SOUL OF FREY
「だいじょうぶ・・・あの子が守るわ・・・・・」
「・・・私を護るから・・・・・!」
フレイ・アルスターは、汗と・・・体液の匂いが染み付いている、如何にも官給品然とした
冷たいベッドの上で独り呟やき続けている。
もう、涙は乾いていた------。
誰もいない医務室------縋るような瞳で、キラはフレイを見つめていた。
「僕は・・・守れなかった・・・・!」
それがあの折鶴をくれた少女のことだと知ったのは、身体を重ねた後だった。
名も知らぬ少女の為に号泣するキラ。
可愛い子・・・・。
自分の方が年下だということも忘れて、フレイはキラを優しく、そう・・・・まるで
気の弱い弟を慰める姉のように、そっと抱きしめた。
その瞳に暗い炎を浮かべながら------。
「・・・・・・!?」
気が付いたときには、柔らかい唇が、キラの唇を塞いでいた。
それは、フレイ・アルスターの桜色の唇だった。
「・・・んんっ!・・・・・・んっ」
最初のキスは、ただただ衝撃だけが残って正直、あまりよく憶えていないキラだったが、
今回は違っていた。
自分の苦しみを・・・彼女は分かってくれた。
「私の想いが・・・あなたを護るわ」
そして、限りなく優しい、己の過ち全てを赦し受け止めてくれる・・・・キス。
「んあ・・・っ・・んむ・・・・」
さりげなく舌先でキラの唇を開かせると、フレイはごく自然な動きでもう一つの舌を
絡めとっていた。
「ん・・・っ、ん・・・・・・・」
積極的に、キラもそれに応える。
お互いの唾液が混じりあい、お互いの舌は相手の口腔内を舐めまわしていた。
消毒液の匂いが篭る医務室に、二人の奏でる湿った水音だけが響く。
「ん・・・っ、はあ・・・っ!・・・・フ、フレイ・・・・」
先に限界が来たのは、やはりキラの方だった。
離した互いの唇が透明な糸で繋がっている様は、16才の少年を更に興奮させていた。
「・・・・キラ?」
キラの身体の異状-----ありていに言えば下半身-----に気付かぬ風を装って、フレイは
俯いたまま動かないキラの顔を覗きこんだ。
「・・・どうしたの?キラ・・・・どこか苦しいの・・・・?」
その声は慈悲深く。
その瞳は彼を慈しむように。
そして彼女はその腕と胸で彼を抱きしめる。
「フレイ・・・・っ!!」
もう、わからない。
キラには、なにも、わからなかった。
------少尉扱いとなったキラ・ヤマトには、個室が与えられている。
その事実が、フレイの躊躇いを結果的に振り払うこととなった。
「・・・・んむ・・・っ、はあ・・っ・・・・」
既に二人共、裸になってベッドの上で抱き合っている。
「フレイ・・・フレイ・・・っ!」
キラは、あのフレイ----前から憧れていた少女----が、自分の腕の中にいる事がまだ信じられなかった。
部屋の中には、淫靡な空気の微粒子が漂いはじめていた。
「ふふっ・・・あなたって、赤ちゃんみたい・・・」
キラの黒髪を優しく撫でながら、フレイは小さくクスッと笑った。
「だって・・・さっきから私の乳首ばっかり吸って・・・・」
「-------!!」
耳朶まで真っ赤に染めて、キラは唇を、フレイのほんのり薄茶色をした蕾から離した。
「・・・ごっ、ごめん・・・フレイ、つい・・・・」
「うふふ・・・うそ、あんまり気持ちよくて・・・私も・・もう・・・だから、ね?」
そう言うと、フレイはキラの掌を自分の秘所へと導いた。
「・・・・・・あっ!?」
抵抗する間もなく、指先がフレイの股間に触れたとき、キラは温かくて粘度の強い液体を
そこで感じとっていた。
「ん・・・・、恥ずかしいけど・・・いっぱい濡れちゃった・・・・」
そう言うと、フレイは恥ずかしそうに顔を横に向ける。
「だから・・・・ね、キラ・・・・・来て・・」
・・・・・・・ゴクッ・・・・・・・・
今まで戦場でも感じた事のない強烈な緊張感が、キラを襲う。
そのとき横を向いたままのフレイの表情は、倣岸さ、そして屈辱、憎しみ、あらゆる負の色彩を
交互に映し出していたが、それを読み取るだけの余裕は、今のキラには無かった。
「じ、じゃあ・・・いくよ、フレイ・・・・」
「うん・・・でもあんまり痛くしないでね・・・私・・経験ないから・・・」
(------!!)
(フレイ・・・・・初めて・・だったのか・・・・)
(・・・・・さっき、サイとは完全に別れたって言ってたけれど・・・・)
(僕が・・・・フレイの・・・初めての・・・・男・・・!)
その考えは、キラを激しく感動させ、また興奮させた。
「フレイ・・・僕はずっと前から君のことが・・・・・」
「・・・うん・・・・・」
「好きだ、フレイ・・・僕が絶対・・・君を守る!」
「嬉しい!・・・私もあなたが好き!大好き!!」
お互いに己の素肌を相手に晒しながら心情を吐露する二人。
だが一人の心の内には、暗赤色の炎が激しく揺らめいていた。
(この子の・・・身も心も・・・・全て私のモノにする・・・!)
