『愛は静けさの中に〜幸福〜』
第一話「あなたが寝ている間に」
作・D・Sさま
今回のお話は『砂漠の人様』からのリクエストにお答えするものです
舞台は整い、観客は....いるかな?(笑)
まぁ、とにかく始めよっと(笑)
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『愛は静けさの中に〜幸福〜』
〜プロローグ『愛を探す旅人』〜
飛行機は予定時刻を30分遅れたが、無事到着した
搭乗客はぶつぶついいつつも快適なフライトには満足していた
一通り客は降り、最後に男、女の二人....そして女の方は胸に子供を抱いて降りてきた
家族連れだろうか....
タラップを男がゆっくりと降りてきた....一段一段噛み締めるように
男というにはあまりに女性的な顔立ち
しかし、眼光は鈍くは無かった
見ためで20歳前後だろうか、しかしもっと若く見える印象だ
男はタラップの最後の一段の前で立ち止まった
後ろにいた女もその男が止まるのを知っていたようだ....後ろでじっと待つ
女も20前後といった印象、映える赤髪をロングに伸ばし、いかにも知的にみえる
だが、なによりも映えるのはその美貌であった
モデルといっても通用するであろうその美しさは他を凌駕し輝いていた
男はじっと地面を見つめ....後ろを振り返る
『まさか....また戻れるなんて...』と男はいう
女もそれに同意する
『そうね....4年ぶりだもんね....』
そして男は宙を見つめ....最後の一段を降りた
『ただいま』
男は誰に言うでも無くそうつぶやく
そして後ろを振り返り、女に恭しく手を差し出す
女はクスッと笑みを洩らしこれまた恭しくその手に自分の手を重ねた
まるで中世の貴族のように
女は最後の一段を降りた.....男がいう
『おかえり、アスカ』
女、アスカはまた笑みを洩らし言う
『おかえり、バカシンジ』
彼らは抱き合い、シンジの祖国.....日本へ還ってきた喜びを分かち合った
間の子供はすやすやと眠っていた......
『愛は静けさの中に〜幸福〜』
〜第一話『あなたが寝てる間に』〜
『再会を祝して....』
テーブルには男二人が対面で座り、お互いの再会を祝し盃を鳴らす
『まさか、また会うことが出来るとはな』
そういった男は笑みを見せる、といってもそれは本人にしか分からないような微笑だった
見ためは45前後、印象は歴戦の勇士といったところか
『僕だって、そう思うよ』
それは先程の男....そう、シンジと呼ばれたその人だった
『まぁ、これもミサトに感謝しなくちゃね』
と二人の間に割り込んだのは、アスカと呼ばれた女である
『そう、そうだね』とシンジ
その会話にもう一人の女性が加わった
『あの人には助けて貰いっ放し、いつかお礼をしなきゃ』
そういった女性、見ためには女性は28,9という印象だが、口ぶり、素振りからはもっと年
齢がいっているような印象を受ける
『あぁ、わかってるよ、ユイ』
年寄りの方の男がいう、娘であろうか....それにしては若すぎる
そんな会話をしつつも料理は整いつつあった
『母さん、座って、後は僕らが用意するから』
シンジは強引に先程の女性を席につかせ、厨房に消えていった
『あ、シンジ.....』とユイ
『いい、座っていよう、ユイ』
と、年寄りの男、会話の最後に名前をつけるのは癖だろうか
『そうね....』とユイ
『どうだ、君も一杯?』
男はユイに酒を進めた....ユイはそれを快く受ける
ユイは盛られた酒を一息で飲み干し、クスッと笑みを浮かべる
『どうした、ユイ』
『いいぇ、あなたは変わったわね、ゲンドウ?』
ユイは悪戯っぽくそういった
自分の台詞を言われた年寄りの男、ゲンドウも笑みを浮かべた
『そうか、そんなに変わってみえるか、ユイ?』
ゲンドウも負けずにユイ、を強調して微笑む
二人は夫婦だった......とても、とても仲の良い......夫婦だった
シンジとアスカはそれを厨房の奥からじっと見ていた
『あの父さんが、笑ってる』
シンジは驚きの表情を浮かべていた
アスカはそんなシンジをみて微笑む
『お義父さんはよく笑うわ、ただあなたには見せないだけ』
『僕には、見せないだけ?』
『そうよ、可愛いわね、あなたのお義父さんは』
二人は顔を見合わせて微笑む
シンジとアスカは再び料理の盛り付けに戻った
二人で寄り添うように肩を並べて立ち、料理を完成させた
『さぁ〜、お義父様、お義母様出来ましたよ』とアスカ
料理は順々にテーブルに並び、準備が整った
後、足りないのは......
