愛熱

 

作者/N3菩目さん

 




ザーーーーーッ、灰色の空から水が落ちてくる。

「あーあ、最悪…」

学校帰りに突然の夕立に降られて、私とシンジはアパートの軒下に避難している。
ここに辿りつくまでに多少の雨にやられ私もシンジも少し濡れていた。
私は何となく隣にいるシンジに視線を移す。
シンジは何をするでもなく雨を見ながらぼーっと突っ立って居た。
その黒い髪に水が滴り、艶っぽい印象を私は受けた。

「どうしたの、アスカ?」

シンジは私の視線に気付きこちらを振り向き話しかけてきた。

「あ! ゴ、ゴメン」

が、すぐに顔を逸らし慌てて前方へ向き直した。

「?」

そのシンジの行動に疑問を持ったが、それはあっという間に氷解した。
なんの事はない、私の上着の隙間から見える白いブラウスが雨に濡れて、
透けてしまい下着が見えていたのだ。

「はぁー…」

私はこめかみに指を置き、溜息をついた。
すでにシンジとは一線を越えたがこういうウブというか
シャイというか、そういう所はいまだに残っている。
シンジの様子を覗くと、俯き、頬を赤く染めて、異常に照れていた。
私はその照れているシンジをからかいたくなりピトッと身を寄せてみた。
シンジはビクッと身を震わせ、こちら側を振り向いたと思うと素早く視線を戻した。

「アアア、アスカ、当たってるよ」

シンジはかなり動揺したように私に注意を促した。
この当たっているとはもちろん胸が当たっていることを指している。
無論、わざとやっていた。私はシンジの言葉に構わず、
シンジの腕に胸がぷにぷにと当たるように更に身体をくっつけた。

「何が当たってるの?はっきり言いなさいよぉ」

私が悪戯っぽくそう言うと、

「アスカぁ〜…」

シンジは熟成されたトマトのように顔を真っ赤にさせ、困惑した口調で私の名を呼んだ。
そんなことをしている内に雨がポツリポツリと小降りになってくる。
シンジはまだ照れているのか赤い顔で、今の内に帰ろう、と言い出した。
まだ雨は少し降っていたがまた大降りになっては困るので私はシンジの
言う通り雨の降る中、家に帰ることにした。
シンジと手を繋いだとき、手の平まで真っ赤にしているのをみて
私はさすがに悪いことをしたと思った。

濡れた姿で私とシンジは家に帰ってきた。
すでに私とシンジとミサトの三人で暮らしていたあのマンションではない。
あの使徒戦から二年経ち、ミサトも加持さんと結婚をして、
あのマンションから出て行った。私とシンジはこの年で同棲はまずいという理由で
バラバラの部屋を宛がわれた。といっても、マンションの隣同士だが。

「シンジー! お風呂沸かしてー!」

しかも、隣同士をいいことに私はシンジの部屋に入り浸っている。
私は濡れた制服から部屋着に着替えながら言った。

チャポンッ

「ふぅ…」

湯船に浸かり、私は溜息を漏らす。
この生活に不満があるわけではない。
シンジは私と付き合いだして前にも比べて私に優しくしてくれた。
この同棲生活の家事も全てシンジがしてくれている。
最初のうちはそれに甘えていたが、数ヶ月も経つと家事を一切しない
自分に不安を覚え、当番制をシンジに提案したが私の家事力を過小評価
しているのか、『いいよ。全部僕がやるから』と笑いながら言ったのを覚えている。

「はぁ…あっ!」

また溜息を漏らす。
何気なくお風呂に口まで浸かり、ブクブクと泡を立たす。
この生活の不満をあげるなら、家事を全てシンジがしてしまうことだろう。
そして、もう一つ不満をあげるのなら、夜のことだ。
あの年頃の男は性に関しては貪欲ではないかと思うかもしれないが、
シンジはあの性格からか、私を誘うということは今までに一切なかった。
だから、いつも私からシンジを誘ってしまう。
しかし、毎回、私から誘うとHな女と思われてしまう恐れがあるので、
誘うのは極力抑えている。
ゆえにシンジとの夜の営みは週に一度あるかないかになってしまう。
だけど、私は我慢できなくなり、お風呂に入ると、いつも
自分の秘部に手を伸ばしてしまい自慰行為に耽ってしまう。
今もシンジとのsexを思い出しながらしている。

「あぁっ! ん…、はぁ!」

自分の秘部を弄るのを止めて、股を大きく開き私は中に両手の指を
一本ずつ入れた。シンジにしてもらっていると想像しながら。

「んんっ!」

身体がピクリと反応はするが、やはり物足りない。
いくら胸を揉みしだいても、クリトリスをいじってみても全然足りなかった。
私は必死にシンジを頭の中で思い描き、自慰行為を続けた。

「シンジィ〜、シンジィ〜」

自分の秘所に指を挿れ動かしながら、ついシンジの名を呼んでしまう。

「アスカ、呼んだ?」

その時、ドアの外からシンジの声がした。

「きゃあ! 何よシンジ!?」

私は不意のその声に驚いておもわずシンジを怒鳴ってしまった。
いやそんなことよりも聞かれただろうか? あの切なくシンジの名を呼ぶ声が。

「シンジ…今の聞いてた?」

ドア越しに私はシンジに聞いてみた。もし聞かれていたのなら、
浴室でHな事をするいやらしい女だと思われていないか不安だったからだ。

「え? 今のって?」

シンジは不思議そうに聞き返した。
シンジが言うには私の声が聞こえたわけではなくて、私に呼ばれた気がして
浴室に来たらしく、それを照れずに説明をするので嘘ではないと私は思った。
シンジは言い終わった後、去り際に雨で濡れたんだから、ゆっくり浸かっててよと優しく
言ってくれた。しかし、私はその言葉でそう言えばシンジも雨で濡れてたんだっけと思い出し今まで自慰行為に耽っていた自分が恥ずかしくなった。
私は早々に浴室から出て、シンジに入るよう促した。


食事も終わり、今はリビングにあるテレビをシンジと二人で見ている。
私はシンジの肩に寄り掛かっており、家という密室で触れ合っていると、
自分の鼓動が少し早くなっているのがわかる。
今日はそれだけではなく、先ほどの浴室での自慰を中断されたため、
私の身体が少し火照っていた。私はシンジの顔を覗く。
シンジはすぐに私の視線にすぐに気付きこちらを見返す。
学校帰りの事といい、シンジには私の視線を感知できる能力でも備わって
いるのかと不思議に思う。

「何、アスカ?」

シンジが私を見つめながら言う。その視線で私の火照りが増す。
鼓動が早まり、私はどうしようもなくシンジに抱かれたいと思い始めてきた。
私はシンジにおずおずと話を切り出した。

「シンジ…あの…」
「どうしたの、アスカ?」

シンジのその真っ直ぐな視線が見れなくなり、私は俯く。

「今夜…その…シない?」

シンジはその言葉を聞くと、ニコリと微笑み私の腕と膝の裏を腕に抱え込み
持ち上げた。いわゆるお姫様抱っこという奴だ。
シンジはそのまま私を寝室に連れて行き、ベットに優しく寝かしつけた。
そして、明かりを暗くすると私の唇に唇を当てた。

