|
「…きょ、今日はなんだかすごくない?」
「んっ、う、うん…僕も、ちょっとびっくりしてる…」
予想以上の迫力に思わず息を呑み、アスカは小声で尋ねた。恐る恐る右手を伸ばし、そっと幹を握ると、シンジはその直接的な刺激に声を上擦らせて答える。
実際、シンジのペニスは普段以上にたくましく勃起していた。勃起するだけでなく、亀頭の先をカウパー線液で濡らしているほどである。
アスカはそのたくましい幹から亀頭からを右手でしきりに確かめながら、子細にシンジのペニスを眺め回してゆく。
ねっとりとカウパー線液に濡れている亀頭は、ツヤツヤのパンパンに膨張していて痛々しいほどだ。幹との境目となるくびれも大きくめりはりが出て、まさに矢尻のような形になっている。
幾重にも血管を巡らせている幹も、長く、太く、固く漲っており、反り返ろうとするのを押さえ込むにもそれなりの力を要する。アスカがペニスを水平に倒し、おもむろに離すと、ぺちんと音たててシンジの下腹部を叩いたくらいに漲りは強かった。
男臭さもぷんぷんと匂ってくる。汗蒸したような独特の匂いは、熱気とともにほこほことアスカの頬をくすぐってきた。不快ではないが、微妙に照れくさい。
「ホントに大っきい…ねえ、そんなにエッチしたいの…?」
「あ、アスカ、だめっ…!あんまりしごかないでっ…!!」
アスカはペニスをマイクのように持つと、そのかわいい唇を亀頭に寄せ、子犬か子猫に接するよう優しくささやきかけた。無色の粘液で潤っている鈴口を愛おしげに見つめたまま、やがてゆっくりとした手つきで幹をしごき始める。
アスカはシンジのペニスが好きだ。とはいえ別に淫らな意味でではなく、単に好感が持てるという意味である。
頼りないシンジに似合わず、彼のペニスは本当に雄々しい。全長にして十五、六センチほどにも勃起した姿は、シンジに厳しいアスカでも男らしいと惚れ惚れするくらいだ。
雄々しいながらも、実は物凄く繊細な面も有している。少ししごいたり、キスしたりするだけでも、その主であるシンジは頼りない声で鳴いてしまうのだ。ぴくんぴくん打ち震えてカウパー線液を滲ませる姿と合わせて、アスカはついつい意地悪したくなってしまう。もちろん、そのささやかな嗜虐心は愛情の裏返しであり、悪意なんぞは微塵も無い。
「ふふっ!ちょっとシコシコしてるだけなのに…ホントに敏感なんだからっ…」
「あ、ああっ…!」
アスカは愛おしさ余って、シンジの鈴口にキスした。その温かくて柔らかい感触にシンジが鳴いたときには、もうアスカの唇は亀頭から離れ、その隙間でカウパー線液の糸を引かせている。
「…男のくせに、女の子みたいな声出しちゃって」
「だ、だって…」
小さく舌なめずりして唇のぬめりを拭い、アスカは嬉々として笑った。シンジは気恥ずかしそうに視線を逸らし、自らのTシャツのすそに両手をかける。ひとまずTシャツを脱いでいる間は、アスカの視線から逃れられると思ったのだ。
アスカにキスされ、包皮を往復させるようにしごかれて、ペニスはなお強くいきり立って射精欲を募らせてくる。その不穏な気配すらも期待に満ちた快感となり、シンジは瞬く間に発情を深めていった。男の逸り水たるカウパー線液も愛撫に合わせて精製され、先端の鈴口から途切れることなく滲み出てくる。
その様子を熱心な眼差しで見つめながら、アスカはまるで赤ちゃんをあやすかのように相好を緩めた。
「ねえ、シンジ…一回目はどこに出したい?」
「え?」
ふとアスカは上目遣いとなり、コンビニへ昼食を買いに行くときのような気軽さでシンジに尋ねた。ちょうどTシャツを脱ぎ終えて、先に裸になったシンジはアスカを見つめ、きょとんとした面持ちで聞き直す。
「そろそろ限界なんでしょ?一回目はあんたの好きなところに出させてあげる。あ、で、でも、あんまりヘンなところはダメよっ!?」
何回目まで期待しているのかはわからないが、アスカは少し照れながらそう申し出た。もちろん、真顔で釘を差しておくことも忘れない。
「そ、そりゃあわかってるけど…で、でも、そんな…」
「バカね、男なら遠慮しないのっ」
アスカは楽しげにそう言うものの、別にシンジは遠慮しているわけではない。貴重な申し出は身震いしそうなくらいに嬉しいのだが、それを言葉にするのが恥ずかしいのだ。
そんなシンジの恥じらいに気付くことなく、アスカは丁寧に丁寧にペッティングを重ねてゆく。
好きこそ物の上手なりけれで、アスカのペッティングは実に巧みである。覚えたての頃は慣れない往復運動に右手が痛くなったものだが、今ではシンジ自身にも引けを取らないくらいリズミカルにペニスをしごけるようになっている。
「ほらほら、このまま手で終わっちゃってもいいの?もったいなくない?」
「もっ、もったいないよっ!わかったからストップ!ストップ…!!」
「そうそう、素直が一番!」
一週間ぶりの絶頂が見え隠れしてきたので、シンジは慌てて降参した。アスカは満足そうにうなづき、ペッティングの手をぴたりと止める。
恥じらいながらも、やはり手で果てるのはもったいない。せっかくアスカというかわいい女の子と一緒なのだから、女の子とでなければ果てられないところで果てたい。男心は、こういうときだけはやたらと正直だ。
