オリジナル

■嘆くなり我が夜のファンタジー■

Another step4.「駒沢智秋」

作・大場愁一郎さま

ジャンル:X指定


視線四 午後十時四十五分 駒沢智秋の場合

 

「…あ、ああっ!あああっっ!!」

…イッちゃったよぅ…。クソーッ!!あのNSXタイプSゼロ、ぜーったいおかしい

!コンピューターにあるまじき違法改造車よ!なんでウチのGT−Rが勝てないの!

 はあっ、はあっ、はあっ…マズイマズイ、機械相手にナニをエキサイトしてんのか

しら?落ち着け落ち着け、クールダウンクールダウン…。

 あれ?あ、ゴメンねぇ、みっともないトコ見せちゃって!いや〜、グランツーリス

モは楽しいわねぇ!したことあるぅ?

…顔がひきつってる?そりゃそうよ!チューンドカー世界一にエントリーしてるあの

NSX、どうあがいても勝てないんだもん!ムカつく領域越えちゃってもう逆ギレ状

態!ホントはプレステ自体投げつけてやろうかって思ったんだけど、ギリギリの理性

が右手を引き留めて電源を落とすだけで済んだの。ふぅ、ちょっと一休みしよーっ

と。

 あたし?あたしは駒沢智秋。高校三年生よ。今ね、眠くなるまでプレステやってた

の。サターンとかロクヨンとかスーファミ、ファミコン、パソコンなんかもあるんだ

けど…さっきのとおりで、まだ完全攻略してなかったグランツーリスモやってたん

だ。へへ、結局ダメだったんだけどね。

 受験勉強?あのねぇ、その気遣いは嬉しいんだけど、なんか大学行かない人はダメ

だって言いたそうね?あたしはね、地方公務員採用試験に合格してんの!来年度から

は町役場のおねーさんってわけ。だからこうやってノンビリとゲームやってられるっ

てわけよ。ま、ノンビリゲームやってるのは今に始まったわけじゃないんだけど?