「ん…」

シンジの舌が口内に侵入してきた。私もその舌にあわせて、
自分の舌を絡ませた。シンジの舌は歯の裏側、下の付け根を
這っていく。私とシンジの唇が離れるとツーッと糸が引いていった。
シンジは次に頬に軽くキスをした。オデコ、また頬、耳元、首筋、鎖骨と順に
ちゅっ、ちゅっ、ちゅっとキスをする。そして最後にまた唇にキスをした。
唇を当てながらシンジは私のシャツの裾を上げ、胸を愛撫してきた。
シンジの指は撫でるように乳房の周りをツツーっと這っていき、
そして、下側を持ち上げるように軽く揉んできた。

「あんっ」

私は思わず快感の声を漏らす。
今度は下側から乳房の周りをなぞるようにして上側に五本の指を置き、
そのまま指を中心よりややゆっくりと下に持っていきシンジの愛撫を続けられた。
一定の間隔でリズミカルに揉み、私の胸の硬さが取れると、
シンジは私の胸の真ん中にある突起に舌先でちろちろと舐め始めた。

「ふぁ、あっ…」

私は気持ち良くまた声を漏らした。
シンジはその声を合図というばかりに乳首を思い切り吸い上げた。
ちゅうぅぅぅ、という音が思いのほか大きく部屋に響いた。

「あぁぁぁぁっ!」

私は突然の刺激に驚きと快感が混ざった声を上げた。
あまりの気持ち良さにイキかけたがシンジは吸い上げるのを止めた。

「あ…ぅ、なん…で…」

私がもう少しでイキかけたのになぜ止めるのかとシンジを見ようとしたが、
シンジはホットパンツを穿き、顕わとなっている私の太ももの内側を撫で始めた。

「や…、あぁん。あんっあんっ!!」

上半身に意識を集中していたので不意の下半身のソレに耐えられず、
私は身体中に電気が走ったように意思とは関係なく身体をビクビクと跳ねさせた。

「脚でイッちゃっ…た。シンジィ、脚…でイッちゃったじゃないのよぉ、バカァ…」

堪らず、シンジに文句を言ったが全く迫力が出なかった。

しかし、軒下で照れていたシンジはどこへやらと言った感じだ。
私との最初の夜も照れずに落ち着いたシンジにもしかして初めてでは無いのではと
勘繰ったが、聞いてみると加持さんに教わったと照れながら苦笑したのを思い出す。

「アスカ…平気?」

そんなことを考えているとシンジは私の耳元で優しく声をかけてくる。
耳に熱い吐息がかかり、背中から後頭部、かかとにかけてゾクゾクっと快感が走った。

「だい…じょう…ぶ、だけど耳元で…」

私がたどたどしく言葉を紡ぎ、そこまで言いかけ、シンジの方を見るとシンジは微笑んでいた。
わざとやっているとわかり、シンジの胸を軽く抓ってやる。

「いてて、そんなこと今の僕にすると…」

シンジはそう言うと、私の耳たぶを噛んできた。

「ふぁっ、シンジ…止めて! アタシ…耳…耳弱いの知ってるで…しょ…」

私はベットのシーツを掴み快楽に耐えながら言っても、シンジは噛むのを止めようとはしなかった。
シンジは私が本当に嫌な時は体全体を使って、拒絶をするのを知っているからだ。
耳たぶを甘噛みした後、舌を耳の中に挿れてきた。
じゅっ、ぐちゅっ、耳を舐められ唾液の音がダイレクトに響いてくる。

「あぅっ・・」

シンジは耳を舐めながら、また太ももの内側を触れてきた。
今度は私の膝裏から秘部につながる通りをシンジの五本の指先で滑らせてくる。
シンジの指が秘部に近づく、…が、また太ももの辺りを撫で返しにくる。
そして、また指先が近づく。こんどこそ触れられると思い、
下半身に意識を集中する。子宮の辺りがきゅうんと熱くなるのがわかった。
じゅっ、じゅっ、その時、シンジが舌の動きを急に強くした。

「きゃうんっ!」

私は腰を軽く浮かしながら犬のように叫んでしまった。
しかし、シンジは私が耳に注意を向けた一瞬の隙を突いて、秘部に手を置いてきた。

「あんっ、シンッジ…卑…怯…よっ」

私はシンジに玩具にされているような気分になり悪態をつく。

「アスカが気持ち良くなってくれれば、僕は卑怯でもいいよ…」

シンジはくすり、と笑う。
それを言い終わるが早いか、シンジは私の中に二本の指を挿れてきた。

「ひっ…あぁ…、誰が気持ち…良いって、んんっ…言ったの…よ」

私はシンジの言葉を否定しようとしたが、こんな声で言ったのでは説得力がなかった。
しかも、つい先程『脚でイッた』と言ったことを思い出し、自分の身体がさらに熱くなるのを感じた。

「気持ち良くないの…」

シンジはそう言うと、二本の指を動かし始めた。ぐちゅっ、ぐちゅっ、と私の愛液の音が聞こえてくる。
しかも、シンジは私の耳を舐めながら指のピストン運動を続けていたので
その卑猥な音がステレオで私の中に鳴り響き、私の羞恥心を煽った。

「どう?」

シンジが訊いてきた。私が何も言えないでいると、シンジは指をもう一本挿れ膣の中を掻き回したきた。

「あぅぅぅっ…イイ…」

私はおもわず身を捩った。
すると、シンジは耳を舐めるのをやめて、私の乳房を握り、乳首を舌先で転がしてきた。
私の乳首は既にこれでもかというぐらい隆起していたがその敏感になった部分を
イジラレて快感が胸の中を駆け回った。今、私は上半身と下半身、同時に快楽の責苦に遭い
胸から駆け回る快感が身体全体に侵攻するのはそう時間はかからなかった。気付くと私は両足を開いていた。

「シンジィ〜、あゥ! もう…ダメみ・・たい、おねが…い」

私は自分の意思とは関係なく肉欲に任せ、舌足らずに言葉を発する口に限りなく羞恥心を感じたが、
それは止まることがなかった。

「わかったよ。アスカ」

気のせいかシンジの息は荒い。私はシンジに何もしていないのに我慢できなくなったのだろうか?
そんなことを頭の片隅で考えているとシンジはゆっくりと体制を変え、私の真正面に移動して、両脚を抱えた。
私はシンジのモノを挿れられると思い、シンジの顔を見た。
するとシンジは顔を近づけてきた。私はキスと思い込み自分の顔も近づけようとすると、
シンジはそのまま止まらずに私の身体に倒れこんできた。

「ちょっ、シンジ、どうしたの?」

私は私に倒れこんだシンジに声をかけたが返事はなかった。

「はあ、はあ、はあ」

息がさっきよりも荒くなり、触れ合っている身体からシンジの体温が熱いのがすぐにわかった。
私はシンジの額に手を当てたみた。

「シンジ! 熱があるなら言いなさいよ!!」

手に残る熱い体温を握り締め、私は倒れこんだシンジをベットに寝かせた。
まだシンジに責められた余韻が残っていたため足取りはフラフラだったが、
とにかく薬を取りに行くため私は寝室から出た。


