ミサト大作戦
〜第一話「ショタに金棒」〜
作 DENTER.Tさま
特務機関ネルフ本部の奥深くに存在する薄暗い研究室。
その部屋の扉には[危険区域 関係者以外立ち入り禁止]と大きく朱書されている。
素人には何に使うのか到底解らないであろう機具やら試験管やらが並ぶその部屋の中、二つの影が目の前にある何やら妖しげな液体をのぞき込んでいた。
「・・とうとう出来たわね」
長い沈黙のあと、呟くように言葉を発したのは、
藍色の髪を腰のあたりまで伸ばした女性であった。女性ながらもネルフ戦術作戦部の指揮官を努めるこの人物は、名を葛城ミサトという。
均整のとれた顔立ち、豊かな張りのあるバスト、その胸から腰、さらにその下へと伸びる女性的なライン、魅力的という表現に充分値する女性だ。
しかし、その一方で指揮官および保護者という立場を悪用し、碇シンジを自宅に住まわせるように仕向けたショタコンでもある。
「人類が生み出した化学の勝利よ」
あくまでも冷静に応えるこの声の主は赤木リツコ。
ネルフ本部の技術開発部長で、この部屋の主である。
肩のあたりできちんと切りそろえられたブロンドの髪、左目の下にある泣きボクロが印象的で、どこか理知的な感じを見る人に与える女性である。
でも、陽電磁砲やエヴァ等、とんでもないブツを次から次へと生み出すマッドサイエティストだ。
二人とも三十路に近いオバサンのはずなのだが、
体全体から発せられる精力的な印象がそれを感じさせない。
二人はこの数ヶ月間、訳の解らない[使徒]の研究なんかは放ったらかしにして、さらに訳の解らないこの液体の開発に心血を注いでいたのだった。
もちろん、マヤやトオルをはじめとする部下たちはこの行動をいぶかしく思ったのだが、この怪しげな研究の実験台になるのを恐れて、ついにこの研究室を訪れることはなかった。
「人間の神経伝達系統を任意に選択して麻痺させることができ、精力剤としての効果も併せ持つ・・。精力剤としての効果はユンケル黄帝液の約1500倍、無色でしかも無味無臭。完璧だわ」
ミサトがいくぶん興奮ぎみな声で、いかにも解説的な台詞を付け加える。
「その通り。この薬こそショタによる、ショタのための新薬よ」
リツコはどこかで聞いたような言い回しでそれに応じ、およそ科学者が考えたとは思えない安易なネーミングをこの新薬に与えた。
「名前はそう・・。ショッターDXにしましょうか」
数時間後
新薬[ショッターDX]は数本の小瓶に収まっていた。
「わたしは使い道が決まってるからいいとして・・。リツコは誰に使うつもりなの?」
「そうねえ、誰にしようかしら。関西弁のジャージ男もいいし、軍事オタクも捨て難いわよね。ああ見えて意外とたくましそうだから。・・ゆっくり考えることにするわ」
(「たくましい」って一体どこを差して言っているのかしら?)
そんな事を思いながら、ミサトは大事そうに小瓶をポーチに入れる。
「それじゃ、わたしは他にも準備しなくちゃいけない事があるから先に
行くけど。せいぜい楽しんでね」
「ふふっ、言われなくてもそうするわ」
重い扉を開け、出て行こうとするミサトに、リツコは微笑を浮かべながら応えた。
ミサトが去り、白衣をまとったリツコだけが研究室に残る。
「ふぅ・・。」
彼女はため息を吐くと、あごに手を当てて思案を巡らせる。
「そうねえ・・誰にしようかしら」
さっきと同じ言葉を呟く。
しばらくの間を置き、そして思い立ったように、
だがゆっくりと席を立つ。
「[彼]がいいわね」
一人納得すると、小瓶をポケットに突っ込み、足早に研究室を後にした。
つづく
ENDING
Fry me to the moon(小柳ルミコバージョン)
次回予告
アスカとの確執にリタイヤ寸前のシンジ
そんなシンジに追い討ちをかけるような出来事が
平和なはずのマンションにミサトの罠が待ち受ける
シンジがそこで見たものは・・
次回「シンジ捕獲計画」
来週もサービスサービス!
みゃあ
の感想らしきもの。
みゃあ「う〜む……。年増のショタは手に負えませんね(笑)」
みゃあ「……にしても『ショッターDX』ってネーミングは(^^ゞ。リツコさん、どっかの改造人間作ってる組織の下っ端じゃないんだから…(笑)」
みゃあ「いやいや、前回とは打って変わった雰囲気で、この後がとっても楽しみですよ、DENTER.Tさま!」
みゃあ「最近ミサトさんも書くようになってきたので、とっても嬉しいです。さて、シンジの運命やいかに!?(笑)」
声「ふっふっふっふ……*2」
みゃあ「はっ!?な、何だこの声は……あっ…(ザーーーーーーー!!)」
(SOUND ONLY)
みゃあ「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!」
何が起こったのか!?
次回を待て!(爆笑)
ミサト大作戦1