新世紀エヴァンゲリオン

■シンジとレイ、愛の日々■

(3)

Written By.みゃあ

 


 

 

「イヤ・・・だった?」

 

ごごごごご・・・・・とミサトへの怒りに燃えるシンジに、レイが不安そうにぽつりと呟く。

 

ようやくシンジは、先ほど何のフォローもしていなかったことに気づいた。

 

「いやじゃないよ。けど・・・さ。綾波は、ミサトさんに言われたから、こんなことをしたんでしょ?」

 

シンジの言葉に、レイはふるふるふると頭を振った。

 

水色の髪がさらさらと揺れる。

 

「・・・違う。私・・・碇くんに、喜んで・・ほしくて・・・」

 

一語一語、確かめるように、レイは伏し目がちに言葉を紡いだ。

 

「あ、ありがとう・・・・・・」

 

とりあえずシンジはお礼を言っておいた。

 

そういうものでもあるまいが、とにかくシンジはレイの気持ちが嬉しかった。

 

「でも・・・僕は、さ」

 

「?」

 

そっ、とレイの肩に手をかけると、シンジはためらいがちに言葉を継いだ。

 

「その・・・こんなことしなくても、僕は・・・」

 

「・・・・・・」

 

シンジはその後を言うのをためらっていたが、意を決してきっ、と顔を上げる。

 

「僕は・・・綾波がそばにいてくれるだけで、嬉しいんだよ」

 

「・・・・碇くん・・・・」

 

きゅんっ。

 

「・・はっ・・・!」

 

シンジをぽーっと見つめていたレイが、突然胸のあたりを押さえてうずくまった。

 

「ど、どうしたの、綾波!?」

 

「は・・・・・なんでも・・ないわ。ただ・・・」

 

慌てて彼女の側に寄るシンジ。

 

「ただ・・・?」

 

「突然・・・胸が・・・」

 

「え?」

 

「・・・・・・」

 

「・・・碇くんの顔・・・見てたら・・・胸が・・・」

 

「あ・・・・・」

 

シンジはその感覚の正体に気づいて、一人赤面した。

 

レイは戸惑っている。

 

おそらく、初めてもたらされる感覚と感情に。

 

そして、それはおそらく・・・・・・。

 

そう思った時、シンジは自分でも信じられないほど大胆な行動に移っていた。

 

「・・・綾波・・・」

 

さら・・・・・・。

 

レイの水色の髪を、シンジの女性のような指が静かに梳く。

 

「・・・?」

 

ゆっくりと顔を上げたレイのおとがいを捕まえる。

 

一瞬、至近距離で見詰め合った二人は、次の瞬間互いの距離を0にしていた。

 

シンジが口付けたのである。

 

「ん・・・・・・」

 

「んん・・・・・」

 

レイは一瞬戸惑いの表情を見せた。

 

互いの唇を押し付け合う、という行為に慣れていなかったためである。

 

しかしそれも一瞬のことで、シンジが目を閉じているのに気づくと、自分もゆっくりと紅い瞳を閉じた。

 

「・・・・・・・」

 

「・・・・・・・」

 

二人の周りの時間が止まっていた。

 

遠慮がちに押し付けられた唇から伝わって来る、互いの温もりだけを感じながら。

 

 

(つづく)


 

みゃあの後書きらしきもの

 

ふい〜・・・回ごとに雰囲気が違うな(^^ゞ。

今回は、バリバリ純愛モードになりました。

これは、書いてる時の精神状態によって変わるらしい(笑)

さ〜て、次はいよいよ・・・(笑)

っちゅうわけで…まだ続く!