決戦!第3新東京市立第壱中学校校門前(後編)

 

                                                         present by ちひろ


 

「皆さん、お待ちかね!」

「そうです、いよいよ始まります!世紀の決戦!」

「題して!シンジ争奪クイ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ズ決戦!」

「あっ、紹介が遅れました。わいは、司会進行役の鈴原 トウジです。」

「同じく、相田 ケンスケです。よろしく。」

「ちなみに、この企画・立案は、2-Aの担任でもあり、そして数学教師でもある葛城 ミサト先生です。」

「イエ〜〜〜イ!」

「では、さっそくインタビューしてみましょう。」

「ミサト先生、これを企画したきっかけはなんでっか?」

「きっかけってそりゃあ、アタシのカワイイカワイイ生徒の、シンジ君の将来のためを思ってのことよ。」

「えらいでぇー!さっすがは、ミサトセンセッ。心もお綺麗なおひとやぁ!」

「ちょっと言ってくれるじゃないの、鈴原クンっ!ミサト、いい子いい子しちゃう!」

「く〜ぅ!わしはやるでー。ミサトセンセッ!よ〜く見ててや。この男、鈴原 トウジの一世一代の晴れ舞台を!」

「オイ!トウジ、なにひとりで盛り上がってんだよ!はやく次進めろよ、まったく。」

「んも〜!相田クン、焼かない焼かない。ホラッ、相田クンもっ!」

「うっ、うおーー!オレはやるぞぉぉぉぉ!ミサト先生のためにぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!」

「なんちゅうゲンキンなヤツや。」

「こうなったらがんばろうぜ、トウジ!」

「わ〜った、わ〜った。じゃあ、クイズの前に、挑戦者にインタビューいってみよか。」

「よしじゃあ、まず自称アイドルの惣流 アスカ・ラングレーさんから。」

バキッ!!

「かぁ〜、ケンスケよけいなことを。」

「え〜では彼に代わって、わしが質問させていただきます。調子はどうでっか?」

「聞くまでもないわ!」

「もし勝った場合、賞品のシンジクンをどう使いますか?」

「そうねぇ〜、まずぅ〜・・・」

ビクつくシンジ。

「使いっパシリは当然としてぇ〜、ドアの開け閉め、カバン持ち、お昼の準備に、掃除当番の全面支援、下校時は、カワイイアタシを痴漢から守る荷物持ち兼ボディーガード役、そして帰宅後、一日の疲れを癒すために全身マッサージ、その後、次の日のスケジュール表の作成をして、アタシが寝る前までにそれを提出、休日は、朝、アタシを起こしに来て、朝シャンと着替えの準備、そして、うちの家族全員の朝食の準備、後片付け、その後、その日一日を気持ちよく過ごすために、アタシの好きなハーブティーを適温で用意、その間、ベランダに布団を干して部屋の掃除と整理整頓、洗濯、そして出かけるために、化粧品をカガミの前にセッティングして、お気に入りの洋服を準備、あっ、これはアタシの気分次第でかなりかわるからね、それからぁ・・・」

