『タイトル未定〜リレー小説〜』
第5回
作・三月さま
無題『リレー小説第五回』
『碇君に......こんなこと出来ないわ』
これもレイなりには立派な助け船だった
『ってことは.....』とアスカ
『そうね.....』とレイ
『え、何が?』とシンジ
外には蝉がうるさい音で鳴いていた.....
毎度、三月こと、カノン@へっぽこでございます。
いやぁ、みゃあさんの所でのエヴァの初物が、リレーになるとは。
まさか、今週来るとは思わなかったんですよ(^^;
(本当は来週大学に残り、とんずらしようかとでも、企てていた)
では、いきます!
ネルフ内、第一発令所。
警戒体制ではないので、最低必要人数の職員のみが、現状を維持するために、働いてい
る。
「せわしないものね」
コーヒーの入ったカップを片手に、オペレーター達の席から下を見下ろす女性。
三十歳前後の、美しい女性だ。知性が全面に現われている。髪は金なのだが、眉の黒い
色や、日本人的な顔形からすれば、おそらく、染めているのだろう。白衣に身を包み、お
も深げに、発令所内を見守っている。
エヴァ開発の責任者である赤木リツコ。
昨日の実験でちょっとしたミスがあり、そのせいで、昨日から今日の早朝にかけて、徹
夜になってしまった。夜を徹してのデータの洗い直し。さきほどまで続いた作業。さす
がに、身に応えるものだ。一緒にマギとの問答に付きあってくれたマヤは、先ほど自宅の
ほうに帰した。夜中を過ぎた辺りから、大分辛そうだったのが、見ていられなかった所為
もある。
が、本当は、こうやって一人になりたかったのだ。
たまに、こういう気持ちになる。
が、その穏やかな雰囲気をぶち壊してくれたのは、ネルフの女子職員のコールだった。
『赤木リツコ博士、赤木リツコ博士、至急ネルフ第二実験室待合室まで起こしください』
繰り返されるコール。
リツコがここに来ていることを知っている職員の何名かが、下から彼女を見上げる。
「まったく、また、実験室?」
ようやく、エヴァの実験関係のことを終えたばかりなのだ。出来れば、今は足を向けた
くない場所だった。
だがそれも、こうも大げさに呼ばれては、いかない訳にもいくまい。そうでもなければ、
会う職員、職員が、リツコに良心からコールの事を繰り返し教えてくれることになって
しまう。それに対する対応のほうが、実験室に再び足を向けるより、煩わしいに決まって
いる。
「もう」
リツコは軽く吐息すると、マヤのオペレーター席に置いておいたファイルを手に、発令
所を後にした。
が、彼女はまだこの時、待合室で知ることになるであろう事実を、予想だにも出来てい
なかった。
ま、それが普通なのだが。
「ママー!」
「ねぇ、ママ、ママ!!」
「パパァ!!」
「パァパってばぁ!」
繰り返される子供達の呼び声。
(ぱ・・・ぱぱ、ままぁ??)
待合室にさっそうと入ったリツコは、その現場を目撃し、まず、入り口で立ち尽くした。
『ゴトン!!』
今だに持っていたコーヒーのカップが床に落ちる。幸いにして割れはしなかったが、残っ
ていた冷たいコーヒーが床に流れていく。
「な、な、な、な、なんなの、これはぁ!!??」
リツコの目の前に広がる異様な光景。
シンジを真ん中にし、その両脇に茶色の髪の女の子と青い髪の男の子。そしてその子供達を挟
むようにレイとアスカが座っている。そして、レイの隣には、同じように黒髪の小さい女の子。
それだけならば、何も異様ではないのだ。
何が異様かといえば、その3人の子供達が総じてシンジをパパと呼び、男の子と黒髪の少女がレイを、茶色い髪の少女がアスカをママと呼んでいるのだ。
(な、なんなのよ、これはぁ!!!)
