サクラ大戦

■主従について■

-3-

作・大場愁一郎さま


 

「なんだと…?」

 ミロクの紛れもない涙声を前に、大神は思わず顔を上げた。沈めかけていた腰も引き戻すと、漲りを十分にしている男根はミロクの裂け目から愛液の糸を引かせつつベチン、と主のへそを打つ。

 大神はミロクをまたぐ四つん這いとなって彼女の瞳を覗き込んだが、不安に揺れる瞳からぽろぽろこぼれ落ちる涙はどう見ても演技ではなさそうである。

 なにより両手で口許を覆い、細かく身震いまでして嗚咽を堪えているところはどう見ても貞操の危機に怯える女然としていた。大神はこのようなしぐさのままで破瓜を迎えていった帝撃隊員を少なからず知っているため、いやでもその心境がわかる。

「…ふっ、それはなにか?男の嗜虐心を奮わせるための口三味線か?最近の遊郭も研究されているものだ。それともこれもお前独自の妙技なのか?」

「違うっ!!本当…本当なの…!わたし…その、捧げたい人がいるから…今までずっと操だけは守り通して…」

「ほほう…大和撫子の鑑たる女だな、ますます気に入った…。」

 恥じらって視線をそらしながら、ミロクはぽつぽつと事情を聞かせる。大神は初めから疑ってかかっていたものの、そんなミロクの初々しいしぐさに気をよくして四つん這いの体勢から上体を起こした。かかとを浮かせた正座となり、ミロクの熟した肉体をあらためて眺め回す。

「しかし…やはりまだ信じられん。仮にもお前は太夫と称される身、そんな女が…ましてやこれほどまでに魅惑的な肢体を有していながら生娘だとは、どうにも信じがたい。」

「ほっ、本当よっ!!身体だけは誰にも許してないっ!だからこそっ…その、口で精一杯奉仕してきたのであって…」

「それに…二十四にもなって通じていないなどとは…。オレが初めて経験したのは十六の時だったぞ?求められることはなかったのか?」

「そっ、それはあったが…わたしは一途なんだっ!!」

 ミロクは両手で乳房を覆い隠しながら、まるでヤケを起こしたように叫んだ。羞恥極まり、穴があったら入りたくてしょうがない。顔が燃えるように熱くなってくる。

 それと同時に先程まで男根をあてがわれていた女陰までもがせつなくうずき始めてきた。薬の影響もあろうが、法悦に酔いしれる身体は本能までもそそのかしてまぐわいを要求してくるのである。

 しかし、ミロクは口が裂けようとも大神との結合を求めるつもりはなかった。

 身体を撫で回されるのであれば、まだ想い人を重ねて耐えることもできるが…大神自身を深く受け入れ、処女を捧げてしまっては絶対に取り返しが付かない。こればかりは愛しい叉丹を想起して、というわけにはいかないのだ。

「なるほど、その貞淑さは認めよう。賞賛に値するものだ。しかしながらこれほどまでに瑞々しい身体で男を受け入れる悦びを知らぬというのはなんとも勿体ない話…。」

「えっ…?ま、待てっ!きさまっ、約束はっ…!!」

「早合点するな。男を受け入れられる場所は…他にもあるだろう?」

「他にもって…ちょ、やっ!!いやっ!!いやあっ!!」

ぐいっ…

 白い歯を覗かせるほど意味深に微笑むと、大神はミロクの膝の裏にそれぞれ手をかけ、彼女の身体を折り曲げるように前方へと押しやった。尻が両脚に合わせて上向き、必然的に陰部を丸出しにしてしまう格好にされて目を見開くと、ミロクは狼狽しきった顔で泣きじゃくる。達した余韻の抜け切らぬ下肢にはなんの力も加えることができず、美しい両脚をバタつかせるどころか腰をひねることすらままならない。

 外側から両手を伸ばして覆い隠そうとすることだけがせめてもの抵抗だが、大神に腰を抱え込まれるようにして引き寄せられると、その両手もたちまち投げ出されてきた両脚の下敷きにされてしまう。これで今のミロクは前転したところを座っている大神に抱き留められたような格好だ。絶妙なまろみを帯びている尻を大神の胸元に預け、濡れそぼった女陰や肛門を赤裸々眼前へとさらけ出していることになる。

「いや、いやぁ!!お願いだから、後生だから見ないでえ!!ひゃっ、開くなっ!!」

「…おうおう、しとどに濡れてはいるものの本当に裂け目ひとつない。オレの親指一本も入るかどうかといった感じだな。」

 ミロクは泣きじゃくって懇願するのだが…大神は不躾にも両手の指先で火照る肉の裂け目を割り開き、彼女の真央を眺めた。ぷつぷつと性毛の生える大陰唇を掻き分けると、その内側ではミロクのとろけそうな情欲が具現化して大神を待ちかまえている。

 萌えるような桃色を満たしている小陰唇から膣前庭。小さな尿道口。

 淫肉の縁で、その桃色を結晶させたかのように小さく突出している陰核。

 透けるように膣口を縁取っている処女膜。そこから洞穴のように下降してゆく膣。

 それらすべてはほのかに白みがかった生ぬるい淫蜜にまみれており、まるでハチミツに浸けてから取り出した果肉のようであった。発情の雫は太ももの内側までも濡らし、会陰を通って肛門にまで滴っていて…そこらじゅうをすっかりべちょべちょにさせている。もっとも、達するたびに愛液を飛沫かせていれば無理もない話ではあるが。

「美しいな…。この内側に没入できたとすれば、それこそ天にも昇る心地であろうに…。お前に慕われる男は幸せだな。」

「あっ、あんっ!!ひゃ、ひっ!!ひいっ!!だめ、さわるなっ…!!目の前で…見てる前で、イッちゃう…!!」

ぷにゅ、ぷにっ…むにゅ、むにゅっ、もにゅっ…

 大神は惚れ惚れしながら嘆息し、向こう側から右手を忍ばせると小高く隆起しているミロクの恥丘を指の腹で押した。柔らかな性毛を押し倒しては指圧し、割れ目と太ももの付け根に指を添わせて揉みこむと、発汗で湿っぽい恥丘はせつなさが蓄積しているらしくミロクを甲高く鳴かせる。つま先では指が小さく握られ、引きつるような痙攣を繰り返し始めた。

「まっこと柔らかく…それに乳房以上に敏感だな。よく慰めているのだろう…?」

「ひうっ!ひっ、あはぁ…!!やめ、やめえっ…あ、ふぁ…いっ、いい…そこっ、そこだめえっ…!!ああっ、いっ…イッちゃう…だめ、だめえ…いっ、イッちゃううっ…!」

にりにりにり…くにゅん、くにゅん、くりゅんっ…

 中指の先がしこった陰核を押し、前後左右の別なく転がすようにいじってくるとミロクはたちまち気を抜かれたようになり、ぐったりとしながら喉の奥で狂おしくさえずりはじめた。窮屈な体勢もあってか、だらしなく開いた口では呼吸がどんどん不規則で深いものへと変わってゆく。顔面はすっかり紅潮しきっており、潤みきった両目はもはや焦点を定めることができず…彼女が興奮と快感の真っ直中にいることが一目瞭然だ。

…流されるな、流されるな…これは叉丹に…叉丹に愛されてるんだからっ…!!

