これまでのあらすじ:サードインパクト後の世界でシンジ・アスカ・トウジ・
ヒカリ・ケンスケの5名が再び心の壁・A.T.Fを
保ち再生した。
−−−−−−−−−GENDOU SIDE−−−−−−−−−−
「・・・・うん。ここは・・・」
私はいったいどうしたのだ。確かレイに裏切られ・・・・そして
ユイに再会し、初号機に食われたはずだが。ということは、ここは
地獄か。当たり前か、自分の血を分けた息子を戦いに巻き込み、なお
つらい選択をさせてしまったのだから。
「そういえば、シンジはどうなった。それに、ユイは」
「・・・・あなた・・・・」
私は声がした方を見た。そこには、
「ユイ・・・」
「久しぶりね、あなた。ずいぶん年をとったみたいね」
「ユイ、君はあの時のままだな。そう初号機に取り込まれた時の」
「初号機のなかでは年をとらないから・・・」
「いままですまなかったな、シンジを護ってもらってつらかっただろう」
「・・・・でもいつでもあの子を見ることができますから」
「そうか・・・・ところで君がここにいるということは地獄ではないようだな」
「ええ、ここはLCLの海、そしてアダム・リリス・ヒト・EVAの墓場」
「LCLの海かということは委員会の計画が遂行されたか・・・・」
「ええ・・・でも完全にはならなかったのよ」
「どういう意味だ。そう言えば君は先ほどEVAの墓場と言ったが」
「シンジが計画を否定し、あの子の最愛の人とともに残ることを決意したわ」
「最愛の人・・・・アスカ君か?」
「ええ、それにより全ての人に選択する権利が与えられたわ。」
「選択する権利か・・・」
「ええ・・そして私のクローンであり使徒の魂を持つ綾波 レイがその選択を
すべての人に聞いているわ」
「レイが・・・・」
「さて・・・あなた。あなたはどうするの?」
「私は・・・シンジの所にはいかないほうがいいようだ。私が近くにいると
シンジを傷つけてしまうだけだからな。」
「ただ、人と接するのがこわかっただけでしょ。」
「・・・ああ」
「でもシンジは自分からすすんでそれを望んだわ。あなたと同じく接するのを
とても怖がっていたあの子が」
「・・・シンジは怖がっているのではない。アイツは人のぬくもりを知らない
だけだ・・・」
「そうね。でもそれはあなたにも言えることじゃない?」
「・・・どういうことだ。」
「あなたは私のことしか想っていないようですけどそれでは他人は想って
くれないわ。あなた自身が他人に重いをよせない限り」
「私には君だけでいいんだ」
「シンジにもそれをわけてあげないんですか?」
「・・・シンジにか」
「ええ私はシンジが小さかったころしかそれをあげられなかった・・・
でも今度のことであの子に会うことができるようになりました。
せっかくシンジが与えてくれたチャンスですもの、今までの分を
とりもどさせてもらいますわ。あなたはどうするの?」
「・・・私は、君に会うためにここまできた。その次は考えていない」
「それじゃあ考えてみたら、シンジと親子の絆を取り戻すことを」
「親子の絆か・・・・」
「それと私のせいで苦しんだ、私のもう一人の子供ともね」
「もう一人?」
「そう、そろそろ来ると思うけど・・・」
と突然私の前の空間がひかって人の形になった。
「レイ・・・」
「そう私のもう一人の子供・レイよ」
「お久しぶりです。碇司令・・・。単刀直入にお聞きします。
碇君の所にお戻りになりますか?」
「・・・私は・・・・」
「あなた・・・もう傷つくこともありません。シンジにやさしく接してやって
ください」
「ユイ・・・わかった。戻ろう、だがレイそれはおまえもいっしょだ」
「・・・え」
「私はおまえにシンジと同じ苦痛を与えた。それ以上の幸せを与えさせてくれ」
「・・・すべてが終わったら、あなたも私の娘としてこっちの世界にいらっしゃい」
「・・・・わかりました。それと・・・ありがとう、お父さん、お母さん」
「「レイ(ちゃん)」」
「それじゃあもとの世界に戻って待っていてください」
「わかった・・・」
気がつくと私はユイとともにLCLの海の海岸に居た。
「・・・戻ったか」
「あなた・・・」
「ユイ・・・立てるか?」
「ええ・・・さああなた、行きましょう」
「うむ、シンジのところへ」
「そして親子の絆を取り戻し新たな家族を迎えるために」
5thDay END