−睦言シリーズ−
【自慰】
−1−

葛城ミサト
Written by Myaa



この作品はちび号さまの少女秘密結社に投稿させて頂いたものです。

 

微かな空気の変化に、ミサトは気づいていた。

ここ最近気づくようになった。

 

時間は午前1時。

計ったように、いつも同じ時間から始まる。

ミサトは寝苦しくないよう、下着姿の上に一枚だけかけられたタオルケットを静かにずらすと、音を立てずに布団から抜け出した。

 

部屋の中の空気は湿って、半裸の身体に絡み付いてくるような感触がするが、意外に不快感はなかった。

その湿り気が、自分の火照った体から発せられたもののように感じたからだ。

 

ミサトは、先ほどシャワーを浴びたばかりの髪を気だるげに掻き揚げると、軽く吐息して部屋を出た。

もちろん、襖を開ける時に音を立てないように気を付けて。

 

部屋と違って、廊下は清涼な感じがした。板張りの廊下のひんやりとした感触が、素足に心地よい。

わずかに紫がかった黒い下着の上下だけという、ひどく扇情的な姿のまま、ミサトはゆっくりと歩を進めた。

そのまま静かに一つの部屋を目指す。

彼女の同居人は今のところ二人(?)で、その片方は今ごろ専用の冷蔵庫の中で熟睡中だろう。

ミサトが向かっているのは、14才の少年の部屋だった。

 

シンジの部屋が近づくと、ミサトは一層気を遣って物音を立てないように腐心する。

部屋の主の性格を現すように、飾り気のない部屋の入り口からは既に明かりは漏れていない。

葛城家における朝の食事当番を務めることの多い彼は、余り夜更かしをしないようだ。

物音も聞こえない。

 

しかし、その気配だけは彼の部屋に近づくにつれ、ミサトにははっきりと感じ取ることができた。

襖の前で、ミサトはしばらく身じろぎもせずに立ち尽くし、室内の気配を窺った。

そして、彼女の予想通りの気配を感じると、微かに襖をずらして中を覗き込む。

 

 

シンジは用心深くというか、入り口の方に背を向けて横たわっていたが、ミサトは彼が何をしているのか分かっていた。

寝息とは明らかに異なった息遣いが微かに漏れている。

良く見ると、彼の肩そして身体全体がリズミカルに揺れているのが分かる。

 

今日は普段より暑いせいか、掛け布団の類はかけられていない。

ミサトの視線は、シンジの右手が向かう先に注がれていた。

わずかに覗くそこは、パジャマのズボンも下着もはだけられている。

彼の手はその中心に添えられているはずだった。

 

次第にシンジの動きが大きくなり、彼の身体の向きがわずかに変わった時、彼の中心に覆い被さっているものがミサトの目に飛び込んで来て、彼女の心臓は一度大きく鼓動を鳴らした。

 

(シンジくん・・・・・)

 

彼の昂ぶった中心部に巻き付いていたのは、彼女の下着だった。

 

 

 

ミサトがこのことに気づいたのは、本当にごく最近である。

元々その日着る以外の衣類に関してはルーズな上に、洗濯物はシンジ任せになっていたため、下着がなくなっていても気づかなかったのである。

それが何故気づいたのかと言えば、先日シャワーから出た後、脱いだばかりのショーツがなくなっていたからである。

その時ようやくミサトは、シンジが性的なものに興味を示す年頃の男の子であることを思い出していた。

 

下着をとられていたことについては、不思議と全く不快感を感じなかった。

むしろ、

(へぇ、シンジくんも案外やるじゃな〜い)

と感心してしまったぐらいである。

 

それと同時にミサトが抱いたのは、背筋が慄えるような感覚だった。

シンジが自分の下着を何に使うのか、に思いを致した時、彼女は明らかに欲情していた。

普段、無防備な格好を彼に晒すことがあるのは、「家族」ゆえの親密さと、何事につけて無反応な彼の感情を刺激する(本当はからかってシンジがうろたえるのを見るのが好きだったという説もある)ためであったが、もしかすると彼女自身感知しない内にシンジに性的対象としての男性を求めていたのかもしれなかった。

