シンジがマヤに引き取られてから一ヶ月が過ぎた

そしてついにシンジ争奪戦が始まろうとしている

 

 

シンジ奪回を目論む『ミサト・アスカ連合』

シンジとの生活を夢見る『ゲンドウ・レイ同盟』

現段階でのシンジ保有者である『マヤ・リツコ連合』

そして最後に、個人的なシンジ補完を目論むモノ・・・・


STRIKE BACK

(ストライク バック)

〜黒い胎動〜

作・ALICEさま


 

PM3時23分 葛城・アスカ連合本部

シンジが伊吹家に嫁いでから早一ヶ月、二人は腐海の中に居た。そこは、シンジが居なくなってからただの一度も掃除がされていなかったためお化け屋敷と化していたミサトのマンションである。そんな中でミサト、アスカの二人は明日の事について真剣に相談していた。

「アスカ、今夜09:00時に『シンジ保管計画』を発動します。また明日の作戦名は『シンジく〜ん、お願いだから帰ってきて〜作戦』とします。それ今回の作戦に失敗は許されません。戦自に協力を要請するから。異議は・・・無いわね。」

「は〜い。異議アリ。」

「なに?アスカ?」

「作戦名を『シンジはあたしの物なのよ!作戦』に変更した方がいいと思いま〜す。」

 

ネルフ本部

「なによ悪趣味な、もう少しまともな名前が思い付かないのかしら?」

そう、二人の会話はかの有名なマッドサイエンティストに盗聴されていた。

「例えば『シンジ君の操は私のものよ作戦』とかもっと考えなさいよ、って脳みそ筋肉のミサトとアスカじゃ、この私の様に華麗な作戦名は思い付かないか。」

この博士もやはりどこかずれている・・・。

 

ミサト宅

「ちょっとアスカ、あなたがそんなだからシンジ君が出てっちゃうのよ。もう少し考えなさいよ。」

「なによ!シンジはあたしのモノって決まってるからいいのよ。それにミサト、全部あたしが悪いように言うのやめてよね。いっつもビールを馬鹿みたいに飲んで悪いのはミサトじゃないの?そりゃシンジだってこんな酒樽女なんかと暮らすのは嫌に決まってるわ。」

今のセリフはどうやらミサトの琴線に触れたようである。

「なによアスカ!やる気?」

売り言葉に買い言葉、この二人はまさしく犬と猿である。

「やったろうじゃないのよー!」

と、こんな感じでどん底のスタートをとなった。

 

PM5時48分 マヤ宅

マヤが玄関入った時、良い匂いが漂ってきた。台所ではシンジが夕食を作っていた。

「あれっ?シンジ君、確か今日って食事当番は私だったんじゃ・・・。」

「マヤさん、お帰りなさい。」

・・・・マヤはシンジの笑顔に思わずニヤケてしまうが、すぐに厳しい口調で、

「シンジ君、家事の事はちゃんと二人で平等に決めたはずよ。今日は私が作る日だからシンジ君がやる必要は無いのよ。」

「だって最近マヤさん疲れているじゃないですか。それに仕事も最近は残業続きでしょ。だから良いんですよ、僕が作っても。」

「でも・・・」

「大丈夫ですよ。それに作りたいんです、マヤさんに夕食。」

シンジが本気で言う。

「僕はここに来てからは仕事が半分以下になったんですよ。前はアスカにミサトさん、それに僕のも含めて三人分をしてたんですから。今は全部がマヤさんと二人で分割しているのもあって自由に時間が使えるし、それに朝のお弁当、いつもマヤさんが作ってくれてるじゃないですか。僕、凄くうれしいかったんです。一人でずっと暮らしてたから知らなかったけど、人に・・・・家族の人にお弁当を作ってもらうって、こんなにうれしい事なんだって・・・・・・。」

「・・・シンジ君」

「ほら、それに前に言ったでしょ。体が動きたがってるって。マヤさんのお陰で仕事が楽になりましたから。」

シンジが腕を回しながら言った。

するとマヤの方もそれに答えるように微笑みながら、

「じゃあ、今晩はシンジ君に作って貰っちゃおうかな。」

「任せて下さい、マヤさんの好みは大体分ってますから。」

いたずらっ子のようにシンジが言うと、

「もう、シンジ君ったら。」

とその時、二人の会話を割くような電話のベルが鳴った。

(ちっ!誰よ?せっかくいい雰囲気だったのに。)

「はい。伊吹ですが。」

『マヤ?わたしよ。』

「先輩、どうしたんですか?」

『もうすぐ動き出すわ、あの二人。気を付けなさい。何かが起こるわよ。』

「わかりました。」

重い口調でマヤは答える。

『それからこの電話、盗聴されてるかもしれないから詳しい事は、2時間後にあなたの所に行くから。夕飯の支度宜しく。それじゃ。』

「ちょっと、先輩!ってもう切れてる。」

「マヤさん、今の電話誰だったんですか?」

「先輩からよ、今から2時間後に来るんだって。それと夕飯の支度をよろしくって。」

と嫌そうにマヤが言うとシンジが困った顔をして、

「夕飯、3人分もありませんよ。今日はある材料で行けそうだったから何も買ってないんですよ。」

「じゃあ、シンジ君。今からお買い物に行かない?」

「今からですか。・・・・・そうですね、二人とも仕事で疲れてるから何かスタミナの付くものでも作りたいと思ってましたから。それに、・・・マヤさんと買い物に行きたいとも思いますしね。」

「・・・・・シンジ君。」

(絶対にシンジ君を守って見せる!彼の瞳は私が守るわ!!!)