「時間がないので、次、友達以上恋人未満の渚 カヲルクン。」

「勝算はありますか?」

「当然さ。」

「やけに自信がおありですが、その自信はどこからくるんでしょうか?」

「シンジ君さ。シンジ君を想うボクの気持ち、これに尽きるね。」

「ズバリ!あなたにとってのシンジ君とは?」

「すべてさ。ねっ!シンジ君。さぁ、そんなとこに閉じこもってないではやく出ておいでよ!ボクを焦らして楽しんでいるのかい。ホント、イジワルなんだから。」

そう言って、ガラスケースに収められたシンジに歩み寄るカヲル。

「おおっと!賞品に手を触れないで!ペナルティーになりますよ、気をつけてください。」

「あぁ!なんて悲しい運命なんだ!ボクたちはこんなに愛し合っているのに!だけど、この境遇がまたボクたちの愛をいっそう深め合うのさ!そうだろう、シンジ君!」

「誰が愛し合ってるだってぇ!この変態モーホー野郎!」

「それは聞き捨てならないなぁ、アスカ君。」

「モーホー野郎にモーホー野郎って言って、なにが悪い!」

「違うさ。友情を超えた崇高で純粋無垢な愛と言ってほしいね。」

「バッカじゃないの。理解できないわ!」

「そうさ、欲望剥き出しの他人を酷使できる野蛮人には、ボクらの関係は永遠に理解できはしないのさ!」

「理解してたまるかってぇ〜の!」

「アスカ君、キミはけっこう頭が切れるから一目置いていたのに残念だよ。」

「なにが残念よ!」

「フッ、悲しいことだね、理解し合えないなんて。」

「その、人を哀れむような目でアタシを見るんじゃない!アンタはどう思っているか知らないけど、シンジは迷惑がっているのよ!」

「その手の心理作戦には乗らないよ、アスカ君。どちらにせよ、勝つのはボクなんだから。」

「なに言ってんのよ!だいたいアンタ、勝ったらシンジをどうするつもりなのよ!」

「えっ?そうだなぁ〜。とりあえず、毎朝シンジ君を起こしに行き、まだ目覚めないシンジ君の寝顔を見つめながら、おもむろにピーをし、そのままピーをピーーして、ボクのピーーを強引にシンジ君のピーーーでピーーーさせて、さらに間髪入れずにシンジ君のピーーにおもいきりピーーしてやり、息を切らしてる彼の艶かしいピーーをまじまじとピーーするまでピーーーした後、ピーーの上からピーーーするように必殺のピーーーーーを決め、フィニッシュを迎えるのさ。その後いっしょにピーーーを済ませてからシンジ君のご両親とすがすがしい朝の挨拶を交わす、ってまぁこんな感じで一日が始まる予定さ。その後は・・・」

「ちょっと!公衆の面前でなんてこと言ってんのよ!!全校生徒が見てんのよ!気はたしか!?」

「たしかさ。キミには到底真似できないだろうけどね。」

「アンタなんかと同類にしないでよ!こうなったら、どんな手を使ってでもシンジを掴みとってやる!」

「さぁ!これ以上は、時間の無駄だよ。司会者のキミ!とっとと始めてくれたまえ!」

「なんか、すごい事になってきましたが、どうでしょう相田さん!」

「そうですねぇ〜、まぁ、どちらが勝ってもシンジ君の不幸に変わりないでしょう!」

「同感です!」

「では、ルールの説明をいたします。」

「シンジ君に関する問題を、数問出題します。」

「これを目の前のボタンを押して答えていただき、相手よりも先に、3問正解した方の勝ちとなります。」

「お手つきは、1回までです。」

「勝者には、賞品(シンジ)を好きに出来るという特権が与えられます。」

「おそろしいですねぇ〜。」

「そうです。では、始めましょう。」

「第1問!」

「シンジ君の今日のパンツの色は?」

ピンポーン!

