余り波のない海、ここは一昔前まで人々の暮らし、平穏と幸せ
があった場所。海に沈んだそこを大きな影が進んでいく。
「正体不明の物体、海面に姿を現しました」
「物体を映像で確認。メインモニターに回します」
多くの機械があり、人間が向いている方には巨大なモニターが
存在している。
そんな中で、一人の初老の老人が一言だけ呟いた。
「15年ぶりだな」
その横に椅子に座り、手を独特に組んでいて、存在感を感じさ
せる男が口を開いた。
「ああ・・・、間違いない。使徒だ」
その二人の前では、制服を着た軍人達が次々と大声で命令を出
して喚いている。
数々の報告が次々と入る中で椅子に座る男が呟いた。
「・・・・・もうすぐだ、ユイ」
新世紀エヴァンゲリオン
〜神々の紡ぐ物語〜
ACT3 二人の少年、始まりの場所へ by
鍵眼
人気のない街に響き渡るスピーカーから流れ出る音と、音声が
やけに現実味がなく感じられる。
『をお知らせします。本日12時30分、東海地方を中心とし
た関東中部全域に特別非常事態宣言が発令されました。
住民の方々は速やかに指定のシェルターへ非難してください。
』
そんな中、一人の線の細く、女顔をした少年が電話の受話器を
置いた。
その次の瞬間、少年は糸の切れた操り人形の様に倒れた。
少年の体はビクッ、ビクッ、と痙攣を起こしている。
少年の少し後方に瞬間的に赤い光が走った。
その赤い光が走った辺りから、突然と一対の人の手が出てきた
。
右手には不恰好なロザリオのクロスが握られている。
その両手は引き裂く様に大きく広げられた。すると、漆黒の闇
がそこに存在していた。少しづつ、健康的な色をした肌、
全てを燃やしてしまいそうな赤く透き通った髪の毛を耳の前を
残して後ろで纏めてあり、黒い瞳を持ち、
ジーンズとTシャツの上にフードの付いた袖なしの赤いジャッ
ケトを着た。左耳に不思議に光るピアスをしている。十四歳前
後に見える少年が姿を現した。
痙攣を繰り返していた。少年は痙攣が治まりゆっくりと立ち上
がった。
赤い髪の少年が手に持っていた。ロザリオを立ち上がった少年
に向けて投げた。
それを受け止めた少年は、それを首にぶら下げた。
赤い髪の少年が口を開いた。
「どうだい、気分は」
「最悪だよ。もう一人の自分を殺したようなものなんだから」
「まぁ、それはそうだよな」
倒れた少年は足元の荷物を持ち、ロザリオをTシャツの中に入
れながら駅から出る為に歩き出した。
それを追うように赤い髪の少年が続くが、その少年の絶叫が辺
りに響いた。
「な、なんじゃこりゃ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!」
「ど、どうしかしたのレイジ?」
自分の髪を触りながら答えた。
「髪、髪の毛が赤い」
「へ?、元からじゃないの?」
レイジと言われた少年は答えた。
「シンジ。家には外人の血なんて入っちゃいね〜よ。」
「それじゃ、再構築した時にアルピノ化したんじゃないかな」
あっさりと、回答を示したシンジ。
そんなシンジをじ〜っと据わった目でレイジは見ていた。
なんとも言えない沈黙が続く。
やけに警報が大きく聞こえる。
空は青いね〜。爽快の極みだよ by シンジ
シンジはそんなことを考えてしまい、頭を左右に振った。
「そんな事より、早く外でようや」
レイジはスタスタとシンジをほって歩き出した。シンジは慌て
てレイジの後を追いかけた。
駅前のターミナルの階段に二人は腰を降ろした。
「シンジ」
「どうかしたの?レイジ」
「紙とペン貸して」
シンジは横にあるバックの中をあさり取り出した。
「それで何するのさ」
レイジはシンジの問いに答えず、黙々と渡された紙に書いてい
る。レイジの書く手が止まり、紙とペンがシンジの前に出され
た。
「何々、・・・これ本気?」
「ああ、本気だ。あと時間どれだけある?
