『Wie geht es Ihnen? 〜恋慕〜』

第二話「時刻(とき)」(完結)

作・D・Sさま

 


 

ど〜もD・Sです

 

今回でこの章もめでたく(?)終了!!

 

もし長くて終らなくとも終るまでここに書きます(馬鹿)

 

一応前回のあらすじ

 

 『シンジの母ユイは見事サルベージされ再構成された....

 

  そんなこんなで平和な日々の中、ユイが倒れる...そしてアスカの父も...

 

  お互いがお互いを思いながらそれぞれドイツ、日本と離れ離れになる

 

  さ〜て来秋のサザエさんは?』

 

て、感じです

 

では、カチンコ!用意.....カット!!


 

           『Wie geht es Ihnen? 〜恋慕〜』 

     

             〜第二話『時刻(とき)』〜

 

 

『Tag,Asuka! Wie geht es ?』:アスカ、久しぶりね、調子はどう?

 

『Ja,gut und du?』:大丈夫よ、ママは?

 

『Ja』:もちろん元気よ

 

当たり触りのない会話....無意味

 

アスカはドイツ...首都ベルリンにいた....

 

ここからパパの病院まで長い....沈黙....別に話しはない

 

 

 

 

『パパ!?』

 

『だめ....何も反応がないの...ただ....自分が倒れたときアスカを呼んでくれって』

 

ママの言葉には刺がある...パパがいわなければ....あたしはここにはいない....

 

 

 

 

 

 

 

実際ママのことはあまり好きではない...

 

所詮継母...ママが結婚したのはパパのため...あたしは蚊帳の外...

 

そのパパですらあたしとは血の繋がりがない....あたしは孤独だった

 

あたしはあの時期上辺は良い子だった...

 

ママは頭の切れる人だからそれに気付いたらしい

 

あたしのことを他では冷たい子、と噂したのは他でもないママだった

 

だから...あたしは自分を特別と信じ続けた...

 

あたしは普通と違う...あの子も、あの子も、ほらっその子も....

 

みんなみんな...あたしとは違う....あたしは特別だから....みんなとは違う必要がある..と

 

シンジがいた...

 

なんでシンジにひかれたのかな?

 

--------あの子は特別?

 

いいえ、普通よ...むしろそれ以下

 

--------それは普通?

 

いいえ、....そう、それも特別

 

--------だからひかれたの?

 

いいえ、そうじゃない

 

--------ではなぜ?

 

わからないわ

 

 

--------わからない?

 

そう、理由はいらないから...

 

--------理由?

 

そう、そんなのは後から付いてくるもの

 

ひく、ひかれるのに理由はないの.....ただ...

 

--------ただ?

 

後からは理由が欲しくなるの....

 

--------みつかった?

 

いいえ、まだ....

 

--------みつかる?

 

えぇ、みつかるわ

 

--------どうしてわかるの?

 

そんな感じがするの....それも同じ...理由は後から付いてくる...初めは...い...ら..な...

 

(アスカ?)

 

シンジ?

 

(アスカ?服を着よう?)

 

そうね、もうそんな時間なのね?

 

(そうだよ)

 

.....シンジ?あたしの服は?

 

(君はもう直ぐ着るんだよ)

 

シンジは狂気に満ちた眼をアスカに向ける

 

振り向いたシンジは手にカッターを持っていた...

 

(そう...君は真っ赤なドレスを着るんだ)

 

シンジ?なにいってるの...?

 

(おまえは俺の子ではない!!)

 

シンジの顔はもはやシンジの顔を留めずアスカの父の顔になっていた

 

きゃあああああああああああ!!

 

 

 

 

自分の悲鳴で飛び起きた.....

 

まだ日は昇らない....

 

シンジは今どうしているだろう...

 

まだ寝ているのかな?

 

時差を忘れて考えていた自分に気付き苦笑する

 

突然悪寒を感じる

 

パジャマはぐっしょりに濡れていた

 

アスカは震えそうになる自分を両手で抑えてベッドを降りた

 

慌てて服を着替える...パジャマはこれしかなかった

 

今日でラストだからいいか....

 

 

 

 

『患者、心停止!』

 

『心マッサージ開始!』

 

『間に合わん!!どけ!』

 

ドクターが手に電圧をかけた平板を持っている...

 

『どけ!1、2、3!』

 

地面が下から持ち上がるような鈍い衝撃音が母さんの体内で響く

 

母さんはその音とともにベッドの上で瞬間浮遊した

 

父さんと僕はじっと見守っていた

 

僕らはなにもしてやれない

 

例え人類を使徒から守っても...今目の前の肉親の命を他人に任せるしかなかった

 

そんな....自分がとても小さな存在になっていく

 

そのときシンジはそう思った...隣のゲンドウも同じ事が彼の胸を締め付けていた

 

『もう一度!次は150!』

 

『はい』

 

また....鈍い衝撃音が母さんの体内の水に衝撃を与えた...