「はいっ!アスカさん。異様に速いですねぇ〜。」

「それでは、お答えをどうぞ!」

「しろ!」

「しろ!、しろですね、本当にしろでいいんですね。」

「くどいわよ、ケンスケ!とっとと、先進めちゃいなさい!」

「ケンスケ、あんまし惣流を刺激すんな!また、裏拳が飛んでくるで!」

「あぁ、わかってるって!でもな、オレはミサトセンセイのために、どうしても司会者としての使命を全うしたいんだよ!」

「わいかて、そうや!でもな、命あってのもんやで。なるたけ、穏便にコトを運ぼうや!」

「う〜ん、でも、それじゃあ、場が盛り上がらないだろう。」

「じゃあ、どないせ言うんじゃ!」

「だからさ、ぎりぎりの線までツッコミを入れる。これなら、血を見ることもないだろうし、会場も盛り上がる。」

「一石二鳥というやつか。せやかて、その線は、どう見極めるんや?」

「それはだな、つまり・・・」

「アンタら、やる気あんの?」

「ひ〜っ!ご、ごめんなさいー!!」

「惣流、落ち着け!」

「そうだぜ、惣流!言い忘れてたけど、司会者に手を出したらその時点で、失格だぜ!」

「えっ?そ、そうなんか、ケンスケ?」

「オレに合わせろよトウジ!」

「そ、そうやで、惣流!いいんか?あのカヲルにシンジを獲られても!」

「ぬっ!」

「そうそう!シンジがカヲルの手に渡ったら、どうなる事やら。無事ですまないのは確かだね!」

「あの純なシンジが、ジュ〜ンな世界に引きずり込まれて・・・」

「そして・・・・・・」

「ぐっ!わ、わかったわよ!」

「そうそう、わかったら、はやく席に着いた着いた!」

「こちらかて、第1問で決まってしまうのも、盛り上がりに欠けるっちゅうもんやからなァ。」

「ミサト先生に顔向けが出来な・・・」

「なんか言った?」

「いやいや、こっちのこと!」

「じゃあ、待望の第1問の答えは!」

「答えは?」

「あかです!」

「なっ!?」

「さぁ!いきなり、窮地に立たされました、惣流選手!」

「あの顔をご覧ください!見物です!」

「めったに見られませんよ!」

「さっきまで勢いは何処にいったのかぁ!」

「ちょっと、そんなはずないわ!今朝、この目でちゃーんと・・・」

「ちゃ〜んとなんでしょう?」

「まさか、惣流選手、あなたはシンジ君と既にそういう・・・」

「なっ!?」

「へ〜、やっぱりねぇ〜。」

「前々から、怪しかったからなぁ〜。」

「あのふたり、同じ屋根の下に住んでるんだってぇ〜。」

「きゃ〜、フケツゥ!しんじらんな〜い!」

「ちょっと、誤解しないでよ!アタシたちは、まだキ・・・・・・」

「キ?」

「キ・・・なんでしょう!非常に気になります!どういうことでしょう、ケンスケさん!」

「そうですねぇ、やはり、キと言えば、アレしか考えられませんねぇ〜。」

「わいも、それしか考えられまへん!」

「しつこいわよ、司会者!そ、そういえば、第1問の証拠を見てないわ!」

「証拠?証拠と言いますと・・・」

「証拠を見せない限り、こっちも納得できないわ!」

「つまり、シンジ君のズボンを下ろせと?」

「ま、まぁ、平たく言えばそうねぇ。」

「ハッ!ボ、ボクとしたことが、そんなオイシイ事に気づかなかったなんて!」

「ちょっとぉ!興奮してんじゃないでしょうね!」

「さぁ、シンジ君!ボクの目の前で是非ともさらけ出してくれたまえ!その萌えるようなアカを!サァ!!」

「どうしましょう?」

「これは、この場の流れとして、見せるしかないでしょう!」

「そうしますか!」

「という訳で、シンジ君。その証拠となる品を見せてください!」

「そうだよ!ハァハァ、シンジ君!はやくそのズボンのチャックを下ろして、ハァハァハァ、いきり立ったシンジ君のアレを!ハァハァハァハァ!おもいっきりボクに!」

「すざまじい息遣いです、カヲル選手!」

「まるで、今にもシンジ君に襲いかからん勢いです!」

「このまま焦らし続けたら、いったい全体どうなるか、是非、見てみたいものですが・・・」

「時間の関係上、それも叶わぬ夢です。」

「フフッ!そんなにボクを焦らすなんていけない子だ。」

「おぉ!カヲル選手の様子がおかしいぞぉ!」

「ついに切れてしまったのかぁ!」

「お仕置きだよ、シンジ君!」

「司会者!」

「わかってます!アスカ選手。さぁてみなさん、見ましたでしょうか!」

「そうです!たった今、カヲル選手がガラスケースに手を触れてしまいました。」

「ということは、これは、カヲル選手にペナルティーが課せられます。」

「はっきり言って、アホです!カヲル選手!」

「こんなブービートラップにかかってしまって!」

「第1問めにして、はやくも、サドンデス突入です!」

「さぁ、思わぬ展開になってきましたねぇ、ケンスケさん。これをどう思います?」

「そうですねぇ。ズバリ!カヲル選手の捻じ曲がった押さえきれない性(サガ)、これに尽きると思います!」

「意義なしです。」

「いやぁ〜、アンタが変態さんで助かったわ。」

「フッ!ハッ、ハンデだよハンデ!」

「そのワリには、動揺しまくりじゃないの?」

「なッ、何を言ってるんだい!さ、さあ、次の問題いってみようじゃないか!」

「さて、これが最後の問題となるのかぁ!」

「それでは、シンジ君の命運を賭けて!」

「第2問!」

「シンジ君の初恋の人は!」

ピンポーン!!

