『Auf Wiedersehen Rei.....und Guten Tag Yui !!〜ユイ、そして再生へ〜』

第一話「長夜」

作・D・Sさま

 


 

ど〜もD・Sです

 

毎度お馴染みのものです

 

2つの記憶とはあまり関係ないです

 

だって今回は◯◯ちゃんが主役だもん!

 

ではお楽しみ下さい

 


 

『Auf Wiedersehen Rei.....und Guten Tag Yui !!〜ユイ、そして再生へ〜』

             〜プロローグ〜

 

『計画書はここに....』

 

『あぁ、ご苦労だったな....赤木リツコ博士』

 

『この計画、本当に実行するおつもりですか?』

 

『あぁ、問題は無い』

 

『しかし、倫理的には...』

 

『君にそんな台詞は似合わんよ』

 

『........』

 

『もう下がっていいぞ...赤木リツコ博士』

 

『あともう一言だけ....』

 

『なんだ?』

 

『あなたは、私を...結局愛してくれは...』

 

『あぁ、愛してなどいない....それは承知の上と踏んでいたが?』

 

『......』

 

『ご苦労だった、下がっていいぞ』

 

リツコは目の前に座る男をキッと睨み、そして身体を反転させ出ていった

 

(あの言葉...ご苦労だった...もう私はいらなくなったんだ...)

 

 

溢れそうな涙を堪え、さっそうとセントラル・ドグマへと向かった....

 

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 第一話『長夜』

 

 

 

 

シンジは退屈だった

 

今日と明日はシンクロ・テストのみ

 

使徒が来ないのはいい事だったが単調な毎日がただただ無駄に過ぎていく

 

(以前の僕の望んだ生活そのものだ)

 

『シンジ君、どう、感じは?この前より慣れた?』

 

『えぇ、この前のように頭に直接入ってくる痛みは無いです』

 

 

 

 

 

『シンジ君、零号機に乗れるわね』

 

『えぇ』

 

なんとも気の無い返事だった

 

この頃リツコは研究室に籠りっぱなしだった

 

『リツコ、なんか疲れがひどくみえるけど?』

 

『先輩、少しコンをつめすぎだと思いますよ』

 

『えっ、大丈夫、仕事が片付いて緊張が解けただけ...』

 

『ほんとに大丈夫?』

 

『えぇ、ご免なさい、余計な心配は無用よ』

 

 

 

 

 

 

『シンジ君、どう?まともに乗った零号機は?』

 

『やっぱり、この前とは違いましたね...なんともなかったですから』

 

『ちょっとだけ設定を低目にしてみたの...まだ戦闘は無理だけど』

 

『でも、僕には初号機があるから...』

 

『パイロットの方よ』

 

『えっ』

 

そんな事はその場にいた中ではリツコ以外皆知らないことだった

 

『レイになにか問題でも?』

 

『いえっ、そういうことでは無いのよ、ただ...』

 

『......わたしは大丈夫です...赤木博士...』

 

『それも分かっているわ、その方が悪い位よ』

 

『....?....』

 

リツコの瞬時の暗い表情はミサトにしか捉えられなかった....

 

 

 

 

 

 

シンジとアスカは家にいた

 

どちらも忙(せわ)しなく動き回っていた

 

シンジは料理に始まりアスカは着替えから

 

次は食事、風呂、テレビ、ゲーム.....

 

落ち着かない雰囲気だった

 

演奏会からもう1ヵ月が過ぎていた

 

その間二人は何度となく愛しあったし、お互いのことは熟知していた

 

しかし、シンジとアスカはまだ初(うぶ)だった

 

逆にその初さが2人とも好いてはいたが....

 

 

 

あのリツコさんの発言の後....

 

非常召集が父さん、つまりネルフ司令官の命によって行われ、

 

真相は聞けず終いだった

 

なんだったんだ?あの言い方...

 

リツコさんらしくないような、弱い所があった

 

綾波になんかあったのかな...

 

別にいつもとなんら変わらなかったし、綾波もそれを否定していた

 

あの非常召集がなんか関係あるのかな

 

呼ばれたのはミサトさん以下作戦部、リツコさん以下技術部、そして綾波....

 

その時はあまり気に留めなかった

 

綾波と父さんはなんか繋がりがあるから

 

でもリツコさんの事を考えると綾波が呼ばれたのには訳があるのは確実だった

 

明日、ミサトさんは教えてくれるかな

 

帰ってくれば...だけど

 

 

 

 

 

シンジとアスカは同じ部屋....シンジの部屋で横になっていた

 

もう、行為は終っていた

 

アスカは僕の胸に右手を置き抱きつくように眠っている

 

くすっ、かわいい寝顔...

