Mapacom's Best Movie


2000年のロードショー映画ベスト5+α
映画好きだけど最近はすっかりロードショーしか観なくなりました。でも映画にはうるさいので感想ついでにお勧めすることにします。
日本映画界をかなり地味に支えている私としては、映画は映画館で観ましょうと言いたいし。

 2000年はロードショーにそんなに行けず残念だったなあ。




順位タイトルジャンルお勧め度
BESTアイアンジャイアントアメリカ製ロボットアニメ映画全ての(ロボット)アニメファン必見
2位リング0バースデイ現代ホラー映画かなりお勧め
3位TAXI2フランスカーアクション映画かなりお勧め
4位トイストーリー2CGおもちゃ映画なかなか良いです。
5位シュリ朝鮮アクション映画アクション好きに是非
6位XメンSFアクション映画Xメンの実写版。ファンでも可。
7位グリーンマイルキリスト教的死刑囚映画泣ける映画として
8位スリーピーホロウ首無しアクション映画オカルトミステリとして
9位60セカンズ車泥棒映画カーアクションとして
10位パーフェクトストーム海上台風パニック映画リアルCG映画として
11位ダブルジョパディ冤罪主婦映画一風変わったサスペンス物として
12位タイタンAECGアニメスペオペ映画アニメ混合CG作品として
13位ミッショントウマーズ近未来NASA火星映画NASAの宇宙飛行士物ファンになら
14位ISOLA多重人格震災映画木村佳乃ファンになら
15位おしまいの日。社会派主婦映画新井素子ファンとして
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ちなみに1999年の映画の感想はこちら。


Xメン

アメコミ原作の実写版。Xメンとは古い。スポーンの映画化では期待を裏切られたのでそれほどの期待はしなかった。
 Xメンとは突然変異により特殊な能力を身に着けた人達の、エグゼビア教授率いる一行の名称。今回の敵はエグゼビア教授の兄であるマグニートとその仲間。主人公はどうやらウルヴァリンのようだ。Xメンの代表である車椅子の威厳ハゲ、エグゼビア教授の能力はテレパシーと念動力、他人の肉体を操ることも可能。対する磁界の王マグニートは、磁力を操る(劇中では金属を自在に操っている)。このあたりが実に強力な力として表現されており、なかなか心地良い。やはりボスキャラが強くなければ物語的にも面白くならないからだ。この二人は兄弟である設定もちゃんと生かされている。 しかしやはり見るべき部分は超能力者同士の戦いである。かなりいい感じに派手に仕上がっている。これ以上派手にすると香港映画になる程度だ。
 設定を割と重視しているが、残念ながらウルヴァリンの体格までは再現出来なかったようだ。彼は身長160cmで前屈みの姿勢が多いのでかなり小男なのだが、さすがにそんな俳優はいなかったか。

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TAXI2

スピード狂のタクシードライバーの話。カーアクションのあるコメディである。前作から様々な意味でパワーアップしているが映画としてのまとまりなど、前作の方が良かった部分もあると思われる。しかしかなり出来の良い傑作である点は前作と同じである。
ストーリー的には前作の方が良かったのだが、さすがに豪華さでは段違いにレベルが上がっていると言える。壊す車の数や壊れ方も尋常ではない。今回の敵役は日本人&日本車である。黒塗りの4WDラリー車と言うのも何か変なのだが、お構いなしだ。こう言った外国人敵視ものは差別表現もバリバリで非常に楽しめる。多分次はイタリア人のイタ車か、アメリカ人のアメ車となるんだろうが分かっていても見に行きたいと思わせるものがある。
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60セカンズ

高級車泥棒の映画。かなり前の映画で『バニシングイン60』のリメイクと言う話。
車を盗む手法はそれなりに進化しているが、この映画では大して重要なことではない。映画の宣伝では、一晩に50台の高級車を盗むことがテーマの様に言われているが実際は少々違う。弟の不手際で盗み損ねた50台(すべて車種指定済み)を兄(伝説の車泥棒で引退済み)が盗み直すのだが、期限が切られた時点で3〜4日余裕がある。メンバーを集めたり調査したり、盗みは一晩にまとめてやらないと警備がきつくなるといった理由等で一晩でやることになる。トラブルもいくつかあるが、あっと言う間に残り1台になってしまうので今何台目なのかというのは映画の進行上関係ない。 それなりにカーアクションは凄いのだが、主人公を演じるのはニコラス・ケイジである。演技の上手下手では無く、ミスキャストっぽいのだがどうだろう。(困ったりする情けないおっさん役をやらせたらこの人には非常に合うと思う。格好良い役はどうもなあ。)
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パーフェクトストーム