 

それは僕の中の水にも響く.....小さな、無力な僕の水の心に.....

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アスカの父はアスカが来独した3日後にこの世へ別れを告げた

 

あっけなかった....パパはあたしと一言も交すことなく...眼を開けることすらなく

 

この世を去った....パパが最期に無意識に深呼吸したのが眼に焼き付いている....

 

そう、まるで安心したかのように、もう直ぐ痛みから解放されるのを知って...

 

または、あれはまるで...あの世にこの世の空気を持っていかんとするような....

 

あわれな罪人の最期のようだった....

 

 

 

 

葬儀は今日行われる

 

アスカはその葬儀の時間までをネルフ・ドイツ支部直下のホテルで待っている

 

アスカは自分の家にはついに自分の足を踏み入れなかった

 

あそこはパパとママの家...あたしは入れない

 

ママはもちろん誘ってくれた

 

あたしはそれを丁寧に断わった

 

ママもそれ以上無理強いはしなかった

 

実際本心では誘う気はなかったんだと思う

 

でも、今日は家に入らなくてはいけない

 

葬儀は家のなかで行うから

 

パパは遺言でママと同じ墓にはいるのを拒否した

 

当然理由は分かる

 

好きだったら不倫はしないから

 

策略結婚....ママの人生を奪った....パパ

 

憂鬱....

 

 

 

 

『Tag ,Mam』:はーい、ママ

 

『Asuka, kennst du ein Junge?』:アスカ、あなた男の子に会わなかった?

 

『Nein,warum?』いいえ、なんで?

 

『Vorhin,ein Junge besucht dich...』:さっきあなたを尋ねてきたの...

 

『Wie ist er name?』:名前は?

 

『Nein...nur er ist Japaner.』:知らないの...ただ..日本人だったわ

 

『...Sinji.....』:シンジ....

 

『Was?』:何?

 

『Ich suche ihn !!』:あたし....探してくる!!

 

『Asuka!』:アスカ!

 

 

 

 

 

アスカは近くの公園まで走った....

 

シンジだったら....どうするか...よく..考えるの...

 

その結果が公園...いく所が無く、怪しく見られず、アスカが来るのを待てるところは

 

この公園ぐらいだった

 

『アスカ!』

 

声の主は後ろに立っていた

 

アスカが振り向くと....やはりシンジだった

 

アスカはいつの間にか走り始め...シンジに飛びついていた

 

『シンジ!なんでここに?』

 

『今日来たんだ...残念だったね』

 

『うん...知ってたの...』

 

『うん...それが連絡が来て...いてもたってもいられなくなったんだ』

 

『今日...葬儀なの....それに今日帰る予定なの』

 

『知ってるよ...それに父さんは今日しか許可はくれていない』

 

シンジの顔が暗い...

 

アスカの胸にはっと思いが浮かび上がる

 

『そう....お母さんは?』

 

『あっ、母さんは助かったよ...なんとか...今は喋れる程度まで回復している...』

 

『じゃぁ、あなたはなんでそんな暗い顔をしているの?』

 

『えっ、いやっ、これは....ちょっと色々考えてたんだけど....

 

 アスカにどう会おうかとか、どんな顔でとか、他にも話すことはあったんだ....

 

 でも、アスカの顔をみたら...くだらない事に自分が囚われていたことがわかったんだ』

 

『そう...じゃぁ、話すことが見つかったらいってね』

 

『うっうん』

 

『さて、シンジも出てくれる?』

 

『いいのかな?そのための服を一応持ってきてはいるけど...』

 

『服持ってきていいかな〜じゃないわよ』

 

僕はそんなことをいうアスカを見て...妙な違和感を感じた

 

『アスカ、なんで君はそんなに元気なの?』

 

『そんなこと...ないけど...それが日本人とドイツ人の違いかしら?』

 

『違い?』

 

『そう、宗教がからんでるから....あまり下手なこといえないけど...』

 

『........』

 

『基本的に絶対神の存在を信じる宗教においては死は悲しむより故人を覚えておくための

 

ものなの、審判の日に結局みんな生き返ることになってるから』

 

『へぇ、もし...僕が死んだら....』

 

僕は馬鹿なことを言いそうになった...アスカは僕に近づく...鼻と鼻が当たった...

 

アスカは本当に怒っているような口調だった

 

『シンジ....妙なこと言うもんじゃないわ』

 

『ごめん...んっ』

 

いいつつ僕は口が少し開いたまま止まって.....アスカの同じ様な少し開いた口を塞ぐ....