 しかし高校入ってからは毎晩ゲームやってたんじゃないかな?おもしろそうな新作

が出ると聞いたらバイトしてまで買ってたし、同じクラスの友達、それも男子にも

ゲームコネクション作って貸し借りやってたもんな。あたしもよくやるよねぇ。

 あ、かといってゲームにばかりお金使ってたわけじゃあもちろんないわよ?洋服

買ったり、流行のクツ買ったり、ニューモデルの口紅、コロン。夏は海にも行ったっ

け。ははは、なんやかんやで高校生活、満喫してきてるね!たくさん勉強したし(受

験組にはイヤミかな?)、それ以上にたくさん遊んだ。あう〜、今さらながら学生の

ありがたみがわかった。来年度から切り替えができるか不安だなぁ…。

 たくさん遊びはしたけど…いや、確かに満足してるし、その時間自体は後悔してな

いよ?だけど…男子と恋愛したことってなかったなぁ…。手っ取り早い遊びに夢中

で、恋愛なんて後回しにしてたからなぁ。

 夏に海に行ったってのも親しい女友達となんだよね。素敵な異性と二人きりで、胸

トキメク甘い時間を過ごした…なんてのはゲームの中でだけ。しかもそのゲームの中

では自分は決まって男の子。いくら話題の恋愛シミュレーションでも同性と仲良くな

るのはどうにもおもしろくない。

「あ〜あ、なんか今さらながら寂しくなってきたなぁ。振り返ってみれば…男子とは

たくさん仲良くなれたけど、恋愛とは無縁の仲良しなんだもんなぁ…」

 仲のいい男子ってのはさっきも言ったけどゲームの貸し借り?それとたわいもない

おしゃべり友達だ。学校では女子とも男子ともタイクツはしないケド…彼氏らしい男

子がいないって事実は…ううっ、やっぱり寂しい!周りを見ればあの娘もこの娘も彼

氏がいるんだもんね、あ〜あ、いいよなぁ…。

「気にしてるヤツはいるんだけど…」

 そう、あたしだって気にしてるヤツはいる。そいつの名前は…あれ?今なんて言っ

たの?へえ、よくわかったね。そ、大場愁一郎。あたしの隣の席に座ってる、サッ

カー部の男の子だ。なんで知ってんの?まぁ…いいけどね。

 ただでさえもクラスのムードメーカー(トラブルメーカー?)なのに、あたしの席

の隣に座ってんの。だから一番おしゃべりの頻度が高い男子なんだ。大場くんもけっ

こうゲーム好きでさ、話も合うし、貸し借りだってよくやったんだよね。ファミコン

のソフト、なんでか知んないけどたくさん持ってて…貸してもらった時は嬉しかった

なぁ…。

…じゃなくってねっ!ダメだなぁ…なんでゲームの話になっちゃうの?せっかく浮い

た話に持っていこうとしてたのに…。これはロマンスの神様があたしに知らんぷりし

てるのかもしんない。クソ、意地でもこっち向かせてやるっ!

 確かに一番おしゃべりしてた男子なんだよね…。実は一年生のときも同じクラス

だったんだ。しかも隣どうしになったこともある。だからね、三年になって席配置見

たとき二人して、また隣なんて珍しいね〜、なんて感じで始業式終わってから二時間

近くもおしゃべりしてたんだから!大場くんもおしゃべり好きだし、また上手いん

だ。

 でもね…あたし、大場くんにはひとつだけやめてほしいことがあるの。

 それはねぇ、あたしのここ。あたしのここを見て『デコオンナ』なんて言うのよ!

まぁ顔を見れば悪意があって言ってるんじゃないの、わかるんだけど…。

 初めてそう言われたのも一年生のときだ。二週間ほども経ってよそよそしさが無く

なった途端にああだもんなぁ。

 それにあたしの趣味でもあるヘアバンドを悪く言うんだよね。曰く、デコ広いくせ

にヘアバンドで持ち上げてっからもっと広くなるんだよ、だって。確かにそうかもし

んないけどさぁ…。あたしってそんなにオデコ、広いかなぁ…?

 なんとなくパブミラーを覗いてみる。オデコもヘアバンドもそんなにヘンかなぁ…

?それなりにカワイイと思ってるんだけど…。

『もしかして…大場くん、わざとイジワルしてそう言ってんのかも。』

 はは、ちょっと思い込みが激しいな。でも…もしそうだとしたら…やっぱり嬉しい

な。あ、なに赤くなってんだろ。鏡見るのやめよう…。

「でも…もし今さら告白したとして…大場くん、本気にしてくれるかな?その前にあ

たし、本当に大場くんのコト好きなのかな?ただ恋をしてみたいだけってんじゃない

の?」

 やだな、情緒不安定になってきた…。自分だけ彼氏がいないみたいで、なんか焦っ

ちゃう…ええい、落ち着け落ち着け…クールダウンクールダウン…。

(駒沢、今までイジワル言ってごめんな…?)

…ちょっと、やだぁ…あたし、ナニを妄想してんのよ?

(ホントはオレ…駒沢のこと、好きなんだ!急にこんなこと言っても信じてくんない

とは思うけど…その、告白するのが不安だったからわざと気を引くようにあんなこと

言ってたんだ。本気で嫌われたらどうしようって…悩んでたんだけど…)

 あたしおかしい…。こんな時になんでこんな想像しちゃうの?ちょっと彼氏ができ

なかったなぁ、なんて振り返ってみただけじゃない!なのになんで?あたし、本当に

大場くんから離れられなくなっちゃいそう…。

「おしゃべりしたいな…」

 電話しようかな…。でももう十一時になろうとしてる。それに大場くん、今日は居

眠りばっかしてたし…。必死で受験勉強してるのかもしれないのに、就職組のあたし

が電話してきたら迷惑だよね。それに、あ、アレじゃん、どうせ明日会えるんだ

し…。

 ううん…。もう明日まで待ってらんない。今すぐ会っておしゃべりしたい。でも時

間が時間だし…ああん、もう、どうしてこんなにもどかしいの?

(駒沢、オデコに…キスしていいか?)

 ダメだってば…妄想やめなきゃ…でも、き、キスだなんて…オデコに?

 そっと中指でオデコをなぞってみたりして…うう、こんなトコにキスされたらあた

し、真っ赤になって倒れちゃうかも。うひゃあ、顔が熱い!胸も苦しくなってくる…

「あ…すごいドキドキしてる…。」

 パジャマの上から左胸に手のひらを当ててみた。ちょうど胸の膨らみの下あたり?