「はー、すぅー」

部屋の明かりを点けてシンジの顔を確認する。
シンジの呼吸は穏やかになってきた。さっきまで苦しそうにしていたが、
風邪薬を飲んでシンジは少し楽になったようだ。私はシンジにタオルと水の入った洗面器、
それと氷まくらを用意した。タオルを洗面器の水に浸け、きつく絞り、それをシンジの額に乗せる。

「…ありがとう…ごほっ、ごほっ」

シンジは私に礼を言うと、柔らかい笑みを浮かべた。
しかし、私はそれを明らかに無理をして笑っているように見えた。

「病人はそんなこと気にせずに寝てなさい」

私は少し乱れたシンジの布団を掛け直した。

「・・・ごめんね、アスカ」

シンジがぽつりと言う。

「だ〜から、礼なんていいわよ。そもそも、シンジが風邪ひいたのは あたしが長風呂したのが───」

そこまで喋るとシンジが言葉を遮る。

「そうじゃなくて・・・その」
「?」
「途中で・・・」

私はシンジが言いたいことを理解した。シンジは行為の最中で倒れてしまった自分に恥じているのだ。

「バカ…熱があるんだったら無理しなくても良かったのに」

私はシンジの頬を撫でる。シンジはその撫でている私の手を握り、私の目を真直ぐと見た。

「それでも…ごめん」

シンジのその顔は悲壮感に満ちている。私はその表情がどうしようもなく愛しくなり、
ついシンジに顔を近づけ、軽くキスをした。

「ア、 アスカ」

シンジは突然の口付けに熱で赤い顔をさらに紅くする。
その変わり具合をみると先程のシンジはどこに行ったのかと本当に不思議に思う。
そんなことを考えながらもう一度キスをする。さっきよりも深いキスを。

「んっ…」

シンジは少しの間、舌を絡め、私とのキスを味わったが、すぐに私の両肩を掴み
唇を離した。細い唾液の糸が名残惜しそうに引く。

「ダメだよアスカ、風邪…うつっちゃうよ」

シンジは私の髪を優しく触る。

「いいのよ、あたしにうつしちゃいなさいよ」

私はそう言うと再び唇を合わせる。

「ん…」

今度はシンジは唇を離すことはなかった。私はキスをしながら、シンジと一緒の布団に入り込む。
シンジは私の背中に腕を回し、包み込むように抱きしめてくれた。自然とシンジの脚に自分の脚を絡めてしまう。
そして、長い長い間、シンジとキスを続けた。
どれぐらいしていただろうか?
私とシンジは唇を離す。といっても、あと数センチ前に近づけば、
くっつけられるぐらいの位置ではあるが。
しかし、唇を離した途端に急にある思いに駆られた。
風邪をひいてるシンジにキスをしてしまい嫌われたのではないだろうか。
さっきまでの行為でいやらしい女と失望されたのではないだろうか。
そういった不安が次々と溢れてきた。

「あたしのこと…嫌いになった?」

訊いてみようと考えるよりも先に言葉が出た。
私は思わず目をつぶりシンジの返答を待った。

「・・・・・・・」

シンジは何も言わなかった。言葉の代わりにシンジの熱い吐息が
私に近づいてきたのを感じた。

背中に回っていたシンジの腕が私を抱き寄せる。
近かった私とシンジの距離がさらに近くなり、私の肩にシンジの顎が乗せられる。

「嫌いに・・・なるわけ・・・ないじゃないか・・・」

シンジがぽつりぽつりと私の耳元で囁いた。

「でも、風邪ひいてるのにあんなことしたし・・・」

私は「嫌いになるわけない」というシンジの言葉に嬉しさが込み上げてきたが
なぜだか反論してしまう。そして、少し前までの記憶を反芻して身体が熱くなる。

「キスしたり、脚を・・・その・・・」
「・・・・・」

シンジは何も言わずただ聞いていた。
私は話している内にどんどんと自分に対しての嫌悪が溢れ出てくるのがわかった。
いつもシてもらうとき自分から求めてしまうこと。
それなのに自分はただシンジに委ねるだけで、シンジに何もしてあげてないこと。
その他の様々な思いが口から飛び出ていた。
気付くと私はシンジの胸の中で泣いていた。
病人のシンジに甘えて、私は本当にどうしようもない女、
そう思ったとき、シンジは腕の力を込めて私を強く抱きしめた。

「ゴメン、アスカ」

シンジはなぜか謝る。

「僕はホントにずるくて、卑怯で、どうしようもない奴だ・・・」
「えっ───」

私が何か言う前にシンジから唇を重ねてきた。シンジはさっきと変わらずに濃密な口づけをする。

「ぁ・・・」

一旦、シンジが唇を離すと私の口から感嘆の声が出てくる。

「僕も本当はアスカとシたかった・・・でも、それで…自分の欲望でアスカを傷つけるのが
 怖かったんだ、だけど違う。それは違うって・・・アスカの涙を見て気付いたよ。
僕はアスカを傷つけることじゃなくて、自分が傷つくのが怖かったんだって」

シンジはそっと左手で私の頬を撫で、流れた涙を指で拭う。
そのままシンジの手は顔の肌をつたい、上に昇ってくる。
そして、その手が私の髪の毛を掬う。

「ふぁ…」

髪を優しく触れるシンジの手があまりにも心地良く、口から息が漏れ出す。
私のシャツの中にシンジのもう一方の手が入ってくる。脇腹から昇ってきて乳房の横にシンジの手が当たる。
手は横から、中心に移動して愛撫をしてくる。

「んっ・・やっぱ、だめ・・・」

もっと、ずっとシンジに触れてもらいたいと思ったが、自制心がその思いをとどめる。
私はシンジの腕を掴み、動きを止める。するとシンジはどうしたの、という顔で私に視線を送った。

「シンジ、風邪ひいてるんだから、やっぱ無理しちゃダメよ」

私がそう言うと、シンジは柔らかく笑い、私にキスをしてきた。

「んんっ」

私はシンジの突然の行動に驚いた。シンジは残った手で私の後頭部を押さえ動けないようにしている。
シンジは舌を絡めてきたが、私はそれを自分の舌で押しのけようとがんばった。
しかし、その自分の舌の動きが絶妙な感じで絡み合い、自分の舌が溶け出すような感覚に陥ってしまった。

「あふぁ…」

自分の脳が麻痺していくように感じられ、少しの間私の身体から力が抜けた。
シンジはその隙をみて、胸の愛撫の続きをした。

「ぁうっ!あっ、あん!!」

私はその刺激で目を覚まし、再びシンジの腕の動きを止める。

「だから、シンジ、ダメ・・・だってば」

私が少し息を切らしながら言う。

「大丈夫だよ、なんかアスカとキスしたら直ったみたいなんだ・・・」

シンジは押さえらてない方の手で私のお腹を撫でながら言う。

「ん…ウソ」
「嘘じゃないよ」

シンジの手は私のお腹を円の形でなぞった後、下腹部に移動していった。
それより下を触られたら我慢できなくなると感じた私は触れられる前に
シンジの手を私のもう一方の手で制した。

「ダメったら、ダメ。さっき私からキスをしたのは謝まるから続きはシンジが直ってからにしよ」

私はシンジに諭すように言う。
だけど、今、私が言ったことは嘘だ。
ホントはシンジにもっと触れられたい。胸を揉まれ続けたい。
アソコを掻き回して欲しい。身体中が火照り、濡れていたが、
私は何とかそれを抑えることに成功していた。
シンジはそれじゃあ、と言って、私の首元に唇を付けてくる。
そして、口に力を入れ強く吸ってきた。