「おおーと!これは、すごい!ふたり同時です!」

「まさに、恐ろしいまでの執念!」

「ケンスケさん、見てください!この両者の目を!」

「自分の勝利を確信したような目です!」

「では、この際です。ふたり同時に言ってもらいましょう!」

「そうですね。」

「それでは、お答えをどうぞ!」

「アタシよ!!!」

「ボクさ!!!!」

「やはりそうくるのかぁ!」

「これは、この正解いかんでは、会場が大惨事になりかねませんねぇ。トウジさん。」

「いやはや、まったくそうです。ケンスケさん。」

「司会者のわたしは、すでに、正解と同時に、逃げる態勢を整えております!」

「何を隠そう、実はわいもそうです、ケンスケさん。」

「え〜、会場のみなさまも、この3人からかなり距離をとったほうがよろしいかと思います。」

「よろしいでしょうか・・・・・・」

「それでは、正解は!」

「正解は!・・・・・・」

「それはやはり、シンジ君本人にしかわからない!ということで、」

「最後の答えは、シンジ君に答えてもらいましょう!」

「では、シンジ君!」

「正解は!」

「・・・・・・」

シ〜〜〜〜〜ン

「ちょっと、何黙ってんのよ!シンジ!」

「そうだよ、シンジ君!さぁ、勇気を振り絞って、ボクたちの仲を全校生徒に公認してもらおうじゃないか!」

「何いってんのよ!アンタ!」

「シンジ君!さぁ!」

「シンジ!こんなヤツの言う事なんか聞いちゃだめよ!」

「シンジ君!」

「シンジ!」

「・・・・・・・・・」

「シンジ!?」

「どうしたんだい、シンジ君!?」

「なんか、様子がおかしいわね。」

「なんか、ぐったりしてる・・・・・・」

「やっ、やばい!やばいよ、トウジ!」

「なんやなんや!ケンスケ。」

「シンジのガラスケースに空気穴入れるの忘れてた!」

「なっ!」

「酸欠状態かも・・・・・・」

「そりゃまずいわ!」

「とりあえず、ガラスケースをどかさないと!」

「あぁ、そうやな!」

「みんな、一大事や!手ぇかしてくれ!」

「はやく、ガラスケースをどかさないと、シンジが死んでしまうかもしれないんだ!」

「うわぁぁぁぁぁぁぁ!ボッ、ボクのシンジ君がぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

「お、落ち着け!落ち着くんだ、カヲル!」

「ちょっ、どういう事よ!ケンスケ!」

「相田クン、どういうことなの?」

「ミサトセンセ、話は後!今はシンジを助ける事が先決でしょ!」

「とにかくみんな、ガラスケースにすがれ!」

「いくぜ!」

「せーの!」

「はやく、シンジを運び出せ!」

「オイ!大丈夫かシンジ!」

「だれか保健室行って、伊吹先生を呼んで来て!」

「おーい、オレが誰だかわかるか!?シンジ!」

「シンジ!トウジや、鈴原や!わかるか?」

「しっかりしろ!」

「目を覚ましてくれよ!」

「シンジ君!ミサトよ!わかる?」

「そ、そんな、シンジ・・・・・・」

「シンジ君!そんな、いやだぁぁぁぁあぁぁああぁあぁぁぁあぁぁぁぁああぁぁぁぁあぁぁあぁぁあああああああぁっぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁ!」

バキッ!!ゴリッ!!!

