『タイトル未定〜リレー小説〜』

第10回

作・三月さま(2)

 


 

リレー第10回

 

 

へへぇ、世紀のへっぽこ大魔王、三月@カノンでございますぅ(^^;;

 すいませぇん、無意味にリレーを遅れさせた、罪悪人ですぅ。

 よもや、あそこでご指名が来るとは、思っていなかった(言い訳モード)

 ともかく、いきます!!

 (今回は、途中からプロット無視で、キャラ暴走と言う事態でしたぁ!)

 親3人と子供の朝・・・って感じですかねぇ。

 今度は、戦闘シーンにでも持っていきたいものだ(やろうと思っていた)

 ついでに、副司令も(趣味丸だし)

 

 では、へっぽこな作品ですが・・・

 

 

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「、、、、、碇くん、戻りましょう、、。」

 

「あ、、、そ、そうだね、、、。」

 

 

 

シンジが顔を向けて、次の瞬間に感じたものは

 

唇への、少し冷たい、やわらかな感触。

 

 

 

(え、、、、、?)

 

 

 

そのまま音も立てずに立ち去る綾波。

 

その後ろ姿に何も言えずに立ち尽くすシンジ。

 

 

 

 

 

そして、そう経たないうちに朝が訪れた。

 

 

 

 

 

-to be continued-

 

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 えぇと、あれ、なんだったんだろう。

 

 あの、綾波との短い夜の一時。

 それが、シンジを妙に混乱させていた。

 レイの、冷たい唇の感触。

 それを思い出し、シンジはカーッと赤くなった。

 

 あれって、キス・・・

 

 あれから、リビングで眠ったシンジだったが、自分のベッドでないせいか、それとも、

昨夜のレイの突然の行動のせいか、よく眠れなかった。

 時々、思い出しては赤くなる。

 そんな事を繰り返し、うとうとする。

 

「ふわぁ・・・」

 

 チュン、チュンと、雀が鳴いて居る音がする。

 もう、起きねばと、身を起こしてみたが、考える事といえば、やはり、昨夜のこと。

 そうして、また、赤くなってしまうのだ。

 

 そんな、シンジのどうしようもない考えを中断させてくれたのは、意外とも、また、当

然とも言える、珍客だった。

 

「パパァ!!」

 

 突然、ガバァ!と、シンジが眠っていた客様布団に、何者かが、飛び込んできた。

 シンジが、ギョッとなって、そこを見れば、青い髪の、シンジそっくりの幼い少年が、

クリクリしためで、シンジを見つめていた。

 

「パパ!!」

「あ・・・君は・・・」

「パパ、おはよう」

 

 おそらく、妹か姉になるもう一人のレイの子供と、おそろいの猫のパジャマ。

 昨日眠ったままの姿で、子供はレイの眠っている部屋から抜け出し、シンジの所に『お

はよう』を言いに来たらしい。

 無邪気な、少年の様子に、シンジの胸がチクリと痛む。

 

「あ、おはよう・・・」

「パパ!」

「な、なに?」

 

 ストレートな感情表現。

 パッと変わる表情。

 ただ、シンジを信じて、頼ってくる、幼い瞳。

 

 その全てが、まっすぐで、純真だ。

 それに、シンジの胸が痛む。

 

 少年は、コロコロと笑うと、自分が出て来た、キチンと閉まった引き戸を、その小さい

指で指し示す。

 

「ママねぇ、まだ寝てるんだよ!」

「そりゃぁ、昨日、ドタドタしてたからね。綾波も、疲れてるんだよ」

「パパは?」

「え?」

「だって、パパ、ご飯作ったりしてたでしょう?」

 

 まっすぐな、純真な少年。

 何の疑いもなく、疑問もなく、シンジをその幼い心で心配してくれている。

 

「僕は・・・大丈夫だよ。いつもだから・・・」

 

 女性二人がこの家に居る訳だが、家事はシンジが一手に引き受けていると言ってもいい。

 もっとも、シンジも、それが症にあっているのか、嫌だと思ったことは一つもない。多

少、ミサトのズボラさに呆れることはあってもだ。

 