 

その夜、ミサトは抑え切れない衝動に、自分でも信じられない程激しく自慰に耽った。

シンジが自分の下着を使って、同じようにしているのだと考えると、どうしようもなく濡れた。

シンジの名を口にすると、より深い快感を得られることにも気づいた。

 

プライベートより任務の方が優先する彼女の立場であるが、理性はともかくまだ若い肉体の方がそれを許さなかった。

シンジを身近な存在として捉えると同時に、彼を自分のものにしたいという衝動は日に日に大きくなる。

それは彼女がシンジに向ける愛情の中で、どちらかといえば愛欲が勝っていたが、ミサトは敢えてそれに身を任せたかった。

 

その気になって注意していると、シンジがいつも決まった時間に自慰をすることに気づいた。

始めの内はその時間に合わせて自分も快楽に耽り、その一体感を感じて満足していたが、じきに我慢できなくなりシンジの部屋の前までいって、彼の行為を覗きながら廊下で行為に至るようになった。

廊下で自分を慰めるという行為は、背徳感を伴ったが、余計に興奮もした。

やがてそれはエスカレートして、今日のように下着姿で、シンジに見つかるかもしれないという、なんとも言えない快感を味わうようになった。

そしてついに今日、ミサトはある決意を胸に部屋を抜け出してきた。

 

部屋の中では、静かながらもシンジの自慰がクライマックスを迎えようとしていた。

ごく注意していなくても息遣いが聞こえるようになり、時折苦しげなうめきが漏れる。

身体の揺れも次第に激しくなってきていた。

 

(・・・はぁ・・・シンジくん)

 

ミサトは頬に始まって、身体全体が火照るのを感じた。

そっと自分の中心を下着越しに触れてみる。

そこは既に、はしたないほど濡れそぼっていた。

 

(こんなに・・・・・)

 

濡れた自分の指を見て、ミサトはわずかに頬を赤らめた。一層興奮が募る。

離した指と指の間で、絡み付いた愛液がにちゃり、といやらしくぬめった。

それでミサトの心も決まった。

 

(これ以上は我慢できないわ)

 

そう思った瞬間、シンジの細い腰がびくんと跳ねた。

声にならない悲鳴を上げて少年がのけぞる。

そのまま腰の辺りが痙攣するようにひくつきを繰り返す。

 

(ああ・・・出てる)

 

自分の下着の中にぶちまけられているであろう、シンジの青臭い樹液を思い浮かべてミサトは濡れた。

今度は同じ物を膣の奥深くで感じたい、と思った。

 

こくり。

 

喉を鳴らしたミサトは、乾いた唇を軽く舌で湿らせて襖に手をかけた。

 

行為の直後の快感に酔いしれて、ベッドの上で荒い呼吸を整えていたシンジは、コトリという物音に気づいて身体をこわばらせた。

 

そして、スッと襖が開くと下着姿のミサトが入って来た。

 

 

Neon Genesis EVANGELION

EpisodeXX:Onanie(1)

 

 

(つづく)


みゃあ@作者の後書きらしきもの

 

な・・・「なんてお約束のパターンなんだ」(爆)

しかし、ここまで王道だと返って開き直れます(笑)。

ここはお約束を追求してみようかな。ミサトさん今回は「攻め」だし(^^ゞ。

次以降は、きっと「シンジくんらしさ」が発揮されることになるでしょう(笑)。

実はあまり書いてませんが、女性に主導権・・・という展開、得意だったりします(大自爆)。

しかも今回は「大人の女性」vs「初心な少年(しかも自閉気味)」ということで、ミサト大暴走の危険性が(^^ゞ。

ともあれ私の書くものは基本が「愛」ですから(ホントか・・・?)。

今回が物足りないと感じた方は、次回以降をお楽しみに(笑)。