 きつく目を閉じ、ミロクは心中で自分自身に言い聞かせた。少しでも油断すると大神の愛撫によがり啼いてしまうため、再び想い人を重ねて現実から逃れようとしたのだが…ふいに尾てい骨の辺りがゾクゾクゾクッ…とさざめきだった。突如として法悦に満たされた膣内が急激に収縮する。

「ひっ、ひいいっっ…!!」

びちゅっ、びゅっ…

 ミロクはあられもない嬌声をあげると、大神の鼻先へ立て続けてしおを噴かせた。強く湧き上がった雫は放物線を描き、彼女自身の顔へとぴちゃぺちゃ音立てて落ちる。

「これはこれは。生娘でありながらしおを噴くとは…希代の名器やもしれん。」

「や、やめ…見るなっ、みっ、見るんじゃないっ!!ああっ、やっ、やだあっ…!!」

きゅきゅっ、きゅきゅっ、きゅきゅっ…

 ニヤリと微笑む大神に申し開きもできない痴態を指摘されてミロクは狼狽えるが、それでもなお膣は小刻みな収縮を繰り返して愛液を滲ませてゆく。

 もし大神が耳をそばだてたとしたら、ミロクの狭い洞穴から微かなすすり泣きが聞こえたことだろう。それは愛液を濃密に詰まらせた襞のひとつひとつがのたうつ音だ。ミロクの本能が異性からの結合を切望している証である。

 感心してその様を見守る大神の前で、ミロクは絶体絶命なまでの羞恥に陥りひどく混乱した。努めて深呼吸して意識を整理し、平静を取り戻そうとあがく。

…大神の前で、なんで…!?わたしは叉丹にこうされたいのに…愛されたいのに…!

きゅんっ…

「うふんっ!!」

「おやおや…オレの視線だけでも愛撫になるのかな…?」

「ふぁうっ!だっ、だまれだまれっ!!」

 せつなくこみ上げる胸の痛みにミロクが鳴くと、大神はニヤニヤとして彼女の尻に唇を寄せた。白い肌に軽く口づけただけでミロクは丸い尻全体をブルルッ…と震わせる。

…おかしいっ…!大神に対してじゃなくて、わたしは叉丹に…叉丹にっ…!!

ゾクゾクッ…

…ちが、違うっ!大神に見せたくないのにっ…叉丹だけに見られたいのにっ…!!

きゅんっ、きゅうんっ…

「くっ、くふんんっ…!!はあ、はあ、はあ…もう、やぁ…」

「やれやれ…よほど恋しくなってきたようだな。そろそろいい頃か…。」

「あ…あ、ああっ…」

 大神の言葉がゆっくり意識に浸透したところで、ようやくミロクは自分がとんだ思い違いをしていたことに気付いた。

 与えられる快感を端から拒否し続けていればよかったものを、なまじっか嵐が過ぎ去るのを待つようひたすら耐えていたため、身体はすっかり情欲の虜になってしまっていたのだ。薬の効力を甘く見ていたこともあり、望むと望まないとに関わらず本能はその心地よさにすべてを委ねてしまっている。

 今の今までそのことに気付かなかった。現実逃避のために想い人を重ねていたことが致命的であった。ミロクは妄想の叉丹に愛撫されていると思いこむ余り、大神からの現実の愛撫を受け入れてしまっていたのだ。

 だからいつしか大神の指先に酔い、叉丹との妄想に酔い…気が付けば淫らに堕ちている。現実から逃れようとあがけばあがくだけ、はしたなく濡れていく…。

…そうか…大神のことを考えるのがイヤで、叉丹のことばかり考えているから…

 ようやくミロクはすべての事情を悟ったものの、次にどうすればよいか考えていられるほどのいとまは与えられなかった。

べろっ、べろっ…

「ひいいっ!!どっ、どこを舐めているっ!!」

「…まずこちらから受け入れる悦びを教えてやろう。」

「やっ、やめろっ!!きっ、気持ち悪いっ…!!いやっ、いやだあっっ!!」

べろーっ、べろーっ、ぺちょぺちょぺちょ…

 ミロクの要領を得ない糾弾に大神は答えようとせず、割り開かれた白い尻の谷間にある色素の濃いすぼまりを丹念に舐め上げた。

 肛門とはいえミロクの身体は遊郭勤めということもあり、ほのかに石鹸の匂いが漂うほど清潔で不快な臭いや味などは一切しない。恐らく床に入る前に一回、以降客を送り出すごとに軽い湯浴み程度は済ませるのであろう。

 だからこうして舌の腹をいっぱいに広げ、尻の谷間を蹂躙するかのごとく肛門を舐め上げることにも…あるいは舌先ですぼまりだけを細かに刺激することにも躊躇いが生じないのだ。滴り落ちていた愛液の甘酸っぱさで、むしろ大神としては胸を高鳴らせてしまうほどである。

「普段は排泄に使用する部位であり、本来は内側へ侵入することは逆行なんだが…その心地がひとたび快感になると、もうやみつきになってしまう者もいるというぞ?」

「ひっ!あっ、やめっ…!!そんなとこ、汚いし…は、恥ずかしい…!!」

「そうそう。その羞恥を乗り越えてこそ…真の桃源郷へと辿り着けるのかもな。」

「ひうっ、うううっ…!!そんなはず…そんなはず、ないっ…!!」

しゃりしゃり、しゃりしゃり…ぷにゅ、むにゅ、むにゅっ…

 大神はミロクの肛門が磨り減ってしまいそうなほどねちっこく舌を往復させながら、彼女をさらなる高みへ誘わんと指での愛撫も再開した。右手は性毛を摺り合わせながら熱々の恥丘を押圧する。こんもりと隆起していながらも女性独特の柔軟さを備えている恥丘を揉むたび、そこからせつない情感がじわーっ、じわーっ…とミロクの身体中へ迸ってゆくのがわかるようだ。

くにゅんっ、くにゅんっ…くにくにくにっ…くりん、くりんっ…

 また、左手の中指は勃起しきりの陰核を飽きることなく押し倒しては転がしている。プクン、と突出しているミロクの芯は何度押し倒しても起きあがりこぼしのようにすぐさま屹立し、透ける薄皮の向こうで熱い血を巡らせて輝いた。

 濃桃色の裂け目と一体になっていることもあろう、陰核をいじられるのにあわせて膣口もヒュクンヒュクン手招きしている。狭くて窮屈そうな洞穴からは精製したての淫蜜がしとどに溢れて止まらない。

「ふふふ…ミロク、お前の淫蜜は美味いぞ…。お前だけの匂いに満ちていて、なんとも華やかだ…。それに、肛門に分けてやってなお…ほれ、まだ余るほど湧き出てくる…。」

「も、もう舐めるなぁ…おかし…おかしく、なる…戻れなくなるうっ!!」

「舐めるな?ならば吸い出してみせようか?」

「あっ…あっ、ああっっ!はああああっっ…!!」

ひゅちゅぢゅっ…ちゅちゅうっ、ちゅみっ、ぷぢゅっ…

 大神はミロクの肛門から舌を離すと、愛液にまみれた唇を彼女の裂け目の中に深く埋めた。膣口にぴっちり口づけてから強く吸うと、ドロッ…と濃い愛液が口腔いっぱいに吸い出されてくる。

