サクラ大戦2

■大神、男の苦悩■

−真宮寺さくら編−

Written by みゃあ


 

大神一郎・帝国海軍少尉。

現在は、帝国華撃団・降魔迎撃部隊、花組隊長。

……が、花組自体が国家機密組織のため、平時は「帝国歌劇団」の一員として、大帝国劇場のモギリを勤める。

 

一仕事を終えた彼は、大帝国劇場の地下へ通じる階段を降りている途上だった。

 

(ふぁ〜あぁ・・・・)

(いやぁ、久しぶりのモギリの仕事は疲れたなぁ)

(海軍では、もっとハードな演習ばかりやらされていたのだけれど・・・やはり疲れの質が違うみたいだ)

 

ふぅ。

 

(こんな時は風呂にでも入って、さっさと寝てしまうに限るよな)

(今日から夏公演が始まったんだ、明日からは益々忙しくなりそうだし)

 

ガラッ。

 

ザーーーーーーーーー。

ザーーーーーーーーー。

 

(あれ・・・?)

(誰かシャワーを浴びているのかな・・・?)

 

*注:「サクラ2」ではシャワー室は和風風呂になりましたが、シャワーも有りということで(^^ゞ。

 

(・・・・・・)

(こっ、これは・・・さくらくんの服。ということは・・・)

 

ザーーーーーーーーー。

ザーーーーーーーーー。

 

ごくり。

 

(・・・な、なんだ。ごくりっていうのは。いかんいかん!俺は一体、何を考えているんだ!俺のさくらくんへの想いは、こんな邪なものじゃなく、もっとプラトニックな・・・)

 

ふらふら〜。

 

(あああ・・・と言いつつも身体が勝手にぃぃぃぃ・・・くっ、済まないさくらくん、これは俺の男のリビドーが・・・ちょっと・・・ガラス越しに見るだけさ・・・)

 

カチャ・・・。

 

ザーーーーーーーーー。

ザーーーーーーーーー。

 

(シャワーの音が大きくなった・・・)

(・・・・・・・)

(や、やはりまずいよな・・・こういうのは、やっぱりやめようか)

(・・・くっ、しかし、お、お、男のリビドーがぁぁぁぁぁっ!!

(ごめんよ、さくらくんっ)

 

「・・・大神さん・・・」

 

(ぎくうっ!)

(み、見つかったのかっ!!??や、やはりノゾキはいけなかったんだぁぁぁっ!!)

 

 

〜大神、想像中〜

 

さくらの声「大神さんの・・・大神さんのバカぁっ!!」

紅蘭の声「ウチは見損なったで、大神はん!」

すみれの声「・・・少尉・・・まさか少尉がそんな方だったなんて」

レニの声「・・・指揮官の資格なしと見とめます」

織姫の声「やっぱり、ニッポンの男サイテェで〜す!」

カンナの声「み、見損なったぜ隊長っ!」

アイリスの声「うそ・・・お兄ちゃん、嘘だよね?」

マリアの声「・・・さようなら隊長」

かえでの声「フケツだわ、大神くん」

米田の声「大神・・・オメェの隊長の任を解く」

三人娘「サイテーっ!!」

 

大神「待ってくれ、みんなっ!違うんだ・・・これはっ!」

薔薇組「あ〜ら、大丈夫ですわ少尉。

私たちが可愛がってあげるわ、一郎ちゃん(はぁと)。

少尉・・・」

大神「うわぁぁぁぁっ!や、やめてくれぇっ」

全員「さよーならー・・・・」

 

 

〜想像終了〜 

 

 

 

(く・・・破滅だ・・・)

 

「・・・っあ・・・大神・・・さん・・」

 

(・・・・・・・へ?)

 

「はぁ・・・はぁ・・・っう・・・ん・・・」

 

(な、なんだ・・・この悩ましげな声はっ!?)

(ど、どこから聞こえてくるんだろう・・・確かにさくらくんの声だったような気が・・・)

(ま、まさか・・・・わわわっ!)