「あぁぁぁぁっ!」

シンジのソレに私は声を上げる。

「んんっ、あん、ダメ、シンジ、そこ・・・吸わないでぇっ!」

私の手はシンジの腕を押さえ塞がっているので、身体を捩って
逃れようとしたが、シンジは追いかけくる。
シンジの吸っている場所から、じゅわぁっと、熱さが広がってきた。
その熱さから抑え込んでいた情欲が蘇えってくるのが感じられた。

「ダメ! シンジ、それ以上吸ったらおかしくなっちゃう!」

シンジは私の言葉に構わず吸い続けた。
そして、私の力が抜ける頃合を見計り最後に、チュウっと強く吸い上げた。

「あっ!…」

シンジは吸っていた所をチロチロと舐めてきた。

「あ、あ、ああ・・・」

声が勝手に漏れ出す。だらしなく私の口から涎も微かに垂れてきていた。
自分の目が潤んでいるのもわかる。

「アスカ、続き今じゃダメかな?」

そんな私を見てシンジは頼むように言った。

「ズルイよ、シンジ。こんなことされたら、ダメって言えないじゃない・・・」

現に私の胸の先端は張っており、秘所からは愛液がとめどなく溢れ出てきている。
私は残る力で掴んでいたシンジの腕を離した。
私が腕を離すとシンジは下腹部を触っていた手の動きを再開させた。
へそとアソコの間を指でなぞるように這わしてくる。シンジはゆっくりと私の秘所に手を移動させていった。
シンジの指がパンティのゴムに触れたとき、自分の下着の布が愛液を吸収しきれないぐらいに濡れていることに気付き、
急に羞恥心が芽生えてきた。
でも、ソコをシンジに触れられたい、という気持ちの方が強く、私はあえてその流れに身を任せた。
しかし、シンジの手は下着の中には入って来ずに、布の上に指を這わすだけだった。

「スゴイよ、アスカ。こんなになってる」

シンジはくちゅくちゅと私の秘部の音を立たせながら感想を漏らす。

「あぅっ・・・んっ。や、そんなこと言わないで・・・」

シンジの言葉と愛液でグチョグチョに濡れていたパンティのぬるぬるとした感触が、
一層私の愛欲を高ぶらせた。

「アスカやっぱり我慢してたんだ。でも、もうしなくていいよ・・・ 僕も多分しないから」

シンジは人差し指で布の上から、割れ目の部分を擦るように上下に動かし始めた。

「ん、ん、ん。あんっ!」

絶え間ない指の動きが頭の中を快感が支配した。
私は目の前にいるシンジにキスをする。

「シンッジ、ダ・・・メ。んっ、直に触っ・・・て、ふぁ!」

布の上からでは物足りなくなった私は舌を絡めながらシンジに懇願した。
しかし、シンジはパンティの上を指で弄り続けた。

「シンジィ、なんでぇ!?」

私は疑問をぶつけた。シンジは質問に答えずに直に触わる代わりにと言わんばかりに私の胸に片方の手を
当て、揉み始めた。しかし、その手もシャツの上からだった。

「シャツを着ててもわかるぐらい乳首、勃ってる・・・」

シンジの言葉に私は自分の胸を見た。
シャツは私の乳房の所で盛り上がり、その中心にちいさな隆起があった。
私はその自分のいやらしい身体を見て、恥ずかしさが込み上げてきた。
普段は電気を消すのでこんな光景は見ることはないが、今は看病の途中で
シ始めたので天井には蛍光灯が光々として、シンジの顔も私の身体も全て鮮明に見えている。

「いやぁ、シンジ見ないでぇ・・・」

私は顔を両手で覆う。

「アスカ・・・顔、隠さないでよ」

シンジは私の耳元に口を近づけ囁く。
吐息が耳をくすぐる。

「恥ずかしぃ! シンジ、明かり消してよ!」

私はシンジの顔を見ずに言った。シンジは電気を消してくれると思ったが、
シンジはそのまま乳房を触る手の動きを再開させ、そして、私のシャツを捲り上げた。
明るい光源の下では私の乳房は丸見えになっているだろう。
羞恥心が更に増す。シンジは一向に電気を消す気配はなく、私の乳房を直接、愛撫し始めた。

「んっ、やぁ・・・、シンジィ、意地悪しないでぇ・・・あぅん!」

シンジの手は一瞬止まったが、すぐに動き始めた。

「アスカ、ごめん、これがホントの僕なんだ。
でも、意地悪とかじゃなくて、僕、アスカの感じてる
かわいい顔を見たいんだよ」

シンジのそのセリフに私は胸をドキリとさせた。思い起こせば、
以前のシンジなら、私を気持ち良くさせるためだけに抱いてくれていたような気がする。
でも、今のシンジは違う。今、シンジは私のためだけではなく自分のためにも私を抱いていると
何故だか感じる。私はそのシンジの心の変動ががたまらなく嬉しくなった。
確かに羞恥心はまだ感じるがそれよりもシンジの要望に答えたいという気持ちの方が強まった。
私は静かに顔を覆った手をどける。目の前には想像通りのシンジの顔があった。

「アスカ、かわいいよ」

シンジは優しく笑い、胸の愛撫を続けた。

「ばかぁ・・・、あんっ! こっちは・・・ん、恥ずかしいだから・・・ね。今日だけよ・・・」

私がそう言うと、シンジは下腹部を触っていた手を移動させた。

「きゃん!」

上下同時の性感帯の刺激に私は身体を軽く反り上げた。シンジの手はとうとうパンティの中に進入してくる。
そして、私の秘部に直接に手が触れた。

「ふぁ、あ、あん!」

ソコに手が触れただけで身体に電気が走る。今まで散々焦らされていた
自分の秘所は思っていた以上に昂ぶっているらしかった。
そこにシンジの指を挿れられたら、そう考えただけで、イってしまいそうになる。
シンジは焦らすように秘所の回りを指で這わす。その動きで聞こえてしまうくちゅくちゅという愛液のいやらしい音が耳を触る。
そして、シンジはゆっくりと二本の指を中に挿れ始めた。

「んん・・・」

ず、指先が入る。想像した通りそれだけでイきそうになった。

「あ、あ、んっ!ひゃん!」

ずず、指の第二関節まで入っていった。

「あっ!!・・・・・・」

ずずずっ、最後にシンジは指の根元まで入れられ、身体が震える。
おもわず私はシンジに抱きついた。

「ど、どうしたの、アスカ! 大丈夫?」

シンジは私のその行動に心配そうに話しかける。
私はそれにただふるふると首を左右に動かすことしかできなかった。
後少しでも刺激を加えられたら私は間違いなくイってしまうと感じていたからだ。
私はもうすぐ来るであろう快感の波に備えて、シンジに抱きついた腕に力を込めた。

「もしかして・・・イきそうなの?」

私はうんうんと無言で頷いた。
そうなんだ、シンジはそう言うと、膣内に挿れていた指を
静かにクの字型に曲げた。シンジは膣の奥にあるひだの裏を
指で引っ掛ける。そして、かき混ぜるように指を動かした。