 シンジの、正直な答えに、子供は嬉しそうに笑う。

 

「パパ、お料理上手じょうずだもんねぇ!」

「そ、そうかな?」

 

 この位の年の子供に、こうも率直に褒められると、ちょっと照れてしまう。

 困ったシンジが、ポリポリと頬を掻くと、少年もまた、それを真似て頬を掻いてみせた。

 それから、誇らしげにニッコリと笑う。

 

「僕、パパ大好きだよ!」

 

『パパ大好きだよ!』

 

 ズキン。

 シンジの心に、痛みが走る。

 その、率直な、心の言葉。

 先ほどから、妙に胸が痛く、この少年がまぶしいと思っていた。

 その訳が、今、判った。

 

 羨ましいのだ、この幼い、自分に良く似た少年が。

 

(僕・・・父さんに、言ったことあるのかな、こんな言葉・・・)

 

 羨ましいのは、純真な少年の心。

 思ったことを、父親に言える、この状況。

 

 気が付いたとき、シンジは、自分でも見たことがないくらいの、優しい表情で微笑んで

いた。

 自分が、父親に向けてもらいたい、心の奥底で望んでいる表情を、無意識のうちに、こ

の自分の『子供』である少年に向けていたのだ。

 

「僕も、大好きだよ」

 

 微笑みあう二人。

 シンジはこの時、やっと、自然にこの子供、いや、3人の子供達全員を、自分の『愛し

い』子供達だと、思えた気がした。

 

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「ママ、ママ!!」

 

 ゆさゆさと、ゆさぶられる。

 

「うぅん、うるさいわねぇ!」

「ねぇ、ママ!!」

「なによ!」

 

 気持ちよく眠っていた所を、煩く起こされる。

 それに、アスカは、不機嫌そうに怒鳴り散らしてしまった。

 

 起き上がり、バッと、時計を見てみれば、時計はまだ『6時』を指している。学校に行

くにしろ、本部に行くにしろ、とてつもなく早い時間だ。

 

 なんで、こんな時間に起きなくちゃなんないのよ!

 

 思わずプリプリと、起こってしまうアスカ。

 が、目の前にある瞳を見て、ハッとなってしまう。

 

 自分の瞳を彷彿とさせる、青い瞳。

 そこに、大粒の涙が堪っていたのだ。

 

「う・・・うえぇ」

 

 自分の子供であるという少女。

 ピンクのパジャマを来た、その幼い少女が、泣きそうな顔で、アスカを見つめている。

 

「マ・・・マ・・・」

 

 姿だけでなく、声も似て居るらしい。

 母親を呼ぶ、か弱い声は、アスカのトラウマ的な記憶を、瞬時に呼び戻す。

 

『マ・・・マ・・・』

 

 力強く開いた扉。

 褒めてくれると思った。

 けれど、そこに見たのは、天井から釣り下がった母親。

 始めは、何か良く判らなかった。

 母親の体はゆっくりと揺れていて、始めは背中しか見えなかったのが、次第に回転して

居って・・・

 

「いやぁああ!!」

 

 アスカは、呼び戻された記憶に、頭を抱え、小さく悲鳴を上げた。

 それに、涙目の子供はそれに、ビックリした顔をする。泣くのも忘れ、ただ、母親の小

さな叫び声に、目を丸くしている。

 

「ママ・・・ママ!!」

「子供なんか、いらないのに!!」

「マ・・・ママ?」

「いらなかったのに!!」

 

 少女の存在も忘れ、そう叫ぶアスカ。

 少女は、母親の取り乱した様子に、何も出来ない。

 ただ、アスカの口から出て来る言葉に、丸くした目から、新たな涙をこぼし始めた。声

を殺して。

 

「いらなかったのよ・・・」

 

 呆然とした様子で、つぶやくアスカ。

 その目の前で、同じく呆然とする少女。

 

 一瞬、沈黙が辺りを支配した。

 

 それを破ったのは、少女の小さなつぶやきだった。

 

「ママ、わたしのこと、いらないの?」

 