とはいえ正直過ぎるのも時には困りものである。切羽詰まった状況で問いかけられたとはいえ、ついつい本音が口をついて出てしまった。アスカは少しも気にしてなどいないのだが、それでもシンジは後ろめたい気分になり、心中で一言詫びる。
「で…どこに出すのが好きなの?」
「うん…ちょ、ちょっと待ってよ!それは別に関係ないんだろっ!?」
「あはは、冗談冗談!」
後ろめたくなっていた矢先に戯れ言で不意打ちを食らい、シンジは赤くなってアスカを睨み付けた。また馬鹿正直に本音が口をついて出るところだったのだ。
そんなシンジの気も知らないで、アスカは肩をすくめながら楽しそうに笑う。
こうしてシンジをからかっている姿は、本当に幸せそうでかわいらしい。シンジにしてみればたまったものではないのだろうが、彼は間違いなく果報者である。
「じゃあ、あらためてしきり直しっ。好きとかどうかは関係なしで、どこに出したい?」
「え、えっと…その…」
アスカは期待に満ちた眼差しでシンジを見つめ、じっと彼の答えを待つ。
シンジは言い出しにくそうに言葉を詰まらせていたが、やがて覚悟を決め、まっすぐにアスカの瞳を見つめ返した。アスカに全幅の信頼を寄せ、気どりもてらいもすべて捨て去る。
「…さ、最初からアレだけど、アスカの中に出したい…って、ダメかな?」
シンジはあるがままの欲望をまるまるアスカにぶつけた。小声で付け加えるように問いかけたのは、最後まで残った彼の恥じらいによるものである。
とにかく、今はアスカとのセックスで果てたい。シンジの想いはひとつだった。
ささやかにではあるが、アスカとは今までに様々な行為を試してきている。できるものなら、そのすべての行為を片端からおさらいして果ててみたい。もちろん時間的にも体力的にも無理だから、ひとつに絞れといわれたらどうしても目移りしてしまう。
それでも、この一週間は本当に寂しい想いをしてきた。
会いたくて、会いたくて、何度もせつない溜息を吐き続けてきたから、シンジはどんな行為よりもまずアスカのぬくもりを切望してしまうのである。アスカと裸の身体を重ね、心ゆくまで交わり合って、深奥で愛欲を満たしたいと願ってしまうのだ。
その男心は、決してふしだらと蔑まれるものではない。寂しさに疲れ果てた心は、男女の別無く人のぬくもりを欲してしまうのである。シンジを蔑むことのできる人間などどこにもいない。
シンジの遠慮がちな言葉をすぐには理解できず、アスカは一瞬その目をきょとんとさせた。しかし、あらためてその意味を認識した途端、照れくさそうに頬を染めて相好を緩めた。ともすればだらしなく見えるほどに緩みきった美少女の素顔は、いっぺんに享受しきれない幸福感を持て余したためだ。
「いいわよ、もちろん!うふふっ、やだなぁもう…恥ずかしいんだけど、嬉しい…!」
「アスカ…」
アスカは二つ返事でシンジの願いを承諾した。嬉し恥ずかしい気持ちにまかせてはしゃぐアスカに、シンジもつられて目を細める。
アスカもシンジに求められて悪い気はしない。むしろ、特別な行為をねだられるよりはずっと嬉しかった。ワクワクとした期待感に胸も逸ってくる。
もちろん、よほどのことでないかぎりはシンジの要求に応えるつもりでいた。しかしアスカも人のぬくもりを恋しがっていたところだから、まさに以心伝心を感じたようで、いつも以上に感激してしまうのだ。ますますシンジが愛おしくなってしまう。
「あ、で、でもね、その代わり…もうちょっと心の準備させて…。セックスするんなら、もうちょっとエッチな女の子になってから…」
やおらはしゃぐのを止め、アスカは気恥ずかしそうな上目遣いでそう言った。
確かにセックスはしたいが、まだ身も心もそこまで高ぶってはいない。シンジはすっかり準備万端だが、自分たちはまだディープキスまでしか楽しんでいないのだ。
もちろん、シンジも慌てたり急かしたりするつもりはない。そっと首肯してアスカの気持ちに応じる。焦らされるような感は否めないが、これからじっくりと睦み合えば、そんな気持ちもたちまち霧散することだろう。
「…というわけで、もう少し我慢しててねっ」
アスカはシンジのペニスに言い聞かせると、もう一度その先端にキスした。それでようやっとペニスはアスカの右手から解放される。
射精の瞬間を目前にまでされたため、若々しいペニスは少しも勃起を緩めるそぶりがない。アスカの手から解放された途端、ペニスはたくましく反り返ってシンジのへそをぺちんと打ち据えた。それでシンジの胸には、ひとまずの安堵感が漂う。
アスカは先程同様小さな舌なめずりでカウパー線液を舐め取りつつ、清潔なシーツの敷かれた布団に仰向けで寝そべった。乳房は左手で覆い隠したまま、愛用の枕に預けた頭の位置を整えてシンジに微笑みかける。
「シンジも早くぅ」
「下、脱がなくていいの?」
「こっちで、シンジが脱がせて」
「はいはい…まったく、ホントにアスカって甘えんぼだよね」
「あんたと二人きりのときだけは、ね」
向かい合うように横臥して、二人は甘やかに睦言を交わす。
