サクラ大戦

■日独伊・三国同盟■

-2-

作・大場愁一郎さま


 

ちゅっ…ちゅぷっ、ちゅぷっ…ちょみ、ちょぷ、ちょみっ…

 大神は布団の上に肘を突き、指先をレニのうなじに差し入れながら繰り返して唇を重ねた。繊細な銀髪に指を進め…そして小さくついばむような口づけをかさねるごとにレニはか細く身震いし、

「んっ…はうんっ…あ、ふっ…ううんっ…んうっ…」

 焦れったさとくすぐったさのあまりにかわいらしい鳴き声をあげた。美少年然とした愛くるしい顔は首筋まで真っ赤であり、心持ち汗ばんでもきているようだ。

 大神はささやかな口づけを連発してから、今度は舌先でレニの唇を愛撫してみた。ちろっと翻すとレニは怯えたように目を開け、その恥ずかしさに瞳をウルウル震わせる。

「レニも舌、出して…。挨拶しよう…?」

「はっ…恥ずかしいよぅ…」

「目を閉じてれば…平気じゃないか?」

「もっ、もっと恥ずかしいっ…!」

 とはいうものの、レニは素直に目を伏せると…小さな唇の隙間からちょぴっとだけ舌先を差し出してくれた。濡れた桃色の舌先を確認してから大神は再び顔を近づけ、舌どうしの接触を図る。

ちろっ、ちゅろっ…ちぴ、ちゅぴ、ちぴっ…

 唇よりも、ずっとずっと儚げな感触。ささやかなざらつきを確かめ合うよう、二人の舌は上から横からくっつきあった。それだけでもうレニの興奮はかなりのものであるらしく、熱い鼻息が大神の頬に繰り返してかかる。

ちょぷっ…

「んんっ…!」

 少女の初々しいしぐさで愛しさが溢れそうになり、大神は深い角度を付けてレニに口づけた。予想外の愛撫にレニは唇の隙間でせつなげに鳴く。大神の背中に伸ばしていた両手は彼のシャツをくしゃっ…と握りしめ、持て余しそうな興奮を押さえ込もうと努力した。

ちゅ、くぢゅっ…ぬりゅっ、ぐねゅっ…

「んんんっ!!んんんっっ…!!」

「すん…すん…ちゅ、ぢゅっ…」

 大神の舌が唇を割って忍び込んでくると、レニはまぶたをきつく閉ざして異様な感触に耐えた。舌どうしがくねり、もつれあい、擦れ合うと、もうそれだけで羞恥が耳鳴りを聞かせてくる。レニの本能は爆竹のように激しく中枢に作用し、彼女の背中をきゅうっ…とのけぞらせてしまった。よつんばいの大神の胸を少女の柔らかみが押し上げてくる。

「ちゅぱっ…はあ、はあ、レニ…もうこんなに背中、浮かせて…」

「…隊長だから…キスだけでも、濡らしてしまいそうなんです…」

「…知ってるんだ?」

「忘れたい過去です…。そのために今があるのはわかっていますが…ああっ、隊長が…隊長がっ、ボクの…ボクの初めてのひとだったらよかったのに…!」

 ふいに表情を曇らせて涙の雨を降らせそうになるレニ。しかし彼女が一瞬しゃくり上げるよりも先に、大神は思わずその小さな身体にのしかかり、しっかと抱き締めた。重くされているにもかかわらずレニは拒むことなく、むしろ積極的に大神にしがみついてくる。

「…もういいんだ。今はオレがいる…。」

「ああっ…隊長、抱いてっ!ボクを…ボクをもっと強く抱き締めてっ…!!」

「レニ…ああっ、レニッ…!!」

ちゅうっ…ちゅっ、ちゅちゅっ…

 二人はきつく抱き合ったまま、衝動に身を任せて唇を重ねた。強く吸い付き、怖気すらする焦燥を慰めるよう心ゆくまでついばみ合う。

 マグネシウムが燃えるよう、愛しさが唇の隙間で激しく火花を散らしているようであった。もう互いが欲しくてならない。何度も何度も唇を重ねて胸の奥の内圧を癒そうと試みる。互いの唾液に濡れ、淫らに音を立て…唇のたわみ具合に酔いしれてまた繰り返す。