 本当に小さなつぶやき。

 すぐ傍にいたアスカでさえも、聞き逃すような、小さな声だった。

 が、アスカには、その声を聞き逃すようなマネはできなかった。

 それは、自分が母親に、聞いておきたかった・・・いや、ある答えを期待して、尋ねた

かったことだったからだ。

 

「あ・・・」

 

 やっと、アスカが子供の存在に気が付く。

 そして、その表情にも、目がいく。

 

 まるで、鏡を見てるみたい。

 うぅん、ガラスだわ。

 

 母親の、病室を見ることの出来るガラス窓。

 そこに、うっすらとだが、自分の姿が映ったのだ。

 その自分の表情と、この少女の表情はうり二つだ。

 

 少女は、もう、何も言わない。

 ただ、怯えた表情で、アスカを見上げている。

 

 知ってる。

 

 いま、この少女が何に怯えているのか、何を思っているのか、アスカは痛いほど判って

いた。

 

「ごめんね」

 

 アスカは、不意に湧いてきた涙を、グッと我慢すると、目の前の少女をギュッと抱きし

めた。

 それに、少女は、始めはオズオズと、次ぎの瞬間には、ギュッと、アスカに抱きついて

きた。

 

「ママ、ママ!!」

「ごめんね・・・」

 

 少女をギュッと抱きしめながら、アスカはポロポロと泣いて居た。

 

 ママ・・・

 

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 シンジの部屋の、収まったらしい騒ぎに、レイは閉じていた瞳を、ゆっくりと開いた。

 アスカの、小さな叫び声。それが、レイを目覚ませた。

 始めはどうしようかと、かなり迷ったのだ。だが、アスカのプライドの高さを考えると、

自分がどうこうするほうが、余計、事態をややこしくする気がして、あえて、この場に止

まったのだ。

 シンジはどうしたのだろうか。多分、気が付いただろう。

 だが、シンジが部屋に入った様子はないから、多分、彼もソッとしておくほうを選んだ

のだろう。始めは、行くチャンスを伺い、その内、自然に収まったことに、ソッとするこ

とに決める。そんなところだろう。

 

「ん・・・ママ、パパ・・・」

 

 すぐ目の前に、茶色の髪の、自分のクローンの様な少女が眠っている。レイの細い腕を

枕にして、すがるようにして、眠っているのだ。

 その寝顔は、酷く幸せそうで、見ているこっちも、フワリとした気持ちになる。

 

 私の、子供。

 

 碇君との、子供。

 

 先に目を覚ましてしまった、少年のほうが、シンジの方に行ってしまったのは、虚ろな

意識の中で、確認している。

 ソロソロと、レイと少女を起こさないようにしながら部屋をでて、静かに出て行った少

年。シンジといっしょで、酷く優しいのだ。

 レイの事を心配し、少女を労ってくれている。

 

「碇君のよう・・・」

 

 優しい人。

 一番、大切な、愛しい人。

 

 その人に似た、あの少年が、違う意味で愛しかった。自分に似たこの少女も、同じよう

に愛しかった。

 異性に対する思いとはまったく違う、女性としての特有の愛情。

 自分の子供達を、いとおしく思う、大切な気持ち。

 その気持ちを、胸に抱く感覚に、レイはフッと笑った。

 

 幸せなのだ。

 

 状況は確かに異常だ。

 だが、レイは幸せだった。

 

 一人、じゃない。

 

 だから、さみしくない。

 

 

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ネコ三月『はい、以上でございますぅ!!

     あぁ、石を投げないでぇ!!!

     うひぃ!!』

 

        ボカ!!

 

        誰かの投げた石が、まともの頭部に直撃し、倒れるネコ。

 

とある人『自業自得だねぇ。

     あんな物を書くから、こういう目にあうんだよ?』

 

        赤い目で、瀕死の猫を見つめる『とある人』

        某所のように、ATフィールドで潰されなかっただけ、はるかにマシだ、ネコ!

 

        ガンバレ、ネコ!

        お前に明日はない!

 

とある人『あ、次ぎはD.S.、君らしいよ、がんばってね』

ネコ三月『お、お願いしま・・・』

 

        ペチ!

        やっぱり潰されているネコ。

        哀れ(−−;

リレー10