」
「あと1時間45分」
レイジはそれを聞くと立ち上がった。
「どうかしたの?」
シンジが聞くと。
「火事場泥棒しながら下準備してくるから、先行ってて」
そう言って、駅ビルの方へ歩いていった。
レイジは駅ビルに入るとまっすぐにやや大きめの鞄を二つ手に
して、Tシャツ、ズボン等と生活に必要な衣服を値札をとって
二つの鞄に詰めていった。
大体必要な物を入れ終わると、何故か本屋と地下に立ち寄って
から駅ビルを出た。
駅ビルを出るとレイジは走り出した。
「それにしても身体の能力がやけに上がってる」等と考えてい
ると、シンジの背中が見えた。
シンジが何故か思い耽りながら歩いていると、首筋に急にヒヤ
リと冷たい物が宛がわれた。
それに反応して情けない声があがった。
「うひゃぁ」
振り返ると多少意気の上がってるレイジがスポーツ飲料の缶二
つと、やや大きめの紫と赤の鞄を二つ持って立っていた。
シンジはスポーツ飲料を受け取ると、レイジは二つの鞄を抱え
たまま歩き出した。
「その鞄どうしたの」
シンジが後から付いてきながらおずおずと聞くと、
「パクッた」
簡潔に答え、スポーツ飲料を喉に流した。
プシュ
シンジの持っているスポーツ飲料の缶から空気の抜ける音を立
てる。
シンジは呆れているのだろう。ずぼらで、がさつな元同居人の
姉と変わらない事をしているのだから。
レイジはそれに対しては全くどうでも言いようで、空き缶をゴ
ミ箱にいれ、赤い方の鞄からスケッチブックと鉛筆を出し、シ
ンジの顔を見ながら手を動かし始めた。
「レイジって、絵を描くのが趣味なの?」
シンジの問いかけにもスケッチブックの上をめまぐるしく動く
手の早さも変わらなで答えた。
「まぁ、趣味といえば趣味だし、でも、習慣の方がしっかり来
るかな。その日に一回はやらないと落ち着かないって物かな。
簡単に言えば風呂と一緒かな。シンジは?」
「僕は趣味って言えるほどの物ないから」
「俺は趣味って言うのは、自分がやってて飽きなくて、楽しい
物の事が定義だと思うけど」
音のしない空間を低空を飛行しているジェット機のエンジン音
が引き裂いた。
それは迎えが来る時間を知らせた。
シンジとレイジは足を止めて視線を山々の谷間に向けた。そこ
の谷間からゆっくりとサキエルが姿を現した。
二人の上空を巡航ミサイルが風を起こしながら通過していった
。
サキエルに対して蜂のように群がる重戦闘機部隊。その一機に
サキエルの放った槍が当たった。
その光景を見ていた二人はその場からサキエルに背を向けて走
り出した。
その不運な戦闘機はシンジとレイジの居た所に向かってゆっく
りと回転しながら落ちてくる。
その地面に黒い影が映った次の瞬間、サキエルの足が戦闘機を
踏み潰した。
その爆発音とほぼ同時にブレーキ音が鳴り響き、一台の青いス
ポーツカーが二人の楯となり爆風から守った。
「遅れてごめんね。隣の人も乗って!!」
レイジは後部座席に鞄を投げいれ自分も乗り込んだ。
シンジは助手席に乗り込むと急発進してその場を後にした。
軍服を着た三人の座っているテーブルの前には、吸殻で溢れて
いる灰皿が彼らの苛立ちを表していた。
「目標は依然健在。現在も第三進東京市に向かい、進行中」
その報告に軍人達は電話に向かって大声で叫んだ。
「総戦力だ。厚木と入間も全力を挙げろ!!」
「出し惜しみなしだ!!なんとしても目標を潰せ!!」
大型ミサイルが放たれ、サキエルに襲い掛かるが注意しなけれ
ば分からないほどの薄い膜が受け止めようとした手に張られ、
ミサイルは自身の加速で引き裂かれ爆発した。
