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気持ちが静まるのを待ってから、シンジは先程開いてもらったレイの脚の間に進み入った。そのまま身を低め、両の肘で上体を支える。それから右脚、左脚の順に伸ばせば、シンジはゆったりとレイにのしかかる体勢となる。
とはいえ、丸々体重をかけるわけではないからレイへの負担は少ない。むしろぴったりと身体が重なり合ったために、レイは安堵の息を吐いてシンジを抱き寄せる。
勃起しきりのペニスが下腹に押し当てられてくるが、そんなことは端から気にもならない。シンジも肘を突いた両手で、すくい上げるようにレイの肩を抱く。
「碇くんっ…」
「綾波っ…」
お互い求愛の想いを込めて呼び合うと、阿吽のタイミングで唇を重ねた。重ねるのみならず、ぴったりと吸い付いて舌を絡め、しばしディープキスと抱擁に浸る。
「ん、ん、んんぅ…」
「んんんぅ…」
それでたちまち胸の中は幸せなぬくもりでいっぱいになり、レイもシンジもご満悦といった風に猫撫で声を漏らす。
部屋は相変わらず暑苦しいが、抱擁で分かち合うぬくもりは不思議と不快ではなかった。汗びっしょりの肌と肌が触れ合う感触も、むしろ心地良いくらいだ。
やがて息が続かなくなると、二人は鼻で息継ぎしながら、ぴちゃぴちゃと水音を立てて互いの舌をしゃぶり合った。しゃぶってはキスして、しゃぶってはキスして、そしてそのたびにだらしない声を漏らして、どこまでもどこまでも悦に入る。
「はぁ、はぁ、はぁ…綾波ぃ…」
「んぅ…い、碇くん…碇くぅん…」
口の周りが唾液まみれになるまで淫らなキスを楽しんでから、シンジはじゃれつくようにレイに頬摺りした。レイも甘えんぼな声でシンジを呼びかけながら、甘美なワインでほろ酔いにでもなったかのような面持ちで頬摺りに応じる。
こうして好きなだけイチャイチャと睦み合えるなんて、本当に幸せなことだ。
二人の想いが零距離で同調した途端、レイもシンジも感無量といった溜息を吐く。それで二人は嬉々として微笑みながら、頬摺りしたり、横顔にキスしたり、あるいは身体を擦り寄せたりと、裸でのスキンシップに酔いしれた。
「んむ、んむ…綾波の身体、美味しいよぅ」
「やん…い、碇くん、くすぐったぁい…」
そのうちシンジはレイの頬だけに飽きたらず、あごから首筋にかけて吸い付くようにキスを始めた。乙女の柔肌のすべらかさにシンジがおどけてつぶやくと、レイはシンジの背中を何度も何度も抱き寄せ直しながらゾクゾクと身悶えする。
そんなレイの抱擁からすり抜けるように、シンジは腹這いのまま少しずつ後ずさっていった。背中も胸元も汗まみれであるから、その作業はさほど苦にはならない。
首筋から肩に。肩から二の腕に。二の腕から胸元に。
シンジは先程の宣告通り、レイの身体中にキスしてゆく。時には柔肌に舌を添わせて汗を舐め取ったりもした。
「綾波…綾波、綾波っ…」
「い、碇くぅん…あ、や、そんなところっ…ん、んんっ、くふっ…!」
愛しげに名前を連呼しながら、シンジはレイのそこかしこで唇と舌を踊らせる。
わきの下を舐めたときには、さすがのレイも身を強ばらせてイヤイヤしながらむずがった。恥ずかしいからではなくて、シンジを不快にさせるかもしれないと懸念したのだ。わきの下はびっちょりと汗ばんでいるから、そんなところをシンジに舐められて気を悪くされるのが嫌なのである。
それでもシンジは眉ひとつしかめるでもなく、左右のわきの下に舌を忍ばせてレイの汗を舐め取った。レイとしてはもう気まずくてならず、半ベソの面持ちとなってシンジの頭を抱き込む。せめてもと、右手でシンジの髪を撫でたりするのが彼女の健気さだ。
「ん、んんっ…綾波の胸…」
「あっ…い、碇くん…」
シンジはレイからのかいぐりに目を細めると、柔肌に唇を触れさせたまま彼女の乳房の谷間に顔を移動させた。思わぬくすぐったさに、レイはシーツから背中を浮かせてしまう。
とはいえ、谷間と呼べるほどレイの乳房は豊満ではない。なだらかな丘陵の底面といった方が相応しいだろう。
それでもシンジは溜息が漏れるほどの安らぎを覚え、レイの胸の真ん中に甘えて頬摺りした。思わず両の肘からも力を抜き、ゆったりと身を任せてしまう。ついつい子犬のような声で安堵の息を吐いたりもした。
シンジもごく普通の男子であるから、女性の胸は大好きだ。だからミサトの胸にも、そしてアスカの胸にもこうして甘えさせてもらったことがある。柔らかくて温かい乳房の谷間に顔を埋めていると、日頃の憂さもすべて吹き飛んで上機嫌になれるし、なにより男として高ぶることができる。
ところが、レイの胸は何かが違った。居心地が良いのは同じだが、とにかく落ち着けるのだ。心ゆくまでセックスを楽しみ、ここで眠らせてもらえることができたら、どれだけ夢心地に浸ることができるか知れない。
「綾波の胸…あああ、綾波の胸、気持ちいい…」
「うん…嬉しい」
シンジはレイの胸の真ん中に頬摺りしながら、夢中で独語した。レイは優しくシンジの頭を撫でながら、返答通りの表情を穏やかに浮かべる。
レイもまた、こうしてシンジに甘えられて言いようのない安らぎを得ていた。
シンジとじゃれ合うのはもちろん大好きなのだが、胸に頬摺りされると、なんだか心の奥が和んでくるのだ。まるで捜し物が見つかったかのような安堵感に、繰り返し繰り返し溜息が漏れる。
シンジの頭を撫でていても、同様の安堵感を覚えることができた。もしシンジさえ嫌でなかったら、今夜はこうして眠りに就きたいような気分である。