嵐の海をCGで表現して話題になった映画。本当にリアルなのでCGかどうか分からない。しかし嵐のシーンはほとんど夜間なのでCGなど無くても上手くやれば撮れる映画だったかも。もっと迫力を期待したのだが、期待し過ぎだったか。
主人公と思われるカジキ漁船の一行は、やっとのことで得た大漁を製氷機の故障からまっすぐ台風を越えて帰らないと間に合わなくなり、無謀にも突っ込むことになる。田舎漁村の漁師らしい恐いもの知らずさで、全員賛成の大喜びで台風に向かう様はある意味心地良いくらいだ。心配する他の船長の話もあるのだが、早々にアンテナを吹っ飛ばされてしまうために連絡は全く出来ない。このあたり結構イマイチである。 数カ所の舞台を切り返しながら時間が進むのだが、結構分かりにくい。カジキ漁船とその家族のいる村、難破したヨット、救助船、救助ヘリ、テレビの天気予報官、その他貨物船等。すべて暗い嵐の夜の海上での話なので変わったかどうかも分からなかったりする。単に外人の顔が見分けられていないだけなのかも知れない。

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タイタンAE

CG+手描きアニメのSFスペオペアメリカンアニメーション。結構イマイチだった。途中で寝てしまったような気もする。
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ミッショントゥマーズ

 2020年、NASAが火星へ有人調査船を送ったところから始まる宇宙物映画。なぜ今時こんな内容の映画を!と、ある意味衝撃を受けた映画である。火星文明の謎とか地球の過去とか人類の未来であるとかテーマはあるのだが誰を対象とした映画なのか最後まで分からなかった。誰が観て楽しい映画なのだろう。
 物語中に出てくる謎解き等、ネタばらしになるので自分で確かめたい人はここより後を読まなくて良いです。それほどの謎や驚きと言うわけではないのだけれど、それすら知ってしまうと尚更映画を見る価値が無いような気がする。
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 ネタばれ注意
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 マーズ1号で火星を調査していた4人が、山の上に何かを発見する。近づいて電波やら何やらで調査していると山全体が金属と言うことが分かった頃に巨大な竜巻が発生し一人を残して死亡。他の衛星からの写真でどうやら一人が生き残っているらしいことを見つけたNASAはマーズ2号で救出に向かうが事故で途中一人死に、宇宙船そのものを破棄する。人工衛星で何とか火星に着陸して基地に行くと確かに一人生きている(この時点で物語当初から1年経過)。肝心な謎の山は竜巻の後、巨大な人の顔の建造物が現れている。例のアレだ。妙な音を繰り返すことから、音を調査するとDNAの立体構造の一部を表していると分かる。その謎を解き、DNAの構造を完全にした音を当てると扉が開く(この辺でわりとどうでも良い感じになって来る)。中に入ると火星と地球の歴史を見せられる。火星には昔隕石が当たり、星を捨てて他の銀河へ旅立ったのだが、その時地球に生命の種を置いて行ったということ。CGな火星人(風の人)がしぐさで説明する(これならまだタコ足火星人でもいい位である)。最後に、基地に残っていた地球帰還用宇宙船を修理して帰るのだが、主人公は火星人の宇宙船に乗って未知の世界へ一人行ってしまう(‥‥‥)。
 基本的にはNASAの宇宙飛行士の話である。出発前のパーティから始まり、航行中の様子とか、夫婦での宇宙飛行士が家族の話をするとか、事故が起きて対処するとか。主人公は名パイロットだが愛妻を病死したショックから当初は任務を外されている。この辺のトラウマ物も定石と言える。他人を救うため犠牲になる宇宙飛行士とか、過去の楽しい映像とか、泣かせる場面も無いことは無いのだが、いかんせん現実味が無い上に月ロケット物の様なリアリティが無い。近未来ものでドキュメンタリでないから仕方ないのだが、少なくとも前半はドキュメンタリな感じになっている(これも失敗の原因と言えなくもない)。
 火星の様子もかなりイマイチだ。単なる乾燥地帯で、地球外なイメージが無いのだ。今となっては火星の大気がいつも赤く濁っていて常に砂嵐が起きているわけではないことは分かっているものの、あまりにも普通すぎる。違いは宇宙服を着ているかどうかだけなのだ。
 結局この映画は、20〜30年位前のSFをそのまま今の技術で作っただけで特にSF考証などしていない脚本なのだった。SFファンにも勧められないし、子供が楽しめるわけでも無い。一体誰が楽しいと感じられるのかが謎の映画である。謎解き映画なら、せめて観終わった後にすっきりした気分にして欲しい気がするのだが。