サキエルの傷一つさえない姿がモニターには映し出されていた
。
「なぜだ!!直撃したはずだぞ!!」
その無様な姿を目に入れながらモニターを見ていた老人が言っ
た。
「やはりATフィールドか」
「ああ、使徒に対し通常兵器では役に立たん」
そうあっさりと言い切った座ってた男のサングラスが光った。
爆走する車の中で運転をしていた女性が、バックミラーで俺の
事をチラチラと見ながら口を開いた。
「あなたはだれかしら?」
俺はスケッチブックの上で動かしていた手を止めて答えた。
「俺は高部レイジです」
「あたしは葛城ミサトよ。どうしてあそこにいたの?」
その問い詰めに対してシンジは心配そうにバックミラーから除
いている。
「それは、第三新東京市に行く途中だったからですけど」
「どういう目的でかしら」
「死んだじいちゃんの後片付けと、遺言聞きにですけど」
俺はそういうと少しだけ顔を下げた。
シンジはそれを見て顔を外の方に向けた。
そんなに胡散臭いのは自分でも分かってるから、頼むから笑わ
なでくれ。
「そう、災難だったわね。シンジ君とはどういう関係かしら」
「ネット上での友達ですけど。随分と疑うんですね」
部外者の俺があそこにいたのが気にいらないのだろう。
「ごめんなさい。仕事上の上なのよ」
そういうと車を止めた。
「あの、葛城さん。さっきの化け物は一体何なんですか」
「ごめんなさい。彼がいるから答えられないわ。それとあたし
のことはミサトでいいわ」
俺は関心をよせずに窓から小さく見えるサキエルを見ていた。
ミサトはシンジを半分ほど下敷きにして双眼鏡で観察していた
。
蜂のように群がっていた重戦闘機が離れていく。
「ちょっと、まさか・・・・、N2地雷使うワケ!!」
そう叫んだ瞬間、閃光と爆発が起こった。
ミサトは爆風からシンジを守ろうと組みふした。
シンジはミサトの豊満な胸を押し付けられて顔が赤い。
待てども、爆風は来ない。
「あれ?」
「先急いだ方がいいんじゃないですか」
「ええ、そうね」
そう俺が声を掛けると釈然としないのだろうが車を発進させた
。
俺は一つ難点を見つけてしまった。
「初音、間に合うのか」
ちょうど、N2地雷が爆発した時、観測データには強いATフ
ィールド反応が出ていたが、誰も気づいてはいなかった。
モニターにはサキエルを中心とし、半径一キロ程しか爆発の衝
撃が伝わってない。
一人の軍人が喚いた。
「な、何が起こったんだ」
モニターの煙がはれていき、所々焼きただれたサキエルが姿を
現した。
老人は言った。
「碇、問題が起きそうだぞ」
碇と呼ばれた、座っている男は表情を一つも変えないまま答え
た。
「問題があれば消すだけだ」
そう言って碇と呼ばれた男とその横に立っていた老人は、立ち
上がり下の段に降りた。
モニターに映っている使徒の仮面の下からもう一つ仮面が覗い
た。
ジオフロントに続くカートレインに乗っている車の中。
「特務機関ネルフ」
シンジが呟く。
「そう、国連直属の非公開組織」
俺はそれにヤジをいれた。
「非公開ねー。あんまりいい事してなかったり」
ミサトはそれに対してガバッと後ろ見て、俺に一言。
「外野は黙ってなさい」
彼女はハンドルに肘を乗せてカッコでシンジに聞いた。
「お父さんの仕事、知ってる?」
シンジは答えた。
「人類を守るとか言って、色々と悪巧みしてそうですけど」
それを聞いたミサトの顔は引きつっていた。
そこに、軍人達のテーブルの電話が鳴った。
「はい。わかってりました。それでは」
ただその一言いって電話を切ってしまった。
電話を受けていた中心の軍人が言った。