そっと胸を持ち上げて押し当てると…ドキドキがメチャクチャ早い。あたし…大場く

んのこと考えててこんなになってる…。

「本気で…恋しちゃったのかな?いや、もうとっくの昔に恋しちゃってた?」

 そのまま…そのまま左の胸を揉んじゃう…。大場くんにこうされたい…。本当に…

オデコにキスしてもらいたい…。友情よりも愛情を育みたいな…って、ゲームのやり

すぎ?

 でも、この気持ち…自分でもわかんない。大場くんに…すごい憧れちゃってる。

「いけない…こんな一時のリビドーで恋した気分になっちゃ…大場くんにも迷惑…」

 そう。ただ単にエッチしたいだけの…一過性のモノかもしれない。長い間オナニー

してないから性欲が募ってるだけなのかも。

 でも…この前寝起きでぼけっとしたままオナニーしたの…あれって夢の中に大場く

んが出てきたからじゃなかったっけ!?

「夢の中で…ずっとキスしてたんだよね…意味もなくずうっと…」

 そんな夢見てて…寝ぼけ半分のまま、毛布の中でおしり出して…無我夢中でオナ

ニーしちゃったんだ。すっごい高ぶって、すっごいよかったの…今も覚えてる。

 やっぱりあたし、求めてる。カラダなのか心なのかはわかんないけど…どうやらあ

たし、大場くんを求めてる。じゃなきゃ…あん、こんなふうに胸、敏感になったりし

ない。

 そっとパジャマの上着を脱ぐ。あたし、寝るときはノーブラなんだ。だからもう直

接触れるんだけど…あたしの胸って男子からみたらどんなモンなのかな?

 友達で言えば…例えば雅美とかみさきとか?あれくらいなら女のあたしが見ても大

きいなって思うし…涼子とかユッカは小さいほうだと思う。あたしも入れた五人な

ら、あたしが一番平均的なバストじゃないかな?色も白くてぽちゃぽちゃで…あ、揉

んでたらうっすら赤くなってきちゃった。興奮してんのかな、乳首もとがってきて

る…。

「大場くん…あたしのカラダ、興味ないのかな…?浮いた話なんてしたこともな

い…」

 少しぐらいは興味持ってほしいな。あたしだって…大場くんのカラダ、興味あるも

ん。見て、触って…その、まぁくわえたりはしないけど…セックス…してみたいか

なー、なんて…ね?

 両手でモミモミしてるうち、あたし…息があがってきちゃった。大場くんに揉まれ

てるのをイメージしただけで…あん、どんどん胸、気持ちよくなってくる…。

「大場くん…ゲームの話ばっかりじゃなくって…たまにはこんなこともしよう

よぉ…」

 素直な言葉が出ちゃう。欲望に忠実なのは…まぁしょっちゅうってのはイケナイけ

ど、きっといいことだろう。ストレス溜めてもいいことなんてないし。したいときに

は素直にする。あ、なんかすごいの来そう…。今夜はこのまま…しちゃおう…。

(駒沢って…すごいぷにゃぷにゃなんだね…)

「智秋って、名前で呼んでみて。今だけは…」

(ちあき…すごいかわいいよ。オデコだってチャームポイントだよ?)

「で、でまかせ言ったってサービス…しないんだからぁ…」

(んなコト言ってて、ちあきの方が感じてんじゃない?)

 イメージの中の大場くんとなにげないおしゃべりを交わす。大場くんならだいたい

こんなコト、言うんじゃないかな…?

 でもあたし…もうすっごい感じてる。自分でおっぱい揉みながら…もうショーツの

中、ぐちゅってなってる。ヘタしたらパジャマも汚しちゃうかもしんない。タイミン

グの悪いことにパジャマは今日新しいのに着替えたばかりだ。今日着替えて明日また

新しいのって言ったらおかぁさん怪しむだろうしなぁ。早めに脱いじゃおっと!

