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ほんのりアスシン劇場「アイ!シてる4」
作・みゃあ
至福の表情で、アスカは目を閉じていた。
かきかきかきかき…。
なんともいえない気持ちよさと、心地よい眠気に包まれる。
ほじほじほじ…。
自分でするのもいいが、人にしてもらうのは、比べ物にならない快楽である。
耳をくすぐる綿棒の感触。
クッションになっている太ももから伝わってくる温もり。
文字通り頭の芯が痺れるような快感。
まさに至福。アスカは今、まれに見る機嫌の良さで幸せに浸っていた。
かきかきか…
「あっ、すごいよアスカ。みてみて、こんなに大きいのが取れ…」
げしっ「…報告はしなくていいから、黙ってやんなさい」
「ふぁい…」嬉々として報告する枕、もといシンジの無神経な声に気分を台無しにされ、ぐーぱんちが顔面に炸裂した。
自動耳かきマシーンが活動を再開する。
かきかきかきかき…。
ほじほじほじ…。「……ぁ……ん〜……んふ……」
かきかきかきかき…。
ほじほじほじ…。「…はい、こっちは終わったよ。反対側」
「ん」いそいそと、頭の向きを変えて寝っ転がるアスカ。
猫みたいな顔してるな、とシンジは思った。
反対側を向くと、自分のお腹の方にアスカの顔がくるため、少しドキッとする。
風呂上がりでつやつやのほっぺ。
少し湿り気の残る後れ毛の残るうなじ。「(……か、かわいい、かな)」
ドキドキはさらに高ぶりかけるが、こんな時に「膨張」でもさせようものなら命が危ないので、あわてて因数分解を思い浮かべながら、アスカの右耳に綿棒を伸ばす。
かきかきかきかき…。
ほじほじほじ…。
ピンポーン。「はいはーい」
ガチャ。
「こんばんは...」
「あら、珍しいじゃない。どうぞ、上がって」
「お邪魔します」
「あ、スリッパ使ってね」
「はい......」パタ、パタ、パタ……
「.........」
「ん……もっと上……もっと下…じゃなくても少し左…違う…あ!そうそこ、そこね」
「はいはい…」「あななたち......いつもそんなことしてるの」
「「!!!!!!!」」
がばっ
「ななななに言ってんのよ!違うわよこれはそんなわけないでしょうホラたまたまよたまたまアタシは嫌だって言ったんだけどバカシンジがどうしても耳かきさせてくれって言うから仕方なくアンタのせいで変な誤解されたじゃないのこのバカシンジ!バカシンジ!バカシンジ!」げしげしげしっ「いたっ痛いよアスカひどい……」
アスカはなぜか真っ赤な顔で、光速の言い訳を展開しつつ、シンジにストンピング、ストンピング。
「...............そう。よかったわね」
阿鼻叫喚の室内から踵を返しつつ、密かに自分もしてほしいと思っている、綾波レイ15歳であった。
(おわり)
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(updete 2003/09/20)