ちなみにアスカから見てシンジは右側。シンジから見てアスカは左側。初めてのときからずっと、これが二人の指定席だ。
二人は枕の上、まさに目と鼻の先で笑みを交わし、そっと目を伏せてキスした。そのまま互いの裸身を抱き寄せ合えば、極上のぬくもりがそれぞれの胸を和ませてくる。アスカもシンジも甘えるようにキスしながら、うっとりと鼻から恍惚の溜息を吐いた。
「…裸で抱き合うのって、ホントにいい気持ち…」
「それでキスしてると、もっともっといい気持ちだよね…」
「うん…裸でキスするのって、大好き…」
唇を触れ合わせたままアスカがささやくと、シンジもそれに同意しつつ、あごを突き出すようにしてさらにキスを重ねてゆく。アスカも枕の上でしきりに頭を動かし、お気に入りの重なり具合をまさぐって鼻息を荒げた。
こうして感動を声に出してしまうくらい、裸で交わす抱擁とキスは二人にとってかけがえのないスキンシップとなっている。
触れ合う肌の感触も。
寄り添って分かち合うぬくもりも。
唇がたわみ合う心地良さも。
胸いっぱいの照れくささも。
その何もかもが嬉しくてならない。ただこうしているだけでも幸せな気分になれる。
ふとシンジの左手がアスカの右手に触れ、そっとその手のひらをまさぐった。それを合図に、仲睦まじい二人は指を絡め合わせるように手をつなぐ。重なる指と指とがくすぐったい、いわゆるエッチつなぎだ。
二人は何度も握り合って、しばしくすぐったさと照れくささを楽しみ、そして想いを込めて強く握る。汗ばんだ手のひらの熱と、その確かな力からはさらなる安らぎを覚えることができた。
「アスカ…」
「んぅ…んっ、く、くすぐったぁい…」
じっくりとキスしながら、やがてシンジは右手でアスカの脇腹に触れた。緩やかにくびれたカーブに沿って撫でると、アスカは幸せそうに顔をほころばせる。くすぐったいが、不快ではない。むしろ、抱き寄せていた左手をシンジの右肩にかけ、彼が触れやすいように配慮するくらいだ。
シンジの右手は柔らかな脇腹から、背筋のまっすぐ通った背中へと進んでゆく。興奮の発汗が感じられながらも、アスカの背中はスベスベとしていて手触りがよい。
ひとしきり背中を撫で回すと、シンジは中指の先だけでアスカの肌に触れ、膏薬を伸ばすかのような手つきで愛撫を始めた。背骨に沿って撫で下ろし、わきの辺りの柔らかみを確かめ、あるいは脇腹に寄り道してからスピードを上げ、スパッツの上から尾てい骨の辺りの尻肉に触れる。
「ん、んふっ!ちょ、くすぐったいっ…だ、ダメッ!それ以上はダメッ!!」
そのどれもにアスカは身をさざめかせ、かわいく声を震わせた。尻肉のまろみに触れるとさすがに鋭く制止したが、それでもその声音は頼りなく上擦ったものであった。
シンジはそれを聞き逃すことなく、一旦右手をアスカの腰にかけた。親指でスパッツのウエストに触れながら、もう一度だけ合図のようにキスして一息つく。
「…脱ごっか」
「うん…」
優しく微笑みながら促すシンジに、瞳を潤ませたアスカはしおらしくうなづく。
そこでシンジは一旦エッチつなぎの手を解き、アスカを仰向けに寝かせた。自らは身を起こして膝立ちとなり、彼女の脚の間に進み入る。
促されるままM字開脚状態になると、アスカは思い出したように両手で乳房を隠しながらシンジを見た。潤んだ瞳は、わずかに不安の色を湛えて揺らめく。
「こ、こんな格好で脱がすの…?」
「うん…もう少し腰を浮かせてくれるかな」
「は、恥ずかしい…ちょ、ヘンなところ見ないでよっ?」
「…ホントにガードが堅いんだから。僕はアスカに言われたらちゃんと見せてるのに」
「あんたバカぁ?女心を男心と一緒にしないでよねっ!」
アスカは言われるままにM字開脚状態で腰を浮かせるが、やおら右手をスパッツとショーツの中に突っ込むと、女性の真央部分をしっかりと包み込んだ。乳房はやはり左手ひとつで精一杯覆い隠す。
シンジが苦笑しながら皮肉を言っても、アスカはどこ吹く風だ。それどころか不満げにシンジを睨みつけ、厳しい口調で叱責するほどである。いかにもアスカらしいから、シンジは今さら気にしたりしない。
あらためてシンジは膝立ちの腰を落とすと、アスカの右手の形を浮き上がらせている黒い布地を見ながら、スパッツのウエストに両手をかけた。爪を立てたりしないよう、ショーツごとウエストのゴムを握り込んでしまう。
「…まとめて脱がしちゃうね」
「い、いいから早くしなさいよっ!」
「わ、わかったよっ…」
恥じらって憤慨するアスカに急かされ、シンジは慌ててスパッツとショーツをずり下げた。アスカの形の良いヒップが露わになり、次いで恥部を覆っている右手も見えてくる。
とはいえ、あくまで右手が覆っているのは女性器の部分だけだ。その下の慎ましやかなすぼまりまでは隠し切れていない。
アスカの肛門を初めて目の当たりにして、シンジは思わず顔面を紅潮させた。その動揺を表に出さぬよう、シンジは努めて冷静を装う。
シンジはアスカと様々な行為を試してきているが、それでも口や舌を使った女性器への愛撫、いわゆるクンニリングスは経験がなかった。アスカが頑なに拒むのである。