 

これは....アスカの....僕の待ち望んでいた...におい....花の...薫りがする.....

 

僕らの口と口が離れ....それぞれの本心が...漏れる...

 

『シンジ....あたしは...あなたがいないと...』

 

『僕もだよ....ごめん...ごめん...もういわないから』

 

僕らはまた......口が塞がっていた.....長い.....キス.......

 

アスカはこう思っていた...ホンとはシンジが来てくれたから...だよ

 

 

 

 

 

アスカは墓前でママと別れを告げていた...シンジは隣にいた

 

葬儀は初め厳粛に始まり...

 

いつからか故人のためという題目の酒飲み大会に変更されていた

 

アスカは母親に一言二言話しかけ、僕にちょっと付き合って、といった

 

僕は酒臭い集団に囲まれ....言いたくないよう状態だったから....喜んでついて行った

 

そして....ここへ...アスカのお母さんのお墓の前....

 

 

 

アスカはママの前で....自分を振り返っていた

 

後悔はなにもない....誇れるものはある....恥じるものもない...完璧だった....

 

ママ.....元気でね....身体が人一倍弱いんだから...

 

 

 

『さぁ、シンジ帰るわよ』

 

『えっ、もういいの?』

 

『そう、時間をかければいいってもんでもないわ、時は金なり、よ』

 

『....そうだね』

 

僕らは走っていた....いつもの...アスカがそこにいた

 

 

 

 

アスカは空港でママと別れを告げていた...シンジは隣にいた

 

簡単な挨拶で....それで終り...親子とは...思えない

 

『Sinji,Sie helfen Asuka,bitte』:シンジ君、アスカを頼みます

 

『Mam,Er kann nicht Deutch sprechen....』ママ、シンジは分からないのよ....

 

その後僕はアスカに叩かれることになった....理由は分からない......

 

 

 

 

 

 

 

 

アスカはちょっと怒った振りをしていた.....

 

シンジは答えた.....

 

『Ja,ich helfe Asuka.....bestimmt』:必ず守ります

 

アスカはその場で硬直した.....

 

シンジが?あのシンジが?だって、だってバームクーヘンしか....

 

シンジに聞くと答えは簡単だった.....”覚えたんだ”.....

 

それを聞いて自分の熱が全て頭に昇る....

 

 

 

あたし....シンジが...分からないと思ってたから....

 

恥ずかしいこと....ドイツ語で.....いってた.....

 

 

 

実際シンジはそれほどドイツ語は知らなかった

 

アスカのそんな言葉は聞こえていなかった

 

 

 

しかし....叩かれた

 

 

 

 

 

 

帰りの飛行機の中.....アスカはシンジの肩を借りて寝ていた...今日は早く起きすぎた....

 

シンジはそんなアスカを見て決心がついた....

 

それはアスカを見つけてから....ずっと心に引っかかっていたことだった

 

『アスカ...ちょっといいかい?』

 

『うっ.....なに?』

 

『僕と.....戸籍を......一緒に......し....よう?』

 

『.........』

 

アスカからの反応はなし....

 

『アスカ?』

 

『それって.....プロポーズ?』

 

『いっいや、そんなんじゃ....まぁ、厳密にはそうなるかも....しれないけど...』

 

『うれしいわよ』

 

『えっ?』

 

『うれしいっていったのよ、バカシンジ』

 

『じゃっ....じゃぁ』

 

『でも....まだいいわ』

 

『でも...僕は....僕は君を一人にしたくない....』

 

アスカは僕にゆっくりと微笑む

 

『そういうのは....それができる時刻ってのが必要よ』

 

『でも...』

 

僕はひるまない......まるでかぐや姫に求婚をした若者のように.....

 

『シンジ....まだいいの....んっ』

 

僕が言葉を発するより早くアスカの口が僕の口を塞いだ...

 

....口が離れた時.....僕は一瞬我を忘れていた.....

 

『シンジ?ねっ、今はまだ恋人のほうがいいのよ』

 

『.........』

 

まだ納得仕切れない僕を見てアスカはため息を一つはき、そして言う....

 

『大丈夫、あたしは大丈夫...シンジが一番知ってるじゃない?』

 

僕はゆっくりと微笑む....

 

『そうだね...アスカは強いから.....』

 

 

 

 

 

飛行機はドイツ・ネルフ支部から日本ネルフ本部への直行便

 

ドイツと日本を3時間で結ぶ関係者専用特別便.....

 

乗客は僕とアスカだけ....この便にはスチュワーデスすら存在しない

 

 

僕とアスカは久しぶりの.....とても長く感じた....離れを今終え

 

互いが互いを欲しがっていた........日本までは後、2時間弱....か....