「ちゅぱっ…レニ、染め直してあげるよ…。いいかい、今こうしてるのが…レニの、最初の口づけだ…わかったか…!?」

「りょ、了解っ…!ボク、隊長にっ…ちゅっ…ふぁ、ファーストキス…捧げることができたっ…!ファーストキスなんだよね、隊長っ…んっ、ちゅちゅっ…!」

 大神の断言にレニはこくこくうなづき、感涙にむせびながら抱擁に浸った。忌まわしい過去の記憶が砂の城のようにゆっくりと瓦解してゆく心地である。それだけ想い人との口づけは心地よく、心に安堵をもたらしてくれた。不安も何もなく、ただ大神が愛しい。

ぐねっ…ぐねごねっ、ぬみゅ、ぬでゅっ…あぷ、くちゅっ…

 だからこそ…今度はレニから大神の唇奥へ舌を忍ばせたのだ。精一杯舌を伸ばして大神のそれと絡め合う。柔らかな舌の腹どうしを広く、大きく摺り合わせ…そのまま密封して深い口づけを堪能した。唇を塞いでなお舌は唾液の中でくねり、のたうち…甘味を帯びつつある唾液をねちっこく攪拌してゆく。

ご、くんっ…。

 二人はとろみがかった唾液を分け合い、口づけしたままで嚥下した。もちろんアルコール分など含有してはいないが、それでも露西亜国原産の火酒とは比べものにならないほど身体が熱くなってくる。大神はレニの…レニは大神の唾液を飲み干したことによって、それぞれ耐え難い情欲を己の局部に募らせていった。

「ちゅぱっ…はあ、はあ…レニ…」

「んんっ…隊長…」

 熱っぽい目で見つめ合うのは口づけより先へ進むための確認。レニは心持ち上目遣いに大神を見つめていたが、躊躇うことなくしっかりとうなづいてみせる。

はぷっ…すんすん、はみっ、はみっ…

「レニ、いい匂いがする…。石鹸の匂いと…レニの、女の子の匂い。それに耳たぶ、こんなに熱々にして…」

「あっ…!いや、ボク汗臭いかも…だ、だめ…くすぐった…あっ、やめてっ…や、隊長…お願いっ…お願い、だからあっ…!」

 のしかかっていたレニから降りると、大神は彼女の右手側から腹這いに寄りかかって耳元に唇を寄せた。銀髪から香る洗髪剤と汗の匂いに感嘆し、耳朶を唇で噛むと…レニはさざめくような身震いとともに上擦った声でむずがる。

 それでもなお大神は意地悪な愛撫を止めようとしない。レニの声に棘が混ざっていないのがわかるからだ。

 哀願をまるきり無視すると、大神は小さな耳孔に舌先を忍ばせ、ちろちろ攻め立てては吐息を吹き込んだ。レニは唇を噛み締め、両手でリネンをひっつかんで愛撫に耐える。固く閉ざされたまぶたからは感涙が滲みっぱなしだ。

「レニはいい匂いだよ…恥ずかしがることなんてない…。」

「いや、いやだよう…!隊長、もうだめ、しないでえっ…!!」

「耳、敏感だから感じちゃう?」

「かっ、感じっ…あっ、ああっ…ぬ、濡れちゃう…!濡れちゃうっ…!!あっ!やだっ!やだやだあっ…!!あっ、あああっ…ぬ、濡れ…濡れちゃう…」

 背筋をきゅっとのけぞらせたまま、レニは小さな腰にガクガクと激震を走らせた。下着の中の状況を報告するよう、普段からは絶対に想像もできないだらしない声でよがり鳴く。

 おとがいをきつくそらせていることからも、レニの感じ様は相当なものであるらしい。大神が頭を上げて横顔から離れた途端、落ち着いたように背中を戻して荒い呼吸を繰り返す。