シンジを胸に抱いたまま、また他愛もなくおしゃべりして、やがて疲れて眠りたい。
ふとそのとき、上目遣いのシンジと、見守っていたレイの視線が合った。お互い、甘えんぼな願望が見透かされたかのような気分となり、ついつい顔を赤くする。
「あ、あのさ、綾波…その…おっぱい、吸ってもいいかな…?」
恥じらっていながらも、シンジは聞くつもりもなかったことをわざわざレイに尋ねてしまった。そのためにシンジは耳まで真っ赤になって狼狽えたが、レイは別に揶揄したりはしない。きょとんとまばたきするなり、すまなそうな伏し目気味になる。
「…母乳は出ないと思うけど」
「そ、そりゃあそうだよ…だって綾波は、これから母さんになるんだもん」
「…そうね。碇くんとの赤ちゃんを産んだら、わたしはお母さんになるのね」
「だから…だから赤ちゃんができるまでは、僕が吸ってもいいよねっ?」
「うん…ちょっと恥ずかしいけど、いいわ」
照れくさそうに睦言と笑みを交わせば、たちまち接吻欲が二人を突き動かす。
シンジは一旦這うようにして伸び上がり、レイとキスした。唇を触れ合わせる前にシンジが謝辞をつぶやいて口移しすれば、レイはキスしたままで小さく首肯する。
キスするたびに、幸せな気持ちは二人の間でどんどん大きく膨らんでいった。それと同時に愛おしさも募るから、二人にとってキスはますます欠かせないものになってゆく。
「じゃあ綾波、今度は僕が甘えちゃうね」
「うん、いっぱい甘えて。今は甘えたいだけ甘えていいんでしょう。さっき碇くんはそう言ったわ」
「あはは、そういえばそうだったね」
恋人どころか夫婦同然のキスを終えて、シンジはあらためて腹這いのまま後ずさった。
ささやかなおしゃべりを交わしている間に、シンジの眼前にはレイの左の乳房が現れる。乳房は先程揉み込まれたためにほんのりと火照っており、乳首もツンと屹立したままだ。まるでシンジがじゃれつくのを待っていてくれたかのようである。
シンジはまず左手で、性感帯としての開花に後れをとったレイの右の乳房を包み込んだ。そこで体勢を整えて、あらためて左の乳房に唇を寄せる。
初めての挨拶を交わすように、そっと乳首にキスしてから優しく唇の中に含んだ。同時に、右の乳房も寄せ上げるようにして掌に包み込む。
愛撫というよりも、乳飲み子に戻ってレイに甘えかかる気持ちであった。ぷにゅぷにゅと柔らかいレイの乳房に鼻面を埋めれば、ミサトやアスカの時とは違う甘えんぼな声がシンジの鼻から漏れ出てしまう。
しかし、恥ずかしいと思うのも初めだけであった。男としての羞恥心は、レイの乳房に覚える安堵感の中へたちまち溶け込んで消失してしまう。
「んぅ、んぅ、んぅ…」
シンジは上擦り声の乗った鼻息も荒く、欲張るようにして乳首を吸った。唇をすぼめ、今はまだ出るはずもない母乳を求めるよう一生懸命となる。
「あんっ…!あ、や、く、くすぐった…んっ!んんっ!」
シンジが乳房にじゃれつくなり、レイは電気ショックを受けたかのように枕の上でおとがいをそらし、鋭い声で鳴いた。固くしこった乳首からのくすぐったさは、たちまちもどかしいような疼きとなって陰部に走る。レイは枕の上でイヤイヤとかぶりを振ってよがりながら、シンジの身体を太ももで挟み込んでしまった。
そんなレイの反応に安心して、シンジは思う存分乳房に甘えてゆく。
ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ、と小刻みに、かつ元気良くむしゃぶりついたり。
ちゅぱちゅぱ唾液で水音まで立てて、乳輪ごとキスするように吸い付いたり。
乳輪のぽつぽつとした感触を確かめるよう、舌先でクルクルと円を描いたり。
その舌先で、固くしこったままの乳首を押し倒したり、引き倒したり、転がしたり。
右の乳房も退屈はさせない。シンジは左手で時計回りに揉み転がしつつ、自らの頬にも擦り付けようと躍起になる。もっとも、レイの乳房は豊満の二文字とはほど遠いから、その柔らかみまで感じることはできない。
仕方がないので、寄せ上げては搾り、戻しては押しこねてと、素直に乳房で遊ばせてもらった。ふくよかではなくとも、レイも思春期を迎えていて育ち盛りである。女性固有の柔らかみに関しては申し分ない。
おかげで、シンジはすっかり夢見心地となった。穏やかに目を伏せたまま、レイに母の面影を重ねて童心に戻る。本当に癒される心地であった。
一方でレイは枕の上でつらそうに半ベソの顔をしかめ、身悶えしきりとなっている。
立派な性感帯となった左の乳房をシンジに吸われるたびに、そのたまらないくすぐったさが身体中の隅々にまで広がってゆく。おまけに右の乳房まで丹念に揉み込まれるものだから、呼吸さえ不規則になるほどよがり鳴いてしまう。覆い被さっているシンジを押し退けるよう、窮屈に背中まで浮かせているほどだ。
くすぐったいのに、気持ちいい。
くすぐったいのに、嫌じゃない。
レイを不快にさせないのは、奇妙な既視感を覚えているためでもある。
もちろんシンジ以外に乳首を吸われたことなどないのだが、なぜか彼に甘えられると、不思議な懐かしさを覚えるのだ。優しいシンジと一緒だから、というだけではない。シンジに乳房を吸われることで、断片化していた記憶の一部が復元されるようなのだ。
素敵な心地であった。爽やかな歓喜の気持ちで胸が空く。
シンジの子どもを産んで母になったとしたら、きっとこんな感じなのだろう。