「んぁ、あっ! あぁはぁぁぁぁ!」

それで私は達してしまった。ビクンビクンと身体が痙攣する。
しかし、シンジの指は止まらずに変わらず私の秘所を弄ぶ。
だが、イきながらもいつもとは違う快感に私の身体は熱くなっていた。
その時、びゅっと私の秘所から何か液体上な物が出てきた。

「あっ!・・・ん。いやぁ、ふぁ! 気持ちイイ、なに?なに・・これシンジィ!?」

シンジの指が奥を刺激する度に私の秘所からは、ぴゅっぴゅっ、と何か暖かい物が飛び出てくる。
それは私の愛液で濡れたパンティだけではなく、その上にあるホットパンツも容易くびしょ濡れにする量だった
私の意志とは関係なく出てくるそれに少し恐怖を感じたが、それでも、快感の方が頭の中を支配していた。

「シンジィ〜」

私は再びシンジにキスを求めた。シンジはそれに優しく応じてくれる。
舌を絡めている最中にシンジは胸を愛撫をしていた手で
びしょびしょになった私のホットパンツとパンティを下ろした。

「シンジ、あ、何す───」

私はそれ以上言えなかった。シンジが膣内を抉っていた指を引っかけるように回したからだ。
そして、さらににゅうっと逆方向に回す。それを合図といわんばかりに私の膣から何かが出てきた。

「ひあ、出てくる、シンジ! いっぱい、変なのが! 止まらない!
止まらないよぉ! あぁぁぁぁぁ・・・」

びゅうっ、びゅうっ、と私の秘所と尿道口から透明な液体が出てくる。
びしゃあぁ!その液体はベットのシーツを勢いよく濡らす音が聞こえる。

「あ、ぁ、ぁ、ひぁっ」

私は快感に溺れている頭でぽーっとその光景を見ていた。


身体が自分の物ではないようにふわふわと宙に浮いているような感じがした。
私は力の抜け切った身体をシンジに寄せ、くたりと、もたれかかっている。

「平気・・・?」

シンジは私の髪を撫でながら心配そうに訊いてきた。

「んっ・・・」

私は身をピクッと縮こませた。達して敏感になっている身体は髪に触れられただけで
感じてしまいシンジの問いを答えることができなかった。
すると、シンジは今の私の状態を察したのか、髪の毛を撫でるのを止め、
優しく触れるだけにしてくれた。私はシンジのその労りに安心して、
更に身体をくっつけた。その際、私の耳はシンジの胸に当たりトクトクと
鼓動の音が聞こえてくる。しばらく私は目を瞑り、その音に耳を傾けていた。

トク・・・

トク・・・

トク・・・

なんとなくだけれど、この音を聞いていると落ち着く。どれくらい経っただろう。
一分、二分ぐらいだろうか。シンジの心音を聞いて、しだいに頭が正常に回っていくのがわかる。
しかし、その頭の中は嬉しさが半分、悔しさが半分と占めていた。
悔しさの理由はわかっている。それは、やはり、シンジに身体を委ねるだけの自分に対しての憤りだ。
私は意を決して、シンジの股間に手を伸ばした。

「わわ、ア、アスカ!? 何?」

シンジは突然の私の行動に驚いて声を上げた。
その声に思わず私はぷっと吹き出してしまう。
シンジを見ると普段のような気弱そうな顔をしていた。
それは本当に私がこれからする行為がわからないという表情であった。

「シンジ、今度は私の番ね」

そう言うと、シンジは理解したようで、えっでも、と情けない声を出した。
ベットの上でのこのシンジは新鮮な感じがする。
私はゆっくりとシンジのズボンとブリーフをずり下ろした。
すると、ピンと隆起しているシンジのモノが現れ、まだ、一度も放出していないソレは苦しそうにヒクヒクと動いていた。

「シンジ、かわいそう。こんなにしちゃって・・・」

私はシンジのモノを手で包み込むように握った。

「あぅっ・・・」

シンジは触れられ慣れていない感触に声を出した。
私も今までにシンジのモノをこんなに改まって触ったことはなかった。
だからこれからすることも初めてだ。知識ではわかっているが、
いざ、やるとなると緊張する。私はシンジのモノが顔の前にくるように
身体を動かした。間近で見るとモノの先端からガマン汁が出ている。
そして、これからどうすればいいのかと私はシンジのモノを握ったまま知識を反芻する。

「ア、 アスカ・・・」

しばらく考えているとシンジが苦悶の声で私の名を呼んだ。
私はその声に驚き顔を上げた。

「息、そんなに暖かい息・・・かけないで・・・」

そういえば、シンジのアレは私が息をする度にピクピクと小さく上下していた。
なんだか、このシンジを見てると私は少し意地悪をしたくなった。

「ねぇ、シンジ、言ってよ」
「え、なにを?」
「今、シンジがして欲しいことよ。じゃないと、ずっと息かけ続けるわよ」

私はそう言い、シンジのモノに息をかけた。

「ずるいよ、アスカ・・・うあっ!」

慣れない刺激にシンジがまた声を上げる。立場が逆転したみたいで妙に嬉しい。

「ほら、早く言いなさいよ」

私はシンジが逃げられないようにシンジのモノをしっかりと握る。

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・でも・・・」

シンジの息は荒い。が、シンジは言うのが恥ずかしいのか、私にそんなことをさせられない
と考えているのか、シーツを握り締め、グッと耐えているようだった。

「シンジ・・・、もう我慢しないんでしょ?」

モノを握ったまま、上目遣いでシンジの顔を見た。

「あぅ、アスカ・・・あの、その、僕・・・」

それが劇的に効いたらしく、あたふたとシンジは目を泳がせた。
そして、ゴクリと唾を飲み込み私の方を向き直った。

「アスカの口で・・・その・・・僕のを咥えてくれないかな・・・?」

シンジは私を見つめながら言うが、すぐに視線を逸らし
カーっと顔だけではなく全身を赤らめた。

「あ、ごっごめん! やっぱり今の忘れて」

そう言って、シンジは即座に前言を翻した。

「バカシンジ・・・」

変なところで遠慮する。わかりきっていたことだった。
私はシンジの撤回の要求を無視してシンジのモノに口を近づける。

「ア、 アスカ!?」

シンジが私の名を呼ぶ。だけど、私はシンジの顔を見なかった。
正確には見れなかった。多分、今、私の顔はシンジに負けず劣らず
紅潮しているとわかっているからだ。私はゆっくりとモノの先端を口に含む。

「うぁぁ! アスカぁ!」

シンジはまた私の名を呼ぶが先程とは違い歓喜の声が混ざっていた。
シンジのモノがピクピクと口の中で動く。

「アスカの口の中・・・暖かくて気持ち・・・いい・・・」

シンジは初めて味わう快感にさっきの自分が言った言葉を忘れたように、
素直に感想を漏らす。私はそれを聞いて、少なからず嬉しくなり、
今度は私がシンジを気持ち良くさせてあげようと思ったが、
私にはこの後なにをどうやればいいのか見当もつかなかった。
持てる知識を総動員して私は考える。その時だった。
シーツを握り締めていたシンジの手は私の頭に触れて、
そのまま、後頭部の髪を撫で、首筋をつたっていった。
私の思考回路が正常に戻っても、まだ身体は敏感に感じてしまうようで、
シンジのその手の動きに私は身体をピクンとビクつかせる。
その際にモノを口に含んでいた私の口の中で、舌がチロっと先を舐め上げた。