アスカはペッティングはもちろん、フェラチオに対しても抵抗感を抱かない。むしろペニスを愛おしむよう、シンジ自身に対してよりもずっと優しく接してくれる。
シンジも恥ずかしいには恥ずかしいが、嫌だということはない。口で愛撫したくなってくる頃には、お互いすっかり気分も高ぶっているから大胆になれるのである。
にもかかわらず、アスカはシンジがへそより下にキスしようとするだけで恥じらい、それより先へ進むことを嫌がるのだ。やはり性器をシンジに見せてしまうのが恥ずかしくてならないのである。
それと同様の理由で、二人はセックスの体位も正常位以外に経験がなかった。
これは自由に抱き合ったり、キスしたりできる正常位が二人とも大好きだからということもあるが、動く立場のシンジとしては少々残念な気もしている。正常位以外の体位はミサトとのセックスで経験しているが、そのぶんアスカにも試してみて欲しいと思うのだ。
どうしても恥ずかしくて耐えられないというのなら、無理に求めはしない。ただ、チャレンジだけはしてみてほしかった。それでもし気に入ってもらえたなら、今よりも多くのバリエーションで睦み合えるのだから損はしないはずなのだ。
そんなことを考えながら、シンジはスパッツとショーツを丁寧に脱がしきった。脱がしたばかりで温かい下着を分けたりするのは失礼かと思うので、シンジはいつものように簡単に畳んで傍らに置く。
これで二人は生まれたての姿となった。しかもシンジはすでにアスカの脚の間に進み入っているため、それだけでお互いに真正面から裸身を晒す格好となる。
アスカは右手で股間、左手で乳房を覆い隠したM字開脚状態のまま、幾分不安げな眼差しとなってシンジを見つめた。両手で隠している以外はすっかり無防備となったことに、たまらない心許なさを覚えてしまうのだ。
「…も、もう?」
「ううん、もうちょっとアスカに甘えたいな…」
「あは、よかった…そうしてくれると、あたしも嬉しい…」
照れくさそうなやりとりひとつで、アスカの緊張はやんわりと和らぐ。
いつだってシンジは優しいのだ。ときには臆病として映る優しさも、今はたまらなく嬉しい。アスカは意識することなく、穏やかな心のままに笑みを浮かべてしまう。
アスカの笑顔を見て安心し、シンジは彼女の上に覆い被さるようにして四つん這いとなった。そのままシーツに両の肘を突き、平伏すようにして寄り添う。
それでアスカもシンジの視線を気にする必要が無くなったので、静かに両手での防御を解いた。役目を終えた両手はシンジの二の腕へと伸び、そっと触れる。
「アスカ…」
「うん…」
真正面から相対した二人は幸せそうに目を細め、やがてシンジからアスカにキスした。ささやかに唇どうしでついばみ合い、少しだけ舌を触れ合わせて、互いにセックスの期待感を高めてゆく。
アスカの鼻息が荒ぶってくるのを見計らい、シンジはキスを終えた。肘を突いた四つん這いの体勢でわずかに後ずさると、今度はアスカの首筋に唇を押し当てる。
そのキスは首筋だけにとどまらない。シンジはアスカの首筋から、ゆっくりと胸元に向かってキスを連発していった。しかもただキスするだけではなく、軽く吸い付き、ほんのり朱に染まった跡を舌先で舐め回してくすぐったりもする。
「ひゃうっ…!あ、ひ、んぅうっ…く、くすぐったい…!」
たちまちアスカはか細いよがり声を上げ、イヤイヤとかぶりを振った。鎖骨から胸元の膨らみにかけてキスを撃たれると、二の腕にはうっすらと鳥肌が立ち、線の細いあごも儚げにわななく。嫌いではないが、どうも身体へのキスは慣れない。
シンジはアスカのかわいいさえずりを聞きながら、その唇と舌をさらに忙しなく繰り出していった。キスしては舌先をくねらせ、またキスしては、今度は伸ばした舌全体で舐め上げ、またキスして。汚れのない少女の柔肌を楽しむどころか、アスカの身体中にキスの感触と唾液を擦り込むかのように愛撫を重ねてゆく。
「アスカ…ちょっとくすぐったいかも」
「え…な、何をする気よっ…?」
やおらシンジはそう断り、右手でアスカの左手をとって、水平に開かせた。
シンジがそう言うときは、決まってちょっとでは済まない。
そのことを身を以て、しかも過去に何度も経験済みであるから、アスカは少しきつめの口調でシンジを牽制した。とはいえ、その声は連発されたキスのためにすっかり上擦り、迫力のかけらもない。
シンジは臆する風もなくアスカの左手を押さえ込むと、大きく開かせたわきの下に鼻先を突っ込んだ。真っ赤になって動転したアスカが口を開くより先に、シンジは大きく舌をくねらせる。
「や、やだっ…!だ、だめ、そんなとこっ、汚いっ…んぁっ!ん、くっ…んんっ…!」
思いがけないシンジの愛撫に、アスカは枕の上で激しくかぶりを振り、切羽詰まった声で鳴き叫んだ。シンジの愛撫に嫌悪感を抱いたわけではなく、シンジに不快感を与えてしまうような気がして狼狽えたのだ。
シャワーを浴びたとはいえ、睦み合っている間にわきの下はじっとりと汗ばんでいる。わざわざ確かめなくとも、それなりに匂うであろうことは明白だった。
「ちょっとシンジ!ほ、ホントにやめてっ!わきの下なんて汚いわよっ…!」
