したところ、倍以上速い(MDが5秒程度かかるのに、Rioでは2秒強)。これこれ、この機敏さだよ、わしの求めていたのは・・・。
パワーオフ 停止してパワーオフにすると、演奏情報はリセットされる。というか、そういう演奏情報記録用のメモリが用意されていないようだ。例えば、曲を聞きかけで停止してパワーオフにし、次に電源投入すると、ワタクシの持っているMDでは、聞きかけの曲の続きから演奏が始まるのだが(最近のMDでは、聞きかけの曲の頭出しをして再生するようだが)、Rioでは必ず1曲目を再生するようになっている(通常再生の場合。ランダム再生の時は、前回パワーオフ時の曲に関係なしにランダムに選曲される)。まあ問題ではないのだが、相違点の一つ。
リモコン 今時のたいていのMDプレーヤーには手元で操作できるようリモコンが付いているのが普通だが、Rioにはない。できれば、動作状態を表示するバックライト液晶付きのリモコンがあると良かった。
PCとの接続 接続がプリンタポート経由ってのはあまり良いことではない。USBだったら完璧だった。実際、最初はBIOS設定を変更しないと認識されなかった(EPPではなく、ECPに対応)。ただ、この手間も最初だけで、転送速度は十分だし、活線挿抜可能でシステムの再起動も要求されないので、運用上の問題は事実上ないだろう。また、プリンタポートアダプタには、スルーポートがあり、プリンタとの併用が可能。

付属ソフトについて
付属ソフト 2つ付いている。RioManagerはRioとの接続ユーティリティ。ファイルのやりとり等を行う。エンコーダはMusicMatchJukeboxというBrava Software社のものがデフォルトで付いており、一応、Rio本体とWin95/98 PCさえあれば、CDをMP3化してRioにダウンロードして音楽を聴くことが出来るようになっている(が、MusicMatchJukeboxには罠が仕掛けてあるので注意)。
RioManager エクスプローラからmp3ファイルをドラッグアンドドロップでコピー可能。削除もコンピュータから可能。転送速度もわりと速く、数秒で終わる。想像以上に使い勝手がよい。ただし、Rio単体では、曲の削除すら出来ない。こりゃ親亀こけたら皆こけるな。まあ、ちんまいボタンをポチポチ押すのよりどっちがいいかって話になるけど。
 また、RioManager上で、曲名を付けることが出来る。ただし、この名前はRio本体には表示されずPC上でのみの表示。本体では何曲目かを示す数字の表示のみで、やはりこれでは少し寂しい。Rio本体にも曲名等の曲情報が表示されれば、スタンドアロンMDでは曲名入力は現実にはなかなか出来ないことなので(入力が大変)、MDに対する優位性が一つ増えることになったのだが。
MusicMatch
Jukebox
 CDからダイレクトにMP3ファイルを作成するソフト。1分55秒の曲に対し、64kbpsへの変換でMP3ファイル化が55秒程度で終わるので、変換速度も高速だと思う。
 ただしインターフェイス等が特殊で少し分かりにくい上、全部英語。また、デフォルトではエンコードしようとして、CDのトラックを選択してエンコードボタンを押すと、「ソフト代金(US$29.9)を送金せよ」というダイアログボックスが英語で出て、送金するためのダイアログまで出て、これをキャンセルするとCD選択画面に強制的に戻され、エンコード出来ない(これが罠だ)。よほど送金しようかと思ったが(^^;)、DIAMOND社のWEBでこれを解決するバッチを提供しているのが分かり、ダウンロードしてバッチを当てたらエンコードできるようになる。マニュアルには何の記述もなし。これはかなり良くない。まあ、この辺がいかにもこういう出始めの製品らしいところでもあるが・・・。
 AudioCDを直接mp3に変換する機能がありながら、WAVをmp3に変換する機能をなぜ落としているのか理解に苦しむ(完全版ではあるようだ)。過去に録っておいたWAVをmp3に変換できず、これは別のフリーの変換ソフトを使わなくてはならず、煩雑だ。
 尚、蛇足ながら、これではなく、別のエンコーダソフトによって作成されたMP3ファイルも、RioManagerを使えばRio本体へ転送可能。

総評:
 色々書いたが、音質重視ならMD、取扱・機敏さ重視ならRioだろう。ワタクシは、音質には多少目をつぶれる使い方を想定していたので、MDのアクセスのとろさから解放されたいというのを重視してRioを選んだが、音質にこだわるのなら、MP3プレーヤーは明らかに時期尚早だと思う。エンコーダの特性や曲との相性もあるが、全体的にいえば、所詮64kbpsのクオリティでは、CDクオリティのMDとは比較にも何にもならず、静かな自室で聞けるレベルには到底達していないと思う。デフォルトの内蔵メモリが倍以上(64MB以上)になり、128kbpsのクオリティで74分(=MDのステレオでの最大録音時間)が確保されたときに初めて、音質面でのMDとの比較のスタートラインに立つということになるだろう。
 ただ、例えばジョギング中など、激しい振動下で運用可能で、ランダムアクセスなプレーヤーということでは、選択肢はRioかMpManの2つのMP3プレーヤーしかないが。

 PCとの親和性は極めて良好だ。というよりPC前提の商品なので当たり前なんだが。また、現状ではまだPCとの親和性の高さが今ひとつ音楽聴取での具体的メリットに結びつかない(音楽聴取以外では、音声の品質を落とすことで非常に長時間の録音が可能というメリットはある。語学学習などには良いかも知れない)。例えば、Rio本体での曲名表示ができていれば、PCと組み合わせて使う場合のわかりやすいメリットとなったのだが・・・。
 また、必要最低限の装備はあるものの、曲名表示がされない、本体液晶にバックライトがない、リモコンがない、動作は単三電池のみでACアダプタには非対応等々、今時のMDプレーヤーに比べると、装備関連ではやや貧弱な点も目に付く。が、実売価格が27,800円と比較的低価格であることを考えれば、まあ、やむを得ないかとは思う(MpManが当初5万円くらいしたことと比べれば、Rioの価格は思い切った低価格とも言えるだろう)。
 結局、音質、装備面での思い切った割り切りに納得できるかどうかが、購入・評価の決め手になるのではなかろうか。ソフト(エンコーダ)が不親切である点を除けば、ワタクシはまあまあ満足しております。PCを持っていて、バイクで聞くという人には特にお勧め(ってそんな人は圧倒的少数だとは思うけど・・・)。

追記(98/12/24):
 MusicmatchJokeBox(以下MJB)について。CDの内周部分に記録されているデータの読みとりがうまく行かず、アナログで記録されてしまう。他のソフトではそういうことはないので、これは本当にMJBとドライブの相性かも知れない。例えば「カレカノ」サントラvol.1では、全24曲中12曲までしかMP3化できず。手持ちのフリーソフトをまた使う。手持ちのフリーだと、CD→WAVはかなり高速なのだが、WAV→MP3化が非常に時間がかかるので、速度から言えば、mp3付属のソフトを使いたいのだが・・・。また、手持ちのフリーのmp3エンコーダは64kbpsにしたときの品質劣化が凄まじく、とても聞けたものではなくなるので、128kpbsでエンコードした後、MJBでRioに転送するときに64kpbsに落としているが、これでは2回エンコードしなくてはならず、時間かかりすぎ。非常にかったるい。なんとかせねば。PDドライブで試してみるか・・・。