 する、とズボンを脱ぎ捨てちゃう。これであたし、ショーツ一枚の格好だ。意外と

スタイルいいと思わない?足だって細いでしょ?ウエストだってきゅって引き締まっ

てるし…スタイルとは違うけど、髪だって長くてキレイでしょ?これでオデコが

なぁ…ま、それほど気にはしてないけど?そもそもデコオンナなんて言うの大場くん

だけだしね。

 だけってことは…やっぱり好意の裏返し?その気、あるのかな?だったらいいな…

少しでも恋愛の対象として見ててくれたら嬉しいんだけど…。

「大場くん…ね、ショーツ脱がせて…。もう濡れてるのよ?」

 そう言いながら立ち上がり、自分でショーツを脱ぐ。わちゃあ、太ももに流れちゃ

うくらいたまってる!ちょっと妄想しただけでこんなになるんだもんな、よっぽどし

たかったんだね。スケベだなぁ…。

 真ん中がすっかり染みちゃってるショーツをどことはなしに放ると、あたしはもう

丸裸で佇んでしまった。右手を足の間に…アソコの中に滑り込ませる。

「あ、ん…熱くなってる…。あ、クリトリス…すごい敏感…っ!」

 なんかおかしいほど感じる…っ!こんなに濡れたことってないよ?あたし…想像だ

けで受け入れ態勢オッケーになっちゃってる。大場くんの…入れても大丈夫になって

る。

 そっと小指を差し込んでみた。あたしモチロンしたことないんだけど…タンポン

使ってるからかな、簡単に第二関節まで入っちゃう…。中って狭くてごつごつして

る。こんなとこグリグリ擦られたら…うわ、奥からまだ出てくる…!

「はあっ…バカみたい…。」

 テレビの画面に映ってる…。もちろんパブミラーにも映ってる…。甘えた顔でおっ

ぱい揉みながら…アソコに小指を入れてちゅぽちゅぽやってるあたし…なんてカッコ

悪いんだろう。情けないよね、恋愛のひとつもしないでゲームばかりにうつつぬかし

てたくせに…思い立ったように欲情してオナニーしちゃうなんて。

「大場くん…大場くん…あ、もっとして、ひ、ああっ!ひっかかって…!」

 どこまで立ってられるかな…?あたしもう…膝まで伝ってってる。ホントにどうか

しちゃったみたいに濡れてくる。エッチな匂いがもう自分でもわかるくらいにプンプ

ンしてる。部屋中にあたしの匂いが…フェロモンってゆうのかな?満ちてるみた

い…。

「今大場くんがあたしの部屋に入ったら…エッチな気分になってくれるかな?」

…ううん、デコオンナが何やってんだよ!なんて言って…きっとあきれると思う。あ

たし達…やっぱり友情程度でしか結ばれてないんだろぉね。

 でも…きっとあたし…好きになっちゃうよ?このままオナニー続けたら…大場くん

なしじゃいらんなくなる。それに…アソコはもう完全にキてる。小指をきゅうきゅう

締め付けて…クリトリスもイキそうなのか、ちっちゃくなってる…。

「もうガマンできないっ!もっとおっきいので…感じたい…!」

 どうしようもない性欲に駆られたあたしはアソコから小指を引き抜くと…足下に転

がってたプレステのコントローラーをひっつかんでベッドに上がった。毛布を縦にグ

ルグル巻きにして、その上にまたがる。大場くんをまたいでる感じで、すっごいドキ

ドキしてくる。あっ、こうしてるだけで…アソコから、いま、びゅって出ちゃっ

た…。

(ちょっと待て!デコオンナ、お前好きだからってそこまでするか?おかしいぞ!

?)

「おかしくしたの…大場くんだよ!好き…!大場くん、好きなのっ!」

 覆い被さって…毛布にキスする。妄想の中では大場くん…困った顔しながらもキス

に応じてくれる。そっと舌を出して…ディープキスをイメージ。もう膝なんか毛布を

はさんでモジモジしどおしだ。もちろん毛布はベトベトになっちゃう。パジャマより

も言い訳が難しくなるなぁ…。

「大場くん…嬉しいよ…。優しいキス…」

(駒沢…こんなキスでいいんなら一晩中でも…)

「だから智秋って呼んでよぉ…それにキスだけなんてイヤ!」

(そ、そっか…。ちあき…!じゃあオレ、本気でするぞっ!?)