「やかましい!」

アスカの裏拳炸裂。

「お〜い!伊吹先生呼んできたぞ!」

「はいはい、みんなどいてね。」

「マヤちゃん。」

「どうしたんですか?葛城先生。」

「実は、コレコレこういう訳で・・・・・・」

「それはいけないわ!はやく、人口呼吸しないと!」

そういって、間髪いれずにシンジに人工呼吸を施すマヤ。

その場に居合わせた一同全員が、唖然とする。

マヤがシンジに何回も何回もキスをしているような光景。

「・・・う〜ん」

「あっ、シンジ君、マヤよ!わかる?」

「あれ、どうしてマヤ先生が??」

「酸欠で倒れたのよ、シンジ君。」

「えっ、そうなんですか?」

「ええ、これから、保健室に運ぶからね。」

「あっ、ありがとうございます。マヤ先生。」

「さ、お喋りはこれくらいにして・・・・・・よいしょっと!」

「ボク、重くないですか?」

「何言ってるの、そんな心配しなくてイイの。」

「やさしいんですね、マヤ先生って・・・・・・」

「どういたしまして。」

「とってもうれしいです。」

「もう、おねえさんをからかうもんじゃないの。」

「こんなに、人からやさしくしてもらったのひさしぶりだから・・・・・・」

「シンジ君・・・・・・」

「なんか、マヤ先生の背中ってボクの母さんみたいだ・・・・・・」

「・・・・・・」

「マヤ先生・・・・・・泣いてるんですか?」

「ご、ごめんなさい。シンジ君があんまり可愛そうだから。」

「そんな、ボクなんかのために泣かないでください。」

「そんな悲しい事言わないで、シンジ君。わたしはいつだってあなたの味方よ。」

「マ、マヤ先生・・・・・・」

「なぁに?シンジ君。」

「あったかい・・・・・・」

「シンジ君・・・・・・」

「スゥースゥー」

「・・・・・・おやすみ、シンジ君・・・」

 

 

 

〜保健室〜

誰だろう、ボクの手を握ってくれているのは・・・・・・

とても、あたたかい・・・・・・

マヤ先生・・・・・・

ボクの命の恩人・・・・・・

とってもやさしいおねえさん・・・・・・

ボクのたった一人の味方・・・・・・

ココロがとってもやすらぐ・・・・・・

でも、ごめんね・・・・・・

実は、演技だったんだ、倒れたのは・・・・・・

まさか、あんな答えをボクが言うハメになるなんて・・・・・・

騒ぎが大きくなって、目を醒ますにも醒ませなくなって・・・・・・

こわくてこわくて、それで・・・・・・

気がついたら、マヤ先生と・・・・・・

だから、後でちゃんと謝らなきゃね・・・・・・

ごめんなさいって・・・・・・

訳を言えば、許してくれるよね、マヤ先生・・・・・・

 

 

 

「ほぉ〜シンジィ、そういう事ことだったんかい。」

                                                                                 (注:アスカ)

 

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・さ、さて、もう具合も良くなってきた事だし、そろそろ帰ろうかなっ。」

「・・・・・・」

「いやぁ〜、しかしすがすがしいなぁ〜。さっきまでの気分がウソのようだ。」

「・・・・・・」

「それもこれも、マヤ先生のお蔭だよ!」

「・・・・・・」

「あれ?マヤ先生もう帰っちゃったんだ・・・・・・あとで、お礼言わなくちゃならないなあ。」

「・・・・・・」

「さてと!ボクの上着は・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・アスカが持って・・・るんだね。」

「じゃあ、ボクのズボンも・・・・・・・・・・・・・・・アスカが持ってるんだね。」

「カバンは・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・アスカだね。」

「あっ、なんだか急にトイレに行きたくなったなぁ。」

「えっと、クツは・・・・・・・・・・・・・当然アスカだね。」

「ハハハハッ、こりゃ一本取られちゃったなぁ。」

「なんだか、新鮮な空気が吸いたくなったな。」

ガラガラガラッ

「ふ〜〜〜っ!イイ気持ちだ。目が醒めるようだ。」

「・・・シンジ。」

「ハ、ハイッ!」

「窓なんか開けて、どうするの?」

「別に、に、逃げようだなんて・・・」

「・・・・・・」

「し、しまった!」

「とりあえず、閉めましょうか。マド。」

「ハイ!」

「何か、言う事は?」

「え〜と、トウジ、ケンスケにありがとうと、それから、ミサト先生に毎回、追試問題作ってくれて感謝してますと 、あと、赤木先生に生徒を自分の実験に使わないでほしいって、まあ、こんぐらいかなぁ。」

「他には?」

「う〜ん、あっ!大事な事忘れるところだった。綾波と今度一緒に、買い物行く約束してたんだけど、行けなくなりそうなんで、ゴメンねって。」

「初耳ねぇ。」

「ハッ!」

「さて、」

「ヒッ!」

「帰るわよ。」

「へっ!?」

「そのままの格好で。」

「ハ、ハイッ!」

「続きはアタシのお部屋で、ゆっくりとね、シンちゃん。」

「ツケには・・・」

「日歩九割九分九厘の青天井方式よ。」

「やめときます。」

「賢明ね。」

「お手柔らかに・・・」

「フフッ、アタシの理性が残ってたらね。」

 

Fin