穏やかな午後。
二人が寝そべっているフローリングの床は、バルコニーから差し込んでくる陽射しで温かい。
ふたり、見詰め合っていると、それだけで時間がゆっくりと流れていく。
彼女の髪から漂ってくる、控えめなシャンプーの香りと、胸の内が温かくなるような、綾波の匂い。
柔らかな水色の髪に顔を埋める。
お日様の匂いがする。
温かい・・・。
静かに目を閉じている綾波。少しだけ微笑んでいる。
くんくん、と子犬のように鼻を小さく鳴らして、僕のシャツに顔を埋める。
「あははっ、くすぐったいよ綾波・・・」
こそばゆくて、思わず身を震わせる。
「(クス・・・)」
「あ、綾波笑ったね?」
「(ふるふるふる)」
ううん、という顔をして首を小さく振る彼女。
「ウソ・・・笑ったでしょう」
「(・・・くすくすくす)」
僕の真剣な顔に耐えかねたように、再び笑みをこぼす綾波。
「あ、ほら。笑ってる・・・」
「(ニコッ)」
あ・・・。
綾波の笑顔。かわいいな・・・。
「・・・綾波?」
「・・・・・(じっ)」
僕の顔を覗き込む、澄み切った紅い宝石。
時間の流れが、よりゆっくりになる。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「綾波・・・」
「ん・・・。碇くん」
彼女は僕の名前を呼ぶ。
ずきん。
僕の胸を鈍痛が走りぬけた。
無論不快感なものじゃない。
「ん・・・・・・」
「・・・ん・・・」
僕たちは何時の間にか唇を触れ合わせていた。
何も知らない子供のように。
ただ、二人の距離を近くしたくて、唇と唇を合わせる。
それに飽きると、少し頭をずらして、互いの唇で挟み込むように合わせる。
彼女の髪を撫でていると、綾波も僕の頭を撫でてきた。
僕たちは目を開ける。
ほんの近く、視界がぼやけるほど側に綾波の瞳があった。
互いの頭をかき抱いて、再び唇を擦りあわせた。
僕と彼女の睦みは、いつもこんな具合に始まる。
Neon Genesis EVANGELION EpisodeXX:(Quiet Moment)
「ん・・・・く・・・ぅん」
僕の唇が、なだらかなスロープを滑り降りると、綾波は身体に溜まった熱い空気を吐き出した。
しっとりと柔らかい肌。
彼女の体温が温かい。
僕は子供っぽい感情に流され、まるで所有印をつけるかのように、紅い跡を新雪のように真っ白い綾波の身体に、幾つも残した。
脇腹からお腹にかけてを征服すると、僕は一旦顔を上げた。
彼女はここに唇を置くと、くすぐったそうに身じろぎしてイヤイヤをする。
僕の方が耐え切れなくなって、再び口付けを交わす。
鼓動が早い・・・。
僕の性急な舌の動きにも、綾波は戸惑わずに合わせてくれる。
彼女のゆったりとした動きに諭されて、ようやく落ち着きを取り戻す。
綾波は自分からも控えめに舌を使ってくれる。
そのひとつ一つの動作がたまらなく愛しかった。
僕たちは、ゆっくりゆっくりと舌を絡め合い、吸い合った。
綾波の柔らかい舌が、僕の中枢を刺激する。
「・・・っは・・ぁ・・・」
唇を離すと、綾波は少し紅潮とした頬をして、僕を恥ずかしそうに見詰めた。
上目遣いに、じっと見詰められると、何か悪いことをしたような気にさせられる。
「ご、ごめん・・・」
何故か、謝っている僕。
「(くす・・・)」
綾波は微笑むと、僕の頭を優しく抱いた。
彼女の手に導かれるように、ゆっくりと・・・綾波の胸にたどり着く。
薄いようで、実はふっくらとした丸みをもつそこは、彼女の呼吸に合わせるようにして静かに上下していた。
その輪郭をなぞるように掌を滑らせると、その動きに合わせるようにふるふると揺れる。
「・・・ぁ・・・」
彼女の小さな変化。
ふくらみの頂に恥ずかしそうにしていた蕾が頭をもたげてくる。
僕はそれを確認すると、二つの双丘の谷間に頬をうずめた。
綾波の女の子の匂い。薄い肌を通して伝わって来る鼓動。頬に感じる柔らかさと、温かい体温。
頬をふくらみに擦りつけると、綾波は切なそうなため息をついた。
僕は顔を上げると、ツンと存在を誇示し始めた頂に口付けた。
そして突然、ねっとりと舐めしゃぶる。
綾波が喘いだ。
ちゅく・・・。
僕の指が彼女の秘唇に沈むと、それだけで潤ったそこが湿った音を立てた。
「気持ちいい?」
いじわるに僕が訊ねると、綾波は拗ねたようにちょっとそっぽを向く。
「あっ・・・」
突然の快感。
見ると、綾波のしなやかな指が、僕のシャフトを上下していた。
「あっ・・・ちょ・・・」
「・・・気持ち・・・いい?」
綾波が言う。
さっきのお返し、ということだろう。