「レニ…下着、濡らしちゃった…?」

「はい…」

「びちょびちょに…かい?」

「…は…はいっ…」

 大神の下品な問いかけにもレニは素直に答えてくれる。嘘や隠し立ては心を閉ざすのと同じである、と考えているのだ。

 そうして振る舞っていても、誰も愛情を注いでくれないことは十五年の人生でまざまざと学んできた。今まではそれでよかった。感情を殺し、完璧な行動さえとっていればそれが個人として認められてきたのだから。

 しかし、無償に注がれる愛情の心地よさを知ってしまった今、レニはそれに対して貪欲にならずにはいられなかった。心から誰かに愛されたいと望んでいるし、また、精一杯の気持ちで誰かを愛したい。人を愛する歓び、愛される歓びは人間を営んでゆくうえでかけがえのない糧なのである。

 そして、愛情は待っているだけでは与えられないこと、積極的に求めてこそ与えられるものだということを、レニは大神に会ってようやく知った。

 だから…どれだけ恥ずかしい質問であっても、大神になら答えてしまうのである。自分から心を開き、できるだけたくさん大神からの愛情を受け入れるため…すべてをこうして差し出しているのだ。

「じゃあ…そろそろ裸になろうか。」

「…隊長に、脱がせてほしい…。」

「いいよ。ぜひ脱がせたい…。」

 大神が誘いかけると、レニは遠慮がちにそう申し出てくる。大神はレニのおねだりを断るはずもなく、そっと右手を彼女の胸元に添わせた。

 色気も何もない簡素なパジャマを開ける前に、大神は右手でレニの膨らみを包み込む。そっと下から寄せるように押しこねてなおレニの乳房は慎ましやかで、揉み応えと呼べるだけの弾力はおろか、女子固有の柔らかさすらもようやく帯びつつあるといった様子だ。

ほにゅっ、ほにゅっ、ほにゅっ…

 傷つけてしまいそうなくらいに儚い。大神はひよこでも愛でるよう努めて優しく乳房を愛撫した。温もりの奥からとくん、とくん、とくん、と確かな鼓動が伝わってくる。それに合わせてレニも呼吸を速め、ぼうっとしたままあごをわななかせた。

「はあ、はあ、はあっ…た、隊長…熱い…熱いよぅ…」

「ようし、じゃあ…ボタン、外すぞ?」

「…お願い…。」

ぽ、つんっ…ぽ、つんっ…ぽ、つんっ…

 襟元からひとつずつ、大神は右手の指先でボタンを外していった。その間レニはずうっと大神を見つめ、また、大神もレニを見つめ返している。寂しくさせないよう、不安にさせないよう熱い眼差しでレニの気持ちに応えているのだ。

 おかげでパジャマの前をすべて開けられたときも…レニは怯えの表情ひとつ見せなかった。ふわりと胸元の熱が解放されるのに合わせ、レニは穏やかに微笑む。柔肌が露わになるまであと肌着一枚という状況であるが、大神を信頼しきっているからこそのこの微笑なのだ。

 天使は実際、このような表情をしているのだろう…。

 大神は何気なくそう思ったりする。

「シャツも…脱がせてください…。」

「脱がしっこ、しようか…?オレもレニに脱がせて欲しいな…。」

「りょ、了解…。」

 大神の右手を包み込んでレニがさらにねだると、大神はレニと額を合わせながらそうささやきかけた。室内はストーブを点けているため、裸になっても冷えてしまうことはないだろう。大神の言葉に照れたレニは一瞬視線をそらしたものの、はにかみいっぱいといった表情でコクンとうなづく。

 二人は身を起こし、寝台の上で膝立ちになってから一度軽く抱き締め合った。これより先に進むことを見つめ合って確認し、お互い承認とばかりにささやかな口づけを交わす。そのときにはもうレニの両手は大神のネクタイを解き、ワイシャツのボタンにかかっていた。