「待って、その前に…大場くんの…!」

 丸めた毛布に腰を擦り寄せながら…右手でプレステのコントローラーを構える。プ

レステのコントローラーって…なんかそれらしいカタチしてるでしょ(だ、男子のは

実物を見たことないんだけどね、ほ、ホントだよっ!?)?その左手側のほうに…

そっとキスをして…ほおばる。

 あたし、今すごい変なことしてる。ハダカで毛布にまたがって…プレステのコント

ローラーくわえてる。モグモグと唇と舌を動かして…イメージの中の大場くんを気持

ちよくしようと必死になってる。変な味は汗の味かな?ちゅばっと解放して、先端か

ら途中からを犬みたいにペロペロ舐めあげる。

「大場くん…気持ちいい?あたしに頬張られて…ペロペロされて…気持ちいい?」

(あ、ち、ちあき…こんなことまでしてくれて…オレも嬉しいよ…!)

 こう言って喜んでくれるといいな…。あたし、すごい顔が熱い。もうすっかり妄想

の虜になっちゃったみたいで…プレステのコントローラー舐めてるだけで、アソコ、

もう待ちきれなくなっちゃった…!入れたいっ!

「お、大場くん…もういいよね、セックスしよ…?」

(ち、ちあき…こうなれるなんて…すっげえ嬉しい…!)

 喜ぶ大場くんを…充血してはみ出てる肉の奥へ導いて、もうびちょびちょのアソコ

に当てる。待ちきれないんだけど…ちょっと大きすぎるかな…?でも、これくらいし

ないと大場くん、感じられないもんっ!

「大場くん、ひとつになろ…」

(ちあきっ…!)

ぎゅ、にゅつ、ぷっ!

「ひいっ!い、痛いっ!!やっちゃった…!?」

 やっぱり大きすぎた!入ったけど…入り口のとこ、メチャクチャ痛い!あああ…破

けちゃったかも。いや…絶対破けてる。

 オナニーで…しかもプレステのコントローラーでロストヴァージンだなんて…あた

しらしいっていえばあたしらしいけど、最低…。痛いのと悲しいのとで涙出てき

た…。

「破けちゃった…大場くん…ごめんね、あたし、破いちゃったよう…」

(そんなコト、オレ、気にしないよ!ちあきはちあきじゃんかっ!)

「いいの…?」

(オレを思ってしたんだろ?嬉しいよ…!)

 妄想の中で必死に言い訳してる。自分で言わせた大場くんのセリフがすっごく嬉し

かったから…あたし、もっとコントローラーを押し込んだ。

「…あれ、もしかしたら…破けてない?痛いの一瞬だけだったな…。」

 奥に行けば行くほど太くなってるんだけど…うわ、方向キーの近くまでずっぽり

入っちゃった。それにあの鋭い痛みは一瞬だけだったし…もしかしてヴァージン、首

の皮一枚で精一杯拡がってくれてるの?

「大場くん…大丈夫みたいだから…動いてみて!お、おっぱいも揉んでっ!」

 安心したのか…あたし、積極性を取り戻しちゃった。左手で胸をぎゅうぎゅう揉み

ながら、コントローラーをグリグリ抜き差ししてみた。そ、そんなに長くないから奥

まで感じないけど…なにしろ太いからっ…あ、あっ…内側から膨らんでっちゃうよう

な感じ…!これってすごい気持ちいいっ!!