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アイアンジャイアント

 冷戦真っ只中のアメリカ田舎町に、宇宙から落ちて来た記憶を無くした自意識のあるロボットと少年の出会いから別れまでの物語。テーマは『望めばなりたい自分になれる』。ロボットが望んだなりたいものとは?
 単純でステロタイプなストーリーだが、脚本や映像が非常にしっかりと作ってある秀作。取り立てて見所がここだと言うわけではないが、この出来の良さは尋常ではない。なにしろ泣ける作品に仕上げられているのである。ロボットが飛ぶだけでどうしてこんなに泣けるのか良く分からない。増してクライマックスからラストシーン(これまた泣ける)は圧巻で、ロボットアニメファンのツボを鋭くえぐる。ファン必見のアニメと言えよう。
 アニメーションとしては普通の手描きであり、ロボットだけがCGになっている。ゾイドなんかと同じ仕組みで、べたっとした色使いでCGっぽさを無くすものだ。もちろん映画として金が掛かっているのでレベルは違うが、アイアンジャイアントはそれほど複雑なロボットでない分、普通の絵に違和感少なく溶け込んでいる。
 取り立てて特徴の薄いジャイアントの顔や、いかにもアメリカアニメ風の人物が止め絵の迫力を下げているため、この映画の広告や宣伝記事は今一つパッとしない。顔が変わるわけではなくとも劇中のジャイアントは非常に表情豊かであり、人物にもくどさはない。この辺りも実際に観てみないと分からない部分であり、損をしているとも言える。(主人公の少年ホーガースはかなりイイ奴である。)
 見所が特定出来ないとは書いたが、無いわけではない。ストーリーばらしになってしまうクライマックスシーンを初めとして、ジェット機との空中戦や、自己修復機能(伏線)、戦車・戦艦・潜水艦等の当時の米軍、もちろんロボットのほのぼのシーンも見所と言える。ただ、この映画で惜しいのは上映している劇場が少ないことである。アメリカでは1999年の9月頃に上映されたようだが、興行的に失敗したため、日本での上映規模も小さくなっているのだ(まあ、スターウォーズとかあったしね)。ワーナーマイカル系のみで、日本中では26館しか無い上に東京や名古屋等の中心地では上映されない。取り敢えず東京の人には横浜まで行って貰うとしよう(DVD買うとか言う前に)。口コミでも評判が上がれば新宿で見られるようになるかも知れないし。(ワーナーマイカル系の劇場自体は設備も良くてキレイなとこです。)

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グリーンマイル

 治癒能力を持つ無実の死刑囚と看守の物語。スティーブン・キング原作の非ホラーもの。かなりしっかりとした作りの映画なのでそれなりに楽しめる。まあ、泣き落とし映画だから泣けると言うべきか。でも単純であることも否めない。ここが凄いと言う様なお勧め部分が無いわけだ。3時間以上の映画で長いと思わせない辺りは確かに凄いのだが、特徴に欠けると思われるのは仕方がない。
 双子の少女達を殺した罪で連れて来られた巨大な黒人の死刑囚は、病気や怪我を吸い取り、別の物として吐き出す事が出来る能力を持っていた。しかも調べると実は無実であることも分かる。その時、看守達がすることは何かと言う話。結論から言って、死刑を行うしかないのだが。
 この物語は、キリスト教の聖書を元にしていると聞いている。死刑囚の名前はジョン・コーフィー(飲み物のコーヒーとは綴りが違います。と自己紹介で必ず言う。)の頭文字はイエス・キリストと同じであり、『全ての罪を背負って死んで行く』のも同じであると言うわけだ。主人公の看守は、自分が最後の審判で『なぜ神の使いを殺した』と聞かれたらどう答えるべきかと悩むことだし。キリスト教文化圏であれば、この映画の見方もさぞかし違っている事だろうと思う。
 監督と原作が同じ映画である『ショーシャンクの空に』とは、同じ世代で同じ刑務所もの、主人公が無実の罪で投獄される部分も同じである。原作では、グリーンマイルの物語後半に出てくる死刑囚が『ショーシャンクの空に』の主人公が投獄されることになった事件の真犯人であると言うことが分かる。キングっぽい物語の横つながりで、ファンサービスなのだが映画には出て来ない。少しばかり残念だ。キングの映画は、ホラーじゃない方が成功し易いのはなぜかねえ。キングのホラーファンとしては寂しいところ。