出産は単なる任務だと思っていたが、こうしてシンジと睦み合うことで、母になることへの期待感さえ湧いてきた。
ふと、濃密な性感によるしかめっ面が柔和な笑みとなる。
目を細めたレイは再び右手を伸ばし、乳房にじゃれつくシンジの頭を撫でた。慈しみの想いを込めて何度も何度も撫でれば、歓喜の気持ちはなお一層強まってくる。
「ん、んふ、んふふっ…シンジ…くん…」
「ん…?」
「え…あ、あっ…あの」
何気ない違和感にシンジが視線を向けると、レイもまた違和感に気付いて狼狽える。
先程までの幸せな気持ちはどこへやら、なんだかすごく失礼なことを口走ったような気になって、レイは真っ赤になって視線を逸らした。
かろうじて免れはしたものの、シンジを呼び捨てにしようとしたなんて。
レイはなぜ彼を名前で呼ぼうとしたのか、自身でもわからなかった。ただただ意識が幸福感で惚けるままにしていた矢先、思わずつぶやいてしまったのだ。からかうつもりがあったわけではないし、そう呼んでみたかったわけでもない。
ともかくそれを機に、シンジは乳首にむしゃぶりついたままで頭を上げ、軽く吸い付きながら乳房を解放した。慎ましやかなレイの乳房も、その弾みでぽよんと揺れる。
もはや屹立した乳首も、乳輪も、あるいはその周囲の柔肌までシンジの唾液にまみれてべちょべちょだ。乳房自体も愛撫し尽くされたためにすっかり火照り、ほわりと湯気が揺らぎそうなくらいに温まっている。
その光景に男としての独占欲が満たされてゆくのを感じながら、シンジは愛しげな面持ちでレイを見つめた。レイは耳まで赤くなり、気まずそうに視線を逸らしたままである。
「…名前で呼んでくれてもいいよ」
そんなレイを気遣って、シンジは身を乗り出しながら、睦言のような優しさでささやきかけた。それでもレイはふるふると首を横に振り、すっかり潤んだ瞳をシンジに向ける。
「ううん、違うの…ごめんなさい…」
「別に気にしてないよ…綾波の好きなように呼んで。ね?全然気にしてないから」
「うん…ありがとう、碇くん…」
「んふふ、やっぱりそっちのほうがしっくりくるなぁ」
「うん…よかった」
二人は吐息がかかるほどに顔を近づけて、思いやりの気持ちを通わせ合った。
レイとシンジの思いやりは、今や愛情に直結するほどのものとなってきている。だから穏やかに笑みを交わしてしまえば、それだけでも接吻欲が唇に募ってきた。
もちろん、今の二人にはキスを我慢しなければならない理由などどこにもない。ふんわりと薄膜をたわませ合って、温かな幸福感を共有する。
「…綾波っ」
「んぅ…頭、撫でてもらうの…好き…」
「僕にも、さっきみたいに撫でてくれる?」
「うん」
キスを終えたシンジは右手を伸ばし、レイの頭をかいぐりした。それでレイは嬉々として相好を緩め、甘えんぼな声ではにかむ。
レイもシンジも、こうして頭を撫でてもらうのが大好きだ。子どものように扱われて照れくさい感じもするが、それでもすこぶる嬉しいスキンシップである。
ささやかな約束を取り付けてから、シンジは伸び上がっていた身を戻し、今度は左右の手を入れ替えた。両肘をついてから左手でレイの肩を抱き、右手で唾液にまみれた乳房を包み込む。
そんなシンジの眼前には、レイの右の乳房があった。先程まで丹念に揉みこねていたとはいえ、乳首はまだ屹立していない。慎ましやかな乳輪の中央で、やはり慎ましく縮こまっている。
シンジは目を伏せると、先程交わしたキスのように、乳輪ごと乳首に口づけた。ぷにゅ、と唇が柔らかみに沈み、汗ばんだ鼻先が乳房に触れる。
さっそくむしゃぶりつこうとしたのだが、肝心の乳首が唇で探り当てられない。何度かついばんでみても、ただ乳輪を甘噛みするだけだ。先程眺めたときは確かに存在していたのだから、繊細な唇であっても見つけだせないくらいに慎ましやかなのだろう。
ひとまずシンジはついばみを止めると、ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ、と音立てて乳輪にキスした。それからぴったりと口づけて、舌先で小刻みにくすぐり始める。
クルクルと円を描いたり。
左右に往復して擦ったり。
下からすくい上げるように舐めたり。
まさにあの手この手でレイの乳首を勃起させようとする。それに集中するあまり、右手での愛撫がおろそかになってしまうのは若さ故のご愛敬だ。
「ひゃ、ん、んぅう…い、碇くん、くすぐったぁい…」
それでも生ぬるい舌が乳首の上でくねる感触に、レイは苦笑のように複雑な面持ちとなってむずがった。とはいえ嫌悪感を抱くことはないから、要望通り右手でシンジの頭を抱き寄せるよう、繰り返し繰り返し撫でる。頭を撫でてもらうのも気持ちいいが、こうしてシンジの頭を撫でるのも負けず劣らず気持ちいい。
そうこうじゃれ合っているうちに、やがてシンジの舌先には小さな突出が感じられてきた。それと同時に、レイの穏やかな微笑が恥じらいを帯びた困り顔になってゆく。
シンジは上目遣いでレイの表情を窺うと、一旦唇を離し、大きく舌を伸ばしてその突出を舐め上げた。べろり、べろり、と舌のざらつきで刺激するごとに、その突出は少しずつ固くなって自己主張を強めてくる。
そこでシンジは嬉しそうに相好を緩めると、しこってきた突出をあらためて唇に含んだ。レイの乳首はやんわりと勃起してきたために、もうはっきりと唇の中に感じられる。
「い、碇くん…碇くぅん…」
それだけでレイは期待してしまい、儚げな上擦り声でシンジを呼んだ。