 そのまま味わうように軽くゆすいでから、大神はミロクの陰核にトロトロ滴らせて再び吸い上げた。唇に挟まれた陰核が外気や愛液とともに吸われると、ミロクはとびきり悩ましい困り顔で声を限りに鳴きじゃくる。

 陰核からの熱い刺激はすぐさま女陰を駆け巡り、発情の血潮をたぎらせるらしく…慎ましやかであったはずのミロクの裂け目は今やすっかりくつろぎ、くんにゅりと外側にはみ出てしまっているほどだ。もはや外側から指先で割り開く必要もなく、ミロク自身が大神に濡れる女陰を差し出しているかのようだ。

 そんな破廉恥な様を象徴するように…ミロクの啼哭は早くも頂点に達しようとしていた。せつなげに細められた瞳は困惑しきった風に大神を見つめ、だらしなく開いたままの口許では何かをしゃぶるかのごとく舌先が心持ち突き出されている。

「ああん、ああんっ…ふぁ、い、いいっ…!!もっと、ね、もっとおっ…!!」

「もっと…どこを愛して欲しい?陰阜か?女芯か?それとも…いさらいか?」

「ぜっ、ぜんぶっ!!いっぱい、いっぱいしてえっ!い、イキそうなのっ…!!ね、イカせて…気持ちよくなりたい、もっと気持ちいいの、ほしいっ…!!」

「欲しいか。そうか、欲しいんだな?よかろう、ではまず準備運動といこうか…。」

 人が違えたかのように声を上擦らせ、甘ったるくねだるミロクに大神はしっかとうなづき、とがらせて固くした舌先を肛門に埋めるよう強く押しつけた。唾液と攪拌した愛液を滴らせながらさらに舌先を強張らせると、湯だったような柔軟さを示すすぼまりはゆっくりとその径を広げ、大神の舌を受け入れてゆく。正確には、緊張が少しずつ解けてゆくミロクのすぼまりへ舌先が忍び込みつつあるのだ。

「うっ!!うっ、ふうんっ…!!やだっ…はっ、恥ず…かしい…っ!!」

「…やぁらかいな…こういうのはどうあ?」

「ひぃうっ…!!うくっ、ふっ、うふっ…ううんっ!!ひあっ、あはぁんっ!!」

ぬみむっ…ねにっ、みゅにっ…ぬみっ、ぬみっ…

 大神は突き立てた舌を左右にひねり、恥じらいながらもくすぐったそうに微笑むミロクをさらにさらに喜ばせようとした。ざらつき、ぬめり、程良い弾力を秘めた舌で括約筋を刺激されると…案の定ミロクは大神の脚の下敷きにされている両手をバタバタさせ、髪を振り乱すほどにかぶりを振ってよがり悶える。

 押し広げられている異物感は違和感となってミロクを困惑させるのだが、肛門に舌を入れられているという事実がたまらなく恥ずかしく、同時にくすぐったくてたまらない。もはや大神からの愛撫を拒否し、彼自身を嫌悪できるだけの精神的余裕は喪失していた。

ちゅぷんっ…

 やがて交わり合っていた肛門と舌は離ればなれになってしまう。大神が頭を上げて舌を引き抜いてしまうと、ミロクは声にこそ出しはしないもののせつなげに彼を見つめて続きをせがんだ。すっかり乱れた呼吸はみっしりと質量のある豊かな乳房をも軽々とふよふよ揺らしている。

「はあ、はあ、あうんっ…はあ、はあ…お、おおが、みぃ…」

「ちゅぷ、ちょぷ…ふ、心配するな。これからが本番だ。」

「んっ…ちゅ、ちゅっ…ちゅく、ちゅく、ちゅく…んん、あんっ…」

 恨みがましくつぶやくミロクを前に、大神は自らの右手の中指を口に含んでまんべんなくしゃぶると…そのまま彼女の口許にも運んで丁寧にしゃぶってもらった。甘えるように吸い付かれ、ふっくらとした唇と舌で指先を愛撫されるだけでも男根は漲りを増すようだ。それほどまでに今のミロクはかわいらしい。

 名残惜しむミロクの唇から引き抜いた中指は、これでもうすっかりべちょべちょだ。大神はついでとばかりに中指でミロクの女芯をいじり、先端に若干ぬめり気を持たせてから彼女の肛門に指先を当てた。きれいに爪の切り揃えられている指先があてがわれただけでもミロクの肛門は、きゅんっ…と怯えたようにすぼまる。ふにっ、とひねるとそれだけで爪の先は内側にめり込んだ。

「ひっ…!!や、指はだめっ!そんなの…入るわけ、ない…!!」

「そうかな…?お前のいさらいの中は…もう唾液やら愛液やらでヌメヌメだぞ?もう少し力を込めればたちまち第二関節まで埋まるはずだ。」

「いや、いやあっ…あひっ!あっ、ああっ…ひっ!ひんっっ!!だめっ!抜いてっ!抜いてえっ…!!」

づ、ぷぷっ…ぬぶ、ぷっ…

 羞恥と不安は、さすがに中指の侵入をミロクに躊躇わせる。それでも大神はなんらの容赦もなく、真っ直ぐに彼女の内側へと中指を挿入していった。きつく締め上げる括約筋に逆らうよう唾液や愛液の助けも借りて第二関節まで一気に埋め込むと、ミロクは泣き顔をフルフルさせて必死にあえぐ。

 異物感が舌とは段違いであった。括約筋を越えて腸にまで達している指先が内部をまさぐるようクニュクニュ動くと、それだけで重い悪寒が背筋を駆け抜ける。尾てい骨の辺りが不快に汗ばんでゆくのが感じられた。

「は、はか…あ、うあぅ…!!抜いて!ねえ抜いてえっ!いっ、今すぐうっ!!」

「そうそう、初めは抜かれていく時が心地よいと言うな…。」

ずる、ずぬ、ぬっ…

「ふあ、あっ…はあ、はあっ、うあぅ…」

ぬちっ…ぢゅぽっ…。

「んんっ!はあ、はあ、はあ…ふぁ、あっさりしたぁ…。」

 切望に応じるよう、大神がゆっくり中指を引き抜いてゆくと…ミロクは心底安堵したように表情を和ませ、心地よさそうに吐息する。そして指先まで完全に引き抜かれてしまうと、ミロクはそこでようやく緊張感を解放させた。思わず本音が口を突く。