 

とても、とても愛らしい....僕はアスカの寝顔に顔を近づけ、そっとつぶやく...

 

『アスカ、服を着よう?』

 

『うっう〜ん』

 

『起きてたの?』

 

『ちょっとウトウトしかけてただけ....』

 

僕らはベッドから降り、自分の服を着る

 

アスカのきれいな肢体が眼に映る

 

白く、透き通るような肌

 

ひきしまった無駄のない下半身

 

上向きなピンッとせりだした胸

 

そこにはきれいな...僕しか知らない乳首がある

 

そう、僕しか知らない、僕だけが知ってる本当のアスカ

 

何も隠すもののない、完璧なアスカ

 

僕はまた下半身の疼きを感じた....

 

『アスカ...』

 

『やんっ、せっかく服を着たのに』

 

『脱がなくても...』

 

『.....んっ....』

 

夜は僕らには長かった

 

 

 

朝、一番に電話が鳴った

 

僕らは朝食を済ませ、登校する直前だった

 

僕が受話器を取ると、よく知っている声が耳に流れ込んできた

 

『シンジ君?アスカは?』

 

『えっ、ミサトさん?おはようございます』

 

『あぁ、おはよう、それよりアスカは?』

 

『はい、ここに居ますよ』

 

『今すぐネルフに来てちょうだい』

 

『なにかあったんですか?』

 

ミサトさんの声は緊迫感があった、なのに僕はこんな質問をしてしまった

 

『えぇ、来ればすぐ教えるわ.....』

 

向こうから切れた...僕は受話器を置いた

 

『ね〜シンジ?ミサトなんだって?』

 

 

 

僕らは会議室にいた、作戦を伝えるあの部屋だ

 

『えっ!サルベージ!?いったい誰を?』

 

『あなたのお母さん....司令の奥さんね...碇ユイその人よ』

 

『でも、10年くらい前の計画では失敗したって...』

 

『えぇ、失敗したわ....』

 

リツコさん、ミサトさんは僕とアスカを目の前に話し始めた....

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『今から11年前.....それは零号機の実験中だったわ』

 

リツコさんの話しの下りはこうだった.....

 

 

 

 

 

 

突然の暴走から一転、起動さえしなくなった零号機

 

当然、パイロットとの交信は不可....絶望的な空気が流れた

 

当時、3才だった僕は周りの雰囲気から察知し泣き出したそうだ

 

もう、毛ほども覚えてはいないが.....

 

 

 

零号機は、ほぼ大破....エントリー・プラグも例外ではなかった

 

父さんの顔が苦痛に歪んだ

 

僕は見たこともない...父さんの表情...予想もつかない

 

やがて、映像が回復....皆はそこで信じられないものを見た

 

 

 

 

母さんの姿はどこにもなかった.....あるのは服とそこを満たすL.C.Lのみ

 

皆が悲観に暮れる中....父さんだけは違った

 

『赤木博士....ユイはどこにいると思う』

 

『私にはとても....いえません...』

 

『それは、天国という意味か?』

 

リツコさんの母親....今は亡き赤木博士が慎重に言葉を繋いだ

 

『一概にそうといい切れませんが....恐らく...』

 

『冬月、おまえもそう思うか?』

 

『......それ以外になにか考えがあるのか?』

 

『あぁ、見たままだ....ユイはあの中にいる....』

 

それからサルベージ計画がスタートした......

 

 

 

 

 

エントリー・プラグの損傷がひどかったため、場所を変えたそうだ

 

それが今回の発端となる...

 

エントリー・プラグは強化水槽に入れられ、万一の場合に備える

 

そして始まり....

 

 

始めは順調だった....L.C.L内に、ヘドロの様な塊が構成され始める...

 

誰もが計画の成功を確信しつつあった、そのとき...

 

 

エントリー・プラグは急激な圧力、磁場の変化に耐えられずL.C.Lを吐き出し始めていた

 

それは、別な原因の可能性が強いとリツコさんは補足した

 

ゆっくりと...L.C.Lが強化水槽を満たしていく...

 

母さんだったヘドロはだんだん流量を増し破壊されるエントリー・プラグの中で....

 

その渦の中に溶けた......

 

 

 

 

 

それが計画の失敗を意味していた

 

父さんはそれで計画の再実行を諦め、L.C.Lを破棄させた....