求愛の呼びかけは紛れもないものであり、レイは陰部の疼きに耐えきれず、先程からシンジの腰を太ももで挟み込んだままである。指でいじって慰めたいような、まさに授業で聞いたマスターベーションを試してみたいような気分で胸が逸る。
媚びたような声音で呼びかけられて、シンジも発奮の鼻息を漏らした。ゆったりと右手で左の乳房を揉み込みつつ、同時に右の乳首を元気良く吸い始める。
「あんっ!んぁ、ん、んぅ…んっ、んんっ…!」
たちまち右の乳房から生まれてきた快感に、レイは一際大きな声で鳴いた。優しくかいぐりしていた右手は、髪を引っつかむような乱暴さでシンジの頭を抱き寄せてしまう。
レイの乳首は、シンジの唇の中で恥ずかしいほどに固く屹立した。とうとう右の乳房も、シンジによって性感帯として開花させられたのだ。
レイの右の乳房からは、くすぐったいような快感がとめどもなく溢れてくる。否、先に性感帯となった左の乳房からも同様であった。両の乳房を愛撫され、そしてむしゃぶりつかれて、驚くほどの快感が身体中に広がってゆく。
その快感は執拗なまでに陰部に殺到してきた。クリトリスはいつまでもいつまでも焦れったく疼き、膣口はきゅんきゅんと収縮して熱いしずくを漏らしどおしにしている。もう相当シーツを汚してしまっているようで、身じろぎするたびにしりが冷たい。
「ああん、い、碇くん、碇くんっ…!い、いい、気持ちいいっ…!」
レイはあられもない声音でよがりながら、枕の上で激しくかぶりを振って悶えた。疼きのために太ももを擦り寄せたくてならず、グイグイと繰り返しシンジの腰を挟み込んでしまう。
そんなレイの反応に男心をさざめかせながら、シンジは一心不乱に乳房にむしゃぶりついてゆく。すっかりしこった乳首をちゅぱちゅぱ水音立てて吸い付き、時折唇で甘噛みしたり、引っ張ったりして刺激する。
左の乳房も反時計回りに揉み転がし、あるいは指先でこねるように乳首を摘んで、レイを悦ばせようと夢中になった。そのために、透けて見えそうなほど白かったレイの乳房は、桜餅もかくやとばかりに火照ってしまう。
「あ、あぁだめ、だめ、いい、だめぇ…だ、だめ、いい、だめえ…」
念入りに乳首を吸われ、乳房を揉み込まれて、レイはとうとうよがり疲れてしまった。線の細いあごをゾクゾク震わせながら、ぐったりとした声で矛盾めいたうわごとをつぶやき始める。
すっかり惚けた意識は、なんだか白濁とした靄がかかったかのようにぼんやりとしてきた。圧倒的な快感の中で、シンジのこと以外にはなにひとつ考えられず、心中でひたすらに彼の名を連呼してしまう。
「…くん…かり、くん…いかりくん…いかりくん…」
レイのうわごとは、やがて心中での連呼そのものとなってきた。レイは忙しなく呼吸しながら、今一番好きだと思える言葉を延々と繰り返す。
その呼びかけに応じるよう、シンジはやはり吸い付きながら頭を上げて、ようやっとレイの乳房を解放した。ぽよんと乳房が弾むと、ツンと屹立した乳首からわきの方へと唾液が伝い落ちてゆく。右の乳房は、左の乳房がされた以上に唾液まみれとなっていた。
「綾波…」
「碇くん…」
シンジが見つめながら呼びかけると、レイは気恥ずかしそうにしながら応える。
愛撫が中断したために、レイの意識は幾分明瞭となってきた。そのぶん、両の乳房をシンジの好きなようにされたことが、今さらながらに照れくさくなってくる。
これでレイの乳房には、愛撫される悦びがしっかりと擦り込まれてしまった。まだまだ幼い乳房ではあるが、シンジの唾液の染み込んだ乳首は健気に屹立し、立派な性感帯として機能し始めている。
それはまさに、レイの乳房がシンジの愛撫に馴染んだ証拠であった。
「…綾波、ちょっとごめんね」
「え…あ、やっ…んぁ、ああああっ…!」
シンジはぽつりと告げると、レイの乳房の間に顔を埋め、汗びっしょりとなっている胸の真ん中に唇を押し当てた。レイはその情熱的なキスに、吐息を火照らせてよがり鳴く。
ちょうど左右の乳首を結ぶ線の中央に、シンジはぴったりとキスしていた。そのために、レイの柔肌には色鮮やかにキスマークが残されてしまう。レイは元々が色白であるだけに、その紅梅色の跡は胸の真ん中にあってやたらと目立つ。
シンジは舌先をキスマークに添わせたまま、ゆっくりとレイの身体の上を後ずさり、へそに至るまでをまっすぐに舐め進んだ。両手は指先だけで背中を撫で、ほっそりとくびれた脇腹を撫で、優しくすくい上げるようにして腰を抱く。
シンジはしばし、へその周囲にいくつもいくつもキスを撃った。へその穴にも舌先を忍ばせてくすぐり、やがてぴったりとディープキスで塞ぐ。
「ひ、う、うううっ…く、くすぐったいことばっかり…!」
レイがむずがるような声で悶えると、柔軟な腹筋がぴくんぴくんと震える。
それでシンジはへそへのディープキスを終え、今度はレイの下腹に唇を押し当てた。ちょうど子宮の真上辺りに見当を付け、心からの愛おしさを込めてキスする。
その優しいキスのぬくもりに、レイは思わず苦悶を忘れて安堵の溜息を吐いた。うっとりと目を細め、キスマークの残された胸の真ん中を両手で押さえる。
「ね、綾波…」
「な、なに」
やおらシンジはキスを終えて、両手で上体を起こしながらレイを呼びかけた。レイは恍惚の境地から慌てて我に返り、ぱちくりとまばたきして応じる。
「綾波の、女の子の場所…見せてくれる?」
「女の子の場所って…そ、その…」
「うん…ダメかな?」