 ぷち、ぷち、ぷち…とぎこちない手つきでワイシャツを開け、肩の向こうへ引き下ろす。そのまま肌着ごとズボンの奥から引っぱり出して脱がすと、大神の鍛錬されたたくましい胸板が露わになった。

 脱がせたワイシャツと肌着を所在なさげに布団の上に置くと、レニはついつい大神のベルトにまで手をかけてしまう。大神の戸惑いぎみな視線に気付くと、レニは熱湯にでも触れたかのように慌てて両手を引っ込め、うなだれて深く恥じ入った。許しを乞うよう、肌着のみとなった胸の前で手を組んだりするところがなんともいじましい。

「ごっ、ごめんなさい…!ボク、その、あっ、あのう…ごめんなさいっ…!!」

「いいよ、気にしない気にしない。どうせそのうち…脱がしてくれるんだろ?」

こくんっ…。

 大神のなだめる声に、レニはうなだれたまま控えめにうなづく。そんなレニの頬を撫でて顔を起こさせると、大神は彼女にばんざいさせた。肌着の裾を大神がめくり上げてゆくと、レニは羞恥を堪えるように目を閉じる。可愛らしい素顔はもう首筋に至るまで紅潮しきっていた。

する…するっ…ぽさっ…。

 脱がしたての肌着が床の上に放られると…レニは少女の瑞々しい柔肌を赤裸々大神に晒してしまう。脱がされてなおレニはばんざいを維持したままだったので、大神は慌てて両手を下ろさせた。

 その柔肌の美しいことといったらない。ほんのりと朱に染まった少女の肌は曇りの一転もなく、そしてきめ細かにレニの小さな骨格をくるんでいる。

 恥じらいで真っ赤になった首筋から、撫で肩ですこぶる小さな肩口にかけての線。

 指先で一押しするだけで、容易く折れてしまいそうなほどくっきりとした鎖骨。

 ほどよく肉付いていながらも、なおほっそりとしている二の腕。

 微妙に隆起を帯び、女性の柔らかさを内包しつつある発育途上の乳房。

 乳房の発育とは無関係に成長し、大人びたしこりを呈している桃色の乳首。

 肋骨から腰骨までがわずかに確認できるほど滑らかに引き締まった腹部。

「レニ…きれいだよ。」

 大神が陶然としてささやくのも無理はなかった。もちろん女性の色気や艶やかさといった部類では年齢を重ねている他の隊員達の方が勝っているが、この清潔さ、滑らかさの前には…幼女性癖の無い大神であれど愛欲を募らせずにはいられない。

 それになにより、この華奢な体躯が男として生まれながらに持ち合わせている保護欲をかきたててくるのだ。思いきり抱き締めて抱擁を重ねたい衝動に駆られてしまうのである。

 そう言われてレニは舞い上がったようにまばたきを繰り返し、今にものぼせてしまいそうなほど危なっかしく狼狽えた。思わず大神の眼差しから逃れるよう、彼の裸の胸に顔を埋める。鍛え抜かれた男の胸に愛おしむよう頬摺りすると、大神も背中に手を伸ばして抱き寄せてくれた。裸の胸どうしをぴったり合わせ、しばしそのぬくもりに酔う。

「嬉しい…。きれいだなんて、ボク、すごい嬉しい…。隊長だって、すごく素敵です…。」

「ははは、ありがとう。ね、レニ…」

「あっ…」

さわっ…

 背中に回されていた大神の両手がゆっくり下降し…対を為す臀部をパジャマズボンの上から包み込んでくる。大神の大きな手の平いっぱいに尻を撫でられ、レニは彼の胸板に頬摺りしたまま可愛い声で鳴いた。少し不安がるように目を伏せ、無言で愛撫の続きを待つ。

