月明かりで外はきっと昼間のように明るいだろう。この部屋も月明かりで少し明る
い。
満月だろうか・・・。
あたしたちはお互いがはっきり見えた・・・。
蒼紫様はあたしの髪に触った。そして微笑みながら言った。
「綺麗だな・・・。」
まさかそんなこというとは思わなくて、あたしは顔を真っ赤にした。
恥ずかしくて急いで手で顔を隠した。
蒼紫様はあたしの耳元で柔らかくこう言った。
「好きだ。操。」
蒼紫様の唇と重なった。蒼紫様の匂いがする。男の人の香りかな・・・。少し汗の
匂いがする。
心地が良い。唇が軽く触れている。柔らかい。唇に舌があたる。あたしは少し唇を
開いた。
蒼紫様の舌があたしの口内に入り込んだ。ヌルッとした感覚。舌を絡めてきた。
あたしの口内を掻き回すかのように蒼紫様の舌はゆっくり、でも激しく動く。
あたしはそれだけで気を失いそうになる。とろけるように優しく舌が這っていく。
自分がいやらしくなる。蒼紫様の味。あたしも蒼紫様の口内に舌を入れた。
どう絡めたらいいか分からない。だだなんとなく舌を動かす。廻す。舌を吸ってみ
る。
こうしていると蒼紫様とつながったみたいに感じる。唾液が甘く感じる。蜜の味。
口は蒼紫様の唾液でいっぱいになった。あたしは蒼紫様の唾液を飲み込んだ。唇が
離れる。
なんか少し寂しく思った。
「・・っ。はぁっ・・・。」
息もままならないほどのほどの接吻。
蒼紫様は体を起こし、あたしの足を持って足の指を舐め始めた。
鳥肌が全身を駆け巡った。
「あっ・・。・・・・くすぐったい。」
「・・・・そうか。」
そういってまた、舌と唇が動いた。舌であたしの足をなぞる。
始めはくすぐったかったのが、そのうち体の中が熱くなってきた。
すこし息があがってきた。足の指、足の甲、足首、ふくらはぎ・・・。
少しずつ上に上がっていくたびにあたしは緊張と恥ずかしさも増えていった。
舌は膝あたりで止まり、今度はあたしの手を取り、指を口の中に拭くんだ。
びくんっ。
「んんっ・・・。」
躰が動いた。
あたしは少し汗をかいてきた。
一本ずつ、丁寧に舐めている。
唇が指の付根から、指先まで動く。指先にきたところであたしの指を口内に含む。
舌であたしの指を丁寧に舐める。
信じられない。蒼紫様があたしの指を・・・・。
ちらっと蒼紫様を見たら、あたしの反応を気にしているように上目遣いで見てい
る。
あたしは恥ずかしくなった。
「あっ、蒼紫・・様。恥ずかし・・・い。」
「恥ずかしくなんかない。我慢せずにもっと楽にしてろ。」
そういって軽く口付けをした。不思議とそれだけであたしは肩の力が楽になった。
あたしははっとした。襦袢が乱れていて、胸がギリギリまで見えている。
さっき全部見せたというものやっぱり恥ずかしくてあたしは慌てて隠した。
それに蒼紫様は気づいた。そうしたらあたしを真っ直ぐ見て言った。
「おまえの胸。見せてくれないか。」
あたしは蒼紫様の顔が見れなくて目をそらした。
なんて答えて良いか分からなかった。
「・・いやか?」
あたしは首を横に振った。嫌なわけ無い。でも羞恥心の方が大きかった。
蒼紫様はあたしの頬に口付けた。
「無理強いはしない。」
真剣な眼差しだった。言葉と蒼紫様の瞳があたしの羞恥心を溶かした。
声を小さく言った。
「・・・うん。」
その言葉がちゃんと聞こえたらしく蒼紫様は口であたしの襟元を脱がしていった。
脱がされるのって変な気分。あたしは脱がされている自分を見るのが嫌で顔を隠し
た。
頬が熱かった。なんか擽ったくって恥ずかしいような・・・・。
唇は少しずつゆっくりあたしを脱がしていく。
時々唇があたしの肌に当たる。
そのたびに躰が反応した。触れた部分がじわっと熱くなっているのが分かる。
とうとうあたしの胸が露(あらわ)になった。
あたしは胸が人より小さいから気にしていた。
「ち・・小さいからね・・・。」
あたしは顔から火が出てるに違いない。
「・・綺麗だ・・・操。」
そう言ってあたしの唇に軽く触れた。優しい接吻。
「俺のも脱がせてくれないか。」
「えっ!!」
びっくりした。まさかそんなこと言われるとは・・・。
蒼紫様はあたしの体を起こし、あたしの手を蒼紫様の寝着の襟元に持っていった。