レイは一瞬きょとんとなったものの、すぐにシンジの意図に気付き、困惑に幾分表情を曇らせた。シンジは遠回しに陰部を見せてほしいと言っているのだ。
とはいえ、シンジの男の子の部分はすでに何度も見ているし、触らせてもらってもいる。
レイには断る理由が思いつかなかった。しとどに濡れているぶんわずかに抵抗感があったが、気恥ずかしそうに視線を逸らしつつ、ふるふると首を横に振る。
レイの承諾を受けて、シンジはまず踵を浮かせて正座し、それぞれの手で彼女の太ももをすくい上げた。レイはされるがままに脚を曲げ、ゆったりとM字開脚の体勢となる。
濡れたシーツからしりが浮いたところで、レイは両手で陰部を覆い隠した。覆い隠した途端、たちまち失態を犯したかのような目となってシンジを見つめる。
もちろん、それでシンジは気を悪くしたりはしない。普段通りの穏やかさでレイに微笑みかける。
「やっぱり恥ずかしいよね」
「ううん、違うの…なにも穿いてないから、なんだか頼りなくて…それに、きっと汚い」
「見られたくない?」
「そ、そんなことない…碇くんになら、見せてもいい…」
照れくさそうにつぶやくと、レイは静かに両手を退け、少女の陰部を無防備にした。それでもやはり頼りなさは拭えず、不安そうな面持ちでそっぽを向いてしまう。
せっかくレイがあるがままを晒してくれているのだから、ここで中弛みはしたくない。
シンジはまくられていた薄手の掛け布団をてきぱきと四つ折りにすると、その端をレイの腰の下にあてがった。そっぽを向いていたレイもシンジの意図を読みかねて、不思議そうに彼を見つめる。
「ねえ綾波、この掛け布団、換えってあるの?」
「換えはないけど、必要になれば支給してもらうわ」
レイの場合、ちょっとした身の回り品はネルフから支給してもらっている。決して多くを望まないレイであるから、小遣い程度の給料に加えてささやかながら優遇を受けているのだ。
とはいえアパートは古びているし、調度品や衣類、そしてこの掛け布団やシーツも最低限の品質であるから、お世辞にも優遇とは呼べないだろう。むしろミサトと同居しているシンジやアスカの方が、生活環境では恵まれているかもしれない。
「じゃあ…掛け布団、ちょっと汚れちゃうかもしれないけど、いい?」
「うん、大丈夫」
「だったら綾波、後転するようにおしりから背中も浮かせて…」
「後転…こ、こうでいい」
「うん、もっともっと…うん、いいよ」
シンジの注文に次々と応え、レイは首から両肩で体重を支える体勢となった。ほっそりとした身体はくの字以上に折れ曲がり、愛液に濡れた陰部から肛門からを丸々シンジに晒す格好となる。
シンジは四つ折りにした掛け布団をさらに半分に折って、レイの首元にあてがった。そこから膝立ちでレイの背後に進み、彼女の腰を抱き寄せてもたれさせる。
これでレイの陰部はシンジの眼前で露わとなった。レイの裂け目は慎ましやかに閉ざされてはいるが、独特の女臭さは鼻先でぷんぷんと匂い、熱気となって頬にまで感じられるほどである。
「い、碇くん…」
「綾波、ちょっとくすぐったいかも」
「えっ…」
すっかり窮屈で、なおかつ頼りないことこの上ないポーズにされて、レイは自らの脚の間からシンジを見上げた。シンジは左手でレイの腰を抱き込み、右手で恥丘を包み込んでからぽつりと告げる。
それでたちまち、レイの不安はいや増した。
ただでさえもくすぐったいことだらけであったのに、さらにまだちょっととはどういうことなのか。
疼いているクリトリスのすぐ側に触れられていることもあり、さすがのレイも緊張しきりとなる。シンジに陰部を見られていることも、やはり今さらながらに照れくさくなってきた。
そんなレイの困惑をよそに、シンジは彼女の陰部を眺めながら、しばし右手で恥丘を撫でさすった。ぷにゅぷにゅと柔らかい恥丘の手触りを楽しむと、髪と同じ水色に近い銀色の性毛がしゃりしゃりと固い音を立てる。
レイの性毛はミサトやアスカよりも薄めで、手荒に扱ったらたちまちすべてむしり取れてしまいそうなほどだ。裂け目の外側であるむっちりとした大陰唇にも、ほとんど生えてはいない。ささやかな産毛が、漏出した粘液にまみれているのみである。
ひとしきり恥丘を撫でてから、シンジは人差し指と中指を伸ばし、レイの裂け目を大きく開いた。美しい紅梅色の粘膜が剥き出しになると、なお濃密な女臭さが湯気となってシンジの鼻孔に舞い込んでくる。
その淫靡な匂いと光景に、シンジは童貞の頃のような興奮を覚えた。ごくんと生唾を飲み込めば、強烈な動悸が耳のすぐ側に聞こえてくる。
女性器の佇まい自体は、以前にミサトのものを見せてもらったことがあるから、それなりに馴染みがある。童貞を卒業したばかりの頃は、セックスするたびにシックスナインをおねだりしてミサトを苦笑させたほどだ。やはりシンジも思春期真っ盛りであるから、女性の恥部に対する好奇心を抑えきれないのである。
一方でアスカの恥部は、今までに何度もセックスを重ねていながら一度も眺めたことがない。これはアスカが恥ずかしがって、断固として拒むためだ。シックスナインはもちろんのこと、口で愛撫さえさせてもらえないのである。
そのぶん、こうして同年代であるレイの恥部を目の当たりにすると、鮮烈なまでの感動で男心が奮える。シンジはなんとなく舌なめずりをひとつ、指で開いたレイの裂け目をじっくりと見渡した。
むっちりとした大陰唇の内側には、紅梅色に充血した小陰唇がある。粘膜質の縁取りはきれいに左右対称であり、過剰に肥大してはみ出ているということもない。