「汚くなんかないよ…ちょっと汗ばんでるだけだし…」
「や、やだっ!においなんて嗅がないで…あっ、ああっ!んあっ!ん、く…んぅうっ!」
アスカが半ベソになって懇願するものの、シンジは意にも介さず、くんくんと鼻を鳴らしながら念入りに舌を這わせ続けた。アスカはあまりの恥ずかしさとくすぐったさに、すっかり涙声になって悶える。
わきの下でくねるシンジの舌は、驚くほどのくすぐったさを身体中に広げてきた。
その焦れったいような刺激が左の乳房にも伝わってきて、アスカは窮屈そうに背中を浮かせて身悶えする。なんだかそれだけで乳首がしこってしまいそうだった。わきの下なんかで性感を覚えてしまう自分自身が恥ずかしくて、アスカはその半ベソの顔を耳まで真っ赤にしてしまう。
一方でシンジは、アスカのかわいいよがり声に男心をさざめかせつつ、執拗に愛撫を続けた。空になったミルク皿を舐める子犬さながら、べろり、べろり、と伸びやかに舌を這わせて少女の汗を舐め取り続ける。
汗ばみやすいわきの下は女臭さも濃密であり、うかつに吸い込めばむせかえりそうなくらいである。控えめに息継ぎしていてなお、その甘ったるい匂いに当てられて、シンジの胸には狂おしいほどの愛欲がこみ上げてきた。
その愛欲に急かされるよう、シンジはアスカのわきから顔を上げ、さらにもう半歩ほど四つん這いで後ずさった。陶然となった視界には、アスカのふくよかな乳房が絶景となって映ってくる。シンジは思わず嬉しくなって、無邪気な笑みを浮かべた。
「ヘンタイ…」
ふと、アスカがつぶやく。
乳房を前にして相好を緩めていたシンジは、その笑顔を見咎められたような気がして、叱られた子どものように恐る恐るアスカを見た。少々強引にわきの下を舐めたりもしたから、なおのことばつが悪い。
湯上がりのように頬を染めたアスカは、すこぶる照れくさそうに目を細めていた。
見るからに発情しているアスカの顔は、かわいいというよりも、むしろ艶めかしい。持ち前の美少女ぶりは、普段とは違った色合いで彼女を魅惑的に演出している。
「ヘンタイ…シンジのヘンタイッ…」
アスカは繰り返してシンジを蔑みながらも、その表情は見る見るうちに嬉々としてきた。シンジはその愛くるしい火照り顔にはにかみつつ、再びアスカの眼前まで身を乗り出す。
「…ヘンタイっぽいことされて、かわいい声出してたのは誰なんだよっ」
「う、うるさいわねぇ…でも、女の子のわきの下なんて、普通舐める?信じられないっ」
「アスカだって、もっと大胆なところを舐めてくれるじゃないか…そのお返しだよっ」
「それとこれとは別!男はレディに対して、ずっと気を使わなきゃいけないものなのっ」
二人は仲睦まじくおしゃべりと笑顔を交わすと、強い恥じらいや極端な高ぶりをなだめるよう、一休みがてらキスしてじゃれ合った。
鼻息も荒くついばみ合ったり。
しきりに唇どうしで突っつき合ったり。
シンジが頭を上げ、アスカにパン食い競争よろしくあがかせたり。
最後にはふんわりと薄膜をたわませ合って、十秒ほども甘やかな密着を楽しんだ。アスカの鼻からは、幸せいっぱいといった猫撫で声が溜息とともに漏れ出る。
互いの吐息が落ち着いたところで、シンジからゆっくりと唇を離した。愛しげな眼差しでアスカを見つめると、彼女は青い瞳を潤ませ、甘美なキスの余韻でうっとりと相好を緩める。
「…エッチな女の子になっちゃった?」
「んぅ…まだ、胸…してもらってない…」
「やれやれ。もう十分エッチな女の子になってると思うけどなぁ…」
「あー、意地悪っ」
「冗談だよっ」
シンジは揶揄と笑顔と、もう一度だけ小さなキスをアスカに残し、あらためて彼女の乳房の前まで後ずさった。アスカはその額に右手を伸ばし、コツンとデコピンを見舞う。
額の痛みで思わず潤んだ視界を右手で擦りながら、シンジはあらためてアスカの乳房を眺めた。
お椀を伏せたような形で膨らんでいるアスカの乳房は、惚れ惚れするほどに美しい。何度も眺め、何度も揉みくちゃにしてきてなお飽きのこない素敵な乳房だ。
早速シンジはアスカの左の乳房に右手を伸ばし、アンダーバストから押し上げるようにして包み込んだ。その手のひらのぬくもりが心地良くて、アスカはそっと溜息を漏らす。
アスカの乳房は、シンジの手のひらにちょうど収まるサイズに膨らんでいる。真っ白な肌はきめが細かくてスベスベしていて、実に手触りが良い。汗ばんだ手のひらの湿り気と相まって、しっとりと吸い付いてしまいそうだ。
優しい手触りを楽しんだら、今度は揉み心地を楽しみたくなる。
シンジはワクワクと逸る気持ちで生唾を飲み込むと、ゆっくりと反時計回りに乳房を揉みこねた。押し上げては引き寄せ、押し上げては引き寄せ、穏やかなリズムで乳房の揉み心地を堪能する。
「うううっ…!あ、アスカの胸、いい気持ちっ…!」
「んふふっ…シンジったら、いつもそればっか」
「だって、ホントにいい気持ちなんだもん…」
シンジが感無量といった風に感激すると、アスカは苦笑しながら揶揄した。もちろん、あきれて小馬鹿にしているわけではない。むしろ無邪気なシンジが微笑ましくて、ますます愛おしくなってしまうくらいだ。