 しかし大神の指先が再び肛門に触れてくると、ミロクは怪訝な目で彼を見つめて口許をとがらせた。

「…もっ、もういい加減にやめなさいよっ!!いさらいでなんて、汚らわしいっ!!」

「やれやれ…まあ、そう言っていられるのもいつまでかな…?」

「ちょ、あっ、ううんっ…!!いやっ、やめっ…!やめな、さいってばぁ…!!」

「…今度は根本まで受け入れてもらうぞ。」

ずふっ、ずぷぷっ…ぐっ、ぐっ…

 肛門をほじくられて感じていたことが途端に照れくさくなり、ミロクは涙目になって拒んだが…大神は抑揚を押さえた低い声でつぶやき、再び中指をミロクの内側へと挿入していった。強い力でぐいぐい押し、穿孔機の刃を潤滑させる機械油のごとくすぼまりと指の隙間を舐めて唾液を染み込ませる。

 きつく締め上げてくる肛門を右に左にねじるよう強引に押し進めるうち、中指はとうとう第二関節を越えてミロクの内側に納まってしまった。狭い括約筋を通過しきった指先が柔らかな腸壁をふにふに押して刺激すると、目を見開かせたミロクはあごをわななかせてむせび泣く。

「あはっ、あっ、いやあっ!!や、深いっ!深いっ!!抜いてっ!抜いてよおっ…!!」

「抜けと言うわりに…きゅうきゅう締めつけるのはどういうことだ?ふふふ、女陰の奥もこんなに締め上げおって…淫蜜が溢れどおしじゃないか…。」

「いやっ!いやなのっ!!抜いて、抜いてえっ!!」

「ここで抜いてしまっては…これより高みには行けんぞ?」

ずる、ぬずづっ…ぬちゅっ…

 むずがるミロクをなだめるような口調で説くと、大神は彼女の乳房を左手でわしづかんでから中指を引き抜いていった。抜け出ていくのにあわせて肛門が盛り上がるようにめくり出されてしまうのだが…その光景は異常なまでの淫靡さを醸し出してくる。

「ふあ、あんっ!!は、早くぜんぶっ!ぜんぶ抜いてっ!!」

「ミロク…右手を解放してやるからオレの逸物を愛撫しろ。丁寧にしごけ。」

「わかった、わかったから早く抜いてえ…!」

ぎゅっ…しご、しご、しご…にちゅ、にちゅ、ぬちゅ…

 中指が肛門を貫いている様子に強く欲情した大神はミロクにそう命じた。鋭い痛みと鈍い圧迫感でいてもたってもいられないミロクは、大神が左脚を浮かせて右手を解放してくれた途端迷うことなく彼の男根を手の平で包み込み、激しくしごき始める。陰嚢の辺りまで逸り水を滴らせていた男根はミロクの指の筒の中でぬめると、たちまち頑強に漲って灼熱した。ツヤツヤでパンパンに張りつめた亀頭もすこぶる大きく膨張してくる。

 ミロクからの愛撫に相好を緩めると、大神は第一関節まで引き抜いたところで中指を止め…ミロクの体勢を心持ち仰向けに近づけた。女陰の縁から愛液を溢れさせ、会陰を通過させてすぼまりを濡らすと再び中指を押し込んでゆく。

ず、ぬみ…ぬるる、ぬぷんっ…

「ちょ、話が違うっ…!早く抜けっ!抜きなさいよっ…!!」

「声が上擦ってきたじゃないか…。肛門でも感じるのだろう?」

「そっ、そんなはずないっ…そんなはずっ…そんな、はずない…!!」

「ほれほれ、もっと逸物をかわいがってくれ。それとも、愛撫の手も忘れるほど良いか?」

「ふあっ、ふうんっ…ん、んああっ!!や、いっ、いあ…!!ひっ、ひいいっ!!」

 拒み続けるミロクであったが、骨まで熔けだしそうなほどの上擦り声は肛門への責め苦を愛撫と認識した証と見なして支障無いはずだ。大神は中断したミロクからの愛撫を続けさせると、その礼でもないが伸ばした左手で火照った乳房を揉みこねてやった。するとミロクは先程までの苦悶が嘘であるかのように身をよじって悩ましくよがる。乳房に指を立てられるたび、男根を愛撫する手にも力がこもってぎゅっ、ぎゅっ、と握りしめてきた。

 その間も大神の中指はミロクの肛門をゆっくりと往復し続けている。愛液でぬめりながらの往復は次第に括約筋の弛緩をも促し…動きは少しずつ早まってゆく。

ぬっちゅ、ぬぶっぷ…ずぶぶぷっ…ぬる、ぬるるるっ…

 粘つく音を立てながら何度も何度も根本まで肛門を貫き、抜け出てしまいそうなくらいに引き抜いてはまた穿つ。時折指をひねって括約筋を刺激したり、腸壁を指圧したりするとミロクは中指を逃すまいとしてキツキツにすぼめ上げてきた。大神はその反応に微笑すると、つるん…としているミロクの臀部に唇を押し当てて強く吸い付く。

「あっ、あっあっあああっ…!!おしり、おしりっ…!!ああっ、いいの、いいのっ!!もっとして、胸も、おしりもぉ…!!」

「ちゅぱっ…ふふふ、尻の奥も熱々にしおって…こういうのも悪くなかろう?どうだ、もっと激しくほじくってほしいか?」

「うん、うんっ!!もっとおしり、ほじくりまわしてえ…!!わたしのおしり、ゆるゆるになってもいいからあっ…!!」

「クックック…おめでとう、異物を受け入れる悦びが理解できたようだな…。」

 薬の影響ももちろんあるが、すっかり肛門での愛撫に魅入られたミロクは恥じらうことを忘れてよがり狂った。でたらめな速度で男根をしごき、大神からの愛撫を淫らにせがむ。

 大神も素直な態度で求められては悪い気がしない。ミロクの手の中で情欲をたくましく充実させると舌なめずりひとつ、肘を高く上げてミロクへと中指を突き込んでいった。

ずっぷ、ずっぷ、ずっぷ…ぐにっ、ぐにいっ、ぐにっ、ぬみ、むみっ、ぬみっ…

 節くれ立った長い中指が肛門を通過し、引き抜かれるごとに淫蜜の漏出は激しさを増し、滴ってさらに潤滑を良くする。腸内を掻き回すように指をひねっても括約筋での抵抗感はほとんどなく、ヌメヌメに潤って愛撫を受け入れた。腸壁を指圧すれば、もうミロクは感涙を流して法悦にあえぐほどになっている。

「あひいっ!あっ、あひいいっ!!おおがみっ、おおがみいっ!!いいっ、いいわっ…!!おしりも…わたしの芯も、ぜんぶ熔けちゃうっ…!!すごいっ、すごいの来そうっ!!」

「いいぞ、イキたいときにイけばいい…いさらいをほじくられて達するがいいっ!」

「ああっ、ああイクッ!!もうイキそ、や、だめ、だめだめえっ!!いまっ、いまイッちゃううっ!!あ、あひっ、あひいっ…ひっ!ひいいっっ…!!」

ぎゅぎゅぎゅっっ…びゅっ、びゅちぢゅっ…

 声を限りによがり啼き、でんぐり返って突き出している腰を激しくガクガクさせた瞬間…ミロクは絶頂に登り詰め、大神の眼前で勢い良く愛液を飛沫かせた。急峻な締め上げをきたした膣内から情欲の結晶液を絞り出し、せつなげにしかめた自分の顔へとぴちゃぴちゃ降り注ぐと肺腑からは熱せられた呼気が深々と吐き出されてくる。大神を愛撫していた右手は…壊死させんばかりに強く幹を握り込んできた。

