見合って、見合って!?

 (前編)

作・知久一幸さま

 


 

−前書きもどき−

 

知久:皆様こんにちは、知久一幸と言います。

   この話はPS版『同級生2』のイベントが元に・・・というか、

   殆どパクリとなっていたりします。(^^;

   拙い作品ですが、どうぞ最後までおつきあい下さいm( )m

 

 

 

 

 

 

ホテルのエレベーターに一人の客が乗っている。

 

三が日を過ぎたばかりなので、着物姿でもさして珍しいものではない・・・が、

 

その格好をしている人間に問題があった。

 

肩幅が広く、骨太、背も高く、着物のサイズがあっていなかった。

 

しかも、はみ出た足は筋肉質ですね毛が・・・(オエ)

 

顔に至っては、上手とはいえない化粧まで施されており、

 

その頭にはとても分かり易いカツラが被せられていた。

 

要するに、『つんつるてんの着物で女装をした男』だった訳である。

 

その男の名前は“りゅうのすけ”という。

 

八十八学園の名物男にして町の超有名人である。

 

さて、その表情はというと・・・苦虫を噛み潰したような顔している。

 

どうやら、自分から進んでこの格好をしているのではなさそうである。

 

(何で俺がこんな格好を・・・・・・くそっ、こうなったのも全部いずみのせいだ!)

 

なにやら事情がありそうだが、それを説明するためには時間を元旦にまで遡る必要がある。

 

 

 

 

 

 

−元旦−

 

「ただいまー!」

 

玄関に元気な声が響く。外はもうすっかり暗くなっていた。

 

「あら、りゅうのすけ君。おかえりなさい」

 

リビングでりゅうのすけを迎えたのは同居人であり、母親代わりの“鳴沢美佐子”である。

 

「元旦早々、朝から遅くまでどこに行っていたのかしら?」

 

「んーっと、まあ、ぶらぶらしてたんだけど・・・」

 

微笑みながら訊ねる美佐子に、りゅうのすけは曖昧な答えを返しただけであった。

 

実際、特に何をするわけでもなく、八十八町や如月町をぶらついていただけなので

 

この答えは仕方がない。

 

「そう?可愛い女の子でも見付けてナンパでもしてたんじゃないの?」

 

からかうような笑みを浮かべながら美佐子はさらに訊ねた。

 

こういう冗談が言えるのも『前科』のあるりゅうのすけに対してだからである。

 

「そういう美佐子さんはどっか行かなかったの?喫茶店も休みだったんだしさ」

 

これ以上からかわれてはたまらないと、話をかわすりゅうのすけ。

 

「私?私は大学時代の友人達と、元旦に新年会があったのよ。和服を着たのは久しぶりだから

 

立っているだけで疲れてしまったわ」

 

(美佐子さんの和服姿か・・・見たいな)<作者:同感だ(笑)>

 

 

 

 

 

 

(和服・・・着物か・・・)

 

二階の自室に戻ったりゅうのすけはベッドに座って今朝のことを思い出していた。

 

 

 

 

 

 

「りゅうのすけ」

 

玄関を出たところで、誰かに名前を呼ばれた。

 

「誰だよ、正月早々気安く呼ぶや・・・」

 

声から誰であるかは分かっていたので、いつも道理の悪態を付こうとしたりゅうのすけだが、

 

最後まで言葉が続かなかった。

 

「よ、よう」

 

「・・・い、いずみ!?」

 

目の前に立っていたのは着物姿の“篠原いずみ”であった。

 

「うん」

 

りゅうのすけの質問に答えるその口調は、その服装のせいかいつもより大人しいものだった。

 

「・・・・・・き、奇麗だ」

 

まじまじといずみを見つめた後、りゅうのすけはそれだけを呟いた。

 

「どうせ着物がって言うんだろ?」

 

いつものりゅうのすけであればいずみのこの言葉に頷くのだが、今日は少し様子が違っていた。

 

「違うよ、いずみがだよ」

 

「ほ、本当か?」

 

信じられないという様子でいずみは聞き返した。いつものりゅうのすけであれば、

 