実際、シンジはアスカの胸を愛撫すると、大なり小なり同じ感想を口にする。
それくらい、アスカの乳房の揉み心地は素晴らしいものだった。
手触りは柔らかくて、揉み込めば指の間から逃げ出しそうなくらいであるのに、いざ思いのまま揉みくちゃにしようとすると絶妙な手応えが生じてくるのだ。こうして揉み転がしているだけでも、シンジの右手は歓喜で小躍りしそうなくらいに気持ちいい。
とはいえ、シンジが乳房の揉み心地を堪能しているだけでは、アスカはその単調な愛撫に物足りなくなってしまう。確かにくすぐったいにはくすぐったいが、そのうち慣れてくるものだ。
「ねえシンジ、あんたばっかり楽しんでないで、あたしにも…」
「あ、う、うん、ゴメン…」
「まったく、ホントにスケベなんだからっ。スケベで、なおかつヘンタイ」
「だ、だからゴメンって言ってるじゃないかぁ…」
アスカになじられて恐縮しきりとなり、顔を赤くしたシンジは一旦愛撫の手を止めて乳房を解放した。ほんのり桜色に染まった乳房は、アスカの呼吸に合わせて柔らかそうに揺れる。もちろん、仰向けでもだらしなく型くずれしたりしない。
シンジは中指の先で乳房の谷底に触れ、そこから左の乳房のカーブに沿って、滑らかに指を走らせた。胸の谷底からアンダーバストを通り、わきの近くまで繰り返し繰り返し指先でなぞられ、アスカはその焦れったい感触に唇を噛む。
「あっ…ん、んんっ…く、んぅう…し、シンジぃ…」
やがてその焦れったさに耐えきれなくなり、アスカはもどかしそうに呼びかけた。
その声に小さくうなづくと、次にシンジはアスカの胸元に右手のひらを当て、乳房のまろみを確かめるよう時計回りに撫でた。左の乳房だけでなく、右の乳房も同様に左手で丁寧に撫でる。
その手は乳房だけでなく、脇腹からあばらにかけても繰り返し繰り返し撫でさすった。ここでもやはり、左側、右側、また左側、と分け隔てなく愛撫を施す。
シンジの丹念なマッサージに、アスカの両の乳房はせつなく焦れてきた。
焦れるというよりも、その感覚はもはや疼きに近い。唇や舌でくすぐられた心地もぶり返してきて、アスカの呼吸は次第に早まり、吐息にはつらそうな鼻声が混ざってきた。
「ねえ…ねえ、シンジぃ…ちゃんと揉んで…」
「うん…」
そして、とうとうアスカはしおらしい声でおねだりした。青い瞳はかわいそうなくらいに潤み、これ以上焦らせばたちまちぐずってしまいそうな雰囲気を漂わせている。
シンジも、今度はちゃんと声に出して了承した。焦らした詫びの気持ちも込めて、半ベソのアスカにキスする。もちろんアスカは拒まない。
シンジは最初と同様右手を伸ばし、アンダーバストから押し上げるようにアスカの乳房を包み込んだ。そのまま指に力を込め、優しく搾り込む。
「はううんっ…!!」
その途端、焦れきった左の乳房から強烈な性感が奔り、アスカは美少女の顔をしかめてよがり鳴いた。そのしたたかな嬌声に、痛くしてしまったかとシンジも一瞬狼狽える。
しかしそれ以外は目立った反応がないので、シンジはあらためてアスカの乳房を揉みこねていった。やはり反時計回りに揉み転がし、募った焦燥をなだめて快感へと昇華させてゆく。
「んぅ、んぅ、んぅ…あ、い、いい…気持ちいい…」
先程シンジがじゃれついた手つきとそれほど変わらないにもかかわらず、アスカはたちまち吐息を弾ませ、上擦り声でよがった。かわいい唇を惚けたように開き、静かに目を伏せている様子からも、彼女が夢見心地を得ていることは一目瞭然である。
シンジは子細にアスカの反応を確かめながら、少しずつ右手の動きを速めていった。
優しく愛でるように揉み転がしていたのが、やがては愛欲による衝動を帯びて、ねちっこく揉みくちゃにしてゆく。アスカのかわいい乳房はシンジの掌の中、彼の思いのまま柔軟にたわんで形を変えた。
「あんっ!んぁ、あぅんっ!あっ、ああんっ…!シンジ、シンジぃ…!!」
「はぁ、はぁ、はぁ、はあっ…あっ…はふ、はふ、はふ…」
その嵐のような激しい愛撫に、アスカは枕の上でおとがいをそらして身悶えした。圧倒的な性感を持て余し、無我夢中となってシンジを連呼する。
シンジも心ゆくまでアスカの乳房を揉みしだき、いつしか呼吸を荒くしていたが、その呼び声でふと我に返った。やおら乳房を解放し、忙しなく息をつく。
これでしばらくは、右手は乳房の揉み心地を忘れないだろう。シンジはしっかりと余韻の残る右手で何度か虚空を握り、ほのかな充足感を覚えて相好を緩めた。
「今日は、なんかすごい…」
「んふふっ…」
憔悴の眼差しとなってアスカはつぶやき、照れくさそうに微笑んだ。その愛くるしい微笑につられ、シンジも右手の甲で鼻の頭の汗を拭い、そっとはにかむ。
キスしたいような衝動をぐっと堪えて、シンジは両手の肘をシーツの上に突いた。今度は左手で右の乳房を包み込み、まずはその手触りを指に馴染ませるよう優しく揉む。
激しい愛撫を施した左の乳房も、最後まで退屈させたりはしない。シンジはすっかり火照った少女の膨らみを愛おしげに見つめると、その慎ましやかな乳首を口に含んだ。
「あっ…!」