マヤのそんな想いもシンジには通じていなかったのか、

「マヤさん、早く行きましょう。この時間帯ならそろそろ値引きが始まりますから、良い材料が取られちゃいますよ(オバサン達に)。」

なんとも哀しい性なのだろうかと、その時のマヤは思ったそうな。

マヤはシンジに聞こえないように言った。

「シンジ君・・・・可哀相。」

 

そのころリツコは何やら怪しげな笑みを浮かべていたという。

「さて、どう料理しようかしら?ウフフ、今夜が楽しみだわ。」

とこんな感じでミサトとアスカをいたぶる事に妙な快楽を求めていた。

 

PM7時30分 ゲンドウ・レイ同盟本部、ネルフ司令室内

不敵な笑みを浮かべたゲンドウと相変わらずな冬月、そして無表情なレイがそこにはいた。

「葛城君が動くらしいな、どうする碇?」

「すでに手は打ってある、問題無い。」

「そうか、では・・・・。」

「後のことは頼みます。先生。」

「まったく、厄介事ばかり押しつけおってからに。」

そこにはすでにゲンドウとレイの姿はなかった。

 

とある一室。

「約束の時は来た。準備はいいな、レイ。」

ゲンドウは唐突にそう言った。レイはそれに黙って肯く。

「我々はこの日のために存在するのだ。失敗は許されない。判っているな?レイ。」

「判っているわ、碇君は私が守るもの。」

「そうか、ならば良い。」

ゲンドウは不気味に微笑んでいた。

 

PM7時45分 セントラルドグマ内、リリス

渚カヲルはリリスの前で立っていた。

「シンジ君。君は僕と一つになるべきだよ。何故なら君と僕の価値を全てにおいて平等にするために。」

そんな、カヲルの前に一人の影が近づいてきた。霧島マナ、その人である。

「あなたが変態真性ホモの渚カヲルね。」

さすがのカヲルもこれにはカチンと来たらしい。

「失礼な人だね、君も。それに君は誰だい?」

「わたしは霧島マナ。ここに来れる位だからそれなりの仕事をしていると思ってくれていいわよ。」

「それにしても君は僕の事が恐くないのかい?僕は使徒なんだよ。」

「・・・恐くはないわ。それよりもあなたも碇シンジを狙っているんでしょ?私と手を組まない、最もシンジ君が手に入るまでだけどね。悪くない話でしょ。」

「そうだね、シンジ君を手に入れるまでなら・・・・ね。」

ここに、シンジを狙う新たなタッグが誕生した。

 

PM7時59分 再びマヤ宅

「シンジ君、そっち準備出来た?」

「はい。大丈夫ですよもうすぐで完成です。」

「もうすぐ先輩が来るから私はテーブルの方を片してくるわ。」

「はい、分りました。」

シンジが返事をしたと同時にチャイムの音がした。

「「ハ〜イ」」

シンジとマヤがシンクロした時、爆音が発した。

『ド〜ン!!』

マヤとシンジの二人の時を切り裂いた爆音がシンジ争奪戦の始まりだった。

 

 

続けようかな〜?


後書き?

なんか話がどんどんとデカクなってしまいました。最初はカヲルとマナ、そしてリツコの登場予定は無かったんですが・・・・・。そして掲示板にサブタイトル書きましたがすいません、変えちゃいました。ごめんなさい。それとこの話の感想、要望、批判などお待ちして〜す。


みゃあ偽・アスカ様(笑)他数名の後書きらしきもの

 

みゃあ「な、情けないコードネームだ(笑)」

ミサト「うるさいわねっ!こっちは必死なのよ!?」

みゃあ「腐海ですもんねぇ(^^ゞ」

アスカ様「だから、あたしのコードネームの方がいいって……」

みゃあ「どっちだって同じですよ」

アスカ様ミサト「なにぃ〜〜〜〜っ!?」

みゃあ「はぁ……これじゃシンジくんが逃げ出すのも無理ないなぁ」

リツコ「ぶざまね」

みゃあ「しかし、カヲルくんどころかマナまで出てきたときはたまげましたよ(笑)」

カヲル「ふふふふふ……」

マナ「シンジは渡さない」

ゲンドウ「それはこちらのセリフだ」

レイ「………」

マヤ「ぜ〜〜〜ったい、渡しません!」

シンジくん「……あ、あのぉ、僕の意志は?」

みゃあ「哀れよのぅ(T_T)」

逆襲2