着飾ったいずみを見ても「服がきれい」などと言ってからかっていたはずである。

 

「うん、すごくきれいだ」

 

はっきりと頷くりゅうのすけ。

 

「りゅうのすけ、明けましておめでとう」

 

「おめでとう、いずみ」

 

二人はようやく新年の挨拶を交わした。

 

「今年もいい年になるといいな」

 

「そうだね、お互いに」<作者:何か・・・いつもと会話が違ってないかい、お二人さん?>

 

「りゅうのすけに、どうしても見てもらいたくてさ」

 

「う、うん」

 

普段のいずみらしからぬ科白に、ぎこちなく頷くことしかできないりゅうのすけ。

 

「りゅうのすけに会いに来て良かったよ、奇麗だって言ってくれたし」

 

「だって、本当に奇麗だもの」

 

「・・・ありがとう」

 

いずみは頬を桜色に染ていた。

 

「りゅうのすけ、今年もよろしくな」

 

嬉しさを顔中に表しながら、いつもの口調でいずみは言った。

 

その後、いずみは家族と初詣に行くからとすぐに帰ってしまった。

 

(いずみと一緒に初詣・・・行きたかったな・・・)

 

そう考えるとちょと残念に思うりゅうのすけであった。

 

 

 

 

 

 

(奇麗・・・か)

 

いずみをそう感じたのは、りゅうのすけにとっては初めてのことだった。

 

(あのときは・・・)

 

いずみを誘い、あきらや洋子達四人でスキー旅行に行ったとき、二人きりになったあの夜、

 

りゅうのすけはいずみから告白され、二人は口づけを交わした。

 

(あのときのいずみは・・・可愛い・・・そう思った)

 

いつもは同姓の友達のように接してきたはずだった・・・

 

けれど、やっぱりいずみは女の子なんだって・・・あのとき思い知らされた。

 

そして、今日はまたいずみの別の一面を見せつけられた。

 

着物姿のいずみを見たとき、りゅうのすけは思わず見とれていた。

 

あの夜とも違う“女性”としてのいずみがそこにはいた。

 

(やっぱり、女は奥が深いなぁ・・・)

 

うんうんと頷く、りゅうのすけだった。

 

 

 

 

 

 

『とるるるるる・・・とるるるるる・・・』

 

(ん?)

 

りゅうのすけを現実の世界に引き戻したのは、電話のベルであった。

 

「あれ、電話が鳴ってるぞ。誰からだ?」

 

がちゃっ

 

「もしもし?」

 

「・・・もしもし、りゅうのすけか?」

 

「その声は・・・いずみだな。うちに電話なんて珍しいじゃないか」

 

「相談があるんだ」

 

電話越しのいずみの声は、少し沈んでいるように聞こえた。

 

「相談だあ?」

 

「・・・・・・」

 

「いずみが俺に相談だなんて、ますます珍しいな」

 

「ちゃかすなよ・・・こんなこと、りゅうのすけにしか相談できないんだ」

 

少し拗ねたようないずみの声。

 

「・・・ああ、悪かった。で、相談ってのは何だ?」

 

いずみの口調から察したのか、幾分真剣な面持ちで聞き返すりゅうのすけ。

 

「私・・・おじいちゃんの命令で見合いさせられるんだ」

 

 

 

 

 

 

<つづく>

 

 

 

 

 

 

−後書き代わりの言い訳−

 

知久:うぅぅぅぅ・・・へぼい、へぼすぎる〜〜!!

   皆様こんなへぼい作品ですみませーん!!

   しかも、何か続いているし(爆)

   たぶん、後1回か2回あたりで終わると思うんですが・・・・

   なにぶん行き当たりばったりで書いていたりするので

   ハッキリと断言できません(笑)

   MIYAさん、すみませんがこんなので良かったら貰って下さい。

   では、続きはなるべく早く書きたいと思っていますので

   期待しないでお待ち下さい!

   あ、それとMIYAさん・・・

   コメントはいずみちゃんと一緒でお願いできますか?(笑)


 

みゃあいずみの感想らしきもの。

 

 

 

見合って〜1