あたしは手がガクガクしていた。震えを止めようとしたけども、止まらない。
蒼紫様の手があたしの手を包んだ。
「そんなに緊張するな。」
あたしの額に唇が触れた。蒼紫様は手を離した。あたしは蒼紫様を見た。
蒼紫様は、優しい表情であたしを見ていた。
あたしは俯きながら少しずつ蒼紫様を脱がした。
形の綺麗な鎖骨。がっしりとした肩。逞しい胸。引き締まっているお腹。
しっかりとした腕。大きい手・・・。そして・・これまで戦ってきた傷痕。
なんて痛々しい・・・。
自然と体が動いた。蒼紫様の傷に接吻した。一つ一つに。
「操・・・。」
蒼紫様があたしをきつく抱き締めた。肌と肌が触れ合った。胸と胸が触れている。
暖かい・・・・。
そしてとても安心する。
蒼紫様はあたしを寝かせた。お互い顔を見つめ合った。
そしてあたしは目を瞑った。胸の鼓動が早い。
蒼紫様はそっとあたしの胸を触った。
びくっと躰が動いた。躰が勝手に反応する。くすぐったく感じた。
あたしの胸をゆっくりと持ち上げ、優しく触ってきた。あたしの胸は蒼紫様の手の
中。
指の感触が強く感じられてきた。くすぐったさも消えた。
でもさっきより体が火照ってきたのが分かった。
「あんっ。・・・んっ・・・・ああっ。」
あたしは声が止まらなかった。それから蒼紫様は胸の廻りを指先でなぞってきた。
気持ちがいい。そしてあたしの胸で一番高いところの近くまで指は進んできた。
其処に近づくにつれてあたしはさっきより声を大にした。抑えられない。
頂上が立ってきた。
蒼紫様の指は頂までは来ない。頂が痺れてきた。少しもどかしかった。
このもどかしさは何とかならないかと思った。
指が頂上に達した。
「ああっ!」
あたしは腰を浮かす程反応した。そして蒼紫様にしがみついた。
胸の先がピクピク言ってるのがわかる。
蒼紫様は其処を指で転がしている。つついたり、摘んだり。
あたしは其処がどんどん堅くなってきているのに気づいた。
自分の反応が恥ずかしかったが、もどかしさが消えていった。
頂を口でくわえた。舌を小刻みに動かして舐め回している。
啄むように少し噛んだ。
「・・っあん。っ・・・ハアハア。」
苦しい。でも心地の良い苦しさ。
蒼紫様は指で頂を弄びながら、舌で肌をなぞり下にさがっていった。
動く舌や、指の動きであたしは感じていた。
胸だけがはだけていたあたしの体は蒼紫様の口で脱がされていった。
その唇の感触がいやらしかった。肋(あばら)あたりから脇腹にゆき、背中を舐め
ていった。
あたしはうつぶせにさせられた。背中を舌で下から上になぞられた。
「ああん・・・。」
足下からぞくぞっくとした波が押し寄せてきた。
「あっ・・・。はあっ・・・・。んんっ。」
あたしは体中に火が噴いてると思った。
そして蒼紫様の舌先は背中からお腹へ向かった。
右手はあたしの襦袢の隙間に入り太股をさわり始めた。
指がどんどんあたしも知らない未知の世界に向かっていく。
そして指は股の手前で動が止まった。蒼紫様はあたしを見た。
「いいか・・・?」
・・・・・・・こくんっ。
あたしは静かに頷いた。頷くのさえ恥ずかしかった。
でも、あたしのアソコが熱くなっているのは自分でもわかる。
ウズウズしていた。でもそんな恥ずかしいこと言えない。あたしはずっと黙ってい
た。
指は股のほうに向かっていった。あたしは手が上がっていくほど息があがってき
た。
胸の鼓動が早い。体が自分のいうことを効かなくなってきた。
蒼紫様の唇が優しくあたしの目に触れた。
そしてあたしの緊張をほぐすかのように接吻をした。
そのとき蒼紫様の息が荒いのに初めて気づいた。蒼紫様の体も熱かった。
自分も熱くて今まで気づかなかった。
少しずつ・・・近づいていく・・・。
蒼紫様の手が・・・・怖い・・・。
あたしは蒼紫様に抱きついた。
「どうした?嫌か?」
「ううん。そんなんじゃない・・。ただ・・・・。」
やっぱり怖かった。
「どうした?」
「・・・・・。」
恥ずかしくて言えない。どうしよう。
「言ってごらん。」
そう言った蒼紫様は優しくあたしを見た。
「・・・ちょっと・・・怖い。」
そう答えたあたしを抱き締めた。
「優しくするから。」
そう言ってあたしを力強く抱き締めた。
(つづく)
(update 2000/06/04)