さわっ…さわっ…さわっ…なでなでなで…しゅり、しゅり…

 小柄な体躯どおり、レニの尻もまた乳房同様に成長の途中にあるようだ。大神が手の平を大きく広げると、レニの尻はその中にすっぽりと納まってしまう。その拡げた両手で幼いまろみを繰り返し堪能し、太ももからすくい上げるように優しく撫で上げた。

 そうしてわかったのだが、レニの尻は小さいながらも大変形が良い。日頃舞台の稽古で身体を動かしているためか、ツン、と心持ち上向き加減である。

 その上向いた尻の谷間に右手の中指を添わせ、ゆっくり上下に擦ると…レニは熱い頬を何度も何度も胸板に擦り寄せながら慎ましやかにさえずり始めた。

「あん…あっ、ああっ…たっ、隊長、だめ…だめ、だめっ…あっ、ふぁ、あんっ…!」

「レニ…かわいい声、出ちゃってるよ?」

「あっ、あう、うっ…はっ、恥ず…恥ずかしいようっ…」

「気持ちよかったら声を出した方がいい。遠慮しなくていいんだよ?大丈夫、この建物の防音はかなりのものがあるからさ。」

「りょ…了解っ…んあっ!ああっ!あはっ…あっ、あああっ…!!」

 大神に言われるがまま、レニは抱き寄せられたままで狂おしいほどのよがり声をあげた。大神の背中に軽く爪を立ててしまうほど、レニは尻への愛撫に酔いしれているのである。

 下着の中がどんどん濡れていくのがわかるが、もう堪えようがなかった。少女の一番恥ずかしい部位がぬめりにまかせてひゅくんひゅくんし始めると、たちまち羞恥の涙がうっとりとした瞳から溢れ落ちてゆく。

 やがて大神は念入りな愛撫を中断し、レニのズボンに親指を忍ばせた。その指先は彼女がびちょびちょに濡らしている下着をもまとめて引っかけている。

 無言で少しずり下げると、レニは不安げに大神を見上げた。紅潮しきった泣き顔でゆっくりイヤイヤすると、彼女は初めて大神の意図に逆らおうとする。

「隊長、だめ…!ぼっ、ボク…これより先は恥ずかしいよ…!」

「そんなことないさ。レニの身体、すごいきれいだから恥ずかしくなんてないよ…。」

「そうじゃなくて…ああっ、だめっ!だめえっ…!!ああっ、やだ…やだあっ…!!」

する…する、するっ…

 レニの思惑とは少々違った返事を寄こした大神は、彼女の拒む声を無視してゆっくりと親指を滑らせていった。嫌がりながらもレニは身じろぎひとつの抵抗もせず、泣きじゃくって大神の胸に顔を埋める。羞恥の涙が彼の胸を濡らし、狼狽の吐息が腹筋を湿らせた。

 やがて少女の尻は丸出しになり…あわせてへそから下も露出してしまう。つるんとしていて手触りの良さそうな尻を越え、レニのズボンと下着は膝にまでずり下げられてしまった。抵抗の甲斐なく繰り返して漏出した淫蜜は下着が下降してゆくのにあわせ、内ももをびちゃあっ…と濡らしてゆく。

「レニ…膝、少し上げて…そうそう…ほぉら、これでもうはだかんぼだ。」

「…いじわる…。」

「怒ってるのかい?じゃあ…レニもオレに仕返しすればいい…。」

「…了解っ。」

 大神がレニに手伝ってもらって両脚からパジャマと下着を脱がせてしまうと…これで彼女は生まれたての姿である。ぐずってすねたようにレニが恨み言を言うと、大神はゆっくりかいぐりしながら小声でそう命じた。

 レニははっきりした口調で答えると、抱き寄せられたまま指先で大神のズボンのファスナーを下ろした。大神の男根は真上を向いて怒張しているのであろう、ファスナーにそって熱い塊が指先に触れてくる。