「むううっ…!ミロクッ、オレもっ…オレもでっ、出るっ…!!」

びゅるるっ!!びゅびゅっ…べちゃっ、びちゃちゃっ…

「うくうっ…!!」

「あっ、熱っ…!」

びゅるっ!びゅっ!びゅっ…

「うっ…うううっ…!!出るっ…!!」

「はあ…はあ…はっ、はああっ…」

ドクンッ、ドクンッ、ドクンッ…

「んふ…んふ…んふ…うっ…」

「ふぁ…ふぁ…ふぁ…」

 ミロクに数瞬遅れて大神も達し、ミロクの右手で思い切りよく爆ぜた。幹を強く握り込まれたまま彼女の背中へと精液を噴出させ、生ぬるく垂れ落ちさせる。

 射精の勢いを失ってなお男根はどくん、どくん、どくん…と力強く根本を脈打たせ、ミロクの脱がされた単衣の上に滴らせた。二度目の射精にも関わらずその量は多く、そして濃い。ミロクの背中も単衣もすっかりべちゃべちゃだ。

 強い達成感と、直後に襲う濃密な余韻…。思いきりの良い射精による甘美さにさすがの大神もミロクの腰を抱き寄せながらグッタリとうなだれてしまう。女性の華奢な手で迎える射精の満足度は、自分の手で達したものとは天と地ほどの差もあるのだ。思わずだらしない笑みが浮かんでしまうほど気持ちいい。

「はあ、はあ…は、ははは…ミロク、良かったぞ…。そのよがり様、声、匂い…!」

「はふ、はふ、はふ…うっ、うんっ、んっ…」

 大神の感動の声も遠くに聞きながら、ミロクもミロクで衝撃を増しつつある絶頂感に打ち震え、余韻に浸っていた。

 異物を受け入れたままで迎えた絶頂は、触れられるだけで迎えたそれとは充足感が段違いであった。愛撫し尽くされた肛門は熱く熱く燃え、身体中の細胞を活性化させる光の奔流となってミロクを恍惚とさせる。

 達する瞬間に失神する心地も、自我を失う高揚感も、思考が腐敗してしまいそうなまでの余韻も…いずれもミロクの二十四年の生涯で経験がないほど素晴らしいものばかりであった。ただでさえも目から鱗が落ちる思いであるというのに、その快感は度合いを増すばかりである。

…しあわせ…。

 不埒を働かれているにもかかわらず、ミロクがうっとりと惚けたままでそう実感するのも無理はなかった。薬はとうとうミロクの中枢を冒しきったのだ。達した直後でありながらも、なおまだ熱い興奮を…暖かな抱擁を求めて身体中がうずく。

ちゅぬ、ぬるるっ…ぷぶっ…

「んっ!んあうっ…!ふぁ…う、ううう…ふう、ふう、ふう…」

 そんなミロクの身体はようやく窮屈な体勢から解放され、汗や体液で湿った単衣の上へ仰向けにされる。中指を引き抜かれたときに肛門から微かな空気音が漏れ、照れくさそうにそっぽを向いたのはご愛敬と言えよう。もちろんその音は無粋な理由によるものではない。大神が彼女を全力で攻め抜いた証だ。

 ミロクを横たえて楽にさせた大神は這うように彼女の脇に回ると、両手を肩口に添わせて着物を脱がせようとした。ここまでくるとミロクももはや抵抗しようとせず、片方ずつ肩を浮かせて彼が脱がし易いように協力するようになっている。

 襟を開き、両の袖を腕から抜いて…ようやくミロクはそのまばゆいばかりの全裸体をさらけ出した。

 達したばかりでうっとりと目を伏せている愛くるしい素顔。

 熱く火照り、汗の粒がいくつも浮かんでいる首筋から肩口。

 いまだ呼吸が落ち着かず、忙しなく揺れ動いている豊満な乳房。

 男を愛撫するに必要なだけの筋力しか備えていないような細い両腕。

 情熱的な愛撫を捧げてくれた両手。動きを回想するだけで再び欲情しそうな細い指。

 極めて緩やかに、かつ絶妙に波打つ筋肉を秘めた腹部。

 愛液に濡れて寄り集まった性毛。慎みも忘れてゆったりと開かれている太もも。

 華奢と呼べるほどに細く柔らかなふくらはぎ。そして足首。

 余韻に痺れるよう小刻みに痙攣するつま先。

 ミロクの造形はまさに奇跡と呼ぶに値するものであった。絶対美を感じさせるのみならず、男を熱く、狂おしく欲情させてくるのである。大神とて全裸体となったミロクを前に理性を保ってはいられなかった。思春期の盛りである少年のように逸る気持ちが押さえきれなくなってしまう。

「ミロク…」

「あ、んんっ…んっ…」

ちゅっ…

 まず大神がミロクに口づけた。乱れた髪を指先で退けてやってから交差するように唇を重ね、その弾力を堪能しつつ強く吸い付く。ミロクも右手で大神の頬を撫でながら、情熱を込めて接吻に応じた。

ちゅっ…ちゅちゅちゅっ…ちょむ、ちょぷ…ぐねゅ、くみゅっ…

 一糸纏わぬ姿となった二人はじかに肌を重ね、狂ったように唇での抱擁を繰り返す。裸の胸を合わせて抱き締め合い、もつれあうようにして転げ回り、指を絡めて手を繋ぎ、唇と言わず舌と言わず貪りまくった。唾液を交換しては飲み干すと、もうそれぞれの右手は互いの性器を慰め合っている。

くちゅ、くちゅ、くちゅ…しこ、しこ、しこ…

 大神の指先はミロクの陰核をいじり…ミロクの指は大神の男根をしごき立てる。希代の美女を前にして、愛撫だけでは我慢できなくなるのは時間の問題であった。大神以外の男であったとすれば、理性が崩壊する前に三度目の射精を迎えていることだろう。

「はあ、はあ、はあ…はあ、ミロクッ…」

「はあっ、はあっ、はあっ…あっ、やっ…」

 とりあえず気が済むまで女体の柔らかさを堪能した大神は、片手を忍ばせてミロクの左膝を立たせた。力無く開かれている太ももの間に割って入り、腰を寄せると…彼女は荒ぶった吐息の中で不安そうな声をあげた。怯えた視線は勃起しきりの男根を見つめ、次いで大神の瞳を覗き込む。

「…ミロク、お前を奪う。」

 右膝も同様にして立たせた大神はミロクを見つめ返しながらそう宣言した。先程中断した時点までをおさらいするように、まるきり同じ手順で男根の切っ先を処女膜に押しつける。前回と違っているのは女陰のくつろぎ具合だけだ。熱気を発散させるかのようにはみ出て開いた淫裂はどこもかしこも愛液でヌルヌルであり、未通とはいえ一突きで奥まで没入してしまいそうなほどである。

