『誰がために鐘は鳴る〜祭日〜』

最終話「祝福(ブレス)」

作・D・Sさま

 


 

『誰がために鐘は鳴る〜祭日〜』

 

              〜最終話『祝福』〜-ブレス-

 

 

シンジは帰ってこなかった....ずっと眠らず....帰りを信じて待ち続けて

 

あたしは心配と不安と恐怖と.....全ての負の感情が折り混ぜになって....待っていた

 

昼になり....ドアがばたんと音を出した

 

あたしは飛び起きリビングに出た....誰もいなかった

 

ふと見るとシンジの書斎のドアが風に吹かれて音を立てていた....

 

あたしはドアを少し開けて....そっと中を覗いた....もしかしたらと

 

誰もいなかった....机には一つの封筒

 

あたしは何か嫌な予感が身体を突き抜けるのを感じたが部屋に入り封筒を見た

 

『アスカへ』

 

そう封筒には題してあった....

 

あたしは震える手を無理やり抑えつけて手を伸ばした

 

慎重にそれを持った....変に持ったら砂のように崩れそうに感じた

 

中には便箋が何枚か入っていた....きちんと4つ折りで

 

あたしは何かにやらされているように便箋をゆっくりと開いた....みたくないのに

 

見事な達筆だった....それはシンジの字....

 

『アスカへ、こうやって手紙を書くのはなんか変な感じがするけど....まぁ、これも最初

 

で最後だから....今、君がこれを読んでいるとき、多分今僕はこの世にはいない。この言

 

葉は必死で考えた末の言葉だよ、悪くとらないことを祈るよ。今はもう昼かな?予想では

 

そうなんだ。僕は自分のために出かけている....訳は帰ってきたら話そうと思ったんだ。

 

どうせ僕がこの世にいないならいう必要は無いからね。もし、生きて帰ってこれたなら直

 

ぐ処分するつもりだったんだ、だから読まれてるということは...二度はいわないよ。もし

 

僕がもう一度だけ君に会えるなら.....君に言いたい、伝えたいことがある.....でも、それ

 

はこれからの君を縛り付けることになるから....言えないよ......愛してる。愛してるよ。

 

だから必ず帰って来てこれは君に読まれることは無いんだ.....一生届かない...僕からのラ

 

ブレター』

 

 

 

 

アスカは何も言わず便箋を封筒にしまった....そして走ってベッドに向かい....咽ぶ声が漏

 

れていた......その時、一人の訪問者があった

 

男だった、玄関に立ち、誰かがドアを開けるまで立っていた

 

アスカはチャイムを聞き、シンジでないと思い洗面所で顔を洗った

 

ドアを開けると......見慣れた男が立っていた

 

アスカは声が出なかった

 

 

 

 

 

 

葬儀は滞り無く行われた

 

弔問者はあまりいなかった

 

ミサト、レイ、トウジ、ヒカリ、ケンスケ、ユイ、ゲンドウ、そしてあたし....

 

シンジはあの日銃弾に倒れた.....父親のゲンドウは必死で脱出したが間に合わなかった

 

アスカはその事実をその日の昼碇ゲンドウの口から聞いた

 

涙は今日までにもう枯れていた

 

悲しかったが、涙は出なかった

 

むしろ懐かしさが胸を満たしていた

 

シンジはペンダントをしたまま死んだらしい

 

ペンダントは脱出の際、ゲンドウが抱えたときに落としてしまったとのことだった

 

だからもうない....シンジはもういない

 

あたしはピアスをしていた....思いでの...ピアス

 

シンジからの初めての贈り物

 

そして初めての夜の思い出でもある

 

思い出....そうあたし達は結婚するはずだった

 

あと3か月....永遠に来ない3か月

 

それを思うと.....胸が熱くなる自分を感じた

 

 

 

 

ゲンドウはアスカに挨拶をして、車に乗り込んだ

 

『いいのか?』

 

『えぇ、まだ...いまは』

 

『そうか...』

 

『そう.....いまは』

 

車は発進し始めていた

 

 

 

シンジがいなくなって3か月後.....

 

『じゃ、いってくるわよ』

 

アスカは新しい住人犬(ダックス・フンド)のシンにそういう

 

『昼には帰ってくるからちゃんとおりこうにしてんのよ?』

 

シンは同意を示したいのか腹が減ったのかアスカがいなくなるのが寂しいのかワンワン鳴

 

いていた

 

『も〜駄目だって、静かに!』

 

ぴたっと一瞬止んだのも束の間、息を深く吸い込みまた始めた

 

『も〜わかった、わかった....もうちょっといるから〜』

 

ドアが油圧が抜ける音と共に静かに開いた

 

男が入ってきた....見ためには少年だった.....首にはペンダントが光っていた

 

男がリビングに入ると少女....女性が犬と戯れていた

 

『あれ、犬を買ったんだ?』

 

少女は少年に気付かず犬と遊んでいる

 

少年はちょっと残念な表情をし、少女の後ろに回った

 