ついついミサトと比べてしまうが、彼女の場合は睦み合うと興奮のために肥大して、外側にまで露出していたのをシンジはよく覚えている。ミサトの名誉のために付け加えておくが、形は美しく左右対称だ。色合いはもう少し赤みが強かったような気がする。
次ぎにシンジは人差し指と中指をなお大きく広げて、レイの裂け目をすっかり外気に晒した。レイは拒みこそしないものの、きゅっと目をつむり、唇を噛み締めて照れくささに耐える。筋肉注射を我慢しているような顔は、もう耳まで真っ赤だ。なんだかシンジの視線に感触すら覚えるようで、露わにされている裂け目の内側が妙にくすぐったい。
なにより、裂け目はもう熱いしずくでびしょ濡れになっているのだ。シンジに誤解されはしないかと、レイは焦燥感のために気を揉んでしまう。
「い、碇くん…わたし、おもらししたわけじゃないのに、そこ…」
「うん、おもらしなんかじゃないよ。わかってる」
「でも…でも、濡れてて汚いと思うの…。たぶん、バルトリン線液…」
「く、詳しいね…。でも、汚いものじゃないよ。安心して、綾波」
「ん、んぅう…」
レイが消え入りそうなか細い声で弁解するので、シンジは普段通りの優しい口調でなだめた。ぎゅっと強めに抱き寄せて、恥じらうレイを元気づけようともする。
バルトリン線液が汚いものだとしたら、カウパー線液も、精液さえも汚いものになってしまう。いずれも新しい命を作るときに分泌される体液だから、汚いはずがない。
「綾波だって、僕のカウパー線液、気にしなかったじゃない。ね?」
「うん…」
そう言われては、レイに反論の余地はなくなってしまう。レイも逸り水に濡れたシンジのペニスに対して、汚いなどとは少しも思わなかったからだ。
レイはなお残る恥じらいを小さな溜息でなだめ、しおらしくシンジに身を任せた。シンジは安堵感に目を細め、あらためてレイの裂け目に視線を向ける。
ひとしきり粘膜質の紅梅肉を眺め回してから、シンジはその縁取りの端でちょこんと据わっているクリトリスを見つめた。麦粒ほどの大きさで突出しているクリトリスは、小陰唇よりもやや充血の度合いが強くて、見るからに敏感そうだ。
そこから真っ直ぐに視線を下げてゆくと、小さな尿道口があり、膣前庭を経て、やがてレイの膣口が現れる。そこより下は女性器の終端であり、女性器を越えると、あとは肛門があるのみだ。色素の濃いすぼまりは、分泌しきりとなっていた愛液ですっかりヌルヌルになっている。時折怯えるようにきゅんきゅんすぼまる様子は、なんともいえず儚げで愛くるしい。
その愛液を分泌させた膣口に視線を戻し、シンジは失礼なくらいにマジマジと見つめた。直接刺激を受けたわけでもないのに、レイは窮屈なポーズのままで恥じらいいっぱいといった風にうめく。
レイの膣口は、ミサトのものよりもずっと小さく見える。愛撫や挿入の感触から想像して、アスカよりもなおか細く思えるほどだ。
よくよく考えたら、それも当然である。レイは処女なのだ。生まれてから一度も異性を受け入れていないレイの膣口は、処女膜というささやかな防壁が異物の侵入を阻んでいるのである。
阻んでいるとはいえ、密封されているわけではない。
処女膜の形状は人によって様々であるが、レイの場合は真っ直ぐに見て、逆さにした卵のような円形で膣口を縁取っている。経血や愛液の漏出するその開口部は、人差し指がかろうじて入るかどうかという程度のものだ。
シンジは初めて見た処女膜の様子に、ドキドキと男心を高ぶらせた。
アスカの処女を散華させたうえに、今度はレイの処女をも散華できるとは。
二人もの少女に対して初めての異性になれる果報に、シンジは独占欲が奮い立って身震いをきたしそうだった。なんだか目眩がするし、鼻の奥まで熱くなってくる。
無様に鼻血など出すまいと、シンジは深呼吸をひとつ、静かに目を伏せてからレイの裂け目にキスした。すぼめた唇で処女膜に触れ、そっと舌先をくねらせる。
「ああんっ…!」
その感触と事実に、レイは狂おしいほどの上擦り声で鳴いた。恥ずかしいやら気持ちいいやらで、もう顔から火が出そうなくらいだ。オタオタと両手で顔面を包み込むと、枕の上で力無くイヤイヤして身悶えする。
そんなレイの狼狽えぶりに気付くことなく、シンジは彼女の裂け目にキスを連発した。愛液に糸を引かせながら、ぶちゅっ、ぶちゅっ、ぶちゅっ、と何度も何度も唇を押し当てる。膣口はもちろん、膣前庭にも、尿道口にも、そして左右の紅梅肉や、外側の柔肉にまでくまなくキスを撃った。
同時に右手の中指で、柔肉ごしにレイのクリトリスをいじり始める。
ささやかに勃起している女芯の感触を確かめるよう、前後に押したり引いたり。
軟膏を塗るように撫で転がしたり。
包皮の上からくにくにと押圧したり。
アスカが悦んでくれる愛撫をレイにも同じように捧げた。同年代の女の子であるから、感覚にはさほどの差違はないだろうと思ったのだ。
「あん!んぁ、ああんっ!!そ、それ、それいい、それぇ…んぁ、ん、んんうっ!!」
シンジの読みは違わず、たちまちレイは雌性の嬌声をあげた。普段より一オクターブ以上も声を上擦らせ、辺りはばかることなくよがる姿は、あの冷静沈着な綾波レイという少女像からは遠くかけ離れたものだ。
それだけレイは性の悦びに魅入られていた。シンジの唇と舌、そして指が生み出してくれる濃密な快感の虜になりかけているのである。
ディープキスも、乳房への愛撫も、どれも本当に素敵なものだった。