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トイストーリー2

 トイストーリーの続編、おもちゃが動くディズニーのCGアニメ映画。
 前作に引き続き主人公であるカウボーイ人形のウッディが、50年以上前のプレミアおもちゃのために盗まれ、他のおもちゃが取り戻しに行くと言うストーリー。盗んだのは大型おもちゃ屋の店主なのでおもちゃ屋へ潜入するのだが、思った程多くのおもちゃがしゃべったり動いたりするわけではない。ちと残念。
 この映画のテーマとして、子供と遊ぶのがおもちゃの役目だが、やがて成長すると捨てられることになってしまう存在であると言うものがある。ウッディは持ち主の元に帰るか、博物館で永遠に大事にされるかという選択を迫られる。この辺り、大人を泣かせに掛かっていて少々ずるい感じだ。
 ウッディ自身は、持ち主の元に帰るか、それともTVで共演した仲間と博物館へ行くかと言う点を悩む。TVシリーズで主役だったウッディがセットでなければ、共演した仲間は再び段ボールに詰め込まれてしまうことになるからだ。その仲間も、過去に持ち主に捨てられたり、人気が無いため売れ残っていたりとおもちゃ的に不幸だったりする。しかし人を恨んだりしないところは、なかなかおもちゃらしいところか。
 前作でもそうだったが、バービー人形の扱われ方が可笑しい。そんなに一般的なんだろうか。それにしてもウッディの持ち主(ANDY)はおもちゃ持ちだな。おもちゃを結構雑に扱ってるし。おもちゃが好きではあるんだが。金持ちな家なんだろう。

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シュリ

 韓国情報部の主人公がソウルに潜入して来た北朝鮮の特殊部隊員と戦うアクション映画。騙されたわけではないが結構楽しめる映画だ。
 導入部で北朝鮮特殊部隊の訓練シーンがあるのだが、かなり目茶苦茶で良い。二人で銃を組み立てて早い方がもう一人を撃ち殺すなど序の口で、単純にお互い殴り殺し合ったり、縛りつけられた人を刺し殺したりする。もちろん訓練に失敗している奴らはどんどん死んでいき、生首を吊るされたりする。その元教官である特殊部隊隊長と卒業生である女狙撃手に韓国情報部が対抗するのだが、力の差はかなり歴然としている。狂信的な集団と言えるかどうか分からないが、祖国統一と言う信念を持って戦う北朝鮮側の強さはかなり格好良い。しかし結果的に追い詰められてしまう。でもそんな逃げられない時はやはり自爆だ。
 韓国と北朝鮮の人達はお互いを同じ民族の兄弟と思っているにも関わらず打ち解ける様子に欠ける。不思議なものだが、隣接する国と言うのはそう言うものなのかも知れない。別に兄弟って仲が良いわけじゃないか。
 スパイ物とは正確には違うが、本気で敵対する国同士と言う環境を持つのは今の世界情勢からすると稀なのではないかと言う気がする(もちろん、インドとパキスタンとか、中央アジアだとか、民族紛争系はあるが)。割と身近なところで、ここまで敵対している国があることを改めて思い知らされる。自分の信じるものを持ち、そのために命を懸ける人達を見るとある意味で羨ましいとも思える。『北の兄弟が毎日餓死しているのに、ここじゃ吐いてやがる。不公平とは思わんか?』とは、劇中に電話で敵対する二人が話し合う時に出るセリフだが、おそらくこう言ったことを本気で考えていて、そのためにテロ活動をしている人達がいると言うのも隣国とは思えない掛け離れた世界だ。
 無駄とは言わないが、アクションシーンが良く分からない。ひたすら手持ちカメラで動き回り、銃を乱射するだけだったりするので何をやっているのか分からなくなるのだ。確かに迫力はあるし、アクション映画だからアクションシーンが長いのは仕方ないのだが、どうして囲われた状況から逃げ出せたのかとか解りにくいのはちょっと難である。
 しかし、韓国人の顔がこれほど見分けられないとは思わなかった。アジア人として恥ずかしいな。