ぐっと、後ろから抱きしめその少女の名前を呼んだ

 

『アスカ、ただいま』

 

アスカ、と呼ばれたその少女は驚きを隠せず少年から離れる

 

そして、状況をゆっくり理解し.......そして言った

 

『おかえり、シンジ』

 

二人は抱きあい、お互いを感じていた

 

シンは傍でけたたましく鳴いていた

 

この二人に祝福あらんことを

 

                 〜FIN〜

 

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ど〜もD・Sです

 

しゅうりょ〜〜〜〜〜〜〜う(笑)

 

アスカ、シンジの『2つの記憶』関連もこれにて完了

 

ちょっと4話が長かったですけど.....がまんして下さい(笑)

 

D・Sもちょっとでもシリアス度を上げるためにこの後書きを我慢したんです〜(笑)

 

えーと今回の話はとりあえず書きたいこといっぱいあったんで

 

プロットをしっかりやって....まぁ大体書けましたね

 

今までど〜もプロットが出来ると『早く書く病』(笑)が発病しちゃって

 

後になってあっ、これも、それも書けばよかった〜状態になっちゃうんですよ(笑)

 

昨日はぐっと堪えて感想を(昨日書いた大量のあれです)書いたんです

 

それが失敗でした(笑)一気にいままで堪えた病気が噴き出しました

 

今回一番書きたかったのが人が気絶したり死んだりする前のとこです

 

みんな、なんでも無い様なそんな状況に合わないこと考えてんです

 

それが書きたかったんです

 

実際人間死ぬ前にはくだらない事を考えるんじゃないかなって

 

後はシンちゃんの心の描写は無い、ってとこです

 

実際今回のシンちゃんは随分趣が変わってるんで分かりずらい人ってことで描写はなくし

 

ています

 

その代わり他の人には頑張ってもらってます

 

まぁ、D・Sは楽観主義だって知ってた人はシンちゃん生きてるってバレバレでしょうけ

 

ど(笑)

 

今回は自分の趣味にはしっちゃいました(笑)

 

全然面白くないかも知れないです

 

だから最後にこういうこといっとかないと(非道)

 

はじめに言えば読んでもらえないもん(爆)

 

あ〜疲れた....

 

次回考えないと.....

 

あっそうだ馬鹿なD・Sは『2つの〜』なのにペンダントもピアスも全然書いてなかったん

 

ですよ(馬鹿)

 

だから今回思わず書いときました、ご勘弁を

 

後、ペンダントについて

 

あれはD・S本人がしてるのがモデルです(マリア様の)

 

あと今回D・Sはちょっと名前をもじって登場しています

 

さて、誰でしょう?(笑)

 

分かった人は伝言板に....は書かないで(笑)馬鹿らしいですから

 

さて、こんなもんです

 

ご感想がありましたら伝言板へお願いいたしまする

 

では次回作でお会いしましょう(次回は18禁にしようかな〜)


 

みゃあと偽・アスカ様(笑)の感想らしきもの。

 

みゃあ「ふぅ。ハッピーエンドで良かった良かった」

アスカ様「何が良かったんだか……あんた、あたしが不在のまま二回も進めたわね?」

みゃあ「そ、そんなこと言ったってアスカ様ダウンしちゃってたんですから仕方ないじゃないですかぁ。それに、そのおかげでシンジくんの危険なトコ見なくて済んだんですから、良かったじゃないですか」

アスカ様「ふん。まあいいわ、別にこんなトコに出てなくてもあたしが困るわけじゃないし」

みゃあ「またまた〜、心にもないことを。今日はゲストをお呼びしてあるんですよ……じゃーーーんっ!」

シンジ「やあ、アスカ」

アスカ様「えっ!?し、シンジっ!?」

みゃあ「ふふふふふ……アスカ様がいつまでも素直じゃないので、シンジくんを呼んでしまいましたよ。どうです?これでもまだ、シンジくんなんか嫌いって言えますか?」

アスカ様「ぐっ……」

シンジ「えっ?アスカ僕のこと嫌いなの?」

アスカ様「えっ……そ、それは……」

みゃあ「ほりほり、言っちゃいなさいって(くすくす)」

アスカ様「(かぁ〜〜〜〜〜〜〜)」

みゃあ「あーあ、ゆでだこみたいになっちゃって」

シンジ「ねぇ、アスカ。僕のこと嫌いなの?(じっ…)」

アスカ様「……き……嫌いなわけ…、ない…わ」

シンジ「良かった……」

みゃあ「わ〜い、アスカ様の負け〜。とうとう白状しましたねっ!」

アスカ様「くぅ〜〜〜〜〜〜っ!!!お、覚えてらっしゃいっっっ!!」

 

しゅたたたたたた〜〜〜〜〜〜……。

 

みゃあ「あ。逃げた……」

 

みゃあ「D・Sさま、完結ご苦労さま、そしておめでとうございます!この早いペースの中で、良い作品を生み出して下さいまして、心より感謝いたします。今後とも、どうかよろしくお願いいたします」

誰が為に〜5