サザエさん+バイオハザード

■SAZAE HAZARD■

-10-

作・Moriartyさま


 

「おいぃ〜、サンプルの調子はどうなってるんだよぉぉ〜」

男は女の胸に手をやり揉みだした。

「あぁん・・・旦那が見てるわよ・・・」

女はそう言いつつも男の手を拒まなかった。

 

その二人の男女の前には巨大な水槽に入れられ、

無数のコードに繋げられたマスオがジッと睨んでいた。

 

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SAZAE HAZARD -10- 【餌】

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どれだけ歩き回ったことだろう。

磯野家の地下にこれ程までの地下室があろうとは全く気付かなかった。

もう町内分はあろうか。

サブちゃんの言っていた「日本のある科学者が生物兵器を単独で開発している」という事が

すべての鍵だということはバカの代表であるカツオにも分かった。

しかし、その科学者が何故カツオの家族を狙ったのか・・・全てがまだ分からない。

カツオはその答えに向かって確実に近づいていた。

 

「Laboratory」

こう書かれた扉の前にカツオは立っていた。

「なんて書いているんだろう・・・とにかく入ってみよう」

カツオはそう思いながら大きく分厚い扉を開けようとした。

 

「んくくくくくっ・・・んくっ・・・くそぅ、ビクともしないぞ・・・」

その扉はカツオの力では全く動かなかった。

しかし、カツオはその扉のノブの上に番号を押すスイッチがあることに気付いた。

「凄いっ!! 金庫みたいだっ!!」

カツオは何故か勃起した。

 

その扉は三桁の数字を入力するタイプである。

カツオは悩んだ。

「これじゃぁ、確立は50分の1じゃないか」

相変わらず頭が悪い。

「んっ!? 待てよ・・・そう言えば母さんが死ぬ間際、

  ボクに大切なことを教えてくれたじゃないか!!」

そう。カツオはココへ来る少し前にフネから三桁の数字を教えて貰っていた。

その数字をカツオは母への想いを募らせながら押していった。

「3・・・55・・・っと」

カツオはチョイチョイっと押した。

 

・・・しかし扉は開かない・・・

「くそぅっ!! やっぱりガセネタじゃないかっ!!」

モンスター化したフネが死に際に人間の、

そして母親の心を取り戻したから大事な番号を教えてくれたのだと思っていたから、

そのショックは大きかった。

「母さんは最後までボクの敵だったなんて・・・」

途方に暮れるカツオだが、

フネがカツオに託した番号は「322」であり、

カツオが押した番号は「355」で開くわけがなかった。

頭の悪さで親子関係まで台無しにする男なのだ。

 

「こうなったら強行突破だっ!!」

カツオはサブちゃんから貰い、フネを仕留めたピストルを取り出すと

扉の番号認識装置目掛けてぶっ放した。

 

『カチッ カチッ カチッ』

何発撃っただろうか。

もうピストルは弾切れをおこしてしまった。

しかし、扉はビクともしない。

「くそーっ!! どうやったら入れるんだよーっ!!」

カツオがカンシャクを起こしている時にドコからか声が聞こえてきた。

 

「フネか?? 番号は教えてやっただろう。餌が欲しいのか??」

かなり低い、それでいて悪人声だ。

だが、直接聞こえているワケではなく

どこからかマイクを通して言っているらしい。

侵入者のカツオだと気付いていない点を考えると

こちらの姿は見えていないようだ・・・。

 

「今開けてやるから暴れるなよ、また電気ショックを喰らわせるぞ」

そう言うとカチャっという音と共に重いドアが開いた。

カツオが中に入って行ったが誰も居ない。

次の部屋が見えているがまた、重いドアが立ちふさがっている。

カツオが居る部屋はちょうど踊り場の様な場所である。

壁には至る所で「Five Holes」と書かれている。

フネの喉元に掘られていた字と同じモノだ。

 

目の前のドアの下半分はちょうど新聞を入れるような、

ペットのネコや犬が出入り出来るようなドアが付いていた。

 

「アメリカの糞スパイをぶっ殺したんだな、ほれ、褒美だ」

そう言うと目の前のドアの小さなドアから肉の盛られた皿が出てきた。

「わぁ、ご馳走だっ!!」

そう思ったカツオはご馳走に飛びついた。

どんな状況でも食いしん坊は治らない。

 

「コレを食べたら殴り込んでやるっ」

そうブツブツ言いながら肉をほうばった。

 

『ムシャムシャムシャ・・・』

初めて食べる味である。

牛肉ではない・・・ブタでもない・・・。

鳥でも羊でも馬でもない・・・。

しかも生である。

「結構旨いや・・・何の肉だろう??」

そう思って皿を見ると、何か見たことのあるモノが皿に乗っている。

 

メガネを掛けた面長のヒゲ面だった。

カツオはその頭が隣に住んでいるイササカさんの頭である事に気付いた。

「ぶはっ!! オェェェェェェェェっ!!!!」

カツオは思わず吐いてしまったが、あまりにも美味しかったのでもう一度食べた。

「一体どれだけの人が犠牲になっているんだよ!?」

カツオは血塗れの顔(イササカさんの血)で前のドアを開けようとしたが

相変わらずビクともしない。

「くそぅっ!!」

苛立ちからドアを蹴ると、さっき皿が出てきた小さなドアの部分が少し開いた。

エサを出すためのドアだが、

体の小さなカツオならドアを使って出られそうだ。

 

「しめたっ!! ココから向こうへ抜け出せるぞっ!!」

カツオはそのドアから勢い良く飛び出した。

そして弾の出ないピストルを構えて叫んだ。

「ボクの家族を返せっ!!」

 

「あぁ〜ん、スゴイわぁっ!! 旦那より断然イイわぁ〜!!」

「ハハハ、サザエ、そんなに動くとモたないよ」

カツオの目の前で独特のパーマ頭の女が男の上で腰を振っている最中だった。

 

「ね・・・姉さん・・・」

カツオとサザエ、感動の再開であった。

 

−次回最終回−

 

 


(update 99/04/01)