歌劇 音楽院

ソフィア


きみよ 折ふしわが詩片に面ざし

少しく今と変わりて 早春の日

愛に惑い 胸養いし溜息の

調べしみじみ聞きたもうたひとよ

あてどなく憧れ 甲斐なく悲しみて

涙ながらに詠む あれこれの詩文

恋の哀れさ身に知る人よ

心優しく赦されよ、憐れみみこそ寄せたまえ

今となりて 久しい間 さがなき人の

噂話に包まれた往時を偲び

わが身の恥ずかしさとめどなし。

されど恥じらいも悔いも この世の

喜びの たまゆらの夢と悟りしも

遠き日の かの惑いの果実なれば。

池田廉訳ペトラルカ「カンツォニエーレ」



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