「感じる…感じるっ!!大場く、大場くんっ!!」

 好き、本気で好き、大好きっ!夢中になっちゃったあたしは膝をモジモジさせっぱ

なし。大場くんが下から突き上げてくれてるようにコントローラーを乱暴に抜き差し

した。コントローラー…新しいの買わないとダメかも。コントローラーも、つかんで

る右手もヌルヌルのベトベトだ。

 火照った頬が熱い…。あたし、すごい媚びた顔してるんじゃないかな。他の部屋に

まで聞こえそうな声をあげながら…毛布にキスしてよだれでべとべとにしちゃう。

「やっぱり好き…友達だけなんて…便利な友達なんて関係じゃイヤッ!!」

 大場くんを独り占めしたい…。あたしだけを見ていてほしい。

 そりゃああたし、雅美やユッカみたくおしとやかじゃないよ?みさきや涼子みたい

に運動も得意じゃない。でも…あたしにはあたしの魅力ってのがあると思うんだ。

お、オデコだってそのひとつだって…信じたい。

「大場くん、オデコにキスして…。ちゅうして…。」

 消えちゃいそうな声しか出せないっ…。気持ちよくって…イキそうでっ…!たまん

なくってオデコを毛布にゴシゴシ擦り付けた。もうあたし、右手動かさないで腰を

振ってる。プレステのコントローラーに乗っかるように、とすんとすん腰を振って

る。意識してやってるわけじゃないよ?アソコからは…ぢゅ、にちゅぷって言いなが

らラブジュースが溢れ出てきて…毛布の上はもう洪水だ。

「あたし、エッチだよね?ここまでエッチだったなんて…。で、でも今だけなんだか

んね?ここまでエッチなの、特別…。いつもはこんなんじゃないんだかんねっ!」

 自分に言い聞かせるようにしながら…夢中で腰を振る。明日…大場くんの顔、直視

できない。どうしたんだよデコオンナ、って覗き込まれたら…あたし、思い出して

真っ赤になっちゃうと思う。

 左手で少しラブジュースをすくってみて…ぼおっとしたまま口に含む。あたしのっ

てほとんど無色なんだ。今夜はなんか量がものすごいけど…う、変に甘酸っぱい…。

「大場くんの…精液っておいしいのかな…?ふぇ、フェラチオなんて…実際はできる

かな?は、恥ずかしくって絶対できないと思う…」

 そんな専門用語まで知ってるなんてホントスケベだ。間近に見ることだって恥ずか

しくってならないだろうに、な、舐めたりくわえたりなんて…想像ならできたけど、

実際だと、ぜ、絶対…あ、ああっ!そ、そんなこと考えてたら急に…っ!!あ、す、

すごい!すごいの来るっ!やだ、怖いっ!!

「あ、イキそっ、お、大場くん!怖いっ!あたし、あたし死んじゃう!やだ、こんな

の初めて…や、あ、あっ!すごいの来るようっっ!!」

 腰のガクガクがすごい。コントローラーの入ってるアソコ、短い間隔でヒククッヒ

ククッって動いてるの、ハッキリわかる。あたし、もう頭の中が真っ白で…よだれも

垂れ流しになってるの、気付いてない。

「い、イクッ!イクッ!!イッちゃうっ!あ、ひ、ひいっ、ひいいっ!助けて、お、

おおばくんっ…あ、あああああっ!あああっっ!あ、ひっ…!!」

ビックン!!ぎゅ、ぎゅう…

…か、はぁ…あ、あっ…はあ…はああ…んくっ…ん…

…すごい、これがイキッぱなしって状態なんだ…まだまだイッてる、まるでアソコ、

コントローラーと一緒に溶けちゃったみたいに熱い。

 うわ、やだ、あたし…コントローラーに乗っかって栓してるみたいで…その中で

びゅうっびゅうって、しお噴いてる…。ぷちゅぶちゅ漏れ出てくるよ…。

 こんなすごいイキ方初めて…。毛布の上にすがりつくようにぐったりしちゃう。

「おおばくん…信じらんない…」

 すごいな…いつまであたし、イッたままなんだろう?あの怖いほどの気持ちよさが

いつまでも維持したまま…。恥ずかしい…ラブジュースでお漏らししたみたい…。

「はあっ…はあ…おおば、くん…気持ち、よかった…?」

 あたし、大場くんに具合を聞いてみた。できればこう言ってもらいたいな。

(ああ…すごいよかった…。イクときの顔も声も…最高に素敵だったよ…。)

「…嬉しい。ね、あたし…まだイッたままなんだよ?このまま…キスして…」

 そうつぶやいて…まどろみ始める。キスは唇がいいけど…やっぱりかわいいって言

いながらオデコに…してほしいかな?

 あたし…決めた。明日告白しちゃおう。言うなら今しかないもん、これだけ夢中に

させた男子って、大場くんだけなんだから…。

 ねぇ?大場くんは…ゲームの話と告白…あたしがしたら、どっちに胸がときめくの

?そろそろ普通のあたし、飽きてる頃じゃない…?

