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「あ〜らよ！！」

　

そんな軽い掛け声のジャンピングハイキックでゾンビの頭部が吹き飛ぶ。

ゾンビの動きは単調だし、ガードもしないため破壊力をストレートにぶつけることが出来るのだ。

ましてや東京魔人會のＴＯＰの蹴りである。常人ならば脳挫傷間違いない。

　

格闘戦にも優れている証拠に現在まで使用した武器はナイフのみである。

途中ゾンビの群に出くわしたときも前蹴り一発で最初の一体を吹き飛ばし、

後続のゾンビをドミノ倒しにしてからサッカーボールキックで次々とゾンビの頭を蹴り飛ばしたていた。

　

途中の緑色の草が、この世界の因果律では怪我を癒やしてくれるハーブであることに気付いた死狼は、いくつかを確保していた。

流石に鉢ごと持っていく気はないので、引っこ抜いて持ち歩く。

　

パン！パン！

　

裏路地をしばらく進むと銃声が聞こえた。さっきドアから飛び出してきた黄色いジャケットを来た男だ。

持っている武器はＭ９２Ｆカスタム・・・アレをジルにくれてやるか。

俺はその銃を奪うためにその男を追った。

　

「邪魔だぁ！！！」

　

ゾンビのグチョグチョで手を汚したくないので自然と足技を多用した攻撃になる。

まずジャンピング踵落としで目の前のゾンビの頭部を潰し、振り向き様のソバットで背後のゾンビの頭部を蹴り飛ばす。

　

（こんな簡単な敵に市民の大半がやられてしまうと言うのが解らない・・・警察は何をしているんだ？）

　

警官隊がすでに壊滅していたことを知らない死狼はふとそんなことを思った。

が、すぐに考えるのを止めてしまった。

　

おそらく相手が基は人間であること、そして生理的な嫌悪が自衛行動の妨げになったのであろうが、

そんな程度で戦えないよなカスに死狼は一片の同情も持ち合わせていないのだ。

　

「ＮＯ！ＮＯ！」

　

その男の後を追って入ったバーでその男はゾンビに咬まれていた。

これはいい。殺す手間が省ける。死狼は静観を決めた。

　

依頼者以外の人命はどうなろうと知ったことではないのだ。

むしろ容易く銃が手に入る分死んでくれた方が良い。

その間にレジの下に置かれていた弾丸を手に入れる。

　

「止めろ！！近づくな！！」

　

パン！パン！パン！

　

死狼は舌打ちした。のんびり時計台の絵はがきを見ていたらゾンビがその男の銃に倒されてしまったからだ。

やれやれと首を振りながらその男に近づいて話しかける。

　

「・・お前は何者だ？」

　

「・・ジルアンタがまだ生きてるとはな」

　

「いや、俺はジルじゃないって」

　

その後男は死狼を無視して訳の分からない事をぶつぶつ言っている。

　

「お前が何者なのかはどうでも良い。警察署はどこだ？」

　

この街で武装があるとすれば警察署以外にはあり得ない。

途中で拾ったショットガンも６発しか弾がないのでは渡してもあまり意味が無い。

　

「ＳＴＡＲＳなんか入らなきゃ良かったってな！！」

　

そう呟いて男は外へでようとしていた。

因果律に沿った行動なのだろうが、無視される側にしてみればたまったものではない。

　

「まてって」

　

そう言うよりも早く死狼はナイフを投げていた。

あらゆる武器に精通した死狼にとっては後ろを向いている男に、この距離でナイフを投げて外れるはずがなかった。

　

「グバッ！！」

　

案の定無防備な後頭部に鍔の部分まで突き刺さった。

黄色いジャケットの男はドアにもたれ掛かるように倒れる。

　

「この電波系が・・・これで武器が手に入った」

　

店内を探ってライターや弾丸を手に入れた死狼はまたもとの路地へと戻っていた。

途中で拾った自分の位置が解る便利な地図で警察署の位置を確認する。

　

コイツの言葉によれば警官隊は壊滅したそうだが・・・と言うと武器は取り放題か。

死狼はニヤリと笑った。この世界で入手した武器は全て死狼のものである。

この世界で入手した以上現実の世界では存在しない銃である。

製造番号も関係ないフリーの銃というのは高く売れる。またコレクションに加えるも良しだ。

　

途中カードケースを見つけたので調べていたら、カードケースがいきなり消えてＳＴＡＲＳカードが現れたのには驚いた。

このカードは重要なアイテムなのだろうが、ビックリさせないで欲しい。

これも因果律か・・・と呟いて死狼はそのバーを後にした。

　

　

もう少し弾丸を手に入れるため死体を見つけては漁りながら歩いていくと犬に出くわした。これは流石に素手では倒せないと判断した死狼はナイフで応戦した。

犬と言っても相変わらず単調な攻撃だ。飛びかかってくるのを避けてから延髄にナイフを撃ち込むだけでケリが付いた。

　

「・・・人間よりも動物の方がゾンビに優れているな」

　

誰に聞かせるともなく呟いて、死狼は警察署へと向かった。

途中あまりの数のゾンビに何故か道ばたに落ちている火薬のつまったドラム缶に着弾させて倒したりしたが。

　

この時点でのアイテムは、

救命スプレー×１　ナイフ×１　ＣＨＥＺＡＬＩＯＮ×１

特殊弾倉（フル）×２　９ｍｍ弾丸１０発

　

途中の休める小屋で主要なアイテムを置いておいた。これでジルの手元にも銃やショットガンが届くのが不思議だが、それもまた因果律なのだろう。

さぁ、次に目指すは警察署だ。

　

(End)

　

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(update 99/10/09)