「くぁ!」

シンジが軽く身体をのけ反らして快楽を含んだ声を出す。
もう一度舐めてみる。シンジのモノの先から出ているガマン汁の苦い味が
舌全体に広がる。私は構わずにそれを吸い込んだ。
ちゅっ、じゅるじゅる、じゅ。シンジのモノは私の口で唾液混じりの音を立てる。

「ぅぁ、・・・、あ、あ、あ。スゴイよ、アスカ」

シンジは荒い呼吸を更に荒くさせた。
シンジの言葉に反応するように私の手は無意識にソレを
しごき始めていたからだ。シンジのモノは私の口から溢れ出ている、
唾液とガマン汁でヌルヌルとしていた。

「アスカアスカアスカアスカ───・・・」

シンジは既に我を忘れたように私の髪をうなじを
縦横無尽に触り、私の名を連呼し続けていた。
私は先端だけではなく、口いっぱいにシンジのモノを頬張る。
舌をモノの周りを回るように動かして裏の筋を舐める。

「アスカ、うっ、もう・・・ダメみたいだ。離れ・・・て」

シンジは少し正気に戻り、私に自分の限界を伝えた。
現にモノの先からはとめどなく汁が出てきており、私の口の中で
ピクピクと上下に震え、もう放出は時間の問題といった感じだった。
しかし、私はコレを放す気はなかった。今度は私の番。その思いが私の頭の中を駆け巡っていた。

「アスカ、ホントに出ちゃ・・・うよ! ・・・はな・・・離れ・・・て」

一向に口を離さない私にシンジは身体を捩り、引き抜こうとするが、
私が吸い上げると、力が抜けたように動きが止まる。

「アスカ! アスカ! 僕、もう、アアアアアア!」

ついに限界を迎えたようで、シンジは身体全体を震わせ叫んだ。
私の口の中ではシンジのモノが数回跳ねて暴れ回った後、貯めていた精液を一気に放出させた。

「んぐぅ! ンウ、ンンンンンン!!」

シンジの精液は相当に貯まっていたらしく、私の口の中だけではなく、
口腔まで届く勢いで飛んでくる。シンジの精液が私の口中を跳ね回り犯す。
それはいつまでも続くかもしれないというほどの凄まじい量だったが、
ビクンビクンと腰を震わせるとシンジの射精は終わった。
私はモノを口に含んだままシンジの顔を見ると、陶酔しきった表情で荒く呼吸をしていた。
すると、シンジは私の視線に気付き髪を撫でて私を気遣う。

「アスカ、ごめん」

なぜか、シンジは私に謝る。その言葉に複雑に思いながら、やっと私はシンジのモノから口を離した。
唾液と汁が混ざった液体が糸を引く。

「アスカ、大丈──えっ!」

シンジは驚きの声を上げる。
私はシンジが見ている前でこくこくと数回に分けて、精液を飲み干している。
私が飲んでいる間、シンジは呆けたように私のソレを見ていた。
最後の精液を飲み込む時にゴクンと音がした。
最初こそ抵抗感があったがシンジの出した物だと思うと、
最後の方では自然に飲めるようになっていた。
──他の人間の物だったら絶対にできない。シンジのだからできるのだ。
私はそんなことを考えていた。


「アスカ、もしかして僕の飲んじゃったの?」
「そうよ、悪い?」

私はあくまで強気に言ったが、少し、いや、かなりドキドキとしていた。
それをいうのも、シンジの目の前で精液を飲むという行為は私の身体を
とても熱くさせるものだったからだ。そして、いざ飲んでみると、
シンジの反応が気になった。その行為がシンジの目からはどう映ったのか。
私は不安に駆られシンジを見ると、潤んだ目をして私を見ていた。

「そんな、悪いなんて・・・」

シンジは首を大きく横に振る。そして、私の背に腕を回し抱き寄せた。

「きゃっ」

シンジの咄嗟の行動に私は思わず声を上げる。シンジの頬と私の頬が重なった。

「やんっ、ちょっと、いきなり、どうしたのよ? シンジ」
「わからないよ。でも、今のアスカを見てたら、なんか、こうしたくなって…」

シンジの熱い吐息がくすぐったかった。
頬と頬を合わせる、それだけでも私の胸がいっぱいになるのにシンジは耳元で囁く。
私の不安を無意識の内に見抜いたのかわからないが、シンジのその行動が
不安を打ち消したのは確かだった。私は嬉しくなり、私もシンジの背に腕を回して、抱き締めた。
シンジはそれに呼応して一層強く抱き締め返す。少し苦しいけれど、苦しくなかった。
私とシンジの身体が重なる。
今度はシンジの鼓動が耳からではなく私の胸を通して、身体中に響いてきた。
ドッ!

ドッ!

ドッ!

さっきよりも早い。

「シンジ、さっきより、心臓の音、早くなってるよ」
「うん。こうしてるだけで、気持ち良いから、それに…」

シンジは一瞬、口ごもる。

「それに?」

私はシンジが言いかけた言葉を間髪入れずにからかい半分に訊いてみる。

「その、さっきのアスカの口も…気持ち良かったから」

シンジは照れたように言う。
「な、なに言ってんのよ、バカ」

私は先程の自分がやったことを思い出し、顔が赤くなるのがわかった。
立場が逆転したかと思ったら、もうこれだ。私はシンジの天然のおかげで再逆転されると感じた。
しかし、シンジにその変化を悟られぬように私は腕に一層、力を込める。

「あれ? アスカのも早いよ」

え?、心の中で私は呟いた。そういえば、自分の鼓動も早い。シンジに言われるまで
わからなかった。そんなことを思っていると、シンジの手が私の股間にのびてきた。

「あっ…」

くちゅっ、とやらしい音がする。シンジのモノを咥えるのに夢中で
秘部からとろとろと愛液が流れ出てる自分に全く気付かなかった。
愛液は太股をつたうまでに溢れている。

「ごめん、自分のことばっかりでアスカがこんなになってるの気付かなかった」

シンジはそう言うと、自分の顔を私の秘部にもっていった。
私にはこの後にシンジが何をするかは容易に想像できた。

「そんなことしなくていいわよ、シンジ」

私は脚を閉じて、慌てて抗った。

「こんなに濡れてるのに」

シンジは私の脚の付け根を触り、太股に付着していた愛液を指に付けて、
秘部の周りをゆっくりと撫でながら言う。

「んっ…」

私は声を押し殺した。

「ほら、我慢してる」
「違うわよ、やっ…」

私は首を横に振る。

「なにが違うの?」

シンジは手を休めずに訊いてくる。

「今は私の番なの、あんっ…、だから、私がシンジを気持ち良くさせる…のよ」
「アスカ…」
シンジが私の名をポツリと言うと、閉じている脚の間からアソコに指をゆっくりと挿入した。