自分より一回り以上も小さい中学生達が『パパ』『ママ』と呼ばれている。
しかも、各々の子供は、それぞれがパパ、ママと呼ぶチルドレン達にそっくりなのであ
る。
その『パパ』『ママ』という言葉通り、その子供達がシンジ達の子供であることは、明
白なようであった。でもなければ、これは、かなり手間ひまのかかる、こった悪戯になる。
「ど、どういう事かしら、これは?」
その後のコールで、シンジ達が自分を呼び出したことをリツコは知っている。
が、まさかこんなことが待っているとは思っていないから、当然、意表を付かれてしま
った。いや、意表を付かれるどころではない。かなり動揺している。
当然、口を出て来る言葉も震え、冷静さもやや欠いたものになる。
「『どういう事』なんて、白々しいこと言わないでよ!!」
最初にリツコに食ってかかったのは、当然アスカであった。
シンジはアスカの剣幕にギョッとなり、レイは無表情で立ち上がったアスカを見上げて
いる。
「リツコ、これ、アンタの仕業なんでしょ!」
「ちょ、ちょっと、私の仕業って、何を言うのよ!」
「この後に及んで、しらばっくれる気!?」
アスカ、かなりの剣幕である。
シンジなどは、身も蓋もないアスカの言い方に、頭を抱えている。
レイはといえば、冷静なもので、『大丈夫、恐くないから』と、子供達を宥めていた。
もちろん、その言葉はアスカの耳にも届いている。
「ちょっと、ファースト、『恐くない』ってどう言う意味よ!!」
「余り大きな声で怒鳴ったから。後、話題がズレてるわ」
「む!」
レイに指摘され頬を膨らますアスカ。それを、彼女の娘が面白そうに真似する。
子供の、他意のない無邪気な行動。それに、アスカは毒気を抜かれたように、肩の力を
抜くしかなかった。
そっと、娘の頭をなでてやるアスカ。彼女に変わって、今度はレイが質問をする。
「赤木博士、この子達・・・」
「いったい、何者なの?」
「突然現われたんです」
いつものように抑揚のないレイの言葉。だが、今は何処か、そこに暖かみのような、丸
みのようなものがある。
(綾波・・・)
レイの今まで見たこと内面に、思わずドキリとするシンジ。が、アスカ親子に非難の視
線を浴びせられ、すぐにひるんでしまう。
「ちょっと、訳がわからないのだけど?」
リツコは、何となく嫌な予感を感じながら、やっと、落ちたコーヒーカップを拾い上げ
る。
コーヒーの後片付けは清掃の係に任せるとして、疲れた様子で、シンジ達がいる向かい
の席に腰を下ろした。
第二実験室の待合室は割合広い。また、人の目からも遠い者だ。シンジ達を受け入れ、
彼等をここで待たせたであろう職員を適当に推測し、感謝する。
そして、纔な感傷のあと、再びシンジ達に目を向けた。
「突然現われたって、どう言う事かしら、レイ?」
「そのままの意味です。朝起きたら、いました」
「でも、その前に夢は見たわよね」
アスカが、じゃれてくる娘をあやしながら、ポツリとつぶやく。
彼女にして見ればちょっとしたことだったのだろう。が、リツコの方はそれに嫌に興味
を示した。
「夢?」
「そ。最初に夢でこの子を見たのよ。で、起きたらすぐ側に居たってわけ」
「そう・・・」
何か思い当たることでもあるのか、そのまま黙って考えこんでしまう。
その沈黙が、シンジ達には不安に思えるのだった。
ハラハラと、子供達を見守るアスカ。そして、面には出さないが、やはり心配している
らしいレイ。
モニターに映し出される子供達の映像。それを、コントロール・ルームから見守り、デ
ータを収集している。シンジ達も、そのコントロール・ルーム内で、検査結果を待ってい
た。
検査結果。
状況は判ったものの、それだけでは何も判らない。
