SOUL OF FREY
「だいじょうぶ・・・あの子が守るわ・・・・・」
「・・・私を護るから・・・・・!」
フレイ・アルスターは、汗と・・・体液の匂いが染み付いている、如何にも官給品然とした冷たいベッドの上で
独り呟やき続けている。
もう、涙は乾いていた------。
*
誰もいない医務室------縋るような瞳で、キラはフレイを見つめていた。
「僕は・・・守れなかった・・・・!」
それがあの折鶴をくれた少女のことだと知ったのは、身体を重ねた後だった。
名も知らぬ少女の為に号泣するキラ。
(可愛い子・・・・。)
自分の方が年下だということも忘れて、フレイはキラを優しく、そう・・・・まるで気の弱い弟を慰める姉のように
そっと抱きしめていた。
その瞳に暗い炎を浮かべながら------。
「--------!?」
気が付いたときには、柔らかい唇が、キラの唇を塞いでいた。
それは、フレイ・アルスターの桜色の唇だった。
「・・・んんっ!・・・・・・んっ」
最初のキスは、ただただ衝撃だけが残って正直、あまりよく憶えていないキラだったが今回は違っていた。
自分の苦しみを・・・彼女は分かってくれている。
「私の想いが・・・あなたを護るわ」
そして、限りなく優しい、己の過ち全てを赦し受け止めてくれる・・・・キス。
「んあ・・・っ・・んむ・・・・」
さりげなく舌先でキラの唇を開かせると、フレイはごく自然な動きでもう一つの舌を絡めとっていた。
「ん・・・っ、ん・・・・・・・」
積極的に、キラもそれに応える。
お互いの唾液が混じりあい、お互いの舌は相手の口腔内を舐めまわしていた。
消毒液の匂いが篭る医務室に、二人の奏でる湿った水音だけが響いている。
「ん・・・っ、はあ・・・っ!・・・・フ、フレイ・・・・」
先に限界が来たのは、やはりキラの方だった。
離した互いの唇が透明な糸で繋がっている様は、16才の少年を更に興奮させていた。
「・・・・キラ?」
キラの身体の異状-----ありていに言えば下半身-----に気付かぬ風を装って、フレイは俯いたまま動かない
キラの顔をそっと覗きこんだ。
その声は慈悲深く。
その瞳は彼を慈しむように。
そして彼女はその腕と胸で彼を抱きしめた。
「フレイ・・・・っ!!」
もう、わからない。
キラには、なにも、わからなかった。
*
------少尉扱いとなったキラ・ヤマトには、個室が与えられている。
その事実が、フレイに残っていた僅かな躊躇いを結果的に振り払うこととなった。
「・・・・んむ・・・っ、はあ・・っ・・・・」
既に二人共、裸になってベッドの上で抱き合っている。
「フレイ・・・フレイ・・・っ!」
キラは、あのフレイ----前から憧れていた少女----が、自分の腕の中にいる事がまだ信じられなかった。
だがうっすらと汗ばんだフレイの背中に廻した手のひらからは、確かな温もりが伝わってくる。
更にフレイの全身から立ちのぼってくる壺惑的な香りが、キラに強烈な眩暈を感じさせていた。
目の前では滑らかな曲線を描く乳白色の双房が、圧倒的な量感を示している。
その中心にある控えめな蕾から、キラはもはや目を離すことが出来なくなっていた-----。
部屋の中には、既に淫靡な空気の微粒子が漂いだしている。
「ふふっ・・・あなたって、赤ちゃんみたい・・・」
キラの黒髪を優しく撫でながら、フレイは小さくクスッと笑った。
「だって・・・さっきから私の乳首ばっかり吸って・・・・」
「-------!!」
耳朶まで真っ赤に染めて、キラは唇を、フレイのほんのり薄茶色をした蕾から慌てて離した。
「・・・ごっ、ごめん・・・フレイ、つい・・・・」
「うふふ・・・うそ、あんまり気持ちよくて・・・私も・・もう・・・だから、ね?」
そう言うと、フレイはキラの手をとって自分の秘所へと導いた。
「・・・・・・あっ!?」
抵抗する間もなく、指先がフレイの股間に触れたとき、キラは温かくて粘度の強い液体をそこで感じとっていた。
「ん・・・・恥ずかしいけど・・・いっぱい濡れちゃった・・・・」
そう言うと、フレイは恥ずかしそうに顔を横に向けた。
「だから・・・・ね、キラ・・・・・来て・・」
「・・・・・・ゴク・・ッ・・・・」
今まで戦場でも感じた事のない強烈な緊張感が、キラを襲っていた。
そのとき横を向いたままのフレイの表情は、倣岸さ、そして屈辱、憎しみ、あらゆる負の色彩を交互に映し出して
いたが、それを読み取るだけの余裕は、今のキラには無かった。
「じ、じゃあ・・・いくよ、フレイ・・・・・」
「うん・・・でもあんまり痛くしないでね・・・私・・経験ないから・・・」
(--------!!)
(フレイ・・・・・初めて・・だったのか・・・・)
(・・・・・さっき、サイとは完全に別れたって言ってたけれど・・・・)
(僕が・・・・フレイの・・・初めての・・・・男・・・!)
その考えは、キラを激しく感動させ、また興奮させた。
「フレイ・・・僕はずっと前から君のことが・・・・・」
「・・・うん・・・・・」
「好きだ、フレイ・・・僕が絶対・・・君を守る!」
「嬉しい!・・・私もあなたが好き!大好き!!」
お互いに己の素肌を相手に晒しながら心情を吐露する二人。
だが一人の心の内には、暗赤色の炎が激しく揺らめいていた。
(この子の・・・身も心も・・・・全て私のモノにする・・・!)
(その為だったらバージンくらい・・・いいえ、かえって好都合だわ・・・・)
(そのことで・・・絶対に私を裏切れなくなる・・・・そうよね、キラ・ヤマト!)
・・・・・・くちゅっ・・・・
キラが腰を前に進めると、先端が、熱くて柔らかなフレイの・・・濡れた部分に触れた。
「う・・・ああぁっ・・・・!」
たったそれだけの事で、危うくキラは暴発しそうになる。
わからない------。
どこに・・・入れたらいいのか------。
こんなことならトールが貸してくれたあの本をもっと読んでおけばよかった・・・キラは今更ながら、自分の迂闊さに
頭を抱えたくなった。
「・・・・ここよ・・・・キラ」
その声が三半規管を通り、脳細胞が誰の言葉なのか認識できた頃には、既にキラの先端はフレイのひんやりと
した指で、濡れ光る膣口に導かれていた。
ぬ・・・ぷ・・っ・・・・・・・
「う・・あ・・・・っ!?」
「くう・・・・・っ!」
気が付いたときには、亀頭部分が、完全にフレイの秘所に呑み込まれていた。
キラ・ヤマトは、フレイ・アルスターの中にいた。
「うあっ・・・・・!!」
もはやキラに正常な思考はできなかった。
ただ、前に。
もっとフレイの中に。
「フレ・・・イ・・・・っ!!」
刹那、自分の先端に何かが当たった。
「・・・っ痛ぁあ・・・っ・・・!!」
悲鳴がフレイの口から迸る。
「だ、大丈夫!?フレイ・・・・」
慌ててキラが動きを止めると、苦痛に顔を歪ませながらも、フレイは両腕でしっかりとキラにしがみついた。
「・・・うん・・・痛いけど、平気・・・・だって・・キラだから・・・・」
「-------!」
「来て、キラ・・・私を・・・あなたのものにして・・・!」
その瞳には、うっすらと涙が滲んでいた。
微笑みさえ浮かべて。
全身が総毛立つ-----あまりの美しさに。
「・・・・・っ!、フレイっっ!!」
ブチ・・・・・ッ・・!
確かに、フレイはその音を聴いた。
「・・・っあああああぁっ!!」
綺麗に切り揃えた爪を、キラの背中に深々と突き刺したとき、フレイの処女膜は完全に引き裂かれていた。
(キラ・・・キラ・・・!私はあなたを・・・許さないっ!!)
(あなたは・・・私の代わりに奴らを殺すのよっ!)
(この宇宙に存在する・・・コーディネーター共を全てっ!)
「・・・ぐうっ・・・・ん・・・くっ!あああっ!!」
激痛に耐えるフレイを心配しながらも、キラは腰の動きを止める事ができなかった。
(・・・これが・・・女の子の中・・・・フレイの・・・中!!)
「だ、だいぶ痛みは引いて・・・きたから、もっと動いていいわよ・・・・キラ」
「う、うん・・・・」
その言葉に後押しされ、キラは再び己の分身を何度もフレイの中に突き入れた。
「はうっ・・・・!あぁ・・・っ!!」
破瓜の血が混じることで、より滑らかさを増した二人の繋がった部分からは、肉と肉のぶつかり合う生々しい音が
紡ぎ出されていた。
「・・・フレイっ!・・・・フレイっ!!」
「はあ・・・はあっ・・・キラ・・・私の中・・・・気持ちいい・・・?」
顔や胸、お腹の上に、幾粒ものキラの汗が降り掛かる。
「・・・ああっ・・・気持ちいいよっ!フレイ・・・!!」
(そうよ・・・あなたはそうやって・・・私の上で腰を振っていればいいのよ!)
まだ快感など得られる筈のないフレイは、一瞬、その瞳を憎悪に輝かせた。
そしてその感情の発露によるものなのか、キラを根元まで包み込んでいたフレイの膣が、ふいに強い力でそれを
締め付けた。
「うあぁっ!フ、フレイ・・・僕、もう・・・!!」
慌てて抜こうとするキラの動きを、フレイは両脚を交差させて止めた。
「・・・・・フレイ!?」
「お願い、キラ・・・・私の中に出して・・・・・」
フレイが、いままで見せたことのない可憐な表情で、キラに哀願する。
「・・・・・・フレイ」
「き、今日は・・・大丈夫な日だから・・・キラを・・全部受け止めたいの」
「--------!」
その言葉が合図となって、キラは両手でフレイの腰を掴んで固定すると、再び自分のモノを思いきり奥まで突き
入れていた。
その瞬間--------。
びゅっ!・・・びゅくっ!!・・・・・どぷ・・っ!
「う・・・・あぁあっ!・・・フレイっっ!!」
「んん・・・ぁあっ・・・・キラ・・・・キラぁあっ・・・!!」
根元が引き攣れるような鈍い痛みを感じながらも、キラはフレイの膣奥で何度も射精していた。
(凄い・・・凄すぎる・・・・っ!なんて・・・気持ちいいんだ・・・・・!!)
(フレイ・・・・フレイ・・・・!)
今まで図らずも殺めてしまったザフト軍の兵士達も、フレイの父親も、アスランも、そしてあの少女さえも-----
今のキラの脳裏には浮かばなかった。
存在するのは唯一人、自分に全てを与え、赦してくれた少女。
フレイ・アルスター。
TO BE CONTINUED