『タイトル未定〜リレー小説〜』

第2回

作・みゃあ

 


 

リレー小説 第二回

 

 

浮かび上がる、そのイメージ。

 

レイは、その場所に立っていた。

 

何もない空間。

 

真っ白な空間。

 

空もない。

 

地平線も・・・・・ない。

 

そんな、大地とも大気とも判別のつかない場所に、彼女は立っていた。

 

しかし、ここは彼女にとって、さして痛痒を感じさせる所ではない。

 

なぜなら、ここは彼女がいつも見る夢の場所だからだ。

 

「・・・私のこころと同じ・・・」

 

レイはひとりごちる。

 

空虚さ。孤独さ。無機物的な匂い。

 

どれもなじみ深いものだ。

 

フワリ。

 

 

 

風もないのに、彼女の水色の髪が揺れた。

 

 

 

・・・・・・寂しく、ない?・・・・・・

 

何者かの声が問い掛ける。

 

「・・・・・・寂しく、ない・・・・・・」

 

レイは答える。

 

・・・・・・寂しく、ない?・・・・・・

 

「・・・・・・寂しく、ない・・・・・・」

 

ぽろり・・・・・・。

 

不意に、レイの紅玉の瞳から、涙のひとしずくが零れた。

 

「あれ・・・・・・?」

 

これは、なんだろう?

 

頬に触れてみる。・・・・・温かい。

 

「あれ・・・・・・?」

 

これは、なに?

 

その液体よりも、不可解に胸を圧迫する感覚が、レイを戸惑わせた。

 

 

何かが足りない。

 

漠然とした喪失感。

 

何かが足りない。

 

それが何なのか、分からない。

 

押し寄せてくる感情に、レイは無表情なまま、涙を流し続けた。

 

 

「・・・・・・碇、くん・・・・・・」

 

その名。

 

「碇・・・・・・くん」

 

その名!

 

その名を口にした瞬間、自身を襲っている喪失感の正体が分かったような気がした。

 

・・・・・・・ぉ・・・・・・・ぃ・・・・・・・・・。

 

「?」

 

声がしたような気がした。

 

・・・・・・お・・・・・・・・・い・・・・・・・・。

 

「・・・・・・誰?」

 

振り返ってみても、誰もいない。

 

錯覚だったのだろうか?

 

 

・・・・・・おーーーーー・・・・・い・・・・・・・。

 

「!」

 

確かに、聞こえた。

 

確かに・・・・・・。

 

 

「おーーーーい・・・・・・綾波・・・・・・」

 

レイは目を凝らす。

 

前方の、霧がかかっていたような空間に、人影が生まれた。

 

それが一体誰であるのか、レイには確認する必要もなかった。

 

「・・・・・・碇・・・くん・・・・・・」

 

そう認識した瞬間。

 

彼女の周りに世界が生まれた。

 

クリアブルーの空。

 

緑なす大地。

 

遠くに霞む海岸線。そして、そのまま連なる水平線・・・・・・。

 

大地には草花が芽吹き、林には鳥の鳴き声が響き出す。

 

淀んだ空気をさらう、さわやかな風が・・・・・・。

 

その薫る風に前髪をさらわれながら、シンジは歩み寄ってきた。

 

しかしレイは、シンジに注目していた為、その足元の影には気が付かない。

 

タタタタタっ!

たたたたたっ!

 

ぽふっ!ぽふっ!

 

「ママっ!!」

 

「?」

 

足元を見ると、小さな天使が二人、きらきらと輝く好奇心一杯の瞳を自分に向けていた。

 

水色の髪の男の子と、黒髪の女の子。

 

ふたりはひしっ、とレイのスカート越しに、その細い足にしがみつき、愛撫を待つ子犬のような表情をしていた。

 

「綾波・・・・・・」

 

いつの間にか、シンジは目の前にまで歩み寄っていた。

 

「碇くん・・・・・」

 

彼が笑顔を見せた・・・と思った瞬間、レイの意識は現実へと戻ってきた。

 

 

・・・・・・・・・。

 

・・・・・・・・・。

 

 

「・・・・・夢・・・・・」

 

いつものように、灰色の天井が目に飛び込んでくる。

 

無機質な部屋。

 

レイは起き上がろうとして、奇妙な感触に気づく。

 

「?」

 

彼女の腰には、しっかりと水色の髪の男の子と、黒髪の女の子がしがみついていた。

 

 

(つづく)


 

後書き・・・

 

ども、ご指名により(笑)みゃあです。

うははははっ!ここで引いてしまう私は外道!

この後どうしろっちゅうねん?(笑)

伏線は、あえて新しく作ってません。ホントはこの後まで書く予定だったのですが、

「これは次の人に書いてもらった方がきっと楽しい!(爆)」と思い、ここでペンを置きます。

さて・・・次の方ですが。

これは初めから決めておりました。

「DEADENDさま」次をお願いします。

・・・いきなり来るとは思わなかったですか?(笑)

でも、この後は是非是非、DEADENDさまに書いて頂きたいのです。

無理に長くしようとする必要はございません。

もちろん、無理にうまく書こうとする必要もございません。・・・だって初めからお上手ですもの。

期間も全然急ぐ必要はありません。

私は、明日が書けないし、週末はコメントやらなんやらで書けるか怪しかったもので、今日急いで

書いただけですので。

どうか、よろしくお願いいたします。


 

みゃあと偽・アスカ様(笑)の感想らしきもの。

 

 ご指名ですが(笑)、コメントはもうしばらくお待ちください。(^^ゞ

リレー2