For example...

ほんのりアスシン劇場「アイ!シてる3」

作・みゃあ


 

 

『間もなく、一番線に電車が参ります…。危ないですから、黄色い線の内側に下がってお待ち下さい』


第三環状モノレールのプラットホーム。
黄色いワンピース姿のアスカ。半歩、右後ろに白い綿シャツとジーンズのシンジ。

今日は新市街まで買い物。
ソーセージは三●デパートの食品売り場(ドイツ直輸入品)のじゃなきゃ、イヤ。
というアスカのお達しによって決定。


プシュー……。


スタスタスタ。
てくてくてく。

アスカは、席の端に腰を下ろす。
シンジは、その横に…。

ギロッ。

横に……。

ギロッ。

仕方がないから正面の席に…。

ギロロッ。

………。


『一番線、ドア閉まります。ご注意ください』

プシュー……。

ガタン、ゴトン…ガタンゴトン…。


結局、シンジは、座ったアスカの前で吊革につかまって立っている。

「(……ガラガラなのに)」

シンジは両手で吊革にぶら下がり、はぁ…と深いため息をついた。


…ガタンゴトン…

…ガタンゴトン…


「(…あ、アスカのつむじだ。…右巻き?)」


…ガタンゴトン…

…ガタンゴトン…


ふわ…。

「(…あ、シャンプーの匂いかな。くん………なんか、いい匂い)」

ギロッ。

「(びくぅっ)」
「アンタ、今、変なこと考えてたでしょう」
「(ぶるぶるぶるっ)」

滅相もないと、激しく首を振る。

「フン…」
「(な、なんでわかるんだろう…)」


…ガタンゴトン…

…ガタンゴトン…


「………」
「………」


…ガタンゴトン…

…ガタンゴトン…


『この先、揺れますのでご注意下さい』


…ガタンゴトン…

…ガタンゴトン…


「…あの…アスカ…?」
「………」
「………」
「………」
「やっぱり、座っちゃダメ?」
「………」
「………」
「好きに座ればぁ。別にダメなんて言ってないじゃん」
「(……言ってないけど、睨むじゃないか)」
「何か言った?」
「う、ううん…じゃあ…」

よいしょっ…と。

ガタタン!

つるっ。

「わっ…うわあっ!」

ずるっ。
ドン!

「きゃ…っ」

むにゅぅっ。←シンジの顔がクッションに埋まった音。

「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっ!!
バカ! このバカ、このバカ、このバカぁっ!」

パシーン!ぴしーん!べしーん!
あうっ、おうっ、えうっ。

何度も頬を張られながらも、ちょっぴり嬉しい碇シンジ、15歳であった。


 

(おわり)

 

 

 


 ご意見・ご感想はこちらまで。

(updete 2003/09/20)