『そろそろ起こしたら?』
シンジはそうアスカに促した
『そうね、ちょっと待ってて』
とアスカは部屋を離れ、隣の部屋へと入って言った
『さぁ〜、ご飯が出来たわ、起きなさい』
奥でごそごそと音がしている
少しの間の後、アスカは胸に子供を抱いて戻ってきた
『やっと、起きたわ、寝起きが悪いのは誰に似たのかしら』
『それは、君だよ、アスカ』
シンジは微笑みを浮かべそう言う
『やっぱそうかな?まったく、ほら、挨拶しなきゃ』
と、胸の中の子供を揺すり、目覚めを促す
子供はまだ眠たいのか眼をシパシパさせていた
『ほら、おじいちゃんとおばあちゃんよ、挨拶しなきゃ』
子供はゆっくりとその眼を開き、目の前のゲンドウとユイを交互に眺める
ゲンドウはなにやら緊張しているように見える
なにしろ子供には好かれた試しがないし、それが血の繋がった子供となれば嫌われたら
ショックを受けるだろう
ゲンドウはいらぬ心配に身を委ねていた
『こんばんわ、おじいちゃん、おばあちゃん』
アスカもほっとした表情を浮かべた、彼女も彼女なりに心配だったのだ
ユイが手を伸ばす
それが分かったアスカは子供をユイの手に優しく渡す
『はーい、あばあちゃんですよ、ミハル君』
子供....ミハルもよく人に懐く性格だった
『わぁ、おば〜ちゃん、おば〜ちゃん』
と、ユイの腕の中でキャッキャと叫んでいた
ゲンドウとシンジはそれを嬉しそうに眺めていた
『じゃ、お義母様』
ユイはミハルをアスカに返した
アスカはミハルを腕に抱き、ゲンドウの方を向く
『ミハル、次はおじいちゃんよ』
そのアスカの発言にゲンドウは身を硬直させた
ユイ、シンジはそれをニヤニヤしながら静観を決め込む
『さぁ、お義父様...』
アスカはミハルをゲンドウの、子供を抱くとは無縁のような腕に渡す
『あ、あぁ...さぁ、おいで』
ゲンドウの声はもはや裏返り、震えていた
ミハルにはそんなことは無関係だった
先程よりもっと大きな声で名前を叫ぶ
『おじ〜ちゃん、おじ〜ちゃん、ね〜おじ〜ちゃん!』
ゲンドウは自分の今の行動が信じられず呆然としていたがはっと我に返る
『あ、な、なんだ.....い?』
『今日ね、僕ヒコーキに乗ったの!とっても速いだよ』
ゲンドウはそんな無邪気な子供を前に表情も緩む
『そうか、そうか、よかったな.....ミハル』
シンジは胸が熱くなっている自分を感じていた
(僕の希望は今、自分の息子を通して伝えられたんだ)
ふとシンジはアスカがこっちを見ているのに気付いた
ゆっくりと口を上下に動かすアスカ...それは声には出さず、こう言っていた
(よかったわね、シンジ)
シンジも何も言わず頷くだけだった
『じゃ、お夕飯を頂きましょう』
ユイはそういい、手を叩いた
アスカは何も言わず、すっと自分の席....シンジの隣に座る
『そうね、頂きましょう』
シンジとゲンドウだけが動けずにいた
『アスカ....この子をどうするんだ?』とゲンドウ
アスカは今気付いた、というように驚く
『あら、今日はミハルはおじいちゃんの上がいいって』
ミハルもゲンドウの心理状態にはお構いなく喜ぶ
『うん、僕おじ〜ちゃんと食べる!いいでしょ、おとーさん?』
シンジもそんなミハルを見て微笑む
『あぁ、勿論、いいよ』
ゲンドウもやっと緊張がとれてきた
『そうか、じゃあ私と食べよう、ミハル』
『うん』
夕食は最高の盛り上がりと共に進んでいった........
『愛は静けさの中に〜幸福〜』
〜第一話『あなたが寝てる間に』〜完
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砂漠の人様!ごめんなさい(笑)
全然関係ない!とお思いでしょうがちょっと我慢を
これからです、こ・れ・か・ら(笑)
一応プロットは完成してたんですが....
話がぶっとんじゃって(笑)
も〜ホノボノ一直線に(笑)
でも、次は必ず!約束.....はできないけど(笑)
え〜、とうとうD・Sにも来ました
シンちゃんとアスカの子供が....(笑)
一応変化を、と思い男の子名はミハル
ミハルは天使ミカエルの名前から頂きました
年齢は......まだ秘密(ばればれ)(笑)
ちゃんと全部分かるように書きますのでお楽しみを(爆)
こんなホノボノ系を書いてるのが『ちょっと〜』を書いてるなんて
あれは今のD・Sではありません(笑)
ちょっと、溜まったウップンを晴らそうとするとあ〜ゆ〜のが出来ますが....
今もウップンが溜まりつつありますが(笑)
では次回
『愛は静けさの中に〜幸福〜』
〜第一話『愛と悲しみの果て』〜
どうぞ、お楽しみに!!
あ、一応連絡!題名・副題名は全て映画のものを頂いています
全部ロマンス系のもの!みたことないけど(笑)
では、みゃあ様続きをどうぞ!
一応リクエスト!Ver.1よりVer.3のアスカ様をお願いいたしまする〜(笑)
みゃあと
偽・アスカ様(笑)の感想らしきもの。
みゃあ「はい。リクエスト通り、このシリーズはver3.0のアスカ様にお願いいたします」
アスカ様「ハーイ、アスカよ。D・S、やっとあたしとシンジの子供を出してくれたわね」
みゃあ「…のっけからいつもと違います(^^ゞ)
アスカ様「今か、今かと待ちわびてたわよ」
みゃあ「ううう……なんてお優しいお言葉。これが真のアスカ様ですねっ!」
アスカ様「……でもね」
みゃあ「え゛…?」
アスカ様「ひとつ不満があるわ…それは」
みゃあ「そ、それは?」
アスカ様「子供を
『作る』ってトコが抜けてることねっ!」
どんがらがっしゃん!
みゃあ「あ、あは、あはははは〜」
愛は静けさ〜1