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スリーピーホロウ

 18世紀末のアメリカの田舎で起きた殺人事件の顛末。内容はオカルトである。
 首の無い騎士の亡霊が次々と人を殺し首を切断して持ち去る事件は、実際にその村ではそう言う伝説があるらしい。主人公は科学捜査を信条とするニューヨークから来た捜査官。首無し騎士は20年前に自分の剣で首を切られて死んだ男。実際のところ、亡霊が犯人であることは早々に判明する。事件の解決にはその亡霊を使っている黒幕や死んだ理由の調査で進んで行き、最後は走る馬車と騎士とのカーチェイスからのアクションシーン。そして事件の解決と行くわけだ。
 始めの部分は結構のんびりしているが後半はしっかりと盛り上がりテンポも良くなる。魔女裁判の行なわれていた時代背景が物語の下地になっているので、その辺りの雰囲気が分かれば問題なく楽しめる。剣で首を切り落とすシーンが何度もあるのだが、割とさっぱりしていて残酷な印象は少ない。その辺を期待するとちょっと拍子抜けかも知れない。

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おしまいの日。

 仕事が忙しくて家に帰るのが遅い亭主のお蔭で気が狂っていく主婦の話。
 原作はほとんどが日記形式なので、映画化は少し心配していた。映画でも日記のシーンは多いのだが、それほどでもない。終盤になって日記の異常性(何ページも書いた後に塗り潰されていたり、同じ単語が延々繰り返されていたり)も出てくるので安心だ。
 猫のエピソードが結構好きだったのだが、変更されてしまっていた。具体的には、『本物の猫に会い、飼うが自分で殺して埋めてしまう。亭主のいる時間にはいないので猫は他人に会った事なし。』だったのが『本物の猫に会う。飼うが自分にしか見えない。亭主のいる時間にもいるが亭主には見えない。出会った時の状態で猫が死んでいるのを二人で確認。』になっている。原作だとこの後、自分の罪の意識から猫がすべて幻だったと思い始めるのだが。
 原作の亭主は土日休日無しで何カ月か続く仕事で、帰りがほぼ最終列車っぽい午前1時2時帰りの毎日である。しかしコンピュータ業界の身からすると割と生易しい感じもする。家に帰ったり毎日布団で寝たりしてるうちはまだ楽で、休み無しはもちろんとして4日以上の徹夜とか1週間以上帰ってないとか、まさに倒れるまで仕事していたと言う話は良く聞いた。子供が顔を忘れる程家に帰っていないとか洒落にならない話もあるようにゲーム業界も相変わらず酷いらしい。そこまで忙しいと逆に主婦も悩む程のんびり出来ないかも知れないな。
 クライマックスとか、エンディングとか、後日談とか、微妙に違っていて何だか納得しにくい。原作に無い追加シーンにもそれほど意味が見られない。原作の雰囲気を味わえるシーンがいくつかあるのでそれを観るってだけの映画かな。それほど配役に無理が無いから。
 どうして新井素子作品の映画化ってのはいつもこう言う目(低予算改悪物)に会うのかね。ファンとしては観るのが辛くて。

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ISOLA 多重人格少女

 震災ボランティアに来たテレパスが幽体離脱した人が起こす殺人事件に巻き込まれる話。
問題を起こすのは雨月物語から取った磯良(いそら)と言う名前の人格なのだが、結局関係はない。多重人格の女子高校生の新しい人格として人を殺したりする人格が増えるわけだが、この多重人格と言う設定にも特に意味が見られない。12人の人格を持つのだが、劇中には3人程度しか出ていないようだし本筋に影響しない。ストーリー的にもクライマックスには出て来ず、寝てただけだし。
 原作の小説ではちゃんと意味があったのかも知れないとすると脚本に問題があるようだ。

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