外伝「第三話」

作・専務さま

 


 

 

朝、いつもと変わらない。

しかし、今日からユイが学校に来る。

 

「今日はいくつお弁当作るの?」

 

「今日は6つ」

 

なぜ6つかと言うと、シンジ、アスカ、レイ、ユイカ、ユイあと、昨日約束してし

まったので、1日1つずつ料理部の人に作っていく事になった。

料理部は、総勢35人。

 

いったいいつまで作ることか…シンジはいつもより早く起きることになってしまっ

た。

 

 

「碇君…早くごはん作ってぇ、昨日あまり食べていないから…お腹減っちゃって…」

 

「(レイって性格変わったよな…可愛い方に。人とあまり接しなかったのに今じゃ中

学校の先生だもんなぁ)」

 

「パパァ早く!」

 

「ユイカいまパパって言ったでしょう?今日からダメだからね!」

 

「ハーイママ」

 

「家ではいいよ、ユイカ」

 

「ハーイパパ!」

 

「はい!ご飯できたから取りに来て」

 

「後20分しかないじゃないの!ユイカ!早く食べて」

 

急いで朝食を取り、走って学校に向かうとどうにか間に合った。

 

「出席をとります」

 

さっきまで走っていたとは思えないほどすっきりと呼んでいく。

 

「あ、そうだ。碇君、今日部活あるけどシンクロテストあるから部活やら無いでネル

フに行って。」

 

「はい…なんで今日なの?」

 

「週末にはシンクロテストやるって決まってんのよ…お願いね」

 

「「「「「「えええええぇぇぇぇぇぇぇぇ今日碇君部活に来ないのぉ?」」」」」」

 

「……うん、テストがあるから」

 

 

 

 

授業が進んでいく。シンジがボーットしながら授業を受けていていつのまにか昼休み

になっていた。

 

「シンジ君なにボーットしてたんや?」

 

「うん、僕は変わったなぁって。まあ、今回は自分から変わるって言ったんだけど…

前だったら変わろうとしても変れなかっただろうな…」

 

「きっと、奥さんと娘さんが出来たからや。家も前までよく喧嘩してたっていったけ

ど今はそんなしないなぁ。」

 

「環境の変化があるよね。でも、前まで僕は女子って言うとアスカとレイとヒカリく

らいとしか喋れなかったともんなぁ。でも今はこう喋っているだけで集まってきちゃ

うし…」

 

集まってきていた。

 

「あ、お弁当だね。作ってきたよ、ハイ」

 

シンジからお弁当をもらった女子は周りの女子に睨まれながら屋上に行った。

しかし、シンジとアスカ、レイしか屋上に続く扉を開けられない。

シンジたちも急いで屋上に行った。

 

「ねえみんな」

 

「「「「「「「「?」」」」」」」」

 

「前から言おうと思っていたんですけど、こんな大人数で屋上にいたら危険だから

さぁ、半分ずつにしようよ来るの。」

 

「そうね…碇君のいうとうりね…」

 

「じゃあ来週からでいいから、ねっ」

 

「「「「「「「うん、わかったわ」」」」」」

 

シンジはその答えに、いつも出すよりももっと明るい微笑で答え返した。

 

「(あぁ碇君の微笑みは犯罪ね)」

 

「(もう碇君の微笑みときたら…メロメロですわ)」

 

「(いい!もう碇君を食べちゃいそう)」(←だめです)

 

 

 

放課後

 

ネルフ49階に行くためにレイと共にエレベーターに乗った。

アスカはミサトに呼ばれたため職員室に向かった。

エレベーターの監視カメラは壊れていた。

それを知っていたのか、レイはシンジにくっ付いている。

 

「わたし…碇君が帰ってきてくれて嬉しかった。今まで、ユイカが「本当のお父さ

ん、お母さんはどこ?」って聞いてくるたびに泣きそうになったの。

でも、そのときはユイカに心配かけたらいけないから出来るだけ微笑んで答えてあげ

たわ。夜、枕元においてある碇君の写真を見るたび泣いちゃっていたの…」

 

「レイ…ありがとう…」

 

「イカリクン、いかりくぅん…お帰り!いかりくぅん、うっうぅぅぅぅぅぅぅぅ」

 

「ただいま、レイ。ただいま!今まで心配かけて悪かったね。」

 

「碇君…キスして…」

 

「ダメだよ…レイ……」

 

「嘘よ!引っかかってくれた」

 

「……本当はして欲しかったんでしょ…ごめんね…これで許して…」

 

そういうとシンジはレイを抱き寄せた。そして、14年分強く抱いた。

 

 

「全部見られているね…監視カメラあるから…」

 

「大丈夫よ、乗ってすぐ見たら壊れていたもの…」

 

ただいま地下24階シンジは40階まで抱いてあげてた。

 

「ありがとう、碇君。」

 

「どういたしまして」

 

微笑んだ。それだけでレイの頬は赤く染まった。

 

「さあ、ついたよ」

 

「うん!」

 

「(レイ、今まで我慢していたんだ…アスカがいつもそばにいたから…)」

 

 

そのときのレイのシンクロ率は100%だった。

 

その日の料理クラブの出席率は最悪だった。

 

 

 

「今日のご飯はカレーでいい?」

 

「別にいいけど…なんか量多くない?」

 

「あしたミサトさんのせいで作ることになっちゃったじゃないか…下ごしらえをしな

きゃいけないんでけど…そのせいで時間が無くなってね、カレーしか作れないんだ

よ。」

 

「そういえば…そうだったわね…手伝おうか、シンジ」

 

「僕が作らなきゃいけないからダメだよ…」

 

「あんたっていつも固いわね」

 