「ここまで来ておいて引き返せないのは…オレだけじゃない。そうだろう…?」

「…」

「いいな?」

「…っ!!」

 大神はミロクのくびれた脇腹を両手でつかみ、ぐんっ、ぐんっ、と腰を押してミロクの処女膜に外圧をかけた。それでもミロクは健常な右手で布団の端を握ったきり、一言も発しようとしない。ただ横を向いた瞳は不安に濡れ、どこか寂しげに揺れていた。

 確かに、もう後戻りはできなくなっている。もしここで大神が気変わりし、強姦することなく帝撃本部へ連行したとしても…きっと留置場で寝る間も惜しんで自涜にふけるだろう。それでもなお満足できず、発狂してしまうかも知れない。

 それだけ身体は求めているのだ。強姦で構わないから情欲を満たして欲しかった。

 しかし、風前の灯火たる意識や理性は…まだ貞操観念を捨て去ることができなかった。

…やはり処女だけは守り通したい。守り通して想い人に…叉丹に捧げたい。

 その一心のためにミロクは大神に対して返答せず、うなづきもしないのだ。貞節と淫欲の板挟み状態は、こうしている間にもミロクの胸の内圧を意地悪く高めてゆく。

「ミロク…お前はもうオレのものだ。オレの隷属として生きる他に無い…。」

「なっ、何を言うっ…あっ!やっ、あはっっ!あんっ!あんっ…!!」

さわわっ…なでなで、なでなで…さわっ、さわっっ…

 いつまでも躊躇しているミロクに焦れると、大神は左の肘で上体を支え、彼女の剥き出された右耳に呼気を吐きかけるようつぶやいた。その不遜な物言いに声を荒げようとしたミロクであったが、大神の手の平がまろやかな尻をいっぱいに撫で上げてきたためにたちまち声を上擦らせてしまう。

 布団との隙間に忍び込んできた右手は尻を持ち上げるようにしてつかむと大きく円を描くように撫で回し、滑らかな柔肌を満喫してから尻の谷間を指先でまさぐった。汗ばんでなお手触りの良いミロクの尻はそれだけの愛撫ですっかり布団から浮き上がってしまう。

 中空で両脚をワタワタさせると、もうミロクの濡れた女陰は真上から男根の没入を待ちかまえる状態となってしまった。普段であれば相手が誰であろうと絶対にできないような破廉恥極まりない体勢である。

「ほら…お前自身、もうこんなに望んでいる…。」

「い、いやっ!待って!お願い、待ってえっ!!わ、わたしっ、心の準備、まだっ…」

「お預けはもうない…つながるぞ…。」

ぬ、ぬっ…ぷつっ…

 それは極めて小さな音ではあったが、同時に極めて不吉な音でもあった。

 破瓜の瞬間、ミロクはきつく目を閉じて痛ましいほどの声で啼いた。布団の端を握りしめる右手に力がこもる。

「ひぐうっ…!!さ、さたんっっ…さたんっっ!!」

「おやおや。同類相求む、というヤツだったとはねえ…。」

 パンパンに漲った亀頭でミロクの膣口に裂け目を入れた大神であったが…破瓜を迎えた瞬間の声にはさほどの興味も示さず、引力に任せてゆっくりと腰を落としてゆく。愛液は未通の膣内を襞の隙間ひとつひとつまで残らず満ちており、少し下肢を脱力させるだけで簡単に最奥まで挿入してしまえそうな感じだ。

ぬるっ、ぬぷぷっ…ぬるっ、るっ…

「痛ぁ…くっ、くふっ…ふうんっ…!!ひっ、痛いっ!痛いいっ…!!」

「ほ…初物食いもこれだけ熟れた身体であれば格別だな…ウチの小娘どもとは比べものにならん…!」

 ミロクが歯を食いしばり、身震いしながら泣くのも無理はなく…大神のたくましい男根は彼女の膣口をいっぱいいっぱいに割り拡げ、ゆっくりとその奥へ沈み込みつつあるのだ。純潔が散華した証たる赤き血の滲みも加わり、その光景は淫靡を極めていながらもどこか残酷で凄惨な印象を与えてくる。

 被害者であるミロクの痛々しさとは対称的に加害者である大神の方は薄笑みすら浮かべ、感動の丈を思わず声にしていた。それなりに女性経験を有する大神であったが、ミロクの具合は特に素晴らしいものであり…その予想外の締まりの良さに、彼の引き締まった臀部が緊張を示して無骨にくぼむ。

 初めて異性を受け入れたミロクの膣内は体熱と愛液に満ち満ちており、背の高い襞はひとつひとつ丁重に大神の男根を歓迎してくれた。そのプリプリとした柔らかな感触からは性の悦びがじかに浸透してくるようであり、もし仮に童貞であったとすれば突き込んだ瞬間に精を放っていたことだろう。それも今まで覚えがないほど勢いよく、盛大に…。

ぬぶっ、ぬぶぷっ…ぢゅぬっ、ぬぬっ…ぬとんっ…

「あんっ…!!」

「ミロク、もう一度言おう。お前は最高の女だ。お前以上の女をオレは知らん。」

「や…あん、抜いて…抜いてえっ…痛いの…」

 鉛直下の膣内へ真っ直ぐに男根を進めていた大神であったが…その先端はとうとうミロクの子宮口にまで到達した。これでミロクの処女は大神によってすべて開通されたことになる。

 鈍く痛む華筒の行き止まりを突かれると、ミロクはすこぶるかわいらしく鳴いた。暖かな快感がそこを起点として波紋のように身体中へと拡がったのだ。

ちゅっ…

 そのしぐさを見て大神はミロクの脇に両肘を突き、丁寧に唇を重ねた。まだ少し破瓜の痛みで顔をしかめていたミロクであったが、焦れる唇を塞がれると眉根から次第に緊張を解き、大神の背中に手を回してまで口づけに応えてゆく。

ちゅっ…ちゃぷ、ちょぷっ…ちゅっ、ちゅっ…

 二人は深く深く繋がったまま、しばし口づけして合図を探り合った。互いに小首を傾げては重なる角度をくるくる変え、とろみがかった唾液を滴らせてはついばみ、荒々しく鼻息を鳴らしては吸い付いてゆく。

 睦み合う男女の内に火を灯すのは、なにはともあれまず接吻であると説く歌人がいる。

 それに従い大神はミロクが身体を和ませるのを待ち…ミロクは子宮口を圧迫される快感に流されるよう、浮かせた両脚を前後させて一番都合のいい位置を確かめた。

 男根の根本付近を軽くくわえている膣口には裂けるような痛みがいまだ残っているが、ささやかな出血はすでに止まっている。あとは大神の動きによって馴染ませてもらったほうが、より早くまぐわいの悦びを実感できるだろう。

ちゅぱっ…

 そう予想して胸の中に焦燥を募らせたミロクは、大神の頬を両手で包み込んで唇を引き離させた。憤慨することなくただ黙って見下ろしてくる大神に、ミロクは愛くるしく瞳を潤ませて唇を震わせる。