(その為だったらバージンくらい・・・いいえ、かえって好都合だわ・・・・)
(そのことで・・・絶対に私を裏切れなくなる・・・・そうよね、キラ・ヤマト!)
・・・くちゅっ・・・・・
キラが腰を前に進めると、先端が、熱くて柔らかなフレイの・・・濡れた部分に触れた。
「う・・・ああぁっ・・・・!」
たったそれだけの事で、危うくキラは暴発しそうになる。
わからない------。
どこに入れたら・・・いいのか------。
こんなことならトールが貸してくれたあの本をもっと読んでおけばよかった・・・キラは
今更ながら、自分の迂闊さに頭を抱える。
「・・・・ここよ・・・・キラ」
その声が三半規管を通り、脳細胞が誰の言葉なのか認識できた頃には、既に
キラの先端はフレイのひんやりとした指で、濡れ光る膣口に導かれていた。
ぬ・・・ぷっ・・・・・・
「う・・・あ・・・・・っ!?」
「・・・・・・くっ・・!」
気が付いたときには、亀頭部分が、完全にフレイの中に呑み込まれていた。
キラ・ヤマトは、フレイ・アルスターの中にいた。
もはやキラに正常な思考はできない。
ただ、前に。
もっとフレイの中に。
「フレ・・・イ・・・・っ!!」
刹那、自分の先端に何かが当たった。
「・・・っ痛ぁあ・・・っ・・・!!」
悲鳴がフレイの口から迸る。
「だ、大丈夫!?フレイ・・・・」
慌ててキラが動きを止めると、苦痛に顔を歪ませながらも、フレイは両腕でしっかりとキラに
しがみついた。
「・・・うん・・・痛いけど、平気・・・・だって・・キラだから・・・・」
「-------!」
「来て、キラ・・・私を・・・あなたのものにして・・・!」
その瞳には、うっすらと涙が滲んでいた。
微笑みさえ浮かべて。
全身が総毛立つ-----あまりの美しさに。
「・・・・・っ!、フレイっっ!!」
キラは、一気に腰を前に突き動かした。
ブチ・・・ッ・・!
確かに、フレイはその音を聴いた。
「・・・っあああああぁっ!!」
綺麗に切り揃えた爪を、キラの背中に深々と突き刺したとき、フレイの処女膜は完全に貫かれていた。
(キラ・・・キラ・・・!私はあなたを・・・許さないっ!!)
(あなたは・・・私の代わりに奴らを殺すのよっ!)
(この宇宙に存在する・・・コーディネーター共を全てっ!)
「・・・ぐうっ・・・・ん・・・くっ!」
激痛に耐えるフレイを心配しながらも、キラは腰の動きを止める事ができなかった。
(・・・これが・・・女の子の中・・・・フレイの中・・・!!)
「平気・・・だから、続けて・・・キラっ!」
言われるまでもなく、キラは何度も己の分身をフレイの中に突き入れている。
ズプッ・・・・ズチュ・・・ッ・・・・・!
破瓜の血が混じることで、より滑らかさを増した二人の繋がった部分からは、肉と肉のぶつかり合う
生々しい音が紡ぎ出されていた。
「・・・フレイっ!・・・・フレイっ!!」
「はあ・・・はあっ・・・キラ・・・私の中・・・・気持ちいい・・・?」
顔や胸、お腹の上に、幾粒ものキラの汗が降り掛かる。
「・・・ああっ・・・気持ちいいよっ!フレイ・・・!!」
(そうよ・・・あなたはそうやって・・・私の上で腰を振っていればいいのよ!)
まだ快感など感じられる筈のないフレイは、一瞬、その瞳を憎悪に輝かせた。
そしてその感情の発露によるものなのか、キラを根元まで包み込んでいたフレイの膣が、
ふいに強い力でそれを締め付ける。
「フ、フレイ・・・僕、もう・・・!!」
慌てて抜こうとするキラの動きを、フレイは両脚を交差させて止めた。
「・・・・フレイっ!?」
「お願いっ・・・・私の中に出してっ!」
フレイが、いままで見せたことのない可憐な表情で、キラに哀願する。
「・・・・・・フレイ」
「き、今日は・・・大丈夫な日だから・・・キラの精液・・全部受け止めたいのっ!」
「--------!」
その言葉が合図となって、キラは両手でフレイの腰を掴んで固定すると、再び自分のモノを
思いきり奥まで突き入れた。
その瞬間------。
びゅっ!・・・びゅくっ!!・・・・・どぷ・・っ!
「う・・・・あぁあっ!・・・フレイっっ!!」
「んん・・・ぁあっ・・・・キラ・・・・キラぁあっ・・・!!」
根元が引き攣れるような鈍い痛みを感じながらも、キラは何度もフレイの膣奥で射精した。
(・・・凄すぎる・・・・っ!なんて・・・気持ちいいんだ・・・・・)
(フレイ・・・・フレイ・・・・!)
今まで図らずも殺めてしまったザフト軍の兵士達も、フレイの父親も、アスランも、そして
あの少女さえも、今のキラの脳裏には浮かばない。
存在するのは唯一人、自分に全てを与え、赦してくれた少女。
フレイ・アルスター。
TO BE CONTINUED