新世紀エヴァンゲリオン

■シチュエーションZERO■

Part1.「プロローグ」Aパート

Written By.みゃあ

 


 

ミーン、ミンミンミンミーン。

 

ミーン、ミンミンミンミーン。

 

 

……高い空。

 

雲ひとつないクリアブルー。

 

綾波レイは、そのクリムゾンの視線を、教室の窓の外へと向けていた。

 

何を見ているのか、いや何も見ていないのか、レイはうつろな視線を虚空に据えている。

 

端から見れば、無感動ないつもの綾波レイであったかもしれないが、今日のレイはその空の向こうに、違った映像を重ね、心の内で自問を繰り返していた。

 

スカイブルーを背景に、透けるように浮かんでいるのは人の顔。

 

笑顔だ。

 

今まで、自分が唯一信頼してきた人物の顔。

 

碇ゲンドウ。

 

いつも心に浮かぶ顔。

 

エントリープラグ内を覗き込む、自分を気遣う顔。

 

しかし、今日はその顔もすぐに揺らぎ、もう一つの笑顔がその上に重なった。

 

涙の滲んだ瞳。

 

はにかんだような笑顔。

 

遠慮がちに差し出された手。

 

碇シンジ………。

 

その笑顔が網膜に浮かんだとき、レイはハッ、と我に返る。

 

何故だろう。

 

いつのまにか鼓動が早くなっている。

 

あの優しい笑顔を思い出すと、自然に頬が熱を帯びる。

 

あの温かな掌の感触を思い出すと、原因不明の鈍痛が胸部を圧迫する。

 

しかしそれは不快ではなかった。

 

不快どころかむしろ……。

 

とく、とく、とく、とく、とく………。

 

「……っは……!」

 

レイは胸元を抑える。

 

きゅんっ…と心臓が収縮するような、切ない痛みが断続的に彼女を襲っていた。

 

近頃とみにこの症状が頻繁になっている。

 

「(……碇……くん……)」

 

声には出さず、レイはその人物の名を呟く。

 

すると、たいていの場合その痛みは和らぎ、何か温かいものが、レイの胸郭を満たすのだ。

 

だが、この日ばかりは一向に収まる気配がなく、余計に胸の苦しさを増すだけだった。

 

「(碇……くん)」

 

いつのまにか、レイはシンジの手を求めていた。

 

この圧迫感から解放されるために。そしてこの不可解な気持ちの理由を知るために……。

 

カタン。

 

レイは胸に手を添えたまま、ゆっくりと立ち上がった。

 

(つづく)

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みゃあの後書きらしきもの

 

ふう……。

ようやくレイちゃんの小説を書き始めることができました。

しかし…いやはや、やはり難しいですわ。

近頃忙しいからどうしても1話が短くなっちゃうし…さらにその中で表現しようとするともう……。

みなさま、わけのわからん出だしですみません。

こんなんじゃ何もわかりませんね。

なるだけ次は早く書きますので、今回はこれでごめんして(笑)

それではまた。See you soon!