 

 

 

           『Wie geht es Ihnen? 〜恋慕〜』 

     

             〜第二話『時刻(とき)』〜完


 

ど〜もD・Sです(これはパターン)

 

どうでしたか?

 

お楽しみいただけていれば幸いです

 

<製作裏話>

 

まず今回の泣き虫君は.....いない?まさか!アスカ様でも?(笑)

  

アスカ様が泣いてる所がいいのに〜(馬鹿)

 

でも....泣き虫君はアスカ様です...理由は寝汗をかいてたからです(強引)

 

あ〜、書き直して泣かせようかな〜(笑)

 

誰でもいいから泣いて〜(爆笑)

 

と、まあこれは放っといて....

 

自分の原作との違いは....特にないですが...

 

問題は、ユイの心臓停止をいつにするか、でしたね(外道)

 

結局あの場所ですが....なんか考えがあったらお願いいたします、教えてください

 

後、今回一番のネックは単行本4巻の発売(笑)

 

だって、試験管ベビーだって知らなかったもん(馬鹿)

 

でも、誰かのHPで見た気がするんですよ、

 

そのときはそういう設定かな、と思ってしまったんですが.....

 

そのせいで頭を悩ませるわ、父親二人になるわ.....叫びます

 

”ふざけるな〜!アスカ〜!試験管から生まれんじゃね〜!こっちの苦労も考えろ〜!”

 

ふー、すっきりしました....

 

それでなんだかんだでこんな結果です(見ずらい文章だな、これ)

 

シンジ君はドイツ語を話せるようになりました

 

一応設定ではアスカがドイツにいってから、ということになっているので4日間位!?

 

いや〜すごいっ!シンちゃん!頭いいね〜!

 

ということで設定を変えてシンちゃんはアスカを思って3か月位前から学んでたことに...

 

あ〜でもそれは『2つの記憶』以前になる〜!!(あほなことを)

 

でも、それだけ根性使ってるんですよ、私なりに

 

今回は聖書の聖句を引用しました

 

あれは私の好きな聖句の一つです

 

あっ、だからといって私は宗教家ではないんです

 

宗教研究家ではあるのですが(怪しいな〜)

 

あとは....とくにないですね(笑)

 

では次回予告

 

 登場人物はシンジ18歳、アスカ188じゃなかった18歳

 

 題名は『祭日』

 

 とうとう最終笑じゃないって、最終章まで....誰が予想したこの展開?

 

 結婚に向けてちょ〜っと長めになるかな(まだなにも決めてない)

 

 今までの障害を無事乗り越えてきたアスカとシンジ

 

 彼等に祝福を!そして幸多きことを!!

 

 次回『続2つの記憶〜祭日〜』第一話『◯◯』お楽しみに

 

  さ〜て次回もサ〜ビス、サ〜ビス〜(注:ケンスケ、トウジ)

 

 そんなこといってワシらいままで出てないで!(トウジ)

 

 俺だって金とられるだけ......(ケンスケ)

 

 だっだいじょぶだって.....作者もいってたから(シンジ)

 

 センセはええで...惣流とはめてりゃ話になるんやから(トウジ)

 

 そっそうだ!俺にもアスカとやらせろ!(ケンスケ)

 

 ケッケンスケ?どうしたの?(シンジ)

 

 さてこの下には↓きっと今ごろすばらしいものが出来ているころだと思います

 

 では、お願いいたします....D・Sでした

 

『みゃあと偽・アスカ様(笑)の感想らしきもの。』(ですよ、みゃあ様!!)


 

みゃあと偽・アスカ様(笑)の感想らしきもの。

 

みゃあ「分かりましたよ、アスカさま!」

アスカ様「はぁ?何が」

みゃあ「なんで最近このコメントが何の脈絡もないものになっていたかがです」

アスカ様「ふ〜ん……それで?」

みゃあ「はい。それは……『シリアスな本編の後ではふざけたつっこみは入れにくい』ってことです(爆)!」

アスカ様「………」

みゃあ「いや〜……本編に付け入る隙がないんですよ。らぶらぶものとかだと、それをネタにアスカ様をおちょくってればいいんですが……」

アスカ様「……何ですって?」

みゃあ「いやその……。ま、まぁとにかくここで無理にコントにする必要もない、と……」

アスカ様「あったり前じゃない。…だいたい誰がここでコントしなくちゃいけない、なんて決めたのよ?」

みゃあ「いや、別に誰がってわけじゃ……ただ、アスカ様が出てくるとコントにならざるをえないっていうか……」

 

ばきっ!

 

アスカ様「やかましい……」

みゃあ「ぐぅ…結局このパターンか……泣き虫アスカ様のクセに(ぼそっ)

元気?2(完結)