 

 

 

「おはよーっす!」

 今朝の大場愁一郎はすこぶる元気であった。

 これというのも夕べ、受験勉強もパスして早めに床についたおかげである。疲れ

切っていたカラダは泥のように睡眠をむさぼり、そのくせ目覚めはバッチリだった。

質の悪い夢はすっかり忘れ去ったようで、今朝は爽快なことこの上ないといった顔を

している。

『おおばくんっ!(しゅういちろうっ!)』

「な、なんだ!?」

 愁一郎が席についたとたん、四人の女の子が異口同音に(ひとりは名前で呼んでき

たが)呼びかけてきた。周りを見ると里中雅美、桐山涼子、倉敷有香、そして隣に

座ってる駒沢智秋が周りを取り囲んでおり、どうにも照れくさそうにしてこちらを見

ている。

「お、おはよ…。どしたの、みんな…?」

 ただならぬ様子にうろたえかける愁一郎。どうにも四人の様子がおかしい。

「あ、涼子からどうぞ。わたしは後でもいいから…」

「な、え、遠慮しないでよ。雅美から先、言いなよ。」

「み、みんな、私こそあとでいいから…ほら、智秋ちゃん?」

「あ、や、や…あ、あたしこそくだんないコトなんだから…みんな先言えば?」

 そうやって順番を譲り合い、黙り込んでそっぽを向く。拍子抜けした愁一郎は一人

一人に尋ねてみることにした。

「里中、なんかあったの?」

「う、ううん、ささいなことだったから…後でいいや。」

「ふうん…涼子はどしたの?」

「あ、あ…あたしもたいしたことじゃなかったから、また放課後にでも、ね。」

「倉敷は?」

「あ、あの…私も後ほどまた…」

「はあ…。じゃあ駒沢は?」

「あたしは…あたしっ…いいや、やめとく。」

「どうしたんだよデコオンナ、らしくないな。」

「で、デコって…も、もうっ!」

 雅美も涼子も有香も言葉を濁しながらそそくさと自分の席に戻ってしまう。智秋な

んかはデコオンナ呼ばわりに普段通り食ってかかるのかと思いきや、顔を真っ赤にし

てそっぽを向いてしまった。どうにもみんなの様子がおかしい。が、理由も思いつか

ない。

「お・お・ば・く〜ん!」

 そんなところへ辻ヶ谷みさきが教室へ駆け込みつつ、そのまま愁一郎の席まで寄っ

てきた。遅刻しそうになって走ってきたのか、ほんのり頬を赤らめて額に汗まで浮か

べている。朝から純粋な笑顔が眩しい。

「辻ヶ谷…おはよ。」

「おはよっ!ね、今日B’zのベスト発売になるでしょ?突然なんだけど、放課後一

緒に買いに行こうよ、ねえ!付き合って!帰りになんかおごるからっ!」

「えっ?あ、ああ…いいけど?」

「やったーっ!初デート確約ーっ!ありがと、大場くんっ!」

 突然の申し出に戸惑う愁一郎をよそに元気いっぱいで大はしゃぎするみさき。一緒

にCDを買いに行くことがデートと呼べるのかどうかは別として…どうやらみさきは

今までデートというものをしたことがないらしい。

 そんなみさきに先ほどの四人娘が血相を変えて詰め寄った。本当に様子がおかし

い。愁一郎はあっけにとられたまま見つめるだけだ。

「ちょっとみさき!なにそれ!?抜け駆けじゃん(他人のことは言えないケド…)

!」

「愁一郎を勝手に誘うなよな(あたしが誘うハズだったんだゾ)!」

「ちょ、抜けがけって雅美?それになんで涼子の許可がいるのよ?」

「とにかくこれは話し合って決めましょう!みさきちゃん、そんなの卑怯です(私も

卑怯だったんだけど…)!」

「ユッカの言うとおり!自分だけ勝手に初デートなんて喜ばないでよね(大場くんと

デートできるのはあたしだけなんだから)!」

「ゆ、ユッカにチャキちゃんも…大場くん、どうなってんの、これ?」

「お、オレだってわかんないよ…」

 そして五人の女の子の愁一郎争奪戦が始まった。周りの視線も気にすることなく、

白熱した舌戦が朝の教室で繰り広げられる。

『喜んでいいのかな…この状況って…。しかし周りも気にしてほしいなぁ…。』

 他の男子も女子も何事かと…あるいはニヤニヤしながら成り行きを見つめている。

かしましい論争にイヤな夢を思い出しかけ、愁一郎は激しくかぶりをふった。

「…うう、やっぱり女の子ってわかんないっ!」

 

 おわり。

 


(98/10/3update)