それでもなお、陰部やクリトリスへの愛撫は強烈であった。今まで焦れったい疼きに耐えていたぶん、あらためて刺激されると本当に気持ちいい。先程までの照れくささを忘れ去るくらい、温かい日差しのような心地良さが身体中の性感帯へと巡ってゆく。
まるで陰部からシンジに愛情を注ぎ込まれ、身体中隅々まで性感帯にされてしまうかのような気分にさえなってきた。クリトリスは指でいじられるたびに声が漏れるし、膣口はキスされるたびに収縮して、熱いしずくを溢れさせる。あんまり気持ちがいいから、もうこのまま性器まるごととろけてしまい、分泌しきりの熱いしずくになってしまいそうだ。
理性が警告を発しているものの、もう歯止めは利かない。レイの女としての本能は、際限なくシンジを求めてしまう。
「い、碇くん、もっと…もっとして…」
「いいよ、綾波…いっぱいしてあげる…」
レイは感涙に揺らいだ眼差しでシンジを見つめ、泣きベソ気味に求愛した。シンジはレイの赤い瞳を見つめ返しながら、のぼせそうな意識の中でそう告げる。
シンジも念入りなクンニリングスを施すうちに、レイの愛液に含有されているフェロモンに当てられ、彼女に負けないだけ発情をきたしていた。勃起しきりのペニスは逸り水を漏らし通しで、もはや陰嚢の辺りにまで伝い落ちてきている。
シンジは左手でレイの腰を抱き寄せ直すと、大きく舌を伸ばして裂け目を舐め上げた。膣口からクリトリスまでを一息に、べろり、べろり、と伸びやかに舐めて愛液のぬめりを広げる。
「ああんっ!そ、そんな、舐めちゃ…あふっ!ん、ふっ…き、気持ちいいっ…!!」
生ぬるくて柔らかい舌に裂け目をまるごと舐められて、レイはつらそうに顔をしかめながらも、部屋いっぱいに随喜の声をあげた。屈曲状態にされているほっそりとした両脚も、快感に打ち震えてぴくんぴくんと跳ねる。
シンジは悶えるレイの身体を懸命に支えながら、じっくりと彼女の愛液を味わった。
レイの愛液は甘酸っぱくした汗のような味であり、ミサトやアスカのものよりも粘度が薄い。キスすれば糸が引くものの、すぐにぷつんと切れてしまうくらいだ。口中でもすんなりと唾液に溶け込んでしまう。
性器の形はもちろん、愛液の味も、匂いも、粘度も、人によってそれぞれ違うものだ。
失礼とは思いながらも、ついついシンジは三人の女性を比べてそう実感した。基本的な佇まいや、独特の女臭さはあるのだが、それぞれで微妙な特徴がある。三人の中で誰がいいとは言えない。三人とも興奮できる、というのが男としての素直な感想だ。
そんなことをぼんやりと考えながら、シンジはレイの裂け目を割り開くよう丹念に丹念に舐め回した。まるでミルク皿を舐める子犬さながらに舌をくねらせていると、口の周りはたちまち愛液にまみれてべちょべちょになってしまう。
程なくして割り開かれるであろう処女膜にも、その様子を記憶にとどめるよう、じっくりと眺めてから左右に舌をくねらせた。きゅきゅ、きゅきゅ、と小刻みに収縮して舌先を締め付けようとする感触が、逆にシンジにはくすぐったい。
やがてシンジはクリトリスにも舌を添わせた。包皮の内側に舌先をぬめり込ませながら、麦粒大に勃起している女芯をクルクルと舐め転がす。
「んぁ、ん、ふぅうっ…!き、気持ちいいっ!気持ちいいのっ!!」
やはりレイも、クリトリスが一番敏感な性感帯だ。シンジに丁寧かつ念入りに愛撫され、ぐずるような口調となってよがり叫ぶ。別に機嫌を損ねたわけではない。あまりの心地良さに、ついつい声が大きくなってしまうのだ。
包皮の上から指でいじられるのも気持ちよかったが、ぬめる舌で舐め転がしてもらうのはもっともっと気持ちよかった。膣口だけでなく、膣自体も打ち震えてくねるのがわかる。
もう身も心も幸せな快感でいっぱいとなり、意識は圧迫されて白濁としてきた。その意識に同調するよう、分泌しきりの愛液も白みと粘度を帯びてくる。
その特別な愛液は、レイの身体が発情しきった証であった。たっぷりとフェロモンを含有しているから、たちまちシンジの鼻面には濃密な女臭さが立ちこめる。
「綾波…綾波、綾波っ…!」
発情した雌の匂いに、シンジの雄としての本能も触発された。シンジは狂おしくレイを呼びかけるなり、夢中で彼女のクリトリスに口づける。
すぼめた唇で、唇どうしのキスに負けないだけ情熱的に吸い付いた、その矢先。
「ひっ!ひっ、ひいいっ…あああっ!!」
レイは切羽詰まった鳴き声をあげながら、窮屈なポーズの身体をビクビクと震わせた。
たちまち膣が引きつけを起こしたように収縮し、膣口からは白っぽい愛液が突沸を起こしたように飛沫き出てくる。びちゃ、ぴちゃ、とシンジのあごにかかったくらいだ。
「あっ…あ、ああ…あああ…」
レイは陶然とした面持ちのまま、すっかり不規則となった吐息の中で頼りなくうめく。
レイは生まれて初めて性的絶頂を迎えたのであった。
とはいえそれはエクスタシーではなく、あくまで軽い絶頂感にすぎない。それでもレイは怒濤のごとき法悦に意識が飲み込まれ、ぽろりと一粒感涙をこぼしてしまう。恍惚となった素顔は首筋に至るまで真っ赤に火照り、だらしなく開いたままの口からはうわごとのようなうめきが繰り返し漏れるのみとなる。
気持ちよかった。本当に気持ちよかった。否、今もなお気持ちよくてならない。
クリトリスにキスされた瞬間、愛撫の心地良さが身体中すべてを埋め尽くし、意識が閃光に包まれたのをレイは覚えている。
それから数秒ほどは、気持ちいいという感覚とシンジのことしか考えられなかった。身体の窮屈さも、愛撫される恥ずかしさも、もちろん部屋の暑苦しさも忘れていた。