 

 

 

 

 

声は浴室から漏れて来ていた。

流しっぱなしのシャワーの音に紛れるように、荒い息遣いが響いている。

タイルの上には、前進を桜色に染めたさくらの姿が・・・。

 

「・・・んはっ・・・・くぅん・・・っん・・・む」

 

普段剛剣を振るうためのしなやかな指は、その慎ましやかな胸と、湯気と自らの体液でしっとりと濡れた秘部に当てがわれ、ゆっくりと小刻みに動いている。

右手の爪が、乳房の頂にある桃色の蕾を掠めるたびに、さくらの呼吸は荒くなる。

左手はその間、ゆっくりと脚の付け根をまさぐっていた。

 

「ん・・・っんん・・・大神・・・さん・・・あぁっ」

 

かすかな茂みに覆われた丘に刻まれた、細い溝を指がなぞると、さくらは白い首筋をのけぞらせて、はしたない声を上げた。

自らの想い人の名を呼ぶことで、一層官能が引き出されていく。

さくらは手淫に耽りながら、何時の間にか自分の指を大神の指と置き換えていた。

 

「大神さんっ・・・!!」

 

 

(こ、こ、こ・・・これは!?)

(さ、さくらくん・・・・・意外に着やせするんだな)

(・・・・そうじゃなくてっ!い、いかん・・・こんなところを覗いているのがバレたら、殺されてしまう)

 

大神の脳裏をさくらの新・必殺技「破邪剣征・桜花霧翔」が過ぎる。

あんなものを生身で受けたら、バラバラにされてしまう・・・。

 

(し、しかし・・・しかし!・・・見たいっ!!

 

大神、ここが思案のしどころであった。

 

 

 

一方、さくらの自慰は急な坂を駆け上り始めていた。

陰部の亀裂に置かれた指が、早い速度でその上を往復し、零れ出た雫がニチャニチャといやらしい音を立てている。

自らの奏でるその音に、さくらは顔を真紅に染めた。

しかし、その羞恥心すらも、今のさくらには快感の一部となってしまう。

痛いくらいに乳房を押しつぶし、亀裂に指を走らせながら、大神の笑顔だけを思い浮かべる。

 

「あっ・・あっ・・ダメ・・・大神、さんっ・・・!あんっ」

 

解かれた髪が朱に染まった裸身の上を流れて、淫猥な雰囲気を醸し出している。

漆黒の濡れ髪と、うなじの白皙のコントラストが美しい。

次第に、さくらの上げる声が抑え切れない、高音に変わって行く。

 

「ああーーーーーっ!!」

 

それが限界に達した時、こすり上げた亀裂からぷしゅっ、と勢い良く液体が迸った。

絶頂が過ぎ去った後も、チョロチョロと音を立てて排水溝へと流れて行く。

さくらはタイル上にへたり込むように、はぁはぁと荒い息をついて脱力していた。

 

「はぁ・・・はぁ・・・・・・・大神さん?いるんでしょう?」

 

 

 

(ぎ、ぎくうっ!・・・な、なんで分かったんだっ!?)

 

そこはそれ、霊力に優れた花組隊員のこと、戸板一枚隔てた向こうの人の気配を探ることなど、その気になればたやすい。

 

「・・・・お願い、大神さん・・・入ってきてください。もう・・・我慢できないんです」

 

(!!!!!?????)

(な、な、な、なんだってっ!?)

(今、さくらくんは何て言ったんだ!?)

 

混乱する意志とは裏腹に、大神の喉が再び鳴った。

本能が、さくらを求めている。

 

「大神さん・・・お願い」

 

(・・・ええーいっ!もうどうとでもなれっ!!)

 

文字どおり「切れて」しまった大神は、勢い良く戸を開けて、浴室に飛び込んだ・・・。

「さっ、さくらくーーーんっ!!」

「は、はいっ!」

 

がばっ!

 

(へ・・・?)

(あ、あれ・・・さくらくん?)

 

「び、びっくりしました大神さん。今朝はなかなか起きてこられなかったので、お呼びしに来たんです」

 

(は、はは・・・ゆ、夢か・・・)

(そうだよな・・・そうだと思ったんだ)

 

「いっ、いや・・・ハハハ。さくらくんの夢を見ていたんだ。だからつい・・・」

「えっ・・・!」

 

さくらは、ぽっと可憐に頬を染めた。

一方の大神は、内心冷や汗タラタラである。

そして、次に来るであろう質問に備えて身体を固くする。

 

「大神さん・・・ど、どんな夢だったんですか?」

「そ、それは・・・」

 

まさかさくらが○×△で◇※◎してたなどとは、口が裂けても言えない大神であった。

 

ああ・・・女所帯で抑えつけられた彼の熱いリビドーはどこへ行くのか。

大神、男の苦悩であった。 

 

 

(おしまい)