「しっ…して…。できるだけ優しく、あっ…愛して…。」

「…オレに屈服するか?」

「…はい…。でっ、ですから…どうか、わたくしめを満たしてくださいまし…。」

「ふふ…そこまでかしこまることはない。楽しめれば…それで…」

「あっ、ひゃんっ…!!」

 口調を改めて隷属に就くことを決心したミロクに、大神は目を細めて愉快そうに微笑むと彼女に頬摺りしつつ耳孔に舌を忍ばせた。ぞくぞくぞくっ…と二の腕に鳥肌が立つのを感じ、ミロクはとろけそうな上擦り声で小さく悲鳴をあげる。

もみゅっ…ぬるっ、ぬぷっ…ぬるっ、ぬぷっ…

 大神は肘を突いた両手でミロクの乳房をわしづかむと、彼女を自分の大きさに馴染ませるよう努めて慎重に腰を引き…また下ろした。裂け目の入った膣口が幾分めくり出されては潜り込み…狭い膣の奥では勃起しきりの男根が弾力のある子宮口を繰り返して小突く。

 それは細波のように控えめな動きであったが、初体験であるミロクにとってはたまらなく優しく、心地よく…乳房を愛撫されていることも相俟って声はどんどん大きくなっていった。

「あんっ、あんっ、あん、んふんっ…!!あ、いっ…こんな、気持ち、いい…!!」

「もっとよがっていいぞ…?遠慮せず声をあげろ。望むままに求めるんだ。片時もオレから離れられなくなるよう…堕落を決め込め…。」

「は、はひっ!!ひあっ、ふうんっ…!!もっと…もっとしてえ…!!」

「いいだろう…。ならばオレも望むままにさせてもらうぞ。」

「は、はぁ…あひっ!あひいっ!!」

ずるるっ、ずぶっぷっ…ぬぢゅるるっ、ぬぶぶぷっ…

 ミロクは迫力ある乳房で大神を突き上げんばかりにのけぞり、声を限りによがった。撃ち抜かれた左手も健気に伸ばし、両手で大神の肩口に爪を立てようとする。

 そんなミロクに応えるべく、そして自分自身もミロクを感じんがため、大神は腰の動きを次第に大きくしていった。軽快に腰を引いては真っ直ぐ突き込み、少々強引なくらいに子宮口を叩く。

 しゃぶりつくように締め上げてくるミロクの女陰は盛大にぬめる音を立ててはいるが、それなりの力を下肢に込めないと思うように動くことができない。それは彼女が今の今まで生娘であったという事情もあるが、なにより天性の締め付け具合が稀に見るものであるからだと大神は確信している。

 まさにミロクは最高の女であった。熱く灼熱する溶鉱炉の中を往復するたび、鋼のようにたくましい大神の男根はさらにさらに勃起を呈しながらもその快適さで熔けてゆくような心地だ。愛液のるつぼの中、大神は逸り水の漏出を堪えることができない。

「いいぞ…いいぞ、ミロク…お前の女陰は極上だ…!たまらないっ…!!」

「あふ、あふっ!!ふぁ、んっ…あ、あんっ!!もっと、もっとおっきくっ…!!」

「そうか、もっとよがりたいか。もっと大きくほじくり返してほしいんだな?」

「そ、そうっ!ね、もっといっぱい…いっぱいほじくってえっ!!くちゃくちゃになるまで、あっ、あなたの逸物で耕してえっ!!」

「はははっ、ようし!存分に耕してやるぞっ!!耕して耕して、思いきり子種をぶちまけてくれるっ!!」

 大和撫子の貞節精神をかなぐり捨てたミロクにせがまれると、大神は中空に浮かされていた彼女の両脚を肩で抱えるように引き込み、そのまま乳房をわしづかんで上体を支えるように身を起こした。下肢もそれに合わせてつま先立ちとなり、できるだけ高く腰を上げる。

ずぷっ、ぢゅぷっ、ぬぷっ、ずぷっ…ぬとんっ、ぢゅとんっ、ぬとんっ…

「おおっ…なおも締めつけるか…!奥のひだも、くじってくるっ…!!」

「ふぁ、ふぁあっ!あん、あひっ、あひいっ!!おくッ!!奥っ、もっと突いてえっ!!」

 小刻みに、かつ確実に屈伸運動するかのような動きで、大神はくの字以上に身体を曲げられたミロクに下腹を叩き付けていった。感じたいままに男根を突き込んで子宮口を強打すると、それに遅れて陰嚢がミロクの尻をぺとんぺとん叩く。陰嚢はたちまち愛液に濡れて艶めかしく糸を引かせるが、その愛液はすでに陰唇の縁から溢れ返り、性毛に覆われた恥丘を越え…あるいは尻の谷間から背中へと流れ落ちている始末だ。

 そんなミロクは己の脚の間で狂おしくよがり悶え、さらに深く大神を受け入れようと濡れる陰唇を右手の指先で開いた。赤く充血した粘膜が大神の動きにあわせてめくり出たり押し込まれたりしている様子を陶然として見守る。

 あのたくましくそそり立っていた男根が、高く浮かせた腰の中央…儚げな膣口をピンピンに押し広げ、狭い膣内を深々貫いているのかと思うだけでときめくほどに法悦が拡がる。男根が往復するたびに膣内全体がせつなく痺れ、身体の隅々まで性感が降り注がれてゆくようであった。締めつけて男根のたくましさを実感してゆくに連れ、意識が朦朧としてゆく。

「はあっ、はああっ…!あっ、いっ…イキそ…イキそうっ!イキそうっ…!!」

「ふふふ…男より先に果ててしまおうとは、なんともまあういやつ…。」

 めくるめくような興奮と快感のあまりに達してしまいそうなのか、ミロクは目を伏せるとうわごとのようにそう繰り返した。大神の動きに身を委ねてしまっているものの、彼と繋がったままで迎える絶頂がどれほどまでに素晴らしいものなのか想像するのも怖いほどだ。甘ったるく熱せられた吐息が止まない。

ずぷんっ…ぐいっ、ぐいっ…

 大神は男根を深く押し込むとミロクの浮いた腰を下ろして引き寄せ、自分も両脚を投げ出して腰を下ろした。仰向けに戻って一息ついているミロクの右手を取ると彼女の上体を引き起こし、後ろにいざって背中を壁に預ける。これで大神は男根を没入させたミロクを腰の上にまたがせている格好だ。ミロクは大神の首に両手を回して寄り添いながら、熱っぽい目で彼を見つめる。

「はふ、はふ、はふ…あ、ふぁ…?」

「ほれ、今度はお前が腰を振ってオレに尽くすんだ。イキたいときにイッてもかまわんぞ。今はお前の達する瞬間を感じてみたいからな。」

「あんっ…や、いや…はっ、恥ずかしいっ…」

「何を今さら。さあ、お前のとろけそうな女陰で…オレの逸物から精を搾るんだ。」

「うっ…うううっ…」

 よがり顔を大神に見上げられ、思い出したように恥じらうミロク。両手で尻を撫でられてから指を食い込ませて抱え込まれると、たちまち情欲は羞恥を追い越してしまい…正座崩れに脚を曲げ、膝立ちになるよう心持ち腰を浮かせる。