右の乳房だけでなく、左の乳房の先からもくすぐったいような快感が生じて、アスカは思わず黄色い声で鳴いた。にわかに股間が焦れてきて、浮かせている両脚はオタオタとシンジの腰を挟み込む。両の乳房からの性感が身体中に広がり、性器にも興奮の血潮が熱く巡ってきたのだ。
もちろん横になる前のディープキスでも、裸で抱擁とキスを交わしている間でも、身体中で覚える性的興奮のためにクリトリスは鈍く疼いていた。シンジのことをからかいはしたものの、アスカもディープキスだけでわずかに下着を濡らしていたのだ。
それでもセックスの期待感がいよいよ高まってくると、その疼きはクリトリスの自己主張よろしくせつない焦燥を強めてきた。もうマスターベーションでもかまわないと思ってしまうほど、アスカの気丈な意識は情欲に圧倒されてくる。
「し、シンジ、早くぅ…早く、胸…」
すっかり欲しがりになったアスカは、むずがるような声で愛撫をねだった。愛撫をねだりながらも、高ぶった身体はシンジを恋しがり、無意識に膣口を収縮させる。発情の生理現象である愛液の漏出も、もう堪えようがない。
シンジは乳首を口に含んだまま小さくうなずき、まずは左手で愛撫を始めた。
右の乳房を時計回りに、押し上げては引き寄せ、押し上げては引き寄せ、入念に揉み転がしてアスカを慰める。時折搾り込むように握ったり、あるいは優しく押しこねたりと、様々な手つきで膨らみ全体を愛でた。
「んぅ…あ、ふぅう…や、搾っちゃ…あ、そ、それ好き…んぅう…」
アスカはシンジからの変化に富んだ愛撫に、それぞれの声音で敏感によがる。中でもやはり時計回りに揉み転がしてもらうのが気持ちよくて、乳房がシンジの掌でたわむのに合わせ、さえずり混じりの吐息を漏らした。
とはいえ、シンジもそれだけで安心はしない。
シンジは一旦乳房を手の中から解放すると、耳たぶほどの柔らかさしかない小さな乳首を親指と中指で摘んだ。そのままゆっくりと左右にねじったり、周りじゅうから小刻みに挟んだり、中指の先で乳輪に沿って押し転がしたりと、まさにアスカの乳房をひとつの性感帯として扱う。
そして、シンジは口に含んでいる左の乳首も唇をすぼめて挟み込むと、舌先で突っついて挨拶し、母乳を欲張る乳飲み子さながらに吸い付き始めた。舌先でこまめに唾液を塗り込みつつ、元気いっぱいにむしゃぶりつく。
「ああんっ!い、いや、いやっ…んぁ、あっ、んぅうっ…!あうっ、あううっ…!!」
左右の乳首を同時に刺激され、アスカは枕の上で激しくかぶりを振って悶えた。
意識も乳首から生じる圧倒的な性感を持て余し、夢中で拒んでしまうほどだ。とはいえそれも一瞬で、あとは性感に中枢を灼かれるまま、狂おしくよがり鳴くのみとなる。
くすぐったい。我慢できないくらいにくすぐったい。
しかし、そのくすぐったさがたまらなく気持ちいい。
アスカは窮屈そうに背中を浮かせて身じろぎしながら、その二つの想いを困惑しきった意識の中で延々とループさせていた。あまりに強烈過ぎる高ぶりに、もうそれ以外に考えることができない。きつく閉ざされたまぶたからは随喜の涙まで滲み出てくる。
今日のアスカは、明らかに過敏であった。一週間分の寂寥で心を痛めたため、その反動で身体は欲しがりになってしまうのだ。睦み合いの悦びを享受できるだけ享受し、傷ついた心を慰めようと作用するのである。
「ああっ…あ…ん、んぅ…んぅうううっ…」
ふとアスカは左右の乳首に狂おしいほどのせつなさを感じ、半ベソの鼻声でうめいた。あれだけ激しくしていた身じろぎもぴたりと止め、ゾクゾクとその身を震わせる。
アスカの左右の乳首は、その高ぶりに反応して屹立したのだ。シンジの指の間で、そして唇の隙間で、耳たぶほどの柔らかさだった乳首は固くしこってその存在感を増す。
その感触に、シンジはたちまち愛おしさで胸の内圧を高めた。詰まる胸をなだめるようゆっくりと息継ぎしつつ、愛撫のペースを心持ち緩める。乳房は過敏を極めてしまったのだから、あまり激しくする必要はない。
左手は中指の先だけで、その屹立した乳首をいじった。指先で丁寧に押し倒し、そのまま指の腹を使ってゆったりと擦る。逃れるように乳首が起き上がると、また指先で押し倒して、緩慢ながらも間断なく愛撫を施す。
左の乳首も、シンジはこれ以上吸い付いたりせず、その健気な感触を楽しむのみとなる。唇をすぼめて甘噛みしたり、とがらせた舌先で押し転がしたり、あるいは起きあがりこぼしのように押し倒しては起こし、押し倒しては起こしと、のんびりとじゃれつくように刺激した。
「はぁ、はぁ、はぁ…んぅ、き、気持ちいい…気持ちいいよぅ…」
美少女の素顔を陶然とさせ、アスカは甘えんぼな声でつぶやいた。
青い瞳は感涙に潤み、今にもこぼれ落ちそうなくらいに揺らめいている。湯上がりのような顔の火照りも、今や耳どころか首筋から胸元まで広がっていた。そのために身体中も汗びっしょりである。
アスカは鼻にかかったさえずり混じりに息継ぎしつつ、じっとシンジの愛撫に浸った。
ツンツンに屹立した乳首はすっかり過敏を極めてしまったが、それにあわせてくれるシンジの優しさがたまらなく嬉しい。穏やかな愛撫のおかげで、乳房に生じる快感も無理なく享受することができる。