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『そう、そこで違いがでるの...』

 

『実際破棄はされなかったのよ』

 

『....ということは?』

 

『あなたのお母さんがいるであろうL.C.Lはここ、ネルフ本部に保管されていたの』

 

『でも、なんでいま頃?』

 

僕はハッとする、愚問だ

 

僕はその状態から生きて還っているのだから....計画は成功しているのだから

 

『じゃぁ、母さんは生き返るんですね?』

 

『再構成されるのよ』

 

『同じことです、そうか...母さんが...』

 

僕は涙を流してその場にうずくまった

 

アスカが僕を背中からそっと触れる...

 

母さんが...記憶に無いけど....僕の母さんが....僕は会えるんだ

 

『よかったわね、シンジ』

 

『うんっ....うんっ....うんっ....』

 

 

 

 

 

 

 

 

『シンジ君、悪いけどそれで終りじゃ無いの』

 

『えっ...』

 

 

 

 

リツコさんは僕らに技術的な説明をした....

 

この後のことを僕はまだ予想できていなかった...

 

『シンジ君、L.C.Lというのは超微粒子の集まりなの...専門的にはエーテルに近いわ』

 

『エーテル?』

 

『宇宙を満たしているといわれてる....未確認の?』

 

『そうよ、アスカ....つまり細かい粒子の水みたいなものなのよ』

 

『それで?』

 

僕は早く結末を知りたかった

 

『そう、つまりL.C.Lが蒸発するとなるとそれを止める物質は無いということなの』

 

『それが重要なんですか?』

 

『つまり...L.C.Lは蒸発するの...ゆっくりとだけど』

 

『シンジ君、あなたのお母さんも例外ではないの....

 

 強化水槽はそれを止められない』

 

『.....!!...』

 

僕はやっと重大さに気付いた

 

『じゃあ、母さんはいなくなっていくんですか?なにもせずとも』

 

『そう、エントリー・プラグ内なら問題は問題はないの

 

 あそこは無菌状態が保たれるようになっていたから』

 

『でも、強化水槽は違うの....今は大丈夫だけど開けたり人が踏み込んだりしたら

 

 それで全てが終りなの、だから何もできなかった』

 

『強化水槽はあくまで予備、なんのコネクタも受け付けない構造なの』

 

『それに、再実験の成功可能性はMAGIでは0.000000000015%と出したわ

 

 だから、何もできず破棄したことになっていたの』

 

僕はショックを隠せなかった

 

そこにいるのに、何もできず....いなくなっていく母さん....

 

しかし、

 

僕は、ふと疑問が湧いた...悲観させるために僕らはここに呼ばれたのか?

 

『でも、僕らにこんな話をするって事は可能性が変わってきたんですよね?』

 

『そうよ、シンジ君』

 

『本当ですか?』

 

僕はまた希望が胸に湧いてきた

 

『MAGIはこの間のシンジ君のときのデータと今回の判断から98.5%を成功としたわ』

 

『.........!!』

 

僕が喜びをかみしめる中、反対に暗い顔のミサトさん、リツコさんにアスカが聞く....

 

『今回の判断って?』

 

『それがあなた達を呼んだ理由よ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『この計画に反対の者は?』

 

僕はすっと手を挙げた

 

リツコさんも.....ミサトさんは挙げなかった

 

『なんだ、シンジ....』

 

『僕はこの計画には反対です』

 

『私もシンジ君と同じく...』

 

『なぜだ?』

 

『人の命を助けるために....人の命を無くすのは嫌です』

 

『私も同意見です...倫理的に許されない事です』

 

『おまえ達には失望させられるな....』

 

父さんは表情を変えない

 

『レイ、お前から言ってやるべきだ』

 

『.....私は承諾しました...』

 

『...だそうだ、倫理とは望む望まずに関係する....問題はない...』

 

『しかし、司令!』

 

『ここは賛否を問う場だ....大声を張り上げる所ではない.....』

 

 

 

 

 

リツコさんは教えてくれた....

 

綾波のこと

 

 

 

 

 

『レイはね、ユイさんのクローンというべき存在なの』

 

僕は驚愕した

 

『正確には違うけれど....DNAは同じなの』

 

 

--------綾波の言葉、姿、性格、全てがわかった--------

 

 

-----綾波の雑巾の絞り方って母さんって感じだった-----

 

 

-----そう、よかったわね・・・・聞き覚えのある...母さんのいっていた言葉-----

 

 

-----私にはエヴァに乗るしかないの-------

 

 

----私には碇司令を信じるしかないの------

 

 

----わからないの、多分私は3番目だから---

 

 

綾波は母さん?

 

母さんは綾波?

 

じゃぁ、綾波って?

 

誰?

 

誰なんだ?

 

僕を産んだ母さん

 

じゃぁ、僕を産んだのは綾波?