アスカが、猛烈に抗議する中、子供達は親から話され、いま、検査を受けている。
検査を受けるほうは、眠っていればいいだけだから、気楽なものだろう。親から離され
て不安はあるにしろだ。
が、親のシンジ達のほうは、一種滑稽なほど、心配し捲っている。特に見ていて面白い
のがアスカ。まだあの少女とは纔しか一緒に居ないはずなのに、本当の母親以上に心配し
ている。邪推をして見れば、自分が欲しかった愛情を、娘に向けているといったところだ
ろうか。
一方、レイの方は、落ち着いたものである。あくまで、表面的にだが。
三人の中で一番落ち着いているのは、やはり、シンジだ。アスカとレイの反応を見つめ、
時折感心したりする余裕がある。
「あら、あら、あら」
少し驚いたようなリツコの声。
それが、自分達の態度に向けられたものではないことに気が付き、アスカとレイがほぼ
同時に、リツコに食って掛かる。
「ちょっと、何よ。何があったのよ!!」
「何があったんですか?」
二人同時の詰問。
だが、リツコももう冷静さを取り戻している。
フッと、困ったような笑みを浮かべ、子供達を軽くあしらう。
「判ったのよ。原因がね」
「なによ!」「なに?」
またも同時に反応するアスカとレイ。アスカの方は面白くなさそうだが、レイの方はど
う思っていることやら。子供以外には感心がないようにも思える。
対比的な二人の反応に、検査直前にネルフ本部に戻されたマヤがクスリと笑う。
シンジも、二人の過度的な反応に肩をすくめるのみだ。
「まず、原因。昨日の実験のせいね」
「実験って・・・やっぱり!?」
夢で薬の存在を怪しみ、さらには、ずっとそれが気にかかっていたアスカ。
「あの、薬でしょう!」
「そうなるわ」
リツコは、アスカの反応を冷ややかに見つめている。
「それから、子供達。パターンが青だったわ」
「へ?」
これから、実験の失敗について文句を言おうとしていたアスカ。が、ポカンと口を開け
たまま、動かなくなる。
同じような反応は、レイにも見られた。リツコを見つめたまま、彼女も動かない。
「ど、どう言うことですか、リツコさん!!」
そんなアスカやレイに変わって、シンジが叫ぶ。
「パターンが青って・・・それって、『使徒』って事じゃぁ!」
「落ち着いてシンジ君。使徒とはまた、違うの」
「え?」
「ATフィールドが関知されただけなのよ、正確に言うと」
「ATフィールド?」
「そう。あの子達は、アスカとレイのATフィールドで出来ているの。もっと正確に言う
と、シンジ君、貴方のATフィールドでも出来ているけれどね」
リツコの淡々とした言葉。
それにシンジは愕然とするしかなかった。
三月@カノンの後書き
・・・うわぁ!!!!
またしても、恐ろしく長いものぉ!!
しかも、子供の正体やっちゃったよぅ。(正確には『さらにややこしくした』と言う)
うぅ、これで、カノンのこと『殺してやる!(×100)』って人が出て来るんだろうなぁ。
エグエグエエグゥ(;;)
さてさて、長く書くのはGUESSでもやってるから、いいとしよう。うん。
はぁ、しかし、リツコさん、めだったなぁ(^^;
ミサトさんは、書けなかったし・・・。
しかも・・・
『冬月副指令が出て居ないじゃないかぁ!!』(4倍角でお願いします)
まったく。オイラが書かずに誰が書く!!
でも、ま、いっかぁ。レイちゃん書けたし、アスカ様も書けたし(はーと)
さて、お次ですがぁ・・・
すいません〜〜〜〜〜〜(T_T)
後先考えずドンドン話を進めてしまいました〜〜〜(泣)
あ〜〜〜〜〜どうしよ〜〜〜〜う
(D.S.様のパクリです)(笑)
次は、ズバリ『鰹節様』、貴方です!
後は任せました、カノンのへっぽこをやっつけるようなもの、お願いしますねぇ!