…ようこそ、おいでくださいました…

  しばしの時をわたくしにお預けくださいましょうか。 うつろいゆく時の慰みに、このウラヌス、語り辺の真似事などいたしましょう。 我らジェラード財団…「秘密結社」と、そして我らを取り巻く戦士達の時の流れを、お客様にお伝えしましょう。 時の彼方に埋もれし人の心を。


「秘密結社」ジェラード財団の始まり

  始まりの時は、15世紀も終焉を迎える文芸復興ルネッサンスの頃。 近代ヨーロッパの夜明けと共に、我らがジェラード財団は誕生いたしました。

青春のなんと美しきかな
そして淡くはかなく消ゆるかな
歓楽に溺れる者ぞ溺れよ
明日のこと定めある身と誰か知るかな

  ロレンツォ・デ・メディチが斯様に詠い上げた、自由なる時を愛す人間主義の時。 厳格なるカソリックの支配により、感動さえをも抑制されていた人々の心が解き放たれ、命有る限りの自由を求めし再生の時代。

  この素晴らしき時に、人々の心の讃えを結晶させたるかのように、ジェラード財団は姿を表しました。 創設者たるジェラードが唱え上げし指針「理想国家の設立」、それは時の流れに沿いながらも根本変らぬ基本理念として、今なお我々が受け継ぐ宝となっております。


「組織」アゴーンテオス教団の始まり

  一方、このルネッサンスを通り抜けし「魔女の時代」  17世紀にはキリスト教世界を脅かすほどに勢力を得た魔女たちは、18世紀、イエス・キリストの教えを心の糧とする人々により、迫害の浮き目に遭いました。 そして、キリストの死より200年余り後に、ごく小数の者より活動を開始した「組織」アゴーン・テオス教団もまた、弾圧の運命を魔女たちと共にしていたのです。

  それは当然の時のなりゆき。 組織の者たちは、はっきりと、自身の欲するものを知っておりましたもの。 すなわち、破壊と殺戮。 苦痛と憎悪。 すべからく人の忌むべきこと。

  そして彼等は魔女狩りより逃れるべく身を潜め、血に渇き闘いに飢えながら、暗き闇に沈みいったのです。


…これらが古き歴史の確執…


闘神伝NEXT

  時は流れ…わたくしがウラヌスの名を、不慮の事故により命を落とした先代のウラヌスかえでより受け継ぎましたは、今より17年前の1982年のこと。 かの御老体、ホー・ファイの齢にして90の時。 さほど昔の話にあらずと言えましょう。 わたくしに遅れること数カ月の後、妻と子を失ったガイアもまた、四天王就任となりました。

  当時四天王と言えど、それは名ばかり。 財団内部に在って、決して力有る存在ではありませんでした。 けれどDNA実験の成功を収めた1986年、その成功の象徴たるクピードーそしてカオスが四天王に加わりました。 時は熟したのです。 固き絆に結ばれし四名が揃い踏みて二年を経、中東における争いの一時の冷化に世界が安堵するその傍らで、ささやかなる、けれど忘れ得ぬ革命…  我ら四天王は悲願叶い、主帝の御側に在りて助力申し上げる地位を獲得いたしました。

[MASTER]  主帝マスター。 その姿わずか16歳の少年にすぎませんが、その小さな身に秘めたる御力の、なんと不釣合いなまでに巨大なこと。 時の彼方の事象を見つめ、虚無の宙に剣を生み出す、超常の力。 そしてその力故に凍て付きし心。 けれどその孤高は同時に、主帝の地位に座する方に無くてはならぬ、独演でもあるのです。
 

…故に我らが御側に居りましょう…


闘神伝

  以来、主帝の下に集いし我ら四天王は、主帝をお守りし、財団のより一層の発展の為に力を注いでおりました。 わたくしは、我々の心は一つであると信じておりましたのに。 その絆の深さへの疑念すら、あり得ぬことでしたのに。 …そう… あの闘神大武会を、ガイアが開催するまでは。

  時は1994年。 総ての悪夢の始まりでした。 身の程知らずにも主帝に牙をむく為の、手駒集めを目的とした闘神大武会。 そのような邪なる目的で行われた大武会が、成功などするはずがありましょうか。 主帝に対し結社に対し反旗を翻した愚か者ガイアは、拭えども消えぬ「裏切り者」の烙印を自らその身に焼き付けたのです。

闘神伝S

  続いて無様なる負け犬、緋き瞳の堕天使・クピードー。 ガイアの開催する闘神大武会に於いて、風のエトランゼ・ショウとの闘いに敗北し、四天王の名を貶めた彼女もまた、主帝への忠義すら忘れ、ただその責任を問われることを恐れ逃げ去りました。

  残された、カオス。 そして、わたくしウラヌス。

…主帝の御側に在るは、この二名のみとなってしまいました…


  話に夢中になっておりましたら…もうこのような時間でしたか。 続きはまた後日お話することといたしましょう。

  またいらしてください。 心よりお待ちしております。

...Gloria in excelsis Deo...

夜想曲 音楽院