「碇君のやることに文句言わないで…」

 

「レイ!あたしが私の夫になに言おうが勝手じゃない!」

 

「碇君はあなたの人形じゃないわ…一人の人間よ」

 

「うるさいわね!あんたになんでそんな事言われなきゃいけないのよ!」

 

「うるさいのはあなたよ!いい加減にしなさい!」

 

「レイ?」

 

シンジは思わずレイの方を見てしまった。レイが怒鳴ったところなんて見たこと無

い。大声を出したと事ならあったけど、怒鳴ったことなんて1度も無い。

 

「わ、悪かったわね…あなた、まだシンジのことが好きなの?」

 

「え?レイお母さんパパの事好きだったの?」

 

「ええ、今でも…」

 

これは爆弾発言である。

 

「レイ…」

 

シンジは黙りこんでしまった。アスカも黙りこんでいる。

 

「ごめんなさい…怒鳴るつもりは無かったの…ただちょっと…アスカの利己主義にむ

かついて…」

 

レイはこの十四年何を考えて生きていたんだろう?これが、その時シンジの考えたこ

とである。

 

夕食は最悪だった。

 

 

 

「レイちょっと来て」

 

アスカが寝てしまった後、シンジはレイを自分の部屋に呼んだ。

 

「レイは、僕達がとりこまれてからどういう風に生きてきたの?」

 

「…いろいろあったわ…サードインパクトのときは、LCLに溶け込まれないように

出来るだけ強く生きたわ…落ち着いてからは勉強してあなたを助けることだけ考えて

た…やることが他に無かったのよ、建物もやっと新しいのが建ってきて人間の住む世

界になった頃、埋まっていたMAGIの掘り起こし作業が始まったの…私は急いでそ

こに行ったわ。」

 

「大変だったね…エヴァはその時どうなってたの?街中に倒れてたはずだけど」

 

「山にもって行かれたわ…」

 

「…………………」

 

「掘り起こし作業が終わったときは浮かれてたわ、それでもう碇君が助かると思って

いたから。でも甘くなかった。MAGIは98%壊れていたし、リツコさんも、その

頃まだ体調を壊したままでMAGIの修復はすぐに始まったけどリツコさん無しで簡

単に直るものではないから結局14年間碇君は戻ってこなかった。

その頃になるとね、ユイカがしっかりしてきてくれたからまず料理を教えたわ。

掃除も洗濯も少しずつ教えていったわ。3年前にはもう一人で十分生活できるだけに

なったわ。だから、大学に入って前以上に頑張ったの。それで、MAGIの完成が後

少しだからって私も修復に携わったわ。寝る間も惜しんで頑張って…

実を言うとね、アスカは戻ってきて欲しくなかった。戻ってきたら、今度はアスカが

碇君を取る…だからね…」

 

「…………………………………………………………ありがとう…でも僕は、アスカか

レイって選ぶことは出来ないよ…二人とも同じくらい好きだからね。だから、レイ

も、アスカのことあまり悪く言わないであげて。子供だってもしかしたらレイが生ん

でいたかもしれなかった。」

 

「私はあのとき生んでも良かった…碇君の子供なら喜んで作る。ねえ、作りましょ

う、今からでも遅くは無いわ…」

 

「ダメだよ…」

 

「さあ、早く…私と一つになりましょう…」

 

「レイ…」

 

レイは服を脱いでいった。

 

 

この会話を寝ていたはずのアスカが全て聞いていた。まさか、それほどまでにシンジ

を好いていたとは…アスカはその時のレイの行動をただ見ていることしか出来なかっ

た。

 

シンジは欲望に負けその夜は28歳対14歳で始まった

 

 

「(シンジ…私以外の女と寝ちゃいや!シンジ!)」

 

しかし、声にならない。

 

これでは、シンジが不倫をしてしまう…しかし、アスカには止めることが出来なかっ

た。

 

アスカは、珍しくレイに勝ちを譲った。

いや違う、レイの生き様を知ってしまったアスカはシンジを一人締めする事は出来な

いと感じてしまったのだ。果たして私はレイの立場に立ったとき愛を貫けるだろうか

?アスカは悩みながら寝た。

 

 

「碇君おはよう。(昨日はすごかったよ)」

 

とても、レイの言葉とは思えない。

 

「おはようレイ。もう遅いよ…多分アスカは全て知っているよ。レイのことを知っ

て、止められなかっただけなんだ。今日ゆっくり話し合いな」

 

「そうね…アスカ昨日、扉のところにいた…私それを知っていてアスカを試したの…

最低よね、酷いよね……」

 

アスカが起きてきた

 

「おはようシンジ…私が、シンジを一人締めしようなんて出来ないんだよね…

いくら子供がいても、育ててきたのはレイだし…私達はただ、寝てたようなものだも

んね…」

 

「いいえ、昨日は私が悪かったの…ごめんね、ちょっときて…(これからどうする?

出来れば、碇君の意見を尊重して半分ずつにしたいんだけど…あなたも昨日聞いてい

たでしょう?両方同じだけ好きだって。)」

 

「私は…半分ずつ…でいいわ」

 

「じゃあ、いいわね。」

 

「レイ、あなた大人ね…考え方も全部…当然か」

 

「これから、お姉ちゃんて呼んでもいいのよ」

 

「いやよそれは…って前は言ったかもね…でも今は違う。家ではそう呼ばせてもらお

うかしら?」

 

これを聞いていたシンジは思わず笑ってしまった。

 

 

 

 

続く

 

 

 

やっとまともになってきた…

レイがレイじゃない。

 

ユイカちゃんと出したいなぁ

どうしよう…

 


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