「きゃんっ!」

私は身体を大きく仰け反らした。濡れている私のアソコはいとも簡単にシンジの指を
受け入れ、二本の指が私の中を駆け回った。

「シ‥ンジ、そんなにナカ…掻き回さない、…で、
あぁんっ!今日は、私の…私の、ひゃう…番なんだから」

私はシンジの指から逃れようとシーツを掴み移動しようとしたが、うまく動くことができなかった。

「違うよ、アスカ。さっき僕がしてもらったから、今度は僕の番だよ、だから、脚開いてよ」
「嫌よ!んっ…、イヤ、イヤ」

私は言葉で拒絶の意思を伝えたが、脚は自分の意志とは関係無く、開かれていく。

「あんっ、な、なんで?」

脚に力を入れたが、火照った身体はいうことをきかなかった。
シンジは開かれた脚を手で押さえ、その間にある私の秘部に顔をうずめた。
アソコにシンジの視線を感じ、吐息がくすぐる。
私は恥ずかしかったが、顔を俯けるシンジから目が離せなかった。
私はシンジの次の行動に備え、手を組んだ。

「明るい所で見てもアスカのここ、すごく綺麗だよ」

シンジが秘部の近くで呟く、シンジの言葉でソコが更に熱くなっていった。
シンジの息の間隔が短くなる。もうすぐ来ると思い私は握っていた手に力を込めた。
しかし、シンジは押さえた太股を撫でるだけで、いっこうに私がするであろうと
待ち受けている行為はしなかった。

「シンジィ…」

太股を撫でられ、どんどんと高まる性感に私は耐えられなくなり、
私は思わずシンジの名を呼んだ。

「・・・・」

シンジは返事をしなかった。代わりにシンジの吐息が私のアソコに注がれるだけだった。

「シンジィ…」

焦らさないで、と言おうとしたが後の言葉は続かなかった。
私はまたシンジにされるだけではいけない、と思い私は快楽に負けそうな理性を
振り絞りシンジの両肩を掴んだ。

「え、どうしたの?」

シンジは驚き私の顔を見る。

「あお…むけ、仰向け…になって」

途切れとぎれになる言葉で何とか伝えるとシンジは不思議そな顔をした。
だが私が訴えるような視線を投げかけるとシンジは何も言わずに私の太股をさするのを止め、
私の言った通り仰向けになった。

「これでいいの?」

私は頷き、身体をシンジの股間が私の顔にくるように、
逆に私の秘部がシンジの顔の位置にくるように移動させた。

「ほら、これなら一緒に気持ち良くなるでしょ」

私は再び、シンジのモノを握った。先程、大量に射精したばかりなのにもう
射精する前と変わらないぐらいに勃起をしていた。シンジもやっぱり興奮しているんだ。
私はそのことが嬉しくなり、モノの先端に軽くキスをした。

「ひぁっ…!」

その時だった。私の下腹部に突然の刺激が与えられた。
私は声を上げ、身体をビクつかせる。私は顔を屈めて私は二人の身体の間からシンジを見た。
シンジの口からは紅い舌が出され、その舌の先で私の秘部をつんつんとつついていた。
不意の刺激に私は準備が取れずに昂ぶっていた性感を一気に放出する所だった。
自分の腰がぷるぷると無意識に震えているのがわかる。

「んっ、んっ、んっ…あんっ!」

シンジの舌の動きは止まることはなかったが、
いきなりここでイクわけにはいくまいと思い、私は必死で耐えた。
シンジの指が私の秘部を開いていく。舌が膣内に入ってくる。
最初にナカを舌の全面で一舐めすると、今度は膣内を直接突いてきた。
脊髄にゾクゾクと快感が走る。息も荒くなり、頭の中が真白に書き換えられていく。
私は身体中に力を込めて、シンジのそれに耐えることしか出来なかった。

「はぅっ!」

突然、シンジが苦悶の声を上げて舌を止める。

「やんっ!どおしたの、 しんじぃ?」

私は自分の声に驚いた。それは私が出したとは思えない程に舌足らずで
甘たるい声だったからだ。勝手に腰も小刻みに震えながらも、
シンジに催促をするように動かしていた。その自分のいやらしい行為に
羞恥を覚えたが、それが止まることはなかった。

「アスカ、手! 手!」

シンジは私に何かを伝えようとしたが、意図はすぐには理解できなかった。
私は上気した頭を必死で働かせ、シンジの言った事を頭の中で反芻させる。
『アスカ、手! 手!』
あっ、私は心の中でそう思い、慌てて自分の手に込めた力を抜いた。
どうやら私はシンジの攻めに夢中になってしまい、モノを掴んでいるのを忘れ、
思いきり握ってしまっていたらしかった。

「ごめん、しんじ、ダイジョウブだった?」

まだ私の声は舌足らずだ。だけど、シンジはそのことに気を止めずに、
うん、大丈夫。と笑い、でも、もう少し優しくやってよ、と付け足した。
しかし、付け足した言葉にシンジは、あ、と声を出し、照れたように
今の忘れて、と先程と同じようなことを言った。

「しんじ、えっちだぁ」

私はからかうように言うと、シンジのモノを指先で持ち、
裏筋を根元から舌をつー、と這わせる。

「うあ!…」

シンジの声と連動するようにモノはピクピクと激しく動いた。

「アスカだって、うっ、そうじゃない…か…」
「わたしのどこが───」

そうなのよ、と言おうとしたが、自分の下半身が未だに
誘うように淫猥に動くのを見て、続きの言葉を出すことができなかった。

「でも、エッチなアスカも僕は好きだよ」

シンジの表情はこの体勢からは見れなかったが多分、微笑んでいたと思う。

「ば、バカ…」

私が照れで悪態をつく。そして、すぐにシンジはさっきと同じように膣を指で開いた。
だが、今度は舌先で突くのではなく、膣肉を甘噛みしてきた。

「しんじっ! そんなこと…きゃっ、したら、わたし…んんっ、
 変になっちゃうよぉ…」

私の身体が大きく震える。快感の波が一瞬で押し寄せてきた。
目の前にあったシンジのモノを私は力を込めないように握る。
シンジの動きはその瞬間止まり、私は慌てたが、それは僅かな間でまた続けられた。
私はそれに安心してシンジのモノの前で口を開け、
私は先刻とは違い、巡るましい快感の中でシンジのモノを咥えた。

「クアッ!」

私が咥えると同時にシンジは腰を一瞬だけ宙に浮かす。
大きく反り勃っていたシンジのモノがドクドクと脈打ち、口内で更に膨張していく。

「ごほっ! ごほっ!」

ピクピクと動くその先から出る汁が喉奥を刺激して少しむせてしまう。
しかし、頭の大半が快楽で支配されている私はそれが大して気にならず
シンジのモノ舐め続けた。しばらくしゃぶった後に私は咥えたまま自分の顔を
上下に動かす。その間もシンジは私のお尻を揉み解し、膣内を舌で
弄んだりしていた。今、シンジとは別の意味で繋がっている。
でもそれでは私は我慢できなくなっていた。私はシンジのモノを口から放す。
シンジの顔を見るために私は身体を向き直し、仰向けに寝ているシンジの身体を
はさむようにベットに両膝をついた。ちょうどシンジのモノが私の膣の真下にある。

「しんじ、あたしもう我慢できない…コレ挿れていい?」

私はシンジのモノを掴み膣にぴたりとあてがう。

「うん、僕も…僕も、もう限界みたいだ」

シンジのその言葉を聞き、私は徐々に上腿を沈めていった。
自分から挿れるのは初めてで緊張する。私は不安を少しでも和らげるため
左手を自分の口に当て、右手でシンジのモノを持ち、狙いを定めた。
左手と口の間という短い間隔で自分の呼吸が彷徨い唾液でびっしょりと濡れる。