 ファスナーを下ろしきると、今度はベルトに手をかけた。バックルを緩めて一息に解くと、続けざまにズボンの留め金を開け…そっとずり下ろす。勃起した男性器は、これで白い下着一枚きりで覆い隠されていることになった。

 そこでふいにレニが面を上げ、なにか悪巧みをしている幼子のように意味深な微笑を大神に見せる。大神は彼女のうなじを丁寧に撫でながら様子を伺った。

「隊長…仕返しは倍返し以上が鉄則ですよね…?」

「そんな鉄則、あったか?」

「いま、ボクが決めました。」

「おいおい…うあっ…!?」

もみゅっ…

 言葉遊びをするようなレニにいぶかっていると…ふいに陰嚢が下着ごしに揉まれてきた。予想外のレニの愛撫に大神は思わずだらしない声をあげてしまう。レニはその様子に胸が空いたらしく、調子に乗って繰り返し愛撫を施してきた。

もみゅっ、もみゅっ、もみゅっ…ころん、ころん、ころんっ…

「れっ、レニ!ちょ、やめろって…!」

「みっしり重いですね…。隊長、ボクがすぐに楽にしてさしあげます…。」

 慌てふためく大神を見上げながら、レニは右手の中で執拗に陰嚢をもてあそんだ。二つの睾丸を摺り合わせるよう下からすくい上げて揉み、右に左に転がしてはひとつずつ指先で摘み上げる。思わぬ性の悪寒で、大神はレニをいっそうきつく抱き寄せてしまう。

 さらにレニは仕返しの手を休めようとせず、右手で陰嚢を愛撫しながら彼の左の乳首に唇を寄せた。小さな唇が小さな乳首をはんでくると、大神は片手でレニを突っぱねようと悪あがきする。

「こらレニ!ちょっとやりすぎだぞっ…!」

「これは仕返しです…!」

「こらあっ!やっ、やめっ…あっ!あああっ…!!」

ちゅぷっ、ちゅうっ…ちゅうっ…ちゅうっ…

 問答無用とばかり、レニは大神の乳首に吸い付いた。音まで立てて深くむしゃぶりつかれると、大神は思わずのけぞって情けないよがり声を室内に響かせてしまう。

 もし訓練学校時代の教官に今の声を聞かれたとしたら、日本男児の恥と叱責されて厳しく折檻されることだろう。それも百叩き程度では済まないはずだ。

 しかもレニにそうされて、大神は下着の中で男根をさらにさらに勃起させていた。自慰行為や性交渉はとんと御無沙汰であるため、逸り水すらもう体奥からジクンジクンとせり上がってきている。ともすれば睾丸を攻め立ててくるレニの右手に猥褻な脈動を感じさせてしまったかもしれない。

「やっ、やめっ…!レニッ…ああっ、あっ、くるっ…!!」

「ちゅうっ、ちゅっ…ちゅぱっ、はあ、隊長も…濡れそうなんでしょう?」

 見透かされている。大神はレニの無邪気な問いかけにうなづくことしかできない。

 現に彼の男根は情欲を募らせきり、透き通る逸り水を鈴口から滲ませていた。

 レニは仕返しが功を奏していることに満足して微笑むと、再び大神の乳首を口に含んだ。もうすでに大神の乳首は丁寧な愛撫に陥落し、だらしなく勃起している。

 今度は乳首に口づけたまま、なぞるように顔を下げていった。乳首から胸、腹筋にかけてゆっくりと唇の柔らかさを擦り込んでゆく。大神は為す術なく身震いし、二の腕をさざめかせて鳥肌を立たせてしまう。

 しかも陰嚢をもみほぐしていたレニの右手は…親指と中指で下着の裾を摘んできた。ちょうど陰嚢の裏側に指先が滑り込んだ恰好である。

ずる…ずる、ずるるっ…

「れっ、レニッ!!」

「ちゅううっ…わあっ…隊長の、こんなになって…」

 レニの右手が下着の裾を引っ張り、一息にずり下げてしまったのを感じて大神はひどく狼狽えたが…もうすでに剥き出された男根はレニの純粋な瞳に丸映しされている。パンパンに漲った亀頭が逸り水でヌメヌメ光っている様子に、レニは思わず息を飲んだ。