意識がはっきりとしてきた今でも、身体中は居心地の良いくすぐったさに包まれているし、ぴったりと抱き合ってキスしたいくらいにシンジのことばかり考えてしまう。
「…綾波…綾波ぃ…」
そんなレイの気持ちが伝わったかのように、シンジは彼女のクリトリスにキスしたまま、猫撫で声で名を呼んだ。両手にもなお一層の力を込め、逆さまにされているレイの身体を胸に強く抱き寄せる。
レイが軽く登り詰めたのがわかったから、ついつい愛おしくなったのだ。同時に、自らの愛撫で絶頂に導けたことも嬉しい。歓喜の気持ちに任せて、太ももから外側の柔肉から、そして膣口からと、いくつもいくつも優しくキスして回る。
「碇くん…碇くん、わたし…」
「…気持ちよくなれた?」
「うん、すごく…今もまだ気持ちいいの…」
「えへへ、よかった…ごめんね、窮屈にさせちゃって。いま元に戻してあげる」
「うん…あ、あの…ありがとう…」
内緒話するような声で言葉を交わしてから、シンジは丁寧にレイの身体を仰向けに戻した。折り畳んでいた掛け布団は、そのままレイの腰の下に置く。
自ずと弓なりの姿勢になったレイは一瞬戸惑ったものの、シンジの穏やかな素顔を見て素直に謝辞を述べた。口の周りが粘液でべちょべちょになっているのが、見ていてなんとなくおかしい。
「碇くん。口の周り、べちょべちょになってる」
「え?あ、あはは…っと、ティッシュは…まぁいいか」
レイにそう指摘されて、シンジは苦笑半分、右手の甲で口の周りを拭った。
手の甲で拭ったまではよかったものの、口の周りは予想以上に愛液まみれになっていたようで、今度は手の甲がべっとりと愛液まみれになってしまった。シンジは慌ててティッシュペーパーを探したが、手の届く範囲には見当たらないので、ひとまず自らの腰に拭い付けておく。汚いわけではないから、それほど気にはならない。
それでも、レイとしては気にせずにはいられなかった。腹這いで寄りかかってきたシンジを迎え入れつつ、気まずそうに表情を曇らせる。
「ごめんなさい、用意が悪くて」
「ううん、気にしないでよ。でもあれば便利だからさ、あとで一緒に買いに行こう?晩ごはんも買いがてら、ね」
「うん。碇くんは何を食べたいの」
「そうだなぁ…久しぶりにカツ丼なんか美味しそう。綾波もどう?」
「わたしは別のものがいいわ。肉、嫌いだもの」
「お肉だって美味しいのになぁ」
二人は仲睦まじくおしゃべりしながら、ぴったりと肌を重ねた。シンジはレイの肩を抱き、レイはシンジの背中を抱き寄せて、二人でぬくもりを分かち合う。
こうしてぬくもりを分かち合っていると、決しておしゃべり上手ではない二人でも、他愛もないおしゃべりが次々と出てくるから楽しい。シンジもレイも何気ない笑みを浮かべ、居心地の良い幸福感にじっくりと浸る。おしゃべりしている間も身体を擦り寄せたり、頬摺りしたり、なんとなくキスしたりとじゃれ合っていれば、二人の興奮は少しも冷めることがない。
特にレイは絶頂の心地良さを覚えたために、シンジよりも積極的にじゃれたがる。絶頂の余韻も程良く過ぎ去ったために、おしゃべりが途切れるたびにシンジにキスをせがんで甘えるのだ。
もちろんシンジも拒んだりはしない。ふんわりと唇を重ねてから、二人で照れくさそうに微笑み合い、イチャイチャと頬摺りする。そしてまたおしゃべりして、途切れたらキスして、照れくさそうに微笑んで。二人の仲睦まじさはとどまることを知らない。
それでも、いつまでもこうしてじゃれ合ってばかりもいられない。イチャイチャと時間を過ごすのは楽しいが、そのぶんシンジの愛欲も高まってゆくのである。
「ねえ、綾波…」
「あの、碇くん…」
頬摺りのさなかでシンジが呼びかけるのと、レイが呼びかけるのとは同時であった。
きょとんとなって見つめ合うと、謙虚な二人はそれぞれで先を譲り合う。シンジもレイも揃って謙虚な上に、同い年であるからこのままでは埒があかない。
そこで、まずはシンジから、そしてすぐにレイが言いかけた言葉を続けることにした。ひとまず真っ直ぐに見つめ合って、シンジはそっと深呼吸して気持ちを落ち着ける。
「…そろそろ、セックスしよっか…」
そうつぶやくなり、シンジは見る見るうちに顔面を真っ赤にしてゆく。
本当なら、頬摺りしながらささやきかけるつもりだったのだ。こうして見つめ合いながら切り出すことになるとは思っていなかっただけに、もう心の底から恥ずかしい。もっと早く切り出せばよかったと、今さらながらに後悔しきりとなる。
そんなシンジの恥じらいいっぱいの顔を見て、レイもまたほんのりと顔を赤らめた。すぐに言うと決めていたのに、一旦モジモジとうつむき、やがて遠慮がちな上目遣いとなってシンジを見つめる。
「あの…セックス、してみたい…」
レイは吐息に溶け込んでしまいそうな小さな声で、シンジにそうささやいた。ささやき終える前に、上目遣いの視線は気恥ずかしそうにそっぽを向いてしまう。
単なる偶然ではあったが、二人の想いは同じであったのだ。それでも以心伝心で気持ちが通い合ったようで、シンジもレイも嬉し恥ずかしくて相好が緩む。
「綾波…」
「碇くん…」
お互いに呼び合って、再び見つめ合えば、もうそれで欲しがりな気持ちはひとつになった。シンジもレイもわずかに小首を傾げると、お気に入りの角度で唇を重ねる。つづく。
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(updete 2004/06/25)