「んっ…」

ズズッ 先端が入っていった。私は快感に耐えるため自分の指を噛む。

「ウクッ」

ズズズッ シンジが声を漏らす。そして、私は一気に根元まで挿入させた。

「入っ…た、全部…入ったよ、しんじ」

私は歓喜と快楽が入り混じっている声でシンジに話しかける。
すると、シンジは荒い呼吸をしながら何も言わず頷き、私の腰を持ち、
動かそうとした。私はその動きを敏感に察知して、
私は上体を屈めて、シンジの乳首を舌で舐め上げた。

「な、なにアスカ、あっ!」

私の咄嗟の行動にシンジは驚き、手を放す。

「だから…さっきから言ってるでしょ、今度はあたしの番だって」

私はそう言うと身体を起こして、自ら腰を動かし始めた。
ぎしぎしとベットの軋む音が部屋の中を反響する。

「う、ああ…あすかぁ…」

シンジが私を呼ぶ。

「んぁっ! しんじ! あんんっ、しんじぃ! しんじぃぃ!」

私もシンジの呼びかけに応えるように腰の動きを激しくする。

「くっ!…うっ!」

シンジが快楽を顔全体で表し、奥歯を噛み締めた。
そのもうすぐイきかけるシンジの顔がかわいく、よく見てみたいと思い
私は腰の動きを止めた。

「どうしたの、あすか…?くっ…」

シンジは切ない顔で私に疑問を投げかける。シンジの目は潤み、顔も紅潮していた。
ここで止めるとシンジは辛いらしい、私はそう感じた。

「しんじ、気持ちイイ?」

私はシンジに顔を近づけ、訊いてみた。シンジは頷く。
それを確認すると私は腰の動きを再開させた。
シンジはくうっ、と声を漏らし淫楽に耐えるようにシーツを掴む。
しばらく、腰を動かした後に私はわざと止めたみた。

「あ、あすかぁ…」

シンジはまた切なそうな目で私を見る。シンジの上に乗り、
私は征服感というかなんというか、なんとなくシンジを犯しているような気分になっていた。

「しんじ、どう?」

もう一度顔を近づけて訊いてみた。

「わざとやってる? あすか」

シンジは荒い呼吸をしながら訊き返してくる。
私はくすりと笑い、頷く。すると、シンジは私の腕を掴み私を引き寄せる。

「あっ」

私はシンジの不意打ちに対応できず、そのまま顔を近づけられ
口付けをされた。そして、残った手でシンジは私の胸の愛撫を開始した。

「む、んん…んん」

唇、胸、膣の三ヶ所同時の快感に私は一瞬で頭の中が真白になり、
桃色に塗り替えられていった。

「ん、あぁん、あんっ、あんっ!」

さっきまでの余裕はなくなり、私の喘ぎ声が部屋中に響きだした。

「あすか、もう我慢できないよ、僕から…動かすね」
「えっ? ううンッ…ちょ、ちょっと待っ…、あぅん!」

シンジは私が言い終わらぬ内に私の横腹を持ち、腰を動かし始める。
いつもとは違う体位でのシンジのモノは私の一番感じる所を中で擦る。
それは私の言いかけた制止の言葉を翻すには十分だった。

「あぐぅっ…、ん、もっと、あンッ、ソコォ! もっと突いてしんじぃ!」

シンジは私の言葉に応えるように激しく突き上げる。
ギシッギシッ、ベットが私が動いていたときよりも大きな音を出す。

「しんじ、あたしもうダメ、イッちゃう! イッちゃう!」
「うっ! 僕も!」
「一緒にイこ、しんじ、一緒にイこ」

私は身体を屈め、シンジにキスを求めた。シンジもそれに応じる。
その間もシンジは腰を動かした。私も更なる快楽のために動かす。
快感の大波がもうすぐ私達を襲う。そして、徐々に動きが早くなっていく。

「あすかの中に出したい!」
「いいよ、中に出し───!」

どくんっ、と身体が震える。

「「あっ、あああああああ!!」」

シンジの熱い精液が私の膣内を飛び回る。
私とシンジは声にならない叫びと共に同時に絶頂に達した。
シンジも私もビクンビクンと身体が自然に波打ちだした。
私達はしばらく繋がったまま抱き締め合っていた。


私は台所に立っている。
ここから見える窓から空の青さがわかる。どうやら今日は晴れたらしい。
私は昨日のシンジとシたことを思い出し頬を赤く染める。
ピーっと炊飯ジャーができあがりの電子音を鳴らした。
私は炊飯ジャーを開け、中を覗く。中にはたっぷりとお粥が入っていた。
それをお粥用の小さめの土鍋によそい、レンゲを食器棚から取り出す。
私はそれらを持ち、寝室に向かう。

「シンジ、できたわよ」

シンジはベットの上に寝ていたが私が部屋に入ってくると身体を起こし、
私に微笑みかける。私はベットの脇にある椅子に腰掛ける。

「ありがとう、アスカ。ごほごほ」

シンジが咳き込む。

「まったく、だから無理するなって言ったのよ」

私は本当は嬉しかった癖にそう嘯く。
シンジは私のその言葉を聞くとゴメン、と言ってシュンと落ち込む。
私はレンゲでお粥を掬い、ふーふーと息を吹きかけシンジの口元に、はいあーん、と言いながら運ぶ。

「いいよ、アスカ。自分で食べれるよ」

シンジはとまどった顔で私を見る。

「風邪ひいて私に心配させた罰よ。ほら、早く口開きなさい」

私がそう言うと、シンジは観念したように口を開く。
二人しかいないのに顔を真っ赤にさせてシンジは照れた。
私はシンジのその照れ方に肩を落とし溜息をつく。

「シンジ、あんたね。今でそんなんだと、昨日のアレであたしに
 赤ちゃんが出来たら、どうするのよ?」
「え、困るよ」

シンジの間髪入れぬ答えに私は愕然とした。レンゲの持つ手が震えだす。

「そうなの?」

私は震える声でそれだけしか訊けなかった。もっと、言いたいことが
あった『あたしとの子じゃ嫌なの』『昨日、言ったことは嘘だったの』
しかし、怖くてそれらを口に出すことはできなかった。

「うん、だってまだ名前考えてないから」
「へ?」

シンジはうーんと腕を組み子供の名前だろうか何やら考え始めた。

「ぷっ、くくく」

私はシンジのその仕草を見ていると、先程、思ったことがバカらしくなり
おかしさが込み上げてきた。

「なんで、笑ってるの、アスカ?」

シンジは私の笑いが理解できずに不思議そうな顔で私を見ていた。

「なんでもないわよ、バカシンジ!あはは!」

私は笑った。シンジもつられて笑った。

私は今、幸せだ、十分すぎるほどに。
この幸せを誰かに分けてあげたい。私は自分のお腹をさすってみた。
もし、出来ているのなら最初にこの子に幸せを分けよう。
私はシンジと私とまだ見ぬ赤ん坊と三人で笑っている姿を想像した。

おわり


 


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(updete 2004/11/06)