気持ちよかった。本当に気持ちよかった。乳房はもう気持ちよさでいっぱいで、なんだかふんわりと大きくなりそうな気分だ。
実際、この数ヶ月でアスカのバストのサイズは微妙に増えてきている。
思春期で育ち盛りということもあるが、これもシンジと睦み合っているおかげかと思うと、アスカは無性に嬉し恥ずかしくなった。思わず火照った頬に両手を当て、幸せいっぱいといった風にはにかむ。
満足そうなアスカの様子に、シンジはようやっと左の乳首から唇を離した。唾液にまみれてべちょべちょのアスカの乳首からは、それでほんわりと湯気が上がる。
シンジは息継ぎしながら、少し思い詰めたような表情でそれを見つめた。
「アスカ…」
「んぅ…?あ、んっ…んんんっ…!」
やおらシンジはせつなげに呼びかけると、そのまま何の断りもなく、アスカの右の乳首も唇に含んだ。指での愛撫の成果を確かめるよう、固くしこっている乳首を甘噛みすると、アスカはささやかにうめいて身震いする。
シンジは舌先で乳首のしこり、そして乳輪のぽつぽつした感触を丹念に舐め回して悦に入った。鼻息も荒くむしゃぶりつき、ちゅぱちゅぱ水音を立てて吸い付くと、勃起しきりのペニスはなおたくましく漲ってカウパー線液を滲ませる。とめどなく精製されてくる男の逸り水は先程からゆっくりと滴り落ち、アスカのへそに粘液溜まりを作っているほどだ。
「あっ…ん、くっ…!し、シンジッ、やだ…そんな、いっぱい吸わないで…!」
アスカは再び顔をしかめ、上擦りきった声でそううめく。
左の乳首以上にねちっこいむしゃぶりつきは、やがてアスカの意識に心地良い浮揚感を覚えさせてきた。乳房をいっぱいに満たしていた快感が、身体中のすみずみにまで溶けて拡がってくる。
それに追随してクリトリスが疼き、膣口が引きつるように収縮を繰り返し始めた。M字に開いた両脚のつま先も、ぴくんぴくんと打ち震えてくる。
アスカは圧倒的な快感に追い詰められるような心地となり、枕の上でイヤイヤとかぶりを振った。本日最初の絶頂を予感して、線の細いあごも儚げにわななく。
「し、シンジ、シンジぃ…あ、あたし、あたし…い、イキそっ…イキそうっ…!!」
アスカが、シンジ以外の誰にも聞かせたくない弱音を吐いた、そのとき。
「…ぷぁ…はあっ、はあっ、はあっ…」
「あ…ん、んぅう…んふ、んふ、んふ…」
シンジは乳首に吸い付いたまま乳房を引き上げ、やおら引力に任せて解放した。突然放された乳房は一瞬だけ弾み、皿に移したプリンのように柔らかく揺れる。
これでまた、アスカのふたつの乳房はシンジによってむしゃぶり尽くされてしまった。
左右の乳首は愛撫の虜となって血色を増し、唾液にまみれたまま健気に屹立し続ける。乳房自体も熱く火照り、アスカの忙しない呼吸に合わせてゆったりと揺れた。
シンジはその様子を見つめ、喉を鳴らして生唾を飲み込む。
今の数分だけは、愛欲よりも独占欲が勝っていた。そして男心に急かされるまま、シンジはその独占欲を存分に満たした。唾液まみれになっている二つの乳首を見るだけでも、シンジのペニスは痛いくらいに漲ってくる。
「アスカ…」
シンジは深々と感嘆の溜息を吐くと、身を乗り出してアスカに寄り添い、甘えかかるように頬摺りした。アスカは不満そうに口元をとがらせながらも、しおらしくそれに応じる。
「…満足できた?」
「うん…」
「あたしは満足し損ねちゃったんだけど」
「ゴメン…」
「ゴメンじゃないわよっ!ひとりだけ満足そうな声出して、このバカシンジッ…!」
「いたたたたっ!あ、アスカ、引っ張らないでっ!痛い!痛いっ!!」
二人はくすぐったそうに頬摺りしたり、仲睦まじくじゃれ合ったりして、過剰に高ぶった気分を和らげる。それでシンジもアスカに対する愛おしさがぶり返してくるし、アスカもシンジの身勝手を責める気持ちが失せていった。
二人はイチャイチャと頬摺りを重ね、やがて代わりばんこで横顔にキスして愛欲を再燃焼させてゆく。その間、珍しく余計なおしゃべりはなし。その代わりに、シンジもアスカも楽しげに互いの名前を呼び合った。
「アスカッ…」
「んふっ…シンジッ…」
「ふふっ…アスカッ…」
「あんっ…シンジッ…」
名前を呼びながら頬にキスして。
今度は名前を呼ばれながらキスされて。
そして、嬉し恥ずかしい気持ちのままに頬摺りし合って。
「…さすがに、もうエッチな女の子になっちゃったろ」
「うん…あ、あんたのせいなんだからねっ、こんなエッチになっちゃったの…」
ふと目があったのをきっかけに、シンジは甘やかなじゃれ合いを止めて顔を上げた。シンジの問いかけに、アスカは居丈高に振る舞いながらもすこぶる照れくさそうな面持ちとなる。
そのとびきりかわいいはにかみ顔に、シンジは居ても立ってもいられなくなった。初恋や一目惚れの感動よりも強烈に男心を揺さぶられ、思わず吐息が震える。
「アスカ…もう待てないっ」
「ふふっ、あたしも待てないっ…」
求愛の想いを精一杯の言葉にすると、二人は先を争うようにキスした。モジモジと忙しなく薄膜をたわませ合い、欲張って舌も絡める。つづく。
ご意見・ご感想はこちらまで
(updete 2004/03/06)