逮捕しちゃうぞ

■GOOD MORNING! NATSUMI&MIYUKI 3rd■

(前編)

Written by みゃあ


  

のたりっ、とゾンビのように起き上がった夏美は、暫く据わりまくった目で、美幸を見ていたが、やがて何の前触れもなく笑い出した。

 

「はれぇ……美幸が三人もいるぅ〜。……きゃははははっ!ハーレムらぁ」

 

夏美は、美幸の方を見ながら、バカ笑いしている。

 

「あのね……。ふぅ、やぁねぇ。酔っ払いは全く」

 

私、頭痛い……。

といった顔で額に手を当てる美幸。

しかし、その言葉を酔っ払い夏美は聞き逃さなかった!!

 

「ちょっろぉ……あらひの、ろこが酔っ払いらっれいうろよぅ」

「あんたねぇ……」

 

どこからどう見ても、完全無欠の酔っ払いである。

が、それをまともに言ったら、どんな目に合わされるか分からないので、美幸は思わず言葉を飲み込んだ。

 

「わらしは酔っれない!」

 

どどーん!と腕組みをして仁王立ちの夏美。

だが、すぐによろける。

はっきり言って、見ていて情けない。

 

「その証拠にぃ〜、目の前の人物が誰らかちゃぁ〜んと分かっれる!」

「はいはい……じゃあ私は誰?」

 

相手をするのは疲れるが、襲われないだけマシである。

美幸は適当に話を合わせる。

 

「小早川美幸!……あらっられしょう!!」

「はいはい、当たり。じゃああなたは誰?」

「………」

 

しばらくぼぉ……っと考え込む夏美。

……オイ。

 

「きゃははははっ!い〜りゃないろ、そんらこと……それよりぃ」

 

ぎくっ。

美幸はまたしてもイヤな予感を覚えた。

 

「美幸ぃ〜……」

「きゃあっ!!」

 

いきなり飛びついてくる夏美。

酔っ払いに脈絡というものはない。

 

「……中嶋くんろは、ちゃんとやっれんのかぁ?」

「なっ、なに言ってるのよ、あんたはっ!」

 

酔っ払いの戯言だが、美幸の頬は思わず赤くなる。

夏美は、嘆かわしい、という顔で首を振った。(嘆かわしいのはあんただ)

 

「らめらろ〜、そんらこっちゃ。わらしが教えてあげるー……」

「ちょ、ちょっと夏美!……きゃっ」

 

いきなり美幸のパジャマの下を引き摺り下ろす夏美。

今更言うまでもないが、夏美のパワーはケタ外れである。

あっという間に下半身をショーツ姿にされてしまう美幸。

 

「なんらぁ……またベージュかぁ。ダメらろ、美幸。もっろ色っぽいのはかなくちゃ」

「な、夏美……落ち着いて、ね?冷静に、話しあいましょ……」

 

夏美にのしかかられて汗タラの美幸は、なんとか説得しようと試みるが、無論酔っ払いに説得など通用しない。

ぬふ、とまるっきりエロおやぢの顔つきで、夏美が笑う。

 

「らぁ〜め……」

 

め、目が据わってる……。

 

マズイ。

これは本気でまずい。

 

美幸は思った。

なんとか逃れようともがくのだが、夏美のパワーに勝てるはずもない。

 

ふにゅ。

夏美がパジャマの上から美幸の胸に触れた。

 

「きゃっ!ちょっ……やだっ、夏美!」

「おろ?……美幸っららぁ、まら、大きくなっらわね。ふにふにらぁ……」 

 

ふにゅふにゅ。

 

「やめてよぉ……夏美……」

 

余りのことに、半分涙ぐんでいる美幸。

それを見た夏美は……。

 

「……可愛い」

「へ?」

 

美幸はまたしてもイヤな予感……。

しかも今度は極めつけである。

 

「美幸、可愛い……」

「んっ!ん〜〜〜〜〜〜〜〜っっ!?」

 

いきなり美幸の唇を奪う夏美。

パニックに陥っている美幸を尻目に、さっさと唇をこじあけて舌を絡ませる。

 

ヤダ!こんな、女同士で……!

 

ジタバタジタバタ!

ジタバタ……

……

 

「ん…………」

「……んむ……」

 

夏美の濃厚なキスに、美幸の身体から力が抜ける。

ちゅぱ……

と唇が離れると、二人とも瞳が潤みきっていた。

 

 

(またしてもつづく!)

 


みゃあの後書きらしきもの

 

はいはい、またお馬鹿なのを書いてしまった(^^ゞ。

いやはや、書きやすいったらありゃしない(笑)。

本日、初めてこれへの感想を貰い、気を良くして書いてしまいました(笑)。

良かった、やっぱり「逮捕」好きな人いたんだ(^^)。

僕はこれを書いてもいいんだっ!

さぁ〜、いよいよ危ない展開になってきました!(爆)

果たして美幸はこのまま夏美の軍門に下るのかっ!?(爆笑)

頑張れ美幸!負けるな美幸!こうなったら逆襲だ!

……というわけで以下続く!

 

BGM:「墨東ラブ・ストーリー忘年会バージョン」(辻本夏美&課長)(笑) 

 


(99/01/06 第二稿)