僕は苦笑すると負けを認めた。
「うん・・・。すごく気持ちいい」
「・・・・・」
綾波は小さく笑うと、下の袋の方から先端までを優しく撫で上げた。
それだけで、僕の背中には電流にも似た刺激が走り、先端から透明な液が滲んだ。
僕が一息つく間もなく、綾波はそれを全体に塗り広げ始めた。
綾波の手と、ぬるぬるした感触が、僕の腰を麻痺させる。
「・・く・・・・ぁっ・・」
負けじと、僕は綾波の秘唇を下に下った。
細い小径を抜けると、やがてもうひとつの小さなすぼまりに到達する。
「・・ひゃんっ・・・!」
綾波はびくり、と過剰に反応すると、そんな悲鳴を上げた。
ストップがかけられないのをいいことに、僕は綾波の愛液をまぶした指をそこに擦りつけた。
周囲に円を描くように動かすと、そこはきゅっとすぼまって抵抗を示す。
「・・・だめぇ。もうっ・・・」
数瞬遅れて、ようやく綾波の手が僕の悪戯な腕を押さえる。
彼女はちょっと怒ったように、僕を上目遣いに見る。
だけど。
「顔・・・紅いよ?」
「・・・ゃ・・・・」
途端に火がついたように真っ赤になって、綾波は僕の胸に顔を埋めた。
ヌチュ・・・・ニュル。
きゅ・・・・。
温かい。
綾波とひとつになっている部分は、痺れたように鈍い感覚を伝えてくる。
僕の身体に絡められた、綾波の脚と腕が小刻みに震えている。
僕もだけど、綾波の呼吸も荒い。
別に激しく動く必要なんてない。
綾波の中にいること、僕が綾波の中にいること。
その充足感だけで、昂ぶってくる。
「綾波・・・」
彼女の膣が蠢き、意志に関係なく僕を締め付ける。
「碇く・・・あ・・・ん」
僕が身じろぎした時に、彼女の敏感な部分を押し上げたようだ。
「綾波・・・綾波・・・」
「碇くん・・・碇く・・・ん」
こんな風に、僕たちはごく静かに昇りつめる。
「あっ・・・くんんん・・・・!」
びくん、と綾波の腰が小さく跳ねた。
同時に、狭い小径がさらに幅を狭めて、僕自身を締め付ける。
「うあ・・・っ!」
出る・・・!
ドプン!
「・・・んぁぁ・・・・碇くぅ・・・ん・・」
ドクン・・・ドプ・・・。
もっと・・・、もっと満たしたい。
綾波の子宮を、僕のもので満たしたい・・・。
「あぁ・・・・」
ドクッ・・・・ドプンッ・・・・。
もっと・・・、もっと・・・注ぎ込みたい。
綾波・・・好きだ。
好きだよ・・・。
.
.
.
.
「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・」
「ん・・・く・・・ぅ・・・んん・・・」
二人の乱れた呼吸だけが耳につく。
胸には綾波の普段より高い体温と、通り過ぎたばかりの灼熱感だけ。
しばらく、何もする気も起きずに、ただお互いの鼓動だけを聞いている。
「ハァ・・・ハァ・・・イっちゃった・・・」
独り言のように呟くと、綾波もコクリと小さく頷いた。
僕たちは暫し見詰め合って・・・どちらからともなく笑みを漏らす。
何時の間にか、僕たちは繋がったまま、腕を回し合って口付けを始めていた。
「・・・あ。ご、ごめん・・・」
「・・・?」
しばらく抱き合って、じゃれ合っているうちに、僕は彼女の中で大きくなっていた。
それに気付いた綾波は、ぱちぱち、とまばたきして・・・
「(くすっ・・・)」
「・・・あ、あの・・・」
「・・・もう一度、ね」
珍しく、いたずらっぽく微笑んで、彼女は僕の頭に腕を回した。
(おしまい)
みゃあ@作者の後書きらしきもの
ども、お久しぶりです。みゃあです(^-^)。
いやはや、久方ぶりのエヴァですな。
しかも久方ぶりのレイちゃん。
そのせいか、作風がいつもと違います(^^ゞ。
ちょっと大人・・・なシンちゃんですね。
今に始まったことじゃないですが、私の書くシンジくんは作品ごとにまるでイメージが違います(笑)。
これは、当然といえば当然かもしれないです。アスカと一緒のシンジと、レイと一緒のシンジでは、違ってくるのは当然だと思います。今回は一応17才の二人ぐらいをイメージしてます。
他キャラのことは全く頭に入れてませんが、レイと二人きりで暮らしていたらこんな感じになるかなぁ?という発想で書きました。
さてさて、お約束で18禁になってますが、15禁でもいい感じですね(どこがだ(笑))。
私の中ではレイちゃんと「淫靡」というイメージが合わないので、こーゆー感じか、或いはギャグになっちゃいます(^-^;。
ま、これもひとつの形、ということで読んで頂ければ幸いです。
もっともっと可愛いレイちゃんが書きたいな・・・と思っているみゃあでしたo(^-^)o。