ぬみっ、ぷちゅっ…

「あっ…あは、んっ…あっ、浅いとこ…まだ痛い…」

「もう少し奥まで欲しいか?」

「うん…」

 腰の動きが初々しく不器用なため、ミロクは大神を搾るどころか満足に引き抜いてゆくことすらままならない。どれだけ高ぶっていたといたとしても破瓜の事実は覆せないらしく、少し角度がついただけで怖じ気づいて涙目になる。気を利かせた大神がもう少しだけ浅く座り直してやると、結合の具合はやや深まってミロクを安堵させた。

ぬみっちゅ、ぬちゅぷ、ぬぶっ…ずぷっ、ずぷっ、ずぷっ…

 ゆっくり、確かめるように動いていると次第にこつをつかんできたのか、ミロクは大神の肩に両手をかけたまま丁寧に腰を上下させてきた。ゆっくり膝立ちしては座り、奥まで受け入れては子宮口をえぐらせるように腰をひねり、また膝立ちして…。

「上手上手。その調子だ…オレもいいぞ、ミロク…」

「あっ、ふぁ…よかった…んんっ、よかったぁ…」

「うむ、いい顔だ…もっともっとよがり狂ってみせろ…」

「あっ!ああっ…!!ひっ、ひうんっ!!」

 大神に褒められ、ミロクはよがりながら思わず幸せそうに微笑んでいた。完全に大神との行為に魅惑されている。その穏やかな表情に大神も満足してうなづくと、尻をつかんでいた右手で彼女の肛門をくすぐった。すっかり愛液でびちょびちょになっている肛門は、指先くらいなら容易く受け入れるようになってしまっている。ぬるっ…と第一関節まで埋めるとミロクは夢中で天を仰ぎ、ぶるぶるぶるっ…と恍惚に悶えた。膣も肛門も連動してきつく締まる。

 それを合図にミロクは一生懸命腰を振り、大神の太さ、長さ、固さを満喫した。亀頭のくびれが露出するくらい引き抜いては、また再挿入するように深く埋めるとミロクは激しくイヤイヤしながらむせび泣く。動きの大きいミロクからの抱擁は相当な快感を与えられることとなり、大神も生唾を飲み込んで気合いを入れ直した。

 油断していると簡単に放ってしまうくらい、ミロクの女陰は官能的で心地よい。もちろんその官能を望むだけ望み、何度射精したところで良心は痛まないのだが…大神はもっともっとミロクを淫乱の底に追いつめたかったかったのだ。

 一秒でも離れていられないくらい貪欲にさせたときこそ、ミロクは大神にとっての絶対的な奴隷となる。思う存分に彼女の肉体を味わうのはそれからでも遅くはない。今は女の悦びをミロクの中枢に焼き付けるのが肝心だ。

ぬりぬり…ぬりぬり…ちゅちゅっ、ちゅぱちゅぱ…

 大神は愛液でぬめらせた指先でミロクの肛門を執拗にいじりながら、彼女の上下にあわせてたぷんたぷん揺れている乳房に口を付けた。唇をすぼめて吸うと、ミロクは丸い尻をビクビク震わせて涕泣する。乳房、肛門、そして女陰…敏感な部位三つを一度に愛撫され、ミロクは急激にせつない悪寒を覚えたのだ。

「いっ、イクッ!!だめ、だめえっ!イッちゃ、そんなしたらイッちゃううっ!!」

「イッてもいいぞミロク…だが最後の最後までオレの逸物を搾り抜くんだ。いいぞ…このすがりつき…とろけるようだ…!」

「あふんっ!あふんっ!!イク、イク…ああっ!!いっ、イクッッ…!!」

きゅっ、きゅきゅうううっ…びちゅぢゅっ…

 悩ましいさえずりを部屋いっぱいに響かせ、ミロクは腰に強烈な激震を走らせた。たまらず大神の頭を抱き締めてのけぞると、膣は男根を逃すまいときつくきつく締め上げる。襞の隙間を満たしていた愛液は行き場を失い、結合の隙間から滲み出て男根から陰嚢からを壊滅的に濡らした。

「…この締め付け、この声…達したな?達しているな?」

「燃えちゃう…燃えちゃ、うっ…燃えちゃうの…燃え、ちゃうっ…」

 大神は汗ばんだ肌と肌を密着させるようミロクの細い身体を力強く抱き締めた。ミロクは無意識下に恥丘を大神へと擦り寄せながら、上擦りきった恍惚の声で呆けたようにそう繰り返す。その言葉が実感できるくらいミロクの身体は…それは胸元といわず背中といわず、膣の奥深くから指の一本一本までもが異常なほどに熱かった。

ぎゅーっ、ぎゅーっ、ぎゅーっっ…

「ふぁ…うっ、ううんっ…ふぅ、ふぅ、ふぅ…」

 陶酔と困憊を兼ねた表情で頭をもたげてくるミロクは、大神の上で正真正銘悶絶してしまった。意識が途方もない快感に押し潰されてしまったのだ。万が一失神することなく絶頂感を維持し続けていたとしたら、脳幹が過負荷に悲鳴をあげてたちどころに廃人と化してしまうだろう。今のミロクは小刻みに身体中を痙攣し続け、膣で握り込むようにして男根を搾るのみである。

 もうとにかく、身体中が気持ちよくて気持ちよくてならない。それ以外に今は考えられる余裕がない。繋がったままで迎えた初めての絶頂は、ミロクの心に新たな感動を深く深く刻み込んだのだ。

「ふふふ…よほど良かったらしいな。愛らしい顔をしおって…。」

 脱力した腕から逃れた大神はミロクの無防備な顔を見て、極めて不穏な笑みを浮かべた。彼女の背中を両手で支えながらゆっくり布団に横たえてやると、突き放すようにして彼女の内側から抜け出てゆく。良く締まるミロクの膣はすっかり密封状態になっているため、引き抜いてゆくだけでも思いの外心地よい。

ぬみ、ぬみむっ…ぬぢゅっ…ぷぶっ…

 悪あがきをしてすがりついてくる襞の群を振り切り、少々強引に抜け出るとミロクの膣口からは愛液を飛沫かせて小さな空気音が漏れた。性交を中断させられた男根は憤慨するように反り返り、粘液にまみれながら強く反り返る。

「ミロク、どうする?オレは達することができなかったぞ…?」

「あっ…んっ…」

ちゅっ…ちゅっ、ちゅっ…ちぴちぴちゅぴ…

 大神は仰向けのままグッタリとして絶頂の余韻に浸っているミロクの側に回り、萎縮することを知らない男根を右手にして先端を彼女の眼前に突きつけた。ミロクは感涙に濡れた目で誇らしげに勃起している陽物を見つめていたが、やがて愛おしむように口づけると舌先できめ細かに愛撫してくる。

 生ぬるい舌は鈴口から粘液を舐め取るよう丹念に翻っていたが、その愛撫は次第に情熱的なものになってゆき…ついには右手の筒で幹をしごきながら、舌の腹を使って亀頭全体をくるむように舐め上げてきた。

 

 

 

つづく。

 

 

 


(update 99/12/19)