 

分からない、分からない、分からない、分からない、分からない、分からない、

 

父さん、なにをした!?

 

母さんに、綾波に!!

 

何をしたいんだ、父さん!?

 

母さんに、綾波に、僕に!!

 

許せない、許せない、許せない、許せない、許せない、許せない、許せない、許せない、

 

 

僕は父さんを許せない

 

母さんを、綾波をこんなにした父さんを

 

 

憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、憎い、

 

 

 

憎い?

 

憎いのか?

 

父さんは

 

父さんは僕が望むことを代わりにしてくれているのか?

 

 

 

 

 

 

僕はベッドで泣いていた.....

 

『シンジ、大丈夫?』

 

『えっ、うっうん』

 

僕らはまた愛しあっていた.....

 

慰めてくれていた

 

僕のことをアスカが慰めてくれていた

 

 

計画は賛成多数で了承、2日後に行われる....そのあと、直に解散となった...

 

綾波は媒体となる...

 

つまり、成功は綾波がいなくなることを意味している

 

そんなのは間違っている

 

なぜ綾波という少女が身を捧げなければならない?

 

父さんは僕とリツコさんの意見には耳を貸さず終いだった

 

綾波の本心を知りたかった

 

なぜ死ねといわれて死ねるのか?

 

どうしても知りたい

 

 

 

 

横を見るとアスカが見つめていた

 

きれいな藍い瞳....僕を愛した人と思ってもこの瞳に見つめられると顔に熱が昇る....

 

僕の考えがまとまったのを察知したのだろう

 

『シンジ、明日ファーストの家にいくわよ....』

 

『えっ、アスカも来てくれるの?』

 

『まぁ、今はあたし達3人はエヴァの運命共同体だからね....義理ってのは厄介ね』

 

僕らはふっと笑い、ベッドを降り、服を着始めた....

 

 

 

 

 

夜は僕らには長かった

 

(第一話『長夜』完)

 


ど〜もD・Sです

 

どーですか?

 

ちょっと今回は綾波中心で行きたいと思って書いたんです

 

一応、題の言語はドイツ語で直訳は

 

『さようなら、レイ....そして、こんにちは、ユイ』です

 

どうでもいいか、そんなこと

 

今回は泣き虫君はシンジ君になってしまいました

 

ちょっと、リツコ博士も片足踏みいれてます

 

あと、今回は18禁なんない程度でエッチモードです

 

まだ14才なのにこんなんでいいのかな〜(笑)

 

前作ではゲンドウさんは優しかったので今回は厳しくいかせてもらいました

 

でも、次回ユイが復活したら狂ったりして(笑)

 

あとD・Sは基本的に楽観主義なので(自爆)綾波ファンは御心配無く、

 

ラストもいい感じに終らせてみせます、多分、きっと、なんとなく....そんな感じが....

 

では、

 

次回予告

 

綾波の語る真実

 

シンジ、アスカはそれをしかと受け止める

 

レイはユイとの供生を拒む

 

息を飲む一同

 

果たしてレイ、ユイの運命は.....

 

次回『Auf Wiedersehen Rei.....und Guten Tag Yui !!〜ユイ、そして再生へ〜』

 第二話『運命』

 

 さ〜て次回もサ〜ビス、サ〜ビス〜(注:ゲンドウ)

   ゲンドウ:ふっ...問題は無い.....?

 


 

みゃあと偽・アスカ様(笑)の感想らしきもの。

 

みゃあ「さてさて、はじまりましたD・Sさまのドイツ語タイトルシリーズ(笑)」

アスカ様「シリーズ…って、なんであんたにそんなこと分かるのよ?」

みゃあ「はっはっは、このコメントをいつ付けてるか、バレバレですな(^^ゞ」

アスカ様「……笑い事なの?あんた」

みゃあ「いえ(^^ゞ。反省してます。けど…これから12連発なので、どんどん行きましょう」

アスカ様「じゅっ、じゅうにぃ〜〜〜〜〜!?あんた、前よりも多いじゃないのっ!」

みゃあ「はいな。溜めてた期間はほぼ同じなんですが…それだけD・Sさまの執筆が早いってことですな(笑)」

アスカ様「はぁ……。あたし12回も疲れるからイヤよ」

みゃあ「まあまあ、そう言わずに」

アスカ様「…だいたい、あんた一人で感想書けばいいじゃない!あたしまで巻き込まないで」

みゃあ「何言ってるんですか。アスカ様あってのこのコメントじゃないですか(^o^)」

アスカ様「ひ〜〜〜〜ん」

ユイ、そして〜1