 レニは真っ直ぐ大神の男根を見つめたまま、下着とズボンを膝まで下ろしきる。そのままなんの躊躇い無く太い幹を右手にすると、そこでようやく顔を上げた。気まずそうな大神と目が合うと、ゆっくり右手の筒で男根をしごき始める。

「隊長…ボクで、気持ちよくなって…。ボク、精一杯隊長からの愛を感じたいから…口でも、おしりでも…その、ヴァギナの奥でも…」

「レニ…オレにさせて…。オレが、レニを抱きたいっ…!」

「隊長っ…!」

どさっ…ちゅっ、ちゅっ…

 感極まった大神は乱暴なまでの力でレニを押し倒した。折り重なった二人が寝台の上で弾むと、なんの合図も無しに唇を重ね合う。レニも愛撫を中断し、のしかかってくる大神に無我夢中でしがみついて抱擁に応えた。勃起した男根をへそに感じながら布団の上で狂おしくのたうつ。

ちゅちゅっ、ちゅちゅうっ…ちょむ、ちょぷっ…ぐねぐね、くりゅ、ぐねゅ…

 大神は蹴りつけるようにして下着とズボンを脱ぎ捨てると、レニの前髪を退かしながら執拗に口づけを交わした。角度を付けて深く吸い付き、柔らかくついばみ、思うがままに舌をもつれさせて少女との接吻に打ち震える。

「ちゅぱっ…はあっ、はあっ、ああっレニ…レニッ…!!」

「はふ、はふ、はふ…た、隊長…隊長っ、隊長っ…!」

 発情で分泌過多となった唾液をとろーっ…と滴らせながら、二人は互いの愛しさに眩むよう目を細め、熱っぽく見つめ合った。

 大神が両手を枕に突っぱねて身を起こすと、レニはもうゆったりと両脚を開いて彼の腰を招き入れている。ほっそりとした太ももの付け根はすっかりびしょびしょであり、産毛しか生えていない陰阜に押し当てられたままの男根はほんの一突きで彼女の深奥にまで到達してしまえそうだ。

「レニ…もうオレ達、こんな格好になってるけど…」

「…隊長、ごめんなさい…もっといっぱい隊長のこと、良くしてあげたかったけど…お願いです、来てください…。ボクもう、一秒も待っていられないっ…!!」

「レニ…」

 勃起しきりで逸り水の滲む男根を片手にすると…大神はレニの愛くるしい素顔を見下ろしながら亀頭で裂け目をなぞった。大胆なまでの開脚によって心持ちくつろいでいる陰門を上から押し割るようにし、奥まった所にある小さな小さなくぼみに先端をあてがう。

 どうやらレニは母国で性的虐待を受けており、すでに処女は喪失しているらしい。少女の小さな身体に勃起した大人の男根が没入できるのか少々不安ではあるが、ひとつになれる瞬間を待つようレニがそっと目を伏せるのを見て、大神は覚悟を決めた。

「…入るよ、レニの…中に…」

「…お願いっ…おっ、おねがいっ…」

 レニのつぶやきを聞き…大神はゆっくりと腰を寄せていった。ツヤツヤに張りつめた亀頭がぬめりにまかせ、ぬにゅっ…とレニの膣口を柔らかく割り拡げる…。

 

ガターンッ!!

