合わせ鏡な日常
第一話
作・ALICEさま
くだらない毎日。
自分で選んだ道なのだが芸能界がこんなに面倒臭く、詰まらないとは思っても見なかった。
今日もテレビ局の出口ではマスコミが張っているのかと思うと憂うつになる。
何せ何時も同じ質問“青葉シゲル”と出来ているんじゃないの?
馬っ鹿じゃないの!?
誰があんなダサ×2ロンゲ男に惚れるもんですか!
ホント、馬鹿ばっか何だから!
にしても今日もいっぱいるわね、もう嬉しくって涙が出そう。
いっそうの事こんな所辞めちゃおうかなー?
惣流アスカ、現在芸能界の先頭を突っ走るトップアイドル。
ドラマ、バラエティー、歌と全てにおいて完璧であり、それを補って余るくらいの美貌の持ち主の17歳。
今日も車までの短い道程をマスコミに揉みくちゃにされながら、ドアの中へと消えてゆく。
「ねぇ、アレなんとかなんないの、五月蝿くって苛々すんじゃないのよ!」
相変わらずマスコミの態度には辟易しているようである。
「我慢なさい、あれは有名税みたいなもんだって、何時も言ってるでしょ。」
この人はアスカのマネージャー、洞木ヒカリ。
アスカの暴走を止め、我が侭を可能な限り叶え、アスカには無くてはならない存在である。
そんな風に今日も何時もと変わらない日常が過ぎて行った。
とあるコンビニの前。
「あぁ、今日はここで良いわ。買いたいモノもあるから、それじゃねー。」
「明日はAM9:00に迎えに来ます。それでは気を付けて。」
そう言って、ヒカリの乗った車は夜の町へと消えて行った。
アスカは今晩の夕食を買って帰路についてマンションの玄関まで来た時、公園に一つの人の影があった。
その影からは生きている感じがしなかった。
アスカは一瞬硬直した、死んでいるんじゃないかと思って。
だが思い切って影に話かかける事にした。
「もしも〜し、あの〜、生きてますか〜?」
反応無し。
「返事してくださ〜い。」
反応無し。
「ちょっと、マジで死んでるの?」
とそこまで言った時、
「・・・・・すいません、少し黙って貰えませんか。」
影の男は言った。
男というよりは青年に近い感じがする。
もちろんアスカは生きていたという安堵もあったが、自分がからかわれたと思い怒涛の勢いで青年に掛かる。
「あんた、私を馬鹿にしてるわけ?こんな夜に公園で死んでんのかと思って心配してやったてのに・・・・・」
そんなアスカに青年は質問する。
「心配してくれた事には感謝します・・・ところで貴方は誰ですか?」
・・・・・天下のトップアイドルを捕まえて言うようなセリフではないだろうが、青年は本気で言っていた。
「私のことを知らない・・・・・これでも今を耀くトップアイドルだって言うのに・・・・・トホホ。」
アスカは多少は自分の事に良い評価を持っていたのでそれなりにショックを受けたようだ。
「すいません。テレビとか雑誌とかそう言ったモノには疎くて、全然見ないんですよ。」
青年は心底申し分け無さそうに言う。
「いや、いいわ。世の中にはあんたみたいのだっているからネ。」
アスカはアスカでそれについては踏ん切りを付けて、何故こんな時間に、それもこんな所にいるのかを青年に聞こうと思った。
「でもなんであんたこんなとこにいるのよ、しかもこんな時間に?」
ダイレクトである、青年にどんな事情があろうとも彼女は知りたいと思ったら『知りたい』と思うため思いっきり突っ込むのである。
青年もそれなりに彼女の性格を見抜いてか、正直に話始めた。
「・・・・・詰まらないと思ったんです、今の生活が。誰かに言われないと何も出来ない今の生活が・・・・・もう生きたくなんてないって、そう思ってるんです。」
一瞬だけアスカは青年の心を見た。
「逃げてるだけなのかもしれませんが・・・・・。」
青年の瞳には星しか写っていなかった。
「あんた・・・・・(私と同じね・・・・・)」
「すいません、こんな辛気臭い話。でもあなたもそろそろ帰った方が良いんじゃないですか?もうこんな時間です、御家族の方心配していらっしゃいますよ。僕の方は大丈夫ですから。」
「でも・・・・・」
「もう少しこうしていたいんです。安心して下さい、ちゃんと帰りますから。」
「ちがう!そんなんじゃなくて・・・・・私も・・・帰りたくないから。」
アスカはこの青年に引かれていた。
自分と似ている境遇、そして何より青年の瞳に引かれた。
アスカはどうしてもこのまま別れたくなかった、もしここで別れたら二度と会えなくなるような、そんな予感がしたから。
「・・・・・いまから家にこない?」
「えっ?あなたの家ですか?でもこんな夜更けにお邪魔すると迷惑ですよ。」
青年は突然の誘いに驚いたようだ。
「大丈夫よ・・・・・家族なんていないから。」
青年はこんな事を言うつもりではなかったが、
「・・・・・それは奇遇ですね、実は僕にもいないんですよ。」
青年は彼女の自分と似ている境遇に思わずそんな事を言っていた。
だがアスカには更に気に入られたようである。
「あんたって結構良い感じね、こんな事話したりしたら普通は『ゴメン』とだったりするのに・・・・・。それにルックスも悪くは無いわね。ちょっと服のセンスがアレだけど。で、来るんでしょ?」
「来るって、何処に?」
「何処にって、私の家に決まってるでしょ!」
「でも・・・・・夜に知らない男なんて入れていいの?」
「いいのよ!それに知らなかったら今知ればいいのよ。」
強い人だと青年は思った。
「・・・・・羨ましい性格だな、僕は碇シンジ。」
「そりゃどうも、私は惣流アスカ。」
・・・・・それが私たちの出会いだった。
どもALICEです。 今回はエヴァキャラを使ったオリジナルストーリーです。
あまり整った内容で無く、ワシのずぼらさが出まくりです。
コレは続けようか、ここで終わりにしようか迷っている所なんですが・・・どうしましょう?
読者の皆さんに気に入って貰えるかどうかは分かりませんが感想なんかくれると、うれしいな〜。
ALICE 11/16 pm13:40
みゃあの感想らしきもの
合わせ鏡〜1