るろうに剣心

■〜月之輪〜 操 編■

-4-

作・スイケンさま


 

 

 さっきまで一番高いところにあった月がすこし傾いてる・・・・。

  

 

 雲が出てきたようで少し暗くなった。

 

 

 

 

 でも、やがて雲は切れ、昼間のような明るさを取り戻した。

 

 

 

 

 ・・・・・長い沈黙・・・・・。

 

 

 

 

 蒼紫様の躰が月明かりで余計に色気を放っているように見える。

 男の人の躰・・・。骨格も筋肉の付き方も女の人とは違う。

 

 

 

 蒼紫様はあたしを抱き締めながら黙っていた。

 あたしの返事を待っているかのように。

  

 怖いけども目を瞑って恐る恐る蒼紫様の物をさわってみた。 

 

「っつ・・・。」

 

 蒼紫様が反応した。びっくりした。少しさわっただけだったから。

 おっきかった・・・。かたかった・・・。

 蒼紫様もびっくりしたようであたしの顔を見た。

 

「操・・・。おまえ・・。」

「いいよ。」

「えっ・・・。入れていいのか?」

 

 不安そうにあたしに聞いた。びっくりもしているみたい。あたしは目を瞑った。

 

 コク。

 

 あたしは頷いた。

 

「怖くないのか。」

 

 あたしは首を横に振った。ほんとは怖い。

 

「・・・蒼紫・・・様・・なら・・大丈・夫。」

 

 怖くて、緊張して声が震えてる。

 

「・・操。・・・・・今日はやめよう。」

 

 あたしから目をそらして蒼紫様は言った。

 

「なんで?大丈夫だよ。」

「おまえの躰・・・硬くなってる・・・。」

 

 蒼紫様は少し辛そうに言った。あたしは蒼紫様の頭をギュッと抱き締めた。

 蒼紫様に見られないように。

 

「どうした?」

「お願い・・・。・・・・大丈夫だから・・・・・。」

 

 言ってしまった・・・・・・・・・・・。

 でも・・・・これがあたしの本当の感情。蒼紫様が欲しい・・・・。

 自分にはこんな欲求があるとは思わなかった。性欲なんて全く無いと思っていた。

 今迄は。

 

 もう隠さない。恥ずかしいけど・・・。

 躰がムズムズしている。どうにもならない・・・。蒼紫が欲しい・・・。

 そう考える自分が恥ずかしいけれども、これがあたしだから。

 あたしは自分から襦袢を脱いだ。裸のあたし。これが本当に裸になったあたし。

 あたしは初めて自分から蒼紫様に接吻した。

 唇をつけた。舌を絡めた。吸った。噛んだ。

 

「おっおい・・・。」

「お願いなの。」  

「・・・・・・。」

 

 蒼紫様は自分の寝着を脱いだ。始めてみた蒼紫様の全身は何とも言えなかった。

 引き締まった筋肉がなんとも綺麗で。

 目は下に向かった。目がいきたくないところに目がいってしまった・・。

 蒼紫様の物は反り上がっていて大きい。

 それがあたしの中にはいるのかと思うと・・・・。どうしよう・・・・。

 

 蒼紫様はあたしの上になった。

 

「操。いいか・・・。」

「うん・・・。」

「その前に俺のこと名前だけで呼べ。」

「えっ・・・。」

「呼んでみろ。」

 

 え゛ーーーーーーー!!!!恥ずかしくて呼べない・・・。

 今までずっと蒼紫様だったから・・・。

 

「俺達はもう・・・・こういう関係なんだぞ。」

 

 こういう関係・・・。恋人同士・・・て、こと?なんか考えたらうれしくって恥ず

かしくって。

 くすぐったくって。あたしは少し笑ってしまった。

 

「どうしたんだ?」

 

 蒼紫様は不思議そうにあたしをみた。

 

「ううん。なんでもない。・・・蒼紫。」

 

 あたしは蒼紫に抱きついた。あたしは蒼紫のことをずっとこう呼びたかった。

 今まで、妹にしか見られていないと思っていた・・・。

 ずっと好きだったけど、いつもあたしの相手をしてくれなくて。

 あたしはいつも本気でぶつかっていた。

 東京へもあたしだけ残して行ってしまって。

 でも蒼紫は今はこうしてあたしの側にいる。

 そして妹以上と思っていていくれた。

 あたしを一人の女として見てくれてるということが

 何よりも嬉しい。

 

 それだけで幸せ・・・。

 

「入れるぞ。」

 

 あたしは目を瞑った。蒼紫様の手があたしの太股に触れる。

 びくっ。

 あたしは緊張のあまり動いてしまった。蒼紫が心配そうに見てる。

 

「大丈夫・・・。でも・・・・。」

 

「なんだ?」

 

「あの・・・痛く・・・しないでね・・・・。」

 

「優しくする。」

 

 そういって蒼紫は軽く口付けした。

 

 足を開かされた。

 股間に何かが触れた。ヌルッと蒼紫が入ってきた。

 すこしずつあたしの中に入ってくる。

 いたい。少しずつ入ってくると同時にあたしの痛みはすこしずつ増していった。

 ものすごい痛みが襲ってきた。

 痛いと言うときっと蒼紫は止めてしまうだろうからあたしは我慢をした。

 

「・・・痛いか?」

 

「ど・・どうして・・?」

 

「顔が歪んでる。」

 

 痛みを一生懸命堪えていたが、顔に出てしまったらしい。

 

「痛いけど・・・大丈夫だから・・。」

 

「でも・・・っつ。」

 

 あたしは起きあがって蒼紫の唇を閉じた。動いたからものすごい痛みが全身に走

る。

 腰を浮かしているので体勢がきつい。躰が痛くて壊れそう。

 あたしは痛みを紛らわすかのように、舌を動かした。

 でもやっぱり痛い・・・。あたしは力尽きて唇を離した。

 

「もう痛くないから。」

 

 あたしは痛いのを顔に出さずに言ったと思う・・・。

 

「我慢するなよ。」

 

「うん。」

 

 痛いのは我慢する・・・。男に人は気持ちいいって聞いたから・・・。

 女の人も気持ちいいらしいけども、始めは痛いって聞いていた。

 だから怖かった・・・。でもきっと気持ちよくなる。相手が大好きな蒼紫だから・

・・。

 

 蒼紫が入りきった。

 と同時に痛みが絶頂に達した。ゆっくりと蒼紫が動き始めた。

 痛みを堪えるのが辛くて蒼紫にしがみついた。 

 

 「んっ・・・・・っつ・・・・ああっ。」

 

 あまりの痛さに声が大になる。痛いと言いたいがそうしたら・・・・。

 アソコが壊れそう・・・。痛みは体中に回り、頭がクラクラしてきた。

 足は痺れている。

 

 「んっ!」

 

 突き刺さる痛み。また少し動いた。

 

 「っつああぁ・・・・・・・・。」

 

 「大丈夫か?」

 

 蒼紫は動かすのを止め、あたしを心配そうに見た。

 喉のあたりが詰まってる。唾もうまく飲み込めない。

 なぜだか分からない。痛みの中にすこし気持ちよさがあった。

 蒼紫の動きが止まったのがもどかしくて。

 蒼紫にしっかりしがみついて腰を少し動かしてみた。

 蒼紫は驚いたかもしれない。でも、欲望のままに・・・

 

 

 

(つづく)


(update 2000/08/07)