 

「!?」

 ヌルンッ…とばかり、大神の亀頭がレニの内側へぬめり込もうした刹那、室内にけたたましい音が響いて大神もレニも一様にそちらを見た。

「…もっ、もうやめて…もうこれ以上しないデッ…!!」

 そこには…椅子をひっくり返して立ち上がっていた織姫がいた。じっと腕組みして成り行きを見守っていたはずの彼女はすっかりうつむき、小さく肩を震わせている。

 織姫は泣いていた。深くうつむいてはいるものの、小刻みにしゃくりあげ、涙の雫がぽたぽた床に滴っていることからも泣いているのは明らかだ。

「少尉さんも、レニも…わたし、イヤデス…!ふっ、二人がそんなことしてるの、もう耐えられまセン…!」

「織姫くん…」

「ソレッタ…」

 大神もレニも結合を中断し、今さらながら気恥ずかしげにリネンやら毛布やらで身体を隠しながら呼びかけた。織姫はうつむいたまま首をフルフルさせると、頼りないすり足で寝台の側まで歩み寄ってくる。

 異変に気付いたのは大神もレニも同時であった。はっと息を飲み、二人して顔を見合わせる。

 織姫は…二人の成り行きを見守りながら自慰行為にふけっていたらしい。

 その証拠に豊かな乳房を包んでいるネグリジェではせつなくしこった乳首がはっきり確認でき…しかも腰の辺り、陰阜の前がしとどに濡れて透けていた。不自然なしわができていることからも、織姫はネグリジェの上から慰めていたようだ。

 二人が気付いたことを知ってか知らずか、織姫は泣き顔を起こして無理矢理に微笑をこさえると、両手でネグリジェの裾をつまんでゆっくりとめくり上げていった。腰を通過し、胸の上までまくり上げてからゆっくりと口を開く。

「少尉さん…わたし…もうこんなになってるんデスヨ…?れっ、レニばかりじゃなくて…わたしも…あっ、愛してくだサイ…」

「織姫くん、きみは…」

 大神が絶句するのも無理はなく…織姫は下着の類を一切身につけていなかった。そのため欲情した部位が何の隔たり無く丸見えになっている。

 スラリとして、かつしなやかに筋肉を纏っている両脚。そして、ぴっちり膝を閉じてなお隙間のできる太もも。これらはレニと共通であるが、織姫の方が丈が長く、より官能的な色気を備えている。自慰は佳境にまで達していたのだろう、太ももの隙間はレニに負けないだけべちょべちょだ。

 その逆三角形の隙間の上辺では、なだらかに隆起した陰阜が扇情的に性毛を湛えている。紡錘形をかたどって密生している性毛はレニとは好対照であり、しかもかなり奥の方まで生えているらしく、愛液に濡れて寄り集まっているものもあるくらいだ。

 女性のまろみをしっかりと帯びている尻から続く、くびれた腹部への線も絶妙だ。稽古の賜とも呼べる引き締まった腹筋は男子のそれと違って柔軟さを有しており、見た目だけでも手触りが良さそうだ。

 そして乳房の見事なことと言ったらない。舞台の衣装でドレスを着たときなどでも胸の谷間がくっきりできるほど豊かであるというのに、いざこうして差し出されると圧倒されてしまいそうであった。十七才という年齢のわりにはひどく発育良好であり、織姫の性格同様とても大人びている。

 せり出すように実り、美しく弧を描いているお椀型の乳房はまろやかさも格別だ。その淡褐色の肌にあって、強く充血している乳首も威嚇するようツンツンに屹立している。この乳房もまたレニとは好対照と言えよう。

 織姫はそのままネグリジェを脱ぎ捨て、片手で長い黒髪を背中に流した。そのまま胸の前で手を組むと、懇願するように潤んだ瞳で大神を見つめる。

「…少尉さん、今さら信じてもらえないかもしれませんが…わたし、ソレッタ・織姫は貴男のことをお慕い申し上げておりマス…。あの日、危険も省みずわたしを救出にきてくださったときからずっと…。」

「織姫くん…。」

「…このままレニに取られたくないから…はっ、恥ずかしいケド…これが、わたしの気持ち…。わ、わたしだって少尉さんに愛してほしいしっ…その、できる限り…あっ、愛したいんデス…!」

 

 

 

つづく。

 

 

 


(update 00/03/12)