「今から本作戦の指揮権は君に移った」
左に座っていた軍人が続ける。
「お手並みを見せてもらおう」
三人の軍人達に見下ろされている碇は答えた。
「了解です」
右の軍人が口を開いた。
「碇君。我々の保有する兵器では、目標に対し、有効な手段が
ないことは認めよう」
左の人物が聞いた。
「だが君なら勝てるのかね?」
オレンジのサングラスを左手で押し上げながら答えた。
「そのための、ネルフです」
中心の軍人は席を立ちながら言い残した。
「期待しているよ」
老人が声を掛ける。
「国連軍はお手上げか。どうするつもりだ」
振り返りもせずに答えを返す碇。
「初号機を起動させる」
「初号機をか?パイロットがいないぞ」
碇はチラリと老人の方を見て答えた。
「問題ない。もう一人の予備が届く」
「シンジ君。ID貰ってない?」
シンジはポケットから封筒を取り出し、ミサトの前に出した。
「手紙、見てもいい」
「ええ」
シンジは考えもせずに即答した。
手紙を見た、ミサトはバックミラーから見る限りでは眉がピク
ピクと動いていた。
「お父さんの事、どう思ってる」
俺は止めたいが、止めなかった。シンジがどういう反応をする
のかを見てみたかった。
それは明らかに怒りや、憎しみ等の負の感情が入り乱れている
ように感じた。
「ただ、僕は憎んでます」
その声色は、暗く、重く、澱んでいた。
車内を何とも言えぬ重苦しい雰囲気の沈黙が包み込んだ。
視界が開けジオフロントが見える。
黒髪の少年は戻ってきた。始まりと終わりの場所へ。
新たな決意と、まだ整理できていない感情を持って。
赤の少年は思う。黒髪の少年の灯台になってあげようと。
誰も予測し得なかっく、舞台に上がってしまったイレギュラー
。
老人達は誰も気づきはしない。無論、別の未来を見ようと企ん
でいる者。
舞台の幕が上がる。少年達によって行われる。寸劇が始まる。
鍵眼 「・・・・・・・・」
レイ 「・・・」
アスカ 「・・・」
初音 「・・・」
アヤネ 「・・・」
シンジ&レイジ「・・・」
鍵眼 「あの〜、申し訳ないんですけど。縄解いてく
れません?」
アスカ 「却下よ!!」(腰に手を当てていつもポーズ
)
レイ 「原稿を挙げなかった罰よ」
初音 「次を期待していてくれた皆さんに悪いです」
アヤネ 「そりゃ、当たり前だわ。七ヶ月もほおって置
いたら」
鍵眼 「うっ、ハードが逝くわ。なんだかんだあって
書く気なくしたのよ」
アスカ&レイ 「なら、なおさら悪い(わ)。早くあたしを出
し(て)なさいよ!!」(グリグリ)
鍵眼 「痛い!痛いってば!!」
レイジ 「本音はそれかい」
シンジ (コソコソ)←物陰に隠れる音
アヤネ&初音 (ガサガサ)←物色中
アスカ&レイ (ギロリ!!!)
レイジ 「ひっ!!」
アスカ 「あんたも罰が必要な様ね」
レイ 「ええ、その通りね。二号機パイロット」
レイジ 「ちょっと待て、この情報で勘弁して下さい」
アスカ 「・・・・怒!!!!何、PS2で遊んでんの
よ」(ドガ)
鍵眼 「シンジ〜、レイジ〜、ヘルプミ〜〜〜」
シンジ&レイジ(サッ)←耳を塞いだ
鍵眼 「う、裏切り者〜〜〜〜」
アヤネ 「みっけ、次の原稿ゲット!!」
レイ 「もう、あなた用なし」
アスカ 「それじゃ、発射!!」
初音 「ごめんなさい」(ポッチとな)
鍵眼 「シンジ〜、レイジ〜、覚えてろよ〜〜〜〜〜
〜」←乾山の山へ
女四人 「エヴァ〜神紡ぎ〜ACT4 出番なし!?」
全員 「・・・・・・へ?ええ!!!!!!!!」
ミサト 「次回もサービス、サービス。